語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


晩夏情景

2011年08月31日 | 心の花
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白い花を咲かす家

2011年08月28日 | 石川の四季
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金沢近郊の静かな町、

玄関先に純白の朝顔を咲かせている家があった。

小ぶりで、なんて美しい朝顔。




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前庭から奥の方へ続く庭には

野性味あふれる白百合の群生。

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白い花を咲かせる家は

どこか現実離れした、不思議なムードを漂わせていた。




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加倉井秀昭さんのガラス器

2011年08月25日 | 花の作品
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近所のギャラリー、コラボンで

加倉井秀昭さんのガラス器を衝動買いしてしまった。

遠い日のサーカスのような、少し哀愁帯びた風情。

で、なぜか和風にも洋風にもなる不思議な魅力。

庭のギボウシ、

そしてフロックスと続けて生けてみた。

あれこれ試してみたくなる器。


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海の幸山の幸、そして極上の珈琲

2011年08月19日 | 能登の花
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「大きなナメラが釣れたから、今日、遊びに来ませんか?」

奥能登、珠洲から届いた、朝一番のメールに嬉しくなり、

急いで小さな旅の支度を始めた。


夏休みに入ってちょうど二日目。

どこかへ行きたいな、という気持ちに直球だった。

誘ってくれたのは、敬愛する友人、

「二三味珈琲」の 葉子さん。


 ※二三味(にざみ)は葉子さんの名字(旧姓)
  結婚後、仙北屋(せんぼくや) さんに。

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夕方までに着けばよいので、

あちこち道草をしながら

能登半島の先端、珠洲の地を目指す。

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葉子さんの家に着くと

すでに夫の圭さんが炭火をおこし、夕げの準備に入っていた。

まだ小さい二人の愛息、二子くんと福くんが

そのお手伝いのまねごとをしている。


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圭さんが釣り上げた大きなナメラとイシダイ。

海にもぐって穫った貝類。

そして葉子さんの実家で収穫された

新鮮な夏野菜たち。

貝やナスやししとうを炭火で焼くのは子供たちに任せ、

魚をさばく圭さん。

刺身とムニエルが手際よく出来上がっていく。


こうして みんなで海の幸、山の幸をたらふく頂いた。

なんて幸せなうたげだろう。

買ったものはなにもない、というこの豊かさ。

そう、お金では買えない幸福が、ここにあるのだ。


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お腹が満たされたあと、

今夜は年に一度の地域のお祭り、ということで

夕涼みがてら出かける。

地元の人たちの太鼓や踊り、そして花火。

毎年、三発くらい上がるそうで、

みんながその瞬間を逃すまいと緊張して見守る。

ところが今年は二十発近くも上がり、

一発ごとの緊張も最高潮に達し、最後に大拍手。


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祭りが終わると、また静かな夜にもどり、

やがて鳥の鳴き声とともに、穏やかな朝を迎えた。












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朝方降った雨が清涼な風をもたらしてくれた。

広い窓から窓へ、草の香りが運ばれてくる。

花の香りも . . . なんの花だろう?


こんなに自然豊かで、人の心もあたたかい場所で

子育てができるなんて幸せなことだと、つくづく思う。



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この朝、葉子さんは仕事の前に、

近所のスイカ農家へ連れて行ってくれた。

よく話には聞いていたが、

それはほんとうに美味しいスイカだった。

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包丁を入れた途端に、パシッとはじけるように割れた。

甘みと水分がパンパンにつまっているから。

べとつかない甘さ。

細胞に浸透していくような、自然の甘み。





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このスイカを作る板谷儀博さんと話していると、

その実直でやさしいお人柄が

そのままスイカに表れているような気がした。

スイカが終わると、秋野菜、冬野菜と

豊穣の地は一年中、暇を与えてくれないようだ。




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私が二三味さんと出会ったのは10年ほど前で、

都会での修行を終え、

故郷の珠洲で珈琲豆の焙煎、お店をはじめて間もないころだった。


近くの温泉宿、さか本さんで出された一杯の珈琲が

あまりにも美味で、思わずその豆のことを質問したところ

「最近、東京からUターンしてきた女の子が作っているんです。」

と、快くその場所を教えて下さったのだ。


それにしても、こんな場所に、ほんとうにお店があるの?

と不安にかられるほどの道を行き、

たどり着いた海辺には、それらしい建物は見当たらないが、

辺り一面が 芳しい珈琲の香りにつつまれていた。

そして、目を凝らしてみないとわからないほどの

小さな看板が目にとまった。


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その看板の向こうには、

実家の舟小屋を改装したという小さなお店が。

周囲にとけ込みすぎる、あまりにも素朴な風情に

唖然としてしまった。


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うす暗い小屋の中をのぞくと、巨大な焙煎機。

そしてその横に、まだ20代半ばの小柄な女性が。

突然、訪ねてきた私に、驚いた様子で、

「どうしてここがわかったのですか?」

と言われたことを思い出す。

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そして淹れてくれた一杯の珈琲。

海を眺めながら味わうその珈琲。

こんなに味わい深く、やわらかな珈琲は生まれてはじめてだった。

午後三時にいただいた珈琲の余韻が

その夜まで続いたのだった。

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携帯電話も完全圏外の、この さいはてのような場所で

よくぞ商売をはじめたものだと驚いたが、

10年たった今、全国にその名を知られるようになり、

二三味さんの珈琲は、各地のカフェやレストランで

出されるようになった。

また日本中からこの地へ、珈琲を求めにくる人々と

地元の人々とが入り交じり、

静かだった海辺は

一転して人でにぎわう場所になっていった。










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そして数年前に、この舟小屋から少し離れた町の中に

素敵なカフェをオープンさせ、

舟小屋は、静かに焙煎をする作業場にもどった。







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同じ石川県に住んでいても、奥能登、珠洲は遠い地であり

二三味さんと出会うまでは、滅多に訪れない場所だった。


ところが今は、休みになれば

一杯の珈琲を飲みに出かけたくなる。

そして、葉子さんが珈琲豆を見つめ、

丁寧にお湯を注ぐ姿を拝むのが楽しみになった。


人気店になっても、その職人気質はそのままで、

豆への妥協のなさは、半端なものではない。

そして、田舎のゆるいリズムに流されず、

遠方から注文を受けた豆は、迅速に発送の準備をする。


彼女の姿を見ると、私も初心を忘れないようにしようと

決意をあらたにし、気持ちが引き締まる。

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葉子さんは、もともと珈琲のために故郷を出たわけではない。

最初は名パティシエのもとで、洋菓子の修行をしていた。


そこでお菓子にまつわる、お茶や珈琲の研究に波及するうちに

珈琲の世界に入っていったそうだ。

だからカフェで出されるケーキも絶品なのだ。

地元で穫れる完熟のフルーツなどを生かしたケーキ、

東京のグルメな友達も、うなりながら食べていた。















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珠洲は、いわゆる過疎の地だ。

全国の田舎と同じような問題もかかえている。

でも、二三味さんのような人が

こうして地域の人々に楽しみと希望を与えている。


故郷を誇りに思う人々も増えたことだろう。

何がほんとうの豊かさなのか、

ここにくると、はっきり見えてくる。


かつて この地にも、原発誘致の話が起こり、

かなり危ない情勢だったのだが

数年前に地元住民の意志統合で、その危機を免れた。

現実の厳しさを考えると、

自然環境を死守した珠洲の人々に

心から敬意を表したいと思う。


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豊かな気持ちにたっぷり満たされて金沢にもどり、

二三味珈琲の香りでその余韻を引き延ばしながら

今、これを書いている。
















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コメント (7)
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野性の白百合

2011年08月18日 | 能登の花
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真夏の奥能登へ。

道沿いの小さな場所や畑の隅っこ、

いたるところに場所を見つけて

この白い百合が咲く。




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風と光に身を任せて

思い思いの方向をみつめ、咲いている。

無垢でいて、たくましい花。


その凛とした姿は、やはり憧れ。




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