シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

内田吐夢監督「飢餓海峡」(1965年)☆☆☆☆

2021-05-19 17:22:41 | 日本・1960年~


1954年(昭和29年)9月、勢力の強い台風が津軽海峡を襲い、青函連絡船・洞爺丸が沈没、1000人を超える死者・行方不明者を出した。ほぼ同じ頃、北海道岩内では大火が発生し、町の8割が焼失した。

作家の水上勉はこの2つの事件にヒントを得て小説「飢餓海峡」を執筆し、その映画化が本作品である。

映画では台風の時期は昭和22年9月20日に設定され、青函連絡船の名前は「層雲丸」となっている。

以下は本作品((原作の小説)の内容である。

この台風の最中、北海道岩内で質店一家3人が惨殺され、犯人は放火し姿を消した。直後青函連絡船の惨事が起き、船客530名の命が奪われた。死体収容にあたった函館警察の刑事弓坂(伴淳三郎)は、引取り手のない二つの死体に疑問をもつ。

弓坂は漁師からの聞き取り調査で消防団員と名のる大男・犬養(三国連太郎)が、連絡船の死体をひきあげるため、船を借りていった話を入手する。弓坂はこの男が二人の男(岩内の殺人犯)とともに海峡を渡ったと推測、青森県下北半島に足を延ばし、そこで船の焼却跡を発見した。犬飼がここに上陸したことはまちがいない。

犬飼は事件の直前、軽便電車で偶然に出会った杉戸八重(左幸子)と花街で再会し、一夜を共にする。翌朝、犬飼は彼女に大金を渡して立ち去り、その後、行方がわからなくなった。

弓坂刑事による殺人犯、犬飼の追跡捜査、そして10年後、東舞鶴で樽見京一郎の名前で食品工場を経営していた男のもとで働く書生と八重の不可思議な無理心中(?)。関係がありそうな2つの事件をめぐって、捜査は難航する。
コメント
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