語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


菊の花の披露宴

2012年09月21日 | 心の花
Photo

9月の菊の節句に、

大切な友人、あかねさんの披露宴があった。

普段から、菊の花がことのほか好きなのは知っていたが、

菊づくしのしつらえは、高貴で美しくて

二人の感性と強い意志を感じさせてくれるものだった。







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“ 今日まで私たちを支えてくださった

多くの方々に深く感謝しております

まだまだ未熟な もとい

熟しすぎ 腐る寸前の二人ですが

これからも末永いお付き合いを

お願いいたします ” 

      (式次第 の挨拶文より)


出席者の緊張をほぐす、こんなユーモアは、

50代と60代の結婚だからこそ。

双方、二度目とのことで、

あかねさんにはすでに可愛いお孫さんがいる。

でもお二人の、生き生きとした美しい表情には、

理想の相手に出会えたよろこびと

人生の新しい展開への楽しみが満ちていた。


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あかねさんの髪には、

優しい色合いのピンポン菊が飾られていた。

.

披露宴会場は、

金沢の老舗料亭「壽屋(ことぶきや)」さん。

金沢市の指定文化財にもなっている名店である。

重陽の宴のために、お床の花も菊づくし。


そして乾杯のお酒は

小さな花びら浮かぶ「菊酒」という趣向。



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このあとの手間ひまかけたお料理と美しい器は

言うに及ばず。

あかねさんがこの日のために、コツコツと作り続けてきた

陶製の箸置きも菊と菊葉の意匠。









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新郎新婦に合わせて列席者の年齢層も高いので

宴の雰囲気も落ち着いていて、

肩から力が抜けた楽しさだった。


みんなが心地よくゆるんだあたり、

主計町(かずえまち)芸妓の桃太郎さんが

美しい黒留袖で駆けつけ、

お祝いの踊りを舞った。

魂を込めた踊りとはまさにこれだった。











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桃太郎さんの髪にも

さりげなく、菊。






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あかねさんにとって、?月の菊花は、

特別の思い入れがあったようだ。

幼い頃亡くした父親、10代で亡くした親友、

いずれも?月。

菊は、父と友を弔った花なのだという。

父と友の魂と共に、この菊の宴を、

ずっと潤んでいたあかねさんの目には

いろんな思いがあふれていたのだろうな。


ほんとうに美しくて

純粋な思いが込められた宴だった。

この日から、菊の花は

私にとっても特別な花になった。

花はいつでも静かに

たくさんのことを伝えてくれる。





















Momo


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2 コメント

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はじめまして。サユリと申します。 (サユリ)
2012-09-23 12:57:29
はじめまして。サユリと申します。
いつもブログを拝見させていただいております。
綺麗なお写真と素敵な文章には、いつも本当に癒されております。

私は「あかねさん」に面識は無いのですが、作家活動や飲食店経営をされている、あの「あかねさん」ですよね?
私も壽屋で披露宴をしましたので、些細な縁を嬉しく思い、また、素敵な披露宴だったのだろうと余計に想像が膨らみました。
幸せそうなお写真に、こちらもほっこりとした気分です。

いつかこちらのブログにコメントさせていただきたいなぁ、と思っておりましたので、今日は思い切ってコメントさせていただきました。
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サユリさん、お言葉ありがとうございます。 (Unknown)
2012-09-23 15:37:13
サユリさん、お言葉ありがとうございます。
壽屋さんは品格といい美意識といい、すばらしい料亭ですね。
そのことをもっと書きたかったですが、
今回は、主題から広がりすぎてしまうので割愛しました。
サユリさんもここで披露宴あげられたのですね、
きっと季節ごとの魅力があるのでしょうね。
手間ひまかけた趣向も、派手なアトラクションではなくシンプルなものだけに、より心に響きました。

あかねさんは、あの浅野川のお店を再び拠点にしていくようです。
アーティストの表現の場になったり、いろんな人が集まるサロンになることと思います。これからが楽しみです。

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