社会主義建設が着々と進行しながら、他方ではスターリンの独裁体制が確立し、大粛清の嵐が吹き始める矛盾に満ちた1930年代後半の悲劇的家族の物語です。
舞台は1936年のモスクワ近郊。原題の「太陽に灼かれて」は作品のなかで歌われている歌詞の一節です。
ロシア革命の英雄コトフ大佐(ニキータ・ミハルコフ)、若妻・マルーシャ(インゲボルガ・ダプコウナイテ)、娘のナージャ(ナージャ・ミハルコフ)は、モスクワから少し離れた田園地帯の避暑地「芸術家村」で幸福な日々を送っていました。そこにサングラスの髭面老人に変装した旧
貴族階級の青年ディミトリ(オレグ・メーシコフ)がやってきます。
大佐の家族は、ディミトリとかつて家族同然に親交がありました。一家は再会を喜び、ナージャもなつきます。実は大佐の妻・マルーシャは,10年前にはディミトリの恋人でした。大佐はそのことを知っていました。
ディミトリは秘密警察の一員でした。なぜ今になってコトフ大佐の家族を訪れたのでしょうか?