夜空で、誰でも直ぐ目に付くのは、月は別として、金星、火星、木星、土星、いわゆる惑星だ。どれも、他の星々より極めて明るく輝き存在感がある。
天文現象にすごく興味を持っている訳でもないが、月と木星が接近したり、月と火星と木星が接近したりすると、誰しも気になるはずだ。
南天に見えていた三つ星が目印のオリオン座も、春の訪れと共に西の地平線に沈んで行った。それに代わり東の空からサソリ座が上がって来る。
毎年毎年、人間の目には不変の様な夜空が故に、普段は敢えて天を見上げることも無い。
それでも、晴天の夜空は意外に、たくさんの星々が見えて興味深い。
しかし、天文マニアでは無い自分には、五惑星はまあまあ分かるとしても、十二星座は名前を言えても、アレっと指さし出来る星は少ない。
見えた方角と時刻から星図で探すことになるが、知っている星の名だと思わずガッツポーズ、図星と言った方が的を射たコトバかも知れない。
そんな事もあって、最近、「星と星座をみつけよう」と言う本に巡り会い買ってしまった。
主立った星座とそれを構成する星の解説だ。星図と星々、それぞれの天空での位置関係とかを大きめの図で示している。解説の文章は簡潔で、しかも文字が大きく読み易い。
天文初心者用と言うか?小学校の上級生用とでも言った方が適当かも知れない。欲張らなくとも、ここで紹介されていることだけでも、夜空は十分楽しめそうだ。
立夏まで未だ十日もあるが、今宵の南天で、上弦の月と木星が寄り添うように明るく輝いていた。この時間帯、ショーウインドウは煌々と眩しく、ヘッドライトにも邪魔され、青天の夜空の星々は殆どが見え難い状態だったが、このシーンに、道行く人も、ちょっと足を止め、宙を見上げた。