シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

アレクサンドル・ドヴジェンコ監督「大地(Земля)」(ソ連、1930年、87分)☆☆☆★★

2020-07-30 20:09:59 | ロシア・ソ連


今から90年前に製作されたサイレント映画です。ソ連映画の古典的傑作と言われています。

大自然と人間とのたたかいを背景に、農業集団化にのりだす農民とそれに抵抗する富農との対立が描かれています。絵画的で豊かな大自然描写と大胆な官能描写は、当時、世界を驚かせました。

舞台はウクライナの農村。富農の妬み深い息子ホーマーが悪の権化として、コルホーズ員ワシリーが善・美の象徴として登場します。

麦畑にそよぐ風、老人の死、実る果実、そこにやってくるトラクター。トラクターがいかに特別なものか、どういう役割を持ったものかが群衆となって現れる農民たちの行動によって示されます。農業にトラクターを入れるか否かで揉める様子がモンタージュ法で描かれます。

対立のなかホーマーはワシリーを卑怯な一弾で殺害します。一人、小舎でワシリーを待っていた婚約者は、絶望のあまり裸でのたうちまわります。
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