立教大学図書館から借りだして観ました。
ソクーロフ監督の作品は独特です。作品は映画とドキュメンタリーの両方の手法で撮られます。
モーツアルト(1756 -91)の「レクイエム」の演奏で始まり、合唱が続き、終わります。演奏はサンクト・ペテルブルク交響楽団、合唱するのは付属の聖歌隊です。
この「レクイエム」はモーツァルトの最後の作品。死によって未完のまま残されていたものを弟子のフランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤーが補筆完成したと言われます。ヴェルディ、フォーレの「レクイエム」とともに、「三大レクイエム」の一つに数えられることも。
会場はペテルブルク交響楽団小ホール。映画の冒頭、会場に集まった老若男女が映ります。カジュアルな服を着ている人がいれば、正装の人もいます。何か特別の出来事が始まる予感が漂っています。
ホールの照明が消え、舞台には修道僧のような黒装束の歌手たちが登場します。楽譜を手にゆったりと歩く姿は宗教儀式を連想させます。
ラストシーン、カメラは演奏直後の余韻を反芻する若い女性の横顔をとらえます。
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