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【 CubeSatのアンテナとQSBについて考える ① 】 「KASHIWA」は、ISSから放出され、稼働を始めようとした時点では、アンテナが開かなかった。その後、何かしらの要因でアンテナが展開され、現在は正常に稼働している。千葉工業大学の次のCubeSatでは、この失敗を繰り返さないよう、入念にアンテナ展開のテストをしている様子が「X」の動画で紹介されていた。それを見て思ったこと一つ。CubeSatの多くは本体に巻き付けておいたバネ性のスチールエレメントが、そのロックが外れて飛び出す仕掛けになっている。その仕組みそのものは、問題ではないが、その後のエレメントの動きが気になる。外れた勢いのまま、スチールエレメントがぶらぶら動いて止まらないのである。この動き、果たして宇宙空間ではどうなのであろう。宇宙空間は無重力であり、空気抵抗も無い。バネ性スチールエレメントが自らの力で動き始めたら、その動きを止める要因は何もないのである。地上では重力もあり、空気抵抗もあるからバネで撥ねていたとしてもやがて止まる。KASHIWAの信号に相当なQSBがあるのは、飛行しながらアンテナエレメントが大きく揺れているためではなかろうか。これは素人の考察に過ぎず「そんなことはない」という答えがどこかにあるのかどうか。衛星の様子は地上からは見えない訳で、アンテナ部分を「動画自撮り」でもすれば分かるかも知れないが、そんなことに労力を使う余裕はCubeSatにはない。地上で「無重力・真空」のチャンバーでテストするなど、これまたそんな余裕はないのかも知れない。
それならば、衛星の回転によって偏波面が変わるので受信側アンテナの偏波面との一致、不一致によって
信号強度が変わることが考えられますから。
また、電離層を通過する際のファラデー回転ということもあり得ます。
それを防ぐために衛星通信では円偏波を使うことが多いですが、CubrSatではその点はどうなっているのでしょうか
CubeSatのV/U周波数帯アンテナは、直線偏波だと思います。Sバンド帯なりのパッチアンテナでは、その切り欠き位置によって右ないし左の円偏波としているようです。衛星の回転によって偏波面が変化することは知られており、受信側でCross八木などを使い偏波面の変化に対応しています。当方、今のところこれ以上の深い考察は出来得ませんのでご了承願います。今後の課題として勉強してみます。このBlogに目を留めていただいたことに感謝します。