スマイリーな毎日

笑う門には福来たる

「バットマン ビギンズ」

2005-06-23 | 映画
batman_begins

ブルース・ウェインは少年時代に、大富豪である自分の両親が目の前で殺されるのを目撃し、強いショックを受ける。
やがて父の遺した企業を受け継いだブルースだったが、以前井戸に落ちた時に襲われたコウモリに対する強いトラウマと親の仇への復讐心が消えることはなかった。
そこで彼は、自らの心の闇を見つめ直す旅に出る。いつしかヒマラヤのふもとへとやって来たブルース。そこでの経験が、彼を心の迷いから解放する。
そして彼は、ゴッサム・シティへと舞い戻ってきた。そこは、悪の組織と暴力がはびこり、腐敗が進んでいた。自らの使命に確信を持ったブルースは、バットマンとなり巨悪と対峙する道を選ぶのだった。

待ちに待ったバットマン、シリーズ第5弾。今回はタイトルからもわかる通り、ブルース・ウェインがいかにバットマンになるかというところに焦点を当てた内容になっている。時間的には、1作目のバットマン以前のお話になっている。
1、2作目のティム・バートン監督の描いたバットマンは好きだったが、その後監督が変わり、何か軽いノリの映画になってしまってあまり好きじゃなくなってしまっていた。
今作は、監督が「メメント」「インソムニア」のクリストファー・ノーランになったので期待は大きかった。

そしてついに公開されたバットマンは、僕の期待以上のでき。
今作では、今までのシリーズ作品のように個性的なキャラは出てこないが、その分、少年の頃に受けたコウモリに対する恐怖と両親の死からなかなか逃れられず悩み苦しむブルース・ウェインの心理描写がうまく描かれており、感情移入できるようになっている。

それに加えて役者が超豪華。
青年ブルースの苦悩をうまく演じたクリスチャン・ベイル、頼りがいのある執事アルフレッドを演じたマイケル・ケイン、苦悩するブルースを導く師ともいえる存在であるヘンリー・デュガードを演じたリーアム・ニーソン、悪徳蔓延るゴッサムシティーで正義感のある刑事を演じたゲイリー・オールドマン、それぞれのキャラクターや映画の中での位置付けがしっかりしているのも、この映画が素晴らしいものに仕上がっている一因だと思う。

ブルース・ウェインが悩み苦しむ普通の人間だったと同様、クリストファー・ノーランは、ゴッサムシティもリアリティ溢れる街に仕上げている。まるで、日常茶飯事のように犯罪が起こりニュースで流される、僕達の住んでいるこの現代世界と重なって見えてしょうがなかった。
そして、両親をチンピラに殺されたブルースを見ていると(この部分は1作目のバットマンと違っているところ、1作目では両親はジョーカーに殺されている)、犯罪者側の人権ばかりが取り上げられ、残された遺族の気持ちはないがしろにされている現代の社会制度のあり方を考えさせられる。
親の敵を討つのは、本当に正しい行動なのか、それとも復讐という自己満足に過ぎないのか、こういったところもなかなか考えさせられるところです。

「人は中身じゃなくて行動で決まる」
これが今回一番心に響いた台詞でした。すごい含蓄のある言葉です。

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