時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

解体

2010-04-13 | 古い建物 のこと

家を建てる時って、なにやらいろいろ儀式があるけれど、
壊す時って、果してだれかが祈ってあげているのだろうか。

わたしは特定の宗教をもっていないけれど、
子どもの頃から、家にはそれぞれの神様がいると
教えられて育った。

母は、台所の流しに熱湯を流す時や
汚れた水を流すときなど、
「台所の神さん、ごめんなさい」って呪文のように
唱えてから流していた。

小さかった弟がお風呂場でおしっこをしちゃうような時は
「お風呂の神さんごめんなさい」って言わされていたっけ。

母もきっとおばあちゃんから受け継いだのだろうなあ。

昔のひとは、物にもこころがあると信じて、
敬う気持ちをたいせつにしていた。
だいじなことだよね。

いろんな神様の宿る家。。。

壊されゆく家は、
誰かに祈ってもらうべきだと思う。。。

住んでいたひとがこころから
ねぎらってあげるだけだっていい。

可哀想なのは、久しく住むひとのない家が
解体されるとき。。。
重機の大きなハサミで壊されていく時の音は、
まさに悲鳴のように哀しく響きわたるよ。



最新の画像もっと見る