![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/70/0145d509309e69aeb50572977a1d7710.jpg)
レストラン「四知堂」を営むChenさんの朝は、新しい舞台の始まりのようだ。
昨夜のテーブルで繰り広げられた物語は、
すべて食されて終演。
夜が明けると、新しい素材を探し求めて、
今日の脚本を作らねばならない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/9b/16c15677f386aa6aa7201b01566f5f47.jpg)
台北市内に、古くから続く市場がいくつかあり、
Chenさんは、市場を渡り歩いて、その日の一番を買い求める。
忙しい朝の仕入れに、私は毎朝 同行させていただいた。
野菜、果物、魚介、肉、乾物、調味料、加工品 . . .
小さな専門店が軒を連ねる市場の風景は、
どこの国を旅しても、その土地の命の輝きだ。
色彩、匂い、交わされる言葉の響き。
エネルギーが満ち溢れている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/4a/4f215ee95f6e3aafff2a90b1f020fec4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/b3/e77873d2febdec3e179004ef30725d00.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9c/f22d70f474de56229577863f714f6e71.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/c2/7cc63fc917c0fe858d8c3de77f3310e6.jpg)
台湾は、一年を通して、食材の宝庫。
山も海も 豊穣で、あまたの旬の素材が、
時節に合う滋養を含んで、店頭に並んでいる。
例えば、一年中出まわるタケノコも、
季節ごとに細かく種類が異なるらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/27/12e9b786a3a0686f76dc451a90530a48.jpg)
上の写真のタケノコは、昨年7月の市場で出会ったもの。
この時期限定の、細くて味の濃いタケノコだった。
とれたての野菜も、種類が豊富。
1月は、ブロッコリーや白菜など、
日本の冬にも欠かせない野菜がたくさん売られているが、
種類もいろいろある上に、
芯の部分だけで売られていたり、
脇芽や、花のつぼみだけを集めて袋売りされていたり、
一つの野菜の成長段階で変化する様々な味を
使い分けている食文化の深さを感じた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/16/b2d4f1f517acfd7f62e7306dc85e1ffe.jpg)
さらに、Chenさんのこだわりは、
ハウス栽培や促成栽培などで作られる野菜には手を出さない、ということ。
つまり、本当の旬のもの、台湾産のものだけ、ということだ。
そして、もちろん無農薬で、化学肥料を使わない野菜であること。
丁寧に、手間ひまかけて、滋味あふれる野菜を育てる農家や
そういう野菜や果物だけを誠実に売る業者には、
決して値切ることなどしない。
高くても正当なお代を払うことで、
生産者がその営みを維持発展できるという信念があるから。
それは、私も花の仕入れで心得る事なので、
深く共感できる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/5e/4bf138997a24f98f29a52446349cfb4d.jpg)
そして海に囲まれた国、魚の新鮮なこと。
市場でまだ踊っているような艶。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/8b/2830235cb31297acce69ac8a186aafa3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/20/6b1e11c5c48e2239104562bca46d64ff.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/d2/93f5bf44613596227df1951dd08ac95f.jpg)
Chenさんのお店で、日替わりで出される魚介料理、
素材の新鮮さを生かして、蒸したり焼いたり、
良い塩で、あっさりと、魚の滋味を味わえるのが幸せ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/78/e0745a376c4fce40aacdfb1ec897a87c.jpg)
また、お肉料理も素晴らしい。
お店の人と、納得いくまで話し、
吟味して買い付ける。
そういうのが、市場の小さな専門店で買う、大きな利点。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/8d/ff8ed897faf3c5a7729e2267bb661219.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/f4/8826119748c79be2e6b33c16075530a9.jpg)
そして、台湾伝統の調味料も、厳選される。
日本の味噌や醤油のように、大豆などから作る発酵調味料もあるし、
小さな果実を塩漬けにして発酵させたもの、
その他干し野菜などを使ったものなど、料理によって使い分けられるようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/e9/fa64c2233332329e7cf08f27d8ddc123.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/b8/83636bfa4208a318ce1ef2742d863ce4.jpg)
このおじいさんは、自家製の調味料を自ら販売。
作る日と、売る日を分けて、週の半分だけ市場に立つ。
化学調味料や、保存料を一切使っていない、
本物の、伝統の調味料である。
これはどんな料理に合う、とか、
想像ふくらむ会話がまた楽しい。
Chenさんの、仕入れは、街の中心部にある市場にとどまらない。
ある日の午後は、もっと魚を求めて、車で1時間ほど郊外の漁港へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/b2/907d92bba368b018bafa17730a7a3d91.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/5d/ba86fc933baf1face07b3dcb653b0f57.jpg)
さらに、内陸の山の幸を探求する日に、しつこく同行させていただく。
台北から車で1時間半ほど、
「客家(はっか)」と呼ばれる血筋の人々が住む街へ。
Chenさんもその血を受け継ぐ一人である。
客家のルーツは、漢民族で、中国大陸から長年に渡って移住してきた人々。
歴史を辿ると、古代王家の末裔である、とも言われているそうだ。
その人たちが伝えてきた食文化が、息づいている。
お母様の故郷の、古い市場へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/81/6f6923a966fd75f291b66c4eb42632d5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/d3/d05608bdbcaf3ace1cdb297fed76afe5.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/73/da482fe6679fa5c527067bf2f7bf8ab5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/f2/8acad19b8f300d62539c6e4d3b2ce135.jpg)
次は、ご親戚の、小さな工場めぐり。
周囲で採れる、10種類以上のハーブを煮出し、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/60/7156a33067825053aa344b106c117643.jpg)
ゼリー状に固める。
薬効成分があり、また味は爽やかでほんのり甘く、美味しい。
夏、疲れた体に良いそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/e0/a38c8da7da7e19c7cf841f8e54df2f7a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/5b/d775e2bac7662f66f52f01ded48982dc.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/45/646e23d0b0e14d83fd3fe68d257da9f6.jpg)
台北の市場でも売られていたし、
Chenさんのお店では、食前の飲み物として、出して下さった。
小さな山間の工場で、脈々と受け継がれてきた。
そして、地酒の工場へも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/d9/e303795b403e8eddafac781e4ed84b07.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/eb/821fdc5ffb15aac74a9c8206d010c3cc.jpg)
お米から作られるお酒だが、日本酒とは違う製法だった。
試飲はしていないので、味は不明。
チェンさんは、料理に使うそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/88/c4d492c83721f2639380f6ba21473aa6.jpg)
そして、山の野外市場。
(すべて7月に撮影したもの)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/b7/3fdfc5742d4216ede3c049cbacd847b9.jpg)
味の濃い、台湾産のピーナッツ。
様々な瓜系の野菜。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/04/5073745e78ce46a4609c80366eb1bb38.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/e6/a1244f09b00f00138f806aca48742645.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/41/71ffc3eba56f0d36254e5fc7436427f5.jpg)
豊富な野菜やフルーツ類。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/3a/d41d4cf83e96715e98f44a953946698a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/ae/3e9482c800178acafd05be7dd3e01126.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/af/f5d52082204503237dbaf25a398a8530.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/33/ba6c8a1fb7c6e882196a39f0cfde2b96.jpg)
ショッキングピンクに熟した、ドラゴンフルーツと
まだ青い、未成熟のもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/13/1bf5617130474eb83883b1cc5c271482.jpg)
次の写真は、近辺で採れるオレンジをペースト状にしたもの。
そのままでも美味しいけれど、
料理のソースとして使うそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/e8/7919a3e74b28ffc328ac9c07c4e72406.jpg)
また台湾では、干し野菜がよく作られ、使用される。
キャベツやゴーヤ、大根などいろいろ。
自家製の干し野菜を売るお店。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/27/d804fb66b4bb36e3bd78c6d26ce1ca35.jpg)
Chenさんは、干し大根の5年もの、10年もの、さらにはなんと30年ものの
膨大なストックをしているそうだ。
年月が経つほど、味が深くなり、色も濃くなる。
30年ものの干し大根は、黒っぽい茶色で、
アサリと合わせてスープを作っていただいたが、
出汁をとらなくでも、素材から出る旨味が強く、
それはそれは深い味わいの、美味しいスープだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/39/c2334cf24d122e3e03e8972e4d26196e.jpg)
たくさんの食材の中から、
今日のベストを、妥協せず選び出し、
今日できうる最高の料理を作る。
レストランの開店時間ギリギリまで
Chenさんの探求はつづき、
同時に、頭の中は、創造が始まっている。
これとこれを組み合わせて、
こんな順番で、
あの器に盛り付けて、
どんな人たちに
どんなよろこびの舞台を作ろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/d3/65835c31516912707258673627e3503a.jpg)
ただ、お腹を満たすだけではない。
そこに物語があり、心が豊かなもので満たされる料理。
その舞台裏の、五感と体力を駆使した、エネルギッシュな過程を
垣間見させていただけた幸せ。
※ 掲載した写真は、2016年7月のものと、
2017年1月に撮影したものが混在しています。
さらに、Chenさんが撮影した写真も時折含まれていると思われますが、
特定しづらいので、記載しませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/6a/92a43a8bd814889f9496d6f08dad9518.jpg)
立春の朝、雛人形をいつもの場所に飾った。
16年前、この古い家に引っ越してすぐに出会った、
小さな焼き物の人形。
アトリエの中は、花の色彩であふれているので、
モノトーンの土色が、かえって存在感を増すように見える。
雛人形に、あfれるほどの花を生けてお供えした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/2d/a5eddee67b48b36dc42dfd4ce20b0fd7.jpg)
桃、桜、ラナンキュラス、スイートピー . . .
春の花ばかり。
花屋の2月は、春の花が一番美しい頃である。
3月よりも2月、良質の花がたくさんそろい、香りもまた格別。
光が弱い分、花は香りを強く放つのではないかと思う。
アトリエの中は、やわらかな色彩と
甘い香りにつつまれ、まるで楽園のよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/14/2fb3c07ceeceaec38be56e7bc4e89ec9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/5b/8ea4d449d8cc19decbdde00f2a258e0e.jpg)
台湾の首都、台北の中心部にありながら、
隠れ家のごとき、
台湾キュイジーヌ「四知堂」
オーナーの陳超文(Chao Wen Chen ) さんの
食、美術、空間、音楽、サービスなど、
総合芸術の世界を堪能できるレストランだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/e7/ebb17d2334ccbee2076ca9bb048f9d99.jpg)
まずここの建物は、台湾建築界の巨匠と言われる
建築家の自宅だったのだそうだ。
Chenさんは、もともとグラフィック、建築のデザイナーでもあるので、
自身のアイデアと感性で、一階をリノベーションし、
この美食の館を作り上げた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/8f/0bfd71a1033239b3f6f7522c65f4f6e7.jpg)
外から、お店と認識できるものは見当たらない。
目じるしといえば、小さな大理石の表札が、
植物の中で見え隠れしているだけ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/9d/fd0ee153269a99e1ef5a4b946cc43123.jpg)
緑のアプローチをくぐり、扉を開けると、
中にはいつも満杯のお客さん。
くつろいで、にぎやかに話を交わしながら
お料理を楽しんでいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/52/b4308e5f56b79e23a720ac657148addb.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/57/745b1974c08da476b86ce9fde0c282f0.jpg)
館内、いたるところに、絵画やアンティークの置物、家具
美しい照明、そして水槽に揺らぐ金魚 . . .
常に世界を旅するChenさんらしい、無国籍な魅力の空間。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/fa/467ac12457b8c5fcc2abc32dca5be92b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/d9/797c5b53fdc915c2546474bf6342ee89.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/80/b77d9498a5ef84f26154fc98d3f738ba.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/31/61efe1e2503933b3c4423e22bd38733f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e7/0a72d82fef1e07bfe7a11a635ae3fb86.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ee/cf4b3fdbf56d9fe29b3849ad111cf304.jpg)
Chenさんとの出会いは、ちょうど一年前の2月、
私の花屋に、突然入ってきたことから始まる。
外でタクシーを降りたのを見た時点で、
その神々しいまでの雰囲気に、私は興味津々だったのだけど、
戸を開けてから、待たせてあったタクシーで去るまでの
ほんの10分ほどの会話の中で、
初対面とは思えない、驚くほどの共感を覚えたのでした。
そして
Chenさんのことや、台湾のことを知りたい!
という熱い思いが湧いてきて、
その数ヶ月後の7月に、私は初めて台湾の地を踏むことになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/92/d1c420c37a3eea520e76eb4286863a5e.jpg)
Chenさんは、これまでにさまざまなタイプの飲食店を
10店ほどプロデュースしてきて、
どのお店も新しい感覚で、大人気店になったそうだ。
現在、経営に携わっているのは、台北市内に2件。
もう一軒は、よりカジュアルで、
カフェ利用もできるレストラン「四知堂Tua」
開店前のTua店内にて、Chenさん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/7a/a10c73899dc165e1068d713449a8b8f1.jpg)
また、音楽関係の会社で、数知れないレコードジャケットの
デザインもしてきたChenさんは、
当然、音楽にも造詣が深く、
店内のBGMは、多彩。
世界中のすばらしい音につつまれる。
ワインを飲む前に、気持ちよくて酔ってしまいそう。
地元の方々のみならず、世界中から予約が入るので、
さまざまな言語が飛び交うレストラン。
文化人のお客さんも多く見受けられ、
毎夜、ここで、食事をし会話を交わしながら、
何かが生まれる場としても大事な役目を果たしているようだった。
お客さんにお料理の説明をするChenさん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/a1/8399b0fba277bf356ae95862bbc2da49.jpg)
毎年、必ずワインの産地に赴いて、
料理に合う、おいしいお酒を仕入れてくるそうだ。
極上のオリーブオイルや、チーズなどもしかり。
つねに、より良いものを探し求めて
旅を続けている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/5c/1fd1f6e174a023520bfa9d640ec43644.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/39/f8bd681b7f678fa81c10611767de4986.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/08/a0981dc9207c44dd9c2a96c71e224743.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/6e/bac4955117cd3c345fa9411f0cd879d5.jpg)
お料理は、Chenさんが指揮をとり、
5〜6人の料理人がそれぞれの腕をふるう。
パティシエが作るデザートだけでも名店になりそうなレベル。
天然酵母のパン、もちろん自家製、
コーヒーの焙煎も行なっている。
食後のコーヒーが、これまた唸るほど、おいしいのだ。
お花を担当するスタッフも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/af/b59e93dc1f0e1c15f2b1c8cf9ab10dfd.jpg)
野菜、魚介、肉、果物、
すべての食材が、台湾産の旬のもの。
毎朝、Chenさんは市内の市場をまわり、
誠実な生産者から、料理の素材を仕入れている。
私は、滞在中、毎日その仕入れに同行させていただいたので、
いかに妥協なく、丁寧に食材選びをしているか、
よく知ることができた。
無農薬で力のある野菜、果物。
新鮮で質の良い肉魚類 . . .
伝統の調味料などもしかり。
生産者、販売者と、納得いくまで話し、
驚くべき判断力で買い付ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/1f/f8739d20bf842f0141ecc360856b1912.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/39/a07be746d442b1e8f496bd3366db6d42.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/d6/73a6242b77044f91a88bdade9efa6cac.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/49/67e9fe3949773b407983fd9373876a26.jpg)
あらゆる分野で、素晴らしい才能を発揮するChenさんのことを、
地元の人は「超人(スーパーマン)」と呼んだりするそうだ。
名前の「超文」にも由来している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/9f/8f537456d7290318d5137710d4c2b37e.jpg)
風に揺れる植物を、どの席からも感じられる。
差し込む光も、刻々と、美しい。
ここでは、つねに、何か美しいものがたゆたい、
うつろっていく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/35/5f7d9e7cd7a611a8e79465ae37485420.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/32/e0fd1a967a9cd5e5b800025678c56c45.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/af/0f110f05e72efe3377aba5401a18f75d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/b3/03732575448e959c9515f31d1b426365.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/43/8983c9a32e954f5c12bcc7431242ed17.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/23/9e90c3c445358a331c2255ce951854a3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/f7/d3568eaa1f062c8adcb97c3ee759443b.jpg)
決して、説明過多ではない。
食べていると、あ、と気づかされる。
見た目も美しいけれど、それ以上に、
奥行きのある味が、体の中に豊かに広がっていくのだ。
この緑の一皿は、究極なお料理だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/96/edf157b2ecbb5bca49b70552ea31cd1f.jpg)
5種類にも及ぶ ブロッコリーの、
太い芯の部分だけをスライスして使い、
アサリとひよこ豆を合わせて、あっさり蒸し炒めにしたもの。
パッと見に、とてもシンプルなのだが、
味わうと、その微妙な味の違いが、
複雑な美味しさとなって、口の中に広がっていくのだ。
これは、私が花で目指す世界そのものである、と気づいた。
似ているけど、少しニュアンスの違う色合い、表情を持った花々を
合わせると、最初は気づかなくても、
長時間見ていても飽きない美しさが表現できる。
緑の山にも、青い海にも、
単色ではない、繊細なグラデーションがあるから
惹きつけられるのだろう。
それを、Chenさんは料理で表してくれる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/39/c2334cf24d122e3e03e8972e4d26196e.jpg)
言葉はなくとも、たくさんのことが伝わってくる。
それは、食す人への愛情であり、
食材への敬意であると思う。
食事をすること。
そのために、あらゆることを丁寧に準備し、
整え、作り出し、
あたたかく迎える。
「食」を通して、ほんとうにたくさんのことを教えてくれたChenさんに
心からの感謝を申し上げます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/f7/4debda8032e2f3509f1507f11cdc7e96.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/ce/a892f5821c28dd85ccefd5685c2e7838.png)
静かな住宅街に、植物につつまれた建物。
小さな表札のみのお店。
門をくぐると、また緑。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/79/d979242276b7e5cafcf0eb7b8e798b72.png)
緑の中を進んで、扉を開けると
お茶を売る小さなお店。
気品ただよう、ご主人とマダムが迎えてくれた。
よく手入れされた植物の息吹き。
あるいは 室内のそこここに置かれた調度品の
美しい佇まい。
良い気に満たされて、いただくお茶の美味しいこと。
台北の街を歩いていると、人々がいかに植物を愛し、
共存していこうとしているかがよくわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/23/2de7856d6edc4797f5a1d66538cbd0e5.jpg)
少しのスペースにも、植物。
こまめに水やりをしていないと、すぐ枯れそうな場所にも . . .
そして、ビルの植木鉢から生えているような大木。
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素敵なカフェの外には、水の庭。
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建物が密集する静かな界隈に、
また ビルから生えているように見える木が目にとまり、
近づいてみたら、なんと木の中に
色とりどりの光が灯り、
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手作りのランプのお店。
作業台で集中していた男性が、手を止め、招き入れてくださった。
使われなくなったモノを組み合わせて、
新しい命を生み出す人。
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サクスフォーンやトランペットから、光。
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緑の館は、生き返った光のキノコの家だった。
ここにも、あたたかくて心地よい気が流れていた。
つづきは、やはり植物のよい香りに包まれた、
Chenさんのレストランについて書きます。