OUR HOME ISLAND - いおうとう(硫黄島)

戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

今年の硫黄島訪問で初めて行った場所(2) バロン西の碑のある浜

2009年07月09日 | 硫黄島・小笠原村
5回目の訪問で初めて行ったバロン西の碑。

場所は、島の東の海岸にあります。
周回舗装道路から、段丘状の場所を車で降りて、海に近い低い
車が通れる未舗装道路をかなり進んで、碑の場所まで行きました。

「島を離れる時の小笠原丸で一周」でご紹介している様子の
順番で、小笠原丸から島を望む時の位置で表現しますと、
硫黄島の一番北を船が回るときには、擂鉢山が左右のどちらにも
見えない時間が短時間ありますが、その後に、また、擂鉢山が
視界の左側に現れ始めた時点、
そのぐらいの時間に船がいる位置が、バロン西の碑の沖合い
という感じでしょうか。
銀明水という場所の近くです。(度お世話になっております
「硫黄島写真館」ホームページから詳しい地図をご覧いただけます。)

一緒に行ったメンバーで碑の周りで写真を撮ったりしました。


その時に、私は、ふと、気がついたことがあり、驚いて、
近くにいた同行参加(私が三年連続参加のいずれの回も、
バスにも一緒でお世話になっている)小笠原村議会副議長に、
「この場所は不思議な場所ですね。」と、何に驚いているのかを
口に出したところ、副議長が、「気がつきましたか。それも、
皆さんを、この場所にお連れした理由の一つです。」とおっしゃいました。

この東海岸で、バロン西の碑を見た時に、
私たちから、実に幸運なことに、北硫黄島と南硫黄島の
両方が見えていたのです!
海を正面に左を見れば南硫黄、右側には北硫黄が見えました。

両方を同時に見れる地点は、硫黄島でも、バロン西の碑のあたり
しかありませんし、あの場所からでも、同時に両方が見れるかは、
天気、雲、もやの状況にもよるので、本当に幸運だったと思います。
感動しました。


昨年の6月訪問から戻っての、このブログの記事での
南硫黄島の紹介に、「運良く、好天に恵まれたので南硫黄まで
見ることができました。」という内容で紹介しましたが、
これまで、北硫黄まで見えたのは、私が訪問した中では
初めてでした。

船に宿泊したメンバーたちが、二日目の行程開始で合流の時に、
「今日は北硫黄も見える。」と言っているのを聞きました。

南硫黄島は火山のみ、おわんをひっくり返した形です。
一方の、北硫黄は、山がギザギザに二つ、
戦争激化で強制疎開まで、90人の人が住んでいた島です。

バロン西の碑は、ほぼ一直線にならぶ火山列島の硫黄島の
南北の両方が見える海岸、海に近い場所に、ひっそりとあります。

バロン西も、最期の場所には諸説があるようですが、この東の海岸には
いて、晴れた日には、「両方とも見える地点だ」と、気がついていたのでは
ないだろうか、と思いながら、海を見ました。

写真の中央よりやや右よりに突起した岩がありますが、その突起のところから左側に向かって海上にうっすらと見えるのが北硫黄島です。


コメント (1)
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