梅雨の晴れ間の、暑い一日だった。
こんな時は、涼しげなガラスの器に、花や緑をさして
水も一緒に感じていたい。
昔から、ガラスの器が大好きで、
いつの間にか、棚に収まりきらないほどになっている。
金沢在住のガラス作家、井上美樹さんの
有機的で美しいフォルムの器に、
木イチゴの葉を生けてみた。
40㎝ほどの高さがあるので、
大振りで高さのある花や、枝ものも
ばさっと投げ入れして、楽しむことができる。
この蒸し暑い時期は、水が汚れやすく、
花もちも悪いといわれるが、
透明なガラス器は、水の汚れ具合もすぐ目につくし、
水換えのタイミングをはずさないので
花を長持ちさせることができる。
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また、梅雨の頃や台風が近づいている時などは
器の中の水の温度が上昇しやすいので、
できるだけ低温をキープできるガラスを選んだ方がよい。
ガラスの質によって、随分差が出てしまう。
経験上、気泡の入ったガラスは、水がすぐ温んで
花の痛みが早くなるように思う。
" 花の延命剤 " といわれるものが出回っているが、
私はあまりお薦めしない。
それを入れると水換えをしなくてよい、というが、
それを入れても水温は容赦なく上がるし、
第一、ほったらかしにする、ということにつながり、
植物は寂しくて、早く枯れてしまう。
手間がかかるようでも、夏場なら毎日、水を換えて、
声でもかけてやって(心の中からでも通じる)
花を気分よくさせてやることが大事。
これ、ほんとに大事。
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また水を換える際には、
必ずガラスの内側に着いたぬめりを取り除く。
私は、ブラシやスポンジが隅々まで届かない器は
使わないようにしている。
いろんな器を試してみて、
生けやすい形で、清潔を保てる器、
この基本条件を満たした上で、
美しいフォルムの器を求めてきた。
大迫友紀さんの器も、すばらしい。(上の写真)
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小さな瓶に生けるのも好き。
この家はもともと薬局だったので、
古い薬瓶がいろいろ残っていたのだが、
花の器として、毎日大活躍してくれる。
薬瓶は、さすがに中身が変質しないように工夫されているのか、
水が汚れにくくて、花に優しいようだ。
昔の手作りの瓶は、味があっていい。
これも時々、入荷するので店頭に出すのだが、
すぐにお嫁に行ってしまう。
大好きなガラスの器に花を生ける、という作品展。
いつか叶えたい夢の一つ、夏に実現できそうで、
今、わくわくしている。
詳細は追って。
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