若い頃観て気に入っていた映画をあらためて見直しました。
カテリーナ(ベーラ・アレントワ)、リュドミーラ(イリーナ・ムラビヨワ)、アントニーナ(ライサ・リャザノワ)の3人の女性の愛、夢、人生を、1960年代からの約20年間のモスクワの市民生活を背景に描いた作品。「モスクワは涙を信じない」は、「大都会は甘くない。泣いてもどうにもならない(誰も助けてくれない)」という意味のロシアの格言です。
それぞれ田舎から大都会モスクワに夢をもって出てきた3人は、女性労働者の寮で同じ部屋に寄宿する大の仲良し。カテリーナ(カーチャ)は見習いの単純機械工で努力型の才媛タイプですが、専門学校の資格試験に失敗し、落胆しています。リュドミーラ(リューダ)は何事にも明るく積極タイプで、いい男性を探しています。アントニーナ(トーシャ)は、性格のおとなしいタイプで、建設現場で仕上げ工をしています。カーチャはテレビ局のルドルフと結ばれ、子供もできますが、未婚の母になってしまいます。リューダは有名なサッカー選手と、そしてトーチャは控えめで誠実なニコライとそれぞれ結婚します。
20年後・・・。3者三様の人生がそこにありました。カーチャは女手ひとつで娘を育て、3000人の部下をもつ工場長になっていました。リューダは夫のセルゲイがアル中になって家庭崩壊、そして離婚。トーシャは平凡な結婚生活、しかし幸福な家庭を築いていました。
映画はこれでは終わりません(終われません)。ひと波乱、ふた波乱があります。
カーチャがニコライ・トーシャの農園に遊びに行った帰りの電車で個性的な男性ゴーシャ(アレクセイ・バターロフ)に出会います。それからの展開が大変です。
ひたむきに生き、恋にゆらぐ女性たちの気持ちを、あるときは激しく、あるときはナイーブに、情感をもって描いたヒューマニズムあふれる作品。
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