公園の立ち枯れた一本の木の周りを雑草たちがまるで守るように取り囲んでいたのを見て以来、ずっと気になっていた木。
この冬、とうとう伐採されてしまった。
伐られたての痛々しい切り口に手をおいて
なんとも可哀想な気持ちになったのだったが…。
春、この切り株に赤ちゃんを座らせて写真を撮っている親子を遠くから見掛けた。
キャッキャと手を挙げてご機嫌な様子の赤ちゃん。
笑顔の若いお母さんと新米おばあちゃん。
やわらかなしあわせな空気がその一帯を包んでいて
赤ちゃんを乗せた切り株が
とても誇らし気にみえた。
第2の人生(人じゃないから、木生?)、おめでとう!と讃えたい気持ちになってしまうのだった。
あれから数ヶ月。
切り株としての貫禄も出てきて
わたしもあなたに腰掛けてみたくなったよ。
しばしの休憩、水をひとくち。