時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

さよなら図書館

2010-02-26 | 本 のこと

この街で暮らすようになってもう17年。

よく足を運んだ、近くの図書館がもうすぐ閉館する。
新築のビルへ引っ越すだけなので
不自由はないのだけれど。。。

エレベーターもない古い文化会館の
4階にある小じんまりとした昔ながらの図書館が
わたしはすきだった。

よちよち歩きの子どもたちを励ましながら上った4階までの階段。

踊り場に動物の絵の小さな看板が置いてあり、
そこに向かって、その動物の足跡が階段に描いてある。
もうほとんど擦り切れてしまっているのだけれど、
きっと十数年以上前の図書館員さんが、
子どもが4階までがんばって階段を上る励みになるようにと
工夫を凝らして作ってくださったものなのだろう。

おかげで、お猿さんいるかな~?とか、次はだれかな~?
とか言いながら子どもと踊り場を目指していつも上っていた。
自分もおおきなお腹を抱えて、
息を切らしながら上った日々もあったなあ。

やっと4階につくと、いつも「図書館はアリさんの声だよ~」って囁いて、
小さな声で喋らせるのに苦労したものだ。

図書館は、たくさんの物語を内包する生き物のよう。
どの図書館も、その図書館だけが持つ、
そこにしかない独特の空気と時間がたゆたう。

今度の新しい図書館には、
また違った新しい時間が息づきはじめるのかな。

長いことおつかれさまでした。
たくさんの思い出をありがとう


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