My Graffiti Board

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二十年以上も前のNECのパソコンって その2

2006-08-05 19:29:15 | パソコン(PC)
 箱だけしかなかったNECのパソコンPC-8001mk2をガラクタの山の向こう側から発掘しました。しまい込んでから、だいぶ年月も経ていて擦り傷もありますが、まあまあ原形を留めていました。

 テンキーも付いていた

キーボードと言うか、キーそのモノとキー配列は初代のPC-8001と全く同じだと思いますが、四年ぶりのモデルチェンジでかなり機能拡張が図られ、奥行きが延び、持ち上げるとかなり重たくなったのが分かります。

初代機が鉄製だった筐体も樹脂製にかわり民生機器ぽくなった印象を強く感じます。
本当は初代機を買うつもりで秋葉原へ何度も通いPC店で色々と聞いて回ったり、自分に使いこなせるのか?疑心暗鬼になりつつも今度の週末には絶対買いに行くと決心しました。

しかし、その週に日本電気から新製品の発表があり、何と四万円も安くしてのモデルチェンジで、これを待つしかないと、はやる気持ちに待ったをかけました。

 キーボード一体型パソコン

暫くして予約を受け付けると聞き、秋葉原へ出かけPC店ではなく総合家電の大型店だった石丸電気へ向かいました。石丸電気は普段から家電製品の購入では通い慣れていましたし、PC店で何か難しい質問でもされると知識もなく恥ずかしいと思っただけなんですが・・・

 カラーアダプタでテレビがモニター代わりに

それから幾日か経ったある日、ようやく念願だったパソコンを手にしました。

正にその日が私の人生に於けるパソコン元年だったのですが、1983年のある日としか記憶に無く、今思えばこんな日を忘れてしまうとは情けないの一言です。

以来、PC-8001 → PC-8801 → PC9801 → PC-9821と歴代のNEC製を買い替え、日電大明神の庇護の元にありましたが、DOSVに転向した98NXでは、日電の辻じ説法に歯切れの悪さを感じ、姫リンゴ教に改宗、今日まで「I love Mac」と唱える平穏な毎日が続いています。

しかし、最新のマッキントッシュはWIN XPもブートするようになり、庇を貸して母屋を取られる恐れもあり、Back to WIN にならぬことを独り念じています。

 インターフェイスも充実

車載用のスピーカーがブラウン管に災いして

2006-08-04 12:29:15 | ラジオ(オーディオ)
 物置の整理の途中で出てきた車載用の小型スピーカー。元箱にキチンと納められ二十年ほど静かに眠っていたようです。



1980年代半ばのケンウッド製で、形の割にパワーがあり、ちょっとボリュームを上げると腹に響くような迫力に酔いしれていた時代がありました。
シッカリと音を聞くときは同じケンウッドの25cm/10cm/5cmの3-Wayの大きめサイズの箱の奴で聴きますが、何かしながら聴くときは専らこれでした。
その後、部屋の模様替えなどで居場所を失い、いつしか奥の方へ押し込まれていたようで、自分自身もその存在すら忘れていたほどの可哀想なスピーカーです。



車載用なのに、何故か机の下、足下に置かれていて、家具に囲まれるような状態ながら、そこの閉じられた空間が音場再生に効果があり?下から湧き上がる様に音が伝わってきました。スピーカーは3-Wayで、
Woofer 10cm
Mid-Range 4.5cm
Tweeter 2.5cm
瞬間最大入力は50Wながら重量は1.1kgと軽くコンパクトに出来ています。



車載用のスピーカーのパワーの源は駆動用の大きな磁石に因るところが大きいと思います。しかし、この磁石から出る強力な磁力線が思わぬところで災いの元になっていました。

デスクの足下にこのスピーカーを置き、省スペースにもなるし有り難いと思っていました。
それから数ヶ月が過ぎたある日、部屋の模様替えでデスク上に移動した一台のパソコンの電源をONすると、いつも見慣れたオープニング画面が歪んで、しかも発色もとんでもない色合いになりビックリしました。

最初は、パソコンが壊れたか?とドキドキしましたが、キーボードからの入力に対して、それなりに反応しているので、原因は別ではないかと推測しました。

何気なく足下のスピーカーを足先で動かしたところ、画面の状態が大きく変化することに気付き、直ぐに納得しました。今は液晶ディスプレーが一般的ですが、当時はブラウン管式モニターで、磁力線の影響をまともに受けていたようです。

ご存じの方もあると思いますが、ブラウン管の原理は磁力線により電子の流れを制御して画面を作っています。しかし、この場合は、外部から磁力線が影響して、ブラウン管内部の電子の流れが邪魔されて、正しく画面を表示出来ていなかった訳です。

それ故、やむなくスピーカーをその場から撤去する羽目になりました。

この場合、テレビでも同じ症状が発生したと思われますが、試すこともなく今日に至っています。現在、多くのご家庭では液晶式テレビかプラズマ式だと思われ、この様な症状にはならないと思いますが、未だブラウン管式をお使いの方は注意が必要です。そんなことを思い起こせば、このスピーカーの引退理由が今さらに分かった様な気がしています。

真空管式のAM/FMステレオレシーバーって

2006-08-02 12:29:15 | ラジオ(オーディオ)
 かって電子部品のキーパーツ的な存在だった真空管が姿を消してから久しく、真空管ってどんなものか?実物を見たことがない世代も多くなってきていると思います。

以下に真空管の画像を付けておきます。
真空管時代の後期に出てきたMT管(ミニチュア管)で、それまでのどれよりも小型に出来ていて性能、品質ともに優れていました。構造的には、下部にピンがありソケットに差し込むようになっています。

 MT管(ミニチュア管)で、高さは5~6cmが一般的

日本での真空管の全盛時代は、昭和二十年代初めから昭和四十年代前半だった様に記憶しています。ラジオや白黒テレビなど民生品を始め多くの産業機器にも使われた真空管ですが、ここではFMステレオレシーバーに使われた例をご紹介しておきます。

最初のトランジスタ式のFMステレオレシーバーが登場したのが昭和三十年代後半でしたが、昭和四十年代半に真空管時代は終わりました。

以下の画像は、トリオのAM/FMステレオレシーバーですが、フロントパネルには「AM-FM Stereo Multiplex Receiver」 と表示されています。
昭和四十年頃のモノとしてはハイグレイドなクラス、パネル幅は430mmのBTS仕様で現在のモノと同サイズですが、重量は二倍かもっと重いと思われます。

 トリオ(現ケンウッド)のFMステレオレシーバー

これには真空管(MT管)が16本使用されています。
この頃のラジオと言えば、五球スーパーが普及していた時代で、その名の通り五本の真空管が使われていました。ですから、16本が使用されていることから、それだけの機能強化と性能向上や安定性に重点が置かれたレシーバーだったと言えます。なお。五球の「球」は真空管のことで、初期の真空管は照明用の電球とその形状が似ていたため球と呼ばれたのだと思われます。

 五球スーパー、左が音量ツマミ、右が選局ツマミ
 五本の真空管が使用されているが内部はとてもシンプル

このFMステレオレシーバーを入手した昭和四十年(1965年)頃、東京で聴取できたFM放送は、NHK東京と実用化試験局としてのFM東海(後のFM東京、今はTFM(東京FM))の二局だけでした。

その頃は、両局とも既にステレオ試験放送を開始していて、当時の数少ない?FMリスナーはその高忠実度な再生音と立体感(臨場感)に毎晩聴き入っていました。それも本放送が始まるだいぶ前のことで、FM放送を聴けること自体がステイタスだった時代のように思い出されます。

余談ですが、当時のFM放送の開局までの経緯を簡単にご紹介しておきます。
NHKは、日本で初めての本格的な超短波放送(FM放送)の実験放送局として、東京、大阪など全国主要都市で昭和32年(1957年)に開局。昭和38年(1963年)12月16日にはNHK東京でステレオ試験放送を開始しました。なお、本放送開始は昭和44年(1969年)3月1日からでした。

一方、FM東海は昭和33年(1958年)に「東海大学超短波放送実験局」として放送を開始、昭和35年(1960年)には「東海大学超短波放送実用化試験局」として放送を続けました。そして、昭和38年(1963年)にはNHK東京と同時にステレオ試験放送開始。昭和45年(1970年)、ほかの出資元も増やした株式会社形式の民間放送に移行、関東初の民間FMラジオ放送としてのFM東京が誕生しました。

以下は、私のお宝(ガラクタ)のAM-FM Stereo Multiplex Receiverですが、真空管による機器の内部がどの様になっていたのかが垣間見えます。

シャーシーは二段構造になっています。
画像では上半分の右側から左へ高周波増幅部 → 周波数変換部 → 中間周波増幅部 → 検波部 → ステレオ復調部と直線的に真空管とコイルが列んでいます。
画像の下半分、出力トランスが二つと右側が電源トランスです。出力トランスの下側に低周波増幅部の真空管があり、左端の真空管はイコライザ部です。一番下の黒く細長いモノがバーアンテナ。


高周波部分のアップです。四角形の金属板の中にあるのが周波数可変用のバリコンです。円形のプーリーからダイアル指針を左右に動かす糸が見えています。


シャーシーを下側から見た内部の様子です。
真空管のソケットや、ラグ版、ボリューム、ロータリースイッチなどへ、コンデンサーや抵抗そして五色のビニール被服の銅線が要所要所で半田付けされています。


画像の右上にある円形のモノは周波数ダイアルの軸に付いたフライホイールです。鉛製で、ある程度の重量がありダイアルを回した時に慣性でスムーズに回る仕組みになっています。