語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


黄色のファンファーレ

2010年03月30日 | 庭の花たち
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庭に ラッパ水仙が咲き始めた。

昨日の雪の名残と今朝の霜で、キンと冷えた空気の中に

明るい黄色のファンファーレが放たれる。


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その明るい音色に誘われて、

むくむくと起き上がってくる花たち。

クリスマスローズも 白、ピンク、紫、

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ゆっくり茎を伸ばして、目を開けた。

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無数の命の鼓動が、足下からしっかり伝わってくる。

いよいよ 春の幕開けだ。





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ラナンキュラスひらく

2010年03月26日 | アトリエから
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早春2月のはじめから桜が咲く頃まで、

飽きもせず買い続ける、ラナンキュラス。

今年もその花は、やわらかい光を放って咲き続けてくれた。



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「バラですか?」とよく問われる。

でもバラ科ではなく、キンポウゲ科に属する。

アネモネやトリカブトなどが同じキンポウゲ科。

一方で、桜やイチゴの花がバラ科なので、不思議がる人も多い。

そもそも花びらが多いのがバラ、という認識が、まず間違っている。



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学術的なことはさておき、

とにかく美しいラナンキュラス。


つぼみの時はころんとまるくて、

律儀に一枚ずつ、最後までひらいていく。


運動会で作った、うす紙の花のように、一枚ずつ、一枚ずつ. . .

うすくて、やわらかくて、

ひらひらと、春の光にとけていく。

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情熱の色のラナンキュラスでさえ、

無垢なやさしさを秘めて。

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ラナンキュラスを花瓶にさす時は、

どうか水を少なめに。

花の重みで折れることがあっても、

茎にワイヤーなどを入れ(茎はストロー状)、補強すれば

長~く楽しめます。


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海辺のやぶ椿の村

2010年03月17日 | 能登の花
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「いつか能登の薮椿の集落を訪ねてみて下さい。」

昔、知人から届いた年賀状に書かれてあった言葉。

休日の朝、目覚めたら晴天で、急に思い出したのだった。


さっそく電話して、場所を問うと、

小さな集落で観光地ではないし、説明しにくい場所だし. . .

といいながら、アーティストらしく、

絵を描くような言葉で説明をしてくれたので、

イメージした絵を思い浮かべながら、車を走らせた。

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そこは、能登の大島(おしま)という、海辺の集落である。

100件もないほどの小さな村に

無数のやぶ椿が茂り、ちょうど花の盛りを迎えていた。


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海のそばに、椿におおわれた神社があるという。

椿の大木が生い茂り、静謐な気がただよう場所。


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階段の上には、小さな拝殿と小さなほこらがある。

そのほこらは海に面し、3人の海女を祀ってあるという。

北九州に同じ信仰があり、

海づたいに繋がっていると感じる。


ほこらから、石の崖をおそるおそる降りてみる。

石畳の海岸。

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その石で作られた碑。


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能登の海は、荒れているイメージが先行しているが、

春から秋にかけて、お天気さえよければ、

とてもおだやかな表情を見せてくれる。


集落の中を散歩していると、

不思議な形の小屋が目に入ってきた。



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まわりの畑で作業するおじさんが、

昔、タバコの葉を乾燥させるのに使っていた小屋なのだと

話してくれた。

この集落では、90%ほどの家で、

タバコの栽培をしていたのだという。

でも、時代の流れとともに、現在は絶えてしまったと。


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家々のまわりに咲き誇る椿をたっぷり堪能し、

夕方の黄色い光がさすころ、

特別うっそうと椿が茂る、こんもりした場所があった。

ふと見ると、その中へ、小さな石の階段が続いている。

怖いもの見たさの好奇心で、椿の森へ入っていった。


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そこは、なんと小さな墓地だった。

知人が話していた美しい椿の墓地を、偶然見つけてしまった。

説明しにくい場所にあると言われていた。

そう、外からは、お墓がまったく見えないのだ。

ドームのようにお墓を囲うのは、すべてやぶ椿の大木。


暗闇に、したたる紅色の花。


椿は、あの世とこの世の境に咲く花のようだ。

花は土に落ちて、やがてまた新しい花をつける。


自然と共に暮らす人々は、命の波動を

こうして 身近な花や木や、海や風に合わせて

生きてきたのだ。


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落ちた椿に、すかさず糸を張りはじめた蜘蛛。

一筋の糸が、生命をつないでいく。

傾きかけた日が、その小さな いとなみも見逃さず、

やさしい光をあてた。


能登には、美しい場所がまだまだたくさんある。

時間のゆるす限り、また出かけてみよう。


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桜とリュートの夜~コンサート開催

2010年03月13日 | 作品展、コンサートなどのイベント
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天使の楽器ともいわれ、

中世ヨーロッパで、広く演奏されていたリュート。

紡ぎ出される音色は、ほんとうに繊細で美しく、

心を清め和やかにしてくれます。


桜の頃の4月4日、日曜日の夜、

花のアトリエを桜色にして、

リュートのコンサートを開催します。


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演奏してくださるのは 高本一郎さん。

日本では数少ないリュート奏者のお一人で、

国内外で活躍されています。


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  「桜とリュートの夜~高本一郎コンサート」

 日時:2010年4月4日(日) 18:30 開演(18:00 開場)

 料金:2,500円

 場所:花のアトリエ こすもす

     金沢市安江町5-14
     ?076-222-8720

  *お席に限りがございます。お早めにお申し込みを。


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桜色

2010年03月10日 | アトリエから
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夜更けまで降り続いた雪は、

また冷たい空気で街を包んでしまった。

春が待ちきれないから、かごいっぱいに桜を生けよう。


名匠のお酒を飲みながら、夜な夜な生けた桜は、

一緒に酔ってくれたような。










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