
宮本輝による同名小説の映画化です。中年サラリーマンが母親から虐待を受けた子どもの世話をすることになり、人とのつながりや自らの過ちをかえりみ再生するドラマです。
遠間憲太郎(佐藤浩市)は仕事一筋のやり手ビジネスマン。離婚を経験し、娘・弥生(黒木華)と二人で武蔵中野界隈で暮らしています(原作は夙川)。
取引先のカメラ店の店長・富樫重蔵(西村雅彦)の家庭に離婚騒動がもちあがりトラブル。遠間がかけつけ、その後、互いに気心がしれ飲み友達になります。
遠間の心配の種は学生の弥生の様子。変な男とつきあっているかと思いきや、その男の妻(小池栄子)が息子の圭輔を虐待しているのをみて可愛そうに思い洗濯などを手伝っていたのでした。彼女はその子を一時的に家で面倒をみたいと申し出ます。遠間は難色を示しますが、受け入れます。圭輔はほとんど口がきけず、怪獣の縫いぐるみを抱いています。
遠間には気になる女性の存在がありました。陶器を販売している篠原貴志子(吉瀬美智子)です。店に足繁く通い陶芸作品を購入、会話が弾みます。
遠間の友人・鍵山(AKIRA)が遊びにきます。自作の写真集を観てもらいたかったからです。写真集のテーマはパキスタンの風景と人々の暮らし。藤間は写真に感動し、圭輔をつれて富樫と、そして貴志子も連れてパキスタン・フンザへの旅を実現しますが・・・。