集落の道沿いにゆったりと広がり咲く
マリーゴールドや菊の花。
.
さざんかも開いては散り、
盛りの時期のエネルギーがほとばしる。
夏の終わりに訪れたお宿「さか本」さんは、
緑したたる世界から一転、
燃えるような色彩につつまれていた。
野の道のいろどりも美しい。
草の紅葉。
赤まんまの花のじゅうたん。
そして帰り道、日が西にかたむくころ、
乏しい光の中で弱々しくも光を集める小さな花が。
街道沿いの桜並木が一斉に花をつけている。
11月の後半にあたたかい日が続いたので、
勘違いをして咲いたのだろう。
まだ紅葉した葉を残したままの枝に、
能天気な花の精が、遊びに来ていた。
植物の営みは、
私たちが思うよりずっと大らかなのかもしれない。
いま咲きたいから咲く!
という勢いの桜に(もちろん春より貧相)
うん、とうなづいて帰ってきた。