おいしいモンブランをひとくち 食べたとき。
おいしいごまめ(田作り)をこしらえたとき。
いいお湯のお風呂に浸かったとき。
あの花の香りを嗅いだとき。
日常のいろんな場面で
亡き母を想う。
ああ食べさせてあげたい。
ああ温泉に連れて行ってあげたいな。
母がすきだったものを
わたしはたくさん知っている。
きっと
すきなものが似ているのね。
同じ周波数の感度を持っているのだろう。
もうすぐ母が一番すきだった花が花屋さんに並ぶ季節。
遠いあの町で、
母が呼んでいるのかな。
叔父や叔母にもしばらく会っていないし、
あの町が呼んでいる ような気がするなぁ。
旅に出たくなる春。
母の生まれたあの町をふらっと訪れてみようかな。