こんなお天気のよい春の日に、
郊外へ花の配達を頼まれたら、
思わず小躍りしてしまう。
行き帰りの景色をながめる楽しみ、
新しい道を発見する楽しみ、
道草しすぎて、つい帰りが予定をオーバーしてしまう。
水が張られた田んぼの周りに
いろんな花が植えられていたり。
水田に映る空の色も、
その時間だけの表情を見せてくれたり。
かほく市の山あいの道に
突然あらわれる、安藤忠雄建築。
小さな町の、小さな小学校。
まるみを帯びた体育館は、
カイコの繭のイメージしているらしい。
田舎の風景にほのぼの溶け込んでいる。
河北潟干拓地の、桃農家も花盛り。
まだ穂の出ない麦畑とのコントラストが美しい。
車の窓を全開にして走っていると、
風が植物の香りと一緒に、
遠くで牛が鳴いたり、鳥が鳴いたり、
自然の息づかいを運んでくる。
ここが、金沢の中心から ほんの15分のところとは
きっと誰も信じないでしょうね。
道草しすぎて、はっと我にかえり、
最後はあわてて近道を突っ走ることになるのだ。
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