その日はあいにくのどしゃ降りでした。
仕方がありません、梅雨の真っ最中ですから。
それでも編集者の植林さんとカメラマンの西川さんは
私の奔放な行動に、果敢におつき合いくださいました。
3人で、金沢近郊の緑の中を駆け巡った一日の記録が、
現在発売中の「チルチンびと」(2012秋号)に載っています。
私の実家のある かほく市 は、金沢から車で40分ほど、
週に2、3度帰っては、庭仕事をしたりします。
その庭の、一年で一番手入れの行き届かない、
森のような状態を撮って頂きました。
「庭」と説明しなければ、
誰もが自然の森と思うでしょう。
雨の時期は花が少ないので、なおさらです。
黄色いオダマキが一本だけ、咲いていました。
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そのあとは、金沢のアトリエに向かう途中の
いつも私がしている " 道草 " を、一緒に体験です。
ここは「フランスの田舎道」。
メタセコイヤの並木の両側には、
刈り取られたあとの麦畑が広がっています。
そして「フィレンツェ郊外の青い花畑」。
しぼりたてのミルクで作ったソフトクリームをほおばりながら、
3人で「妄想の旅ごっこ」を楽しみました。
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はしゃいで ずぶぬれのまま、金沢のアトリエにもどり
普段の仕事風景やアトリエの花たちを
次々に撮って下さいました。
やはり梅雨時期、花の種類に乏しく
かなり野趣あふれる感じです。
このような機会をいただくと、
普段自分で意識しないでやっていることを
客観的に見る事ができます。
とても楽しく、勉強になるよい体験でした。
当初の予定より多くページをさいて下さって、
私の日常のことが、
8ページにわたる特集記事になりました。
編集者の植林さんは、多忙を極める日々の中、
一年間、この花ブログを読み続けて下さっていたので、
その文章は秀逸です。
とてもよく理解、共感して下さっています。
写真も いきいきとして 素晴らしいです。
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「チルチンびと」は、住宅雑誌の部類に入るそうですが、
特に天然素材を使い、丁寧に建てられた家や、
またそこに暮らす人々の、自然を軸にした
心豊かな日々のいとなみ、などが紹介されていて、
男女問わず、幅広い層に支持される本です。
この本を作るスタッフのみなさんが
時間をかけて取材し、丁寧に作っていく、
という姿勢で臨んでいらっしゃると思いました。
本から その志が伝わってきます。
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今回の表紙はこんな感じです。
本屋さんで見かけたら、ちょっと覗いてみて下さい。
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