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たいせつなもの。すきなこと。

写真展*「写真家が捉えた 昭和のこども」

2015-05-28 | 展覧会・アート のこと



むかしのこどもの写真はいい。
全力で「生きてる」ことが伝わってくる。

全力で遊んで
全力でケンカして
全力で泣いて、笑って
全力で働く こどもたち。

名立たる写真家達による昭和のこどものいる風景を集めた写真展。

土門拳、植田正冶、桑原甲子雄、濱谷浩など
すきな写真家も勢ぞろい。

それにしても、こどもたちのありのままの時間の一瞬を
一番見事に切り取っているのは、やはり土門拳なんじゃないかな。

いい表情だなあって思って キャプションを見ると、ほとんどが土門拳の写真。

土門拳は、こどもたちにいきなりカメラを向けたりはせず、
こどもたちとまず接触し
カメラを触らせたりファインダーを覗かせたりして
すっかり仲良くなってから写真を撮っていた。
というようなことが作品のそばに記してあった。 なるほどなあ。。。

それでこどもたちの表情が身内を見てるみたいに屈託がないんだな。

以前にも、土門拳の写真展を見た時に感じたのだけれど
昔のこども同士ってとても密にくっついて遊んでいて
ひとりひとりの距離感を感じさせない。

現代のこどもは、なんだか「個」なイメージなんだな。
遊んでいても、それぞれのゲームに視線を落として
一緒にいるのに触れ合うことは少なく、個々なんだ。
ゲームや通信機器の普及の影響は甚大・・・。
まあ、人類の進化ってものは止められないのだろうけれど。

まだ約50年しか生きてないわたしですら、
自分の子ども時代を今のこどもにも味わせてあげたいものだなあ、
なんて思ってしまうくらいに、この30年余りでこどもの環境はすっかり様変わりしてしまった。

文明の進化の弊害を残念に思ってしまうよ。。。

大阪時代の小さい頃は、近所の子どもみんなで
道で「かごめ」とか「あぶくたったにえたった」とか
「はないちもんめ」とか してたなあ~。
家の前にゴザを敷いて、お母さんごっこやままごともたのしかったな。

小学校の頃めちゃ流行った「ゴム跳び」も毎日白熱したものだ。
あんなにオモシロイ遊びが廃れてしまったのはとても勿体の無いこと。
遊び場もふんだんにあったということなのよね。

しかし、遊びは変わっても、昔も今も子どものココロが本来ピュアなのは同じ。
周りのオトナは、子ども時代を存分に
子どもらしく過ごさせてあげる努力もしないとイケナイと思うよ。

先日、ベビーカーの赤ちゃんにスマホを持たせて
買い物をしている若いお母さんを見掛けた。
一歳になるかならないかくらいの赤ちゃんが
ベビーカーでスマホに見入ってタッチしている・・・。

う~~~ん。わたしにはわからん。
おとなしくしているからってスマホにお守はちょっと~~。
目にも脳にも情緒にも・・・ヨクナイのではないのか??
って思ってしまうわたしが古い?


物がなくてもボロを着てても
ちゃんと目が輝いてる昭和のこどもたち。

今もむかしも、きらきらした無垢の瞳に映り込むもの。。。

おとなは、よ~く考えなくてはいけませんねえ。



「写真家が捉えた 昭和のこども」展 川越市立美術館にて2015年6月14日まで。 

 


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