語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


忘れな草

2014年03月11日 | 心の花
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3年前の今日も、テーブルにこの花を飾っていた。

そして、毎年この日に合わせるように花市場にやってくる。

だから、私の祈りの花。

忘れな草

小さな青い花の集まりは、

一人ひとりの尊い魂に見えてくる。

そして、空の青、海の青。

忘れてはいけないよ、と 天からの声が聞こえる。

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3.11 忘れな草

2013年03月11日 | 心の花
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生かされていることに感謝して、

日々大事に生きていこう。

今年も自分にできることを。

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菊の花の披露宴

2012年09月21日 | 心の花
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9月の菊の節句に、

大切な友人、あかねさんの披露宴があった。

普段から、菊の花がことのほか好きなのは知っていたが、

菊づくしのしつらえは、高貴で美しくて

二人の感性と強い意志を感じさせてくれるものだった。







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“ 今日まで私たちを支えてくださった

多くの方々に深く感謝しております

まだまだ未熟な もとい

熟しすぎ 腐る寸前の二人ですが

これからも末永いお付き合いを

お願いいたします ” 

      (式次第 の挨拶文より)


出席者の緊張をほぐす、こんなユーモアは、

50代と60代の結婚だからこそ。

双方、二度目とのことで、

あかねさんにはすでに可愛いお孫さんがいる。

でもお二人の、生き生きとした美しい表情には、

理想の相手に出会えたよろこびと

人生の新しい展開への楽しみが満ちていた。


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あかねさんの髪には、

優しい色合いのピンポン菊が飾られていた。

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披露宴会場は、

金沢の老舗料亭「壽屋(ことぶきや)」さん。

金沢市の指定文化財にもなっている名店である。

重陽の宴のために、お床の花も菊づくし。


そして乾杯のお酒は

小さな花びら浮かぶ「菊酒」という趣向。



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このあとの手間ひまかけたお料理と美しい器は

言うに及ばず。

あかねさんがこの日のために、コツコツと作り続けてきた

陶製の箸置きも菊と菊葉の意匠。









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新郎新婦に合わせて列席者の年齢層も高いので

宴の雰囲気も落ち着いていて、

肩から力が抜けた楽しさだった。


みんなが心地よくゆるんだあたり、

主計町(かずえまち)芸妓の桃太郎さんが

美しい黒留袖で駆けつけ、

お祝いの踊りを舞った。

魂を込めた踊りとはまさにこれだった。











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桃太郎さんの髪にも

さりげなく、菊。






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あかねさんにとって、?月の菊花は、

特別の思い入れがあったようだ。

幼い頃亡くした父親、10代で亡くした親友、

いずれも?月。

菊は、父と友を弔った花なのだという。

父と友の魂と共に、この菊の宴を、

ずっと潤んでいたあかねさんの目には

いろんな思いがあふれていたのだろうな。


ほんとうに美しくて

純粋な思いが込められた宴だった。

この日から、菊の花は

私にとっても特別な花になった。

花はいつでも静かに

たくさんのことを伝えてくれる。





















Momo


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コメント (2)
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橋本雅也「殻のない種」

2012年05月08日 | 心の花
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  山を流れる一筋の沢が

  鹿の血で赤く染まった夜

  私の中に一粒の種が落ちた



  種はやがて芽を伸ばし

  光で満たされると

  いっせいに花を咲かせた

  ( 橋本雅也 作品集「殻のない種」より )


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彫刻家、橋本雅也さんの作品展が、

近くの禅寺、広誓寺(こうせいじ)で 先日 行われた。

橋本さんが彫った数点の花々は

かつて山を駈けていた一頭の鹿だった。

その骨や角をすべて使って、花を彫った。

橋本さんの苦しみ抜いた心に咲いた花たち。

骨や角だったと言われなければ気がつかないほど

精緻で繊細な花。

骨や角は曲げられないので、

そのままの形を生かして彫った。

骨から咲いた花たちの、柔和で気品ただよう表情は、

見る側の心まで清めてくれる。

それは、花の姿をした仏のようにも見えた。











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橋本さんは、もともと骨や角などを彫刻の材料にしてきたそうだが、

材料のもとの姿と ちゃんと対峙しなければ、

という思いが強まり、知り合いの猟師さんに頼んで

鹿猟に同行させてもらうことになった。


そしてその夜、一頭の雌鹿が撃ち殺された。

雌鹿のお腹には、もう一つの命が宿っており、

二つの鼓動が夜の冷気に消えていく様を

橋本さんは、目の当たりにすることになる。


その時の思いを、写真集「殻のない種」で

せつせつと綴っている。


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受け取った命を、自分なりの方法で生かしたい、

と思うものの、

すぐに彫り始めることはできなかったと . . .

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その夜、心の中に宿った種が

ある日、光に満たされて

一斉に花を咲かせた . . .


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私は橋本さんの作品を拝見して

どの花とも目が合わないことに気がついた。

思うに、とても謙虚な気持ちで、

自分を消して、ただひたすら

鹿への供養と、花に託す命を彫っていったのではないかと思った。

花が正面切って魅惑してこない。

つまり、「どうでしょう、きれいでしょう」

という感じではないのだ。

自然に咲く花が無心に命を燃やすように、

橋本さんの花も、媚びず、おごらず、咲いている。

私は身を正される思いだった。


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お寺の、座禅堂での展示がまたすばらしかった。

企画してくださった方々に心から感謝します。

































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ここに掲載した写真は、すべて私が撮ったものです。

橋本さんの作品集の写真は、格段に素晴らしいです。

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鎮魂花

2012年03月11日 | 心の花
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心を寄せ続けたい。

    . . . . . 忘れな草



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コメント (2)
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