立春の朝、雛人形をいつもの場所に飾った。
16年前、この古い家に引っ越してすぐに出会った、
小さな焼き物の人形。
アトリエの中は、花の色彩であふれているので、
モノトーンの土色が、かえって存在感を増すように見える。
雛人形に、あfれるほどの花を生けてお供えした。
桃、桜、ラナンキュラス、スイートピー . . .
春の花ばかり。
花屋の2月は、春の花が一番美しい頃である。
3月よりも2月、良質の花がたくさんそろい、香りもまた格別。
光が弱い分、花は香りを強く放つのではないかと思う。
アトリエの中は、やわらかな色彩と
甘い香りにつつまれ、まるで楽園のよう。