女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

総合職の中身

2021-06-10 | 日記

中村です。


現在自社の新卒採用活動中


ウチの会社では一般事務職採用はしておらず、女性も「総合職」
として担当分野を任せている。当然、男女の賃金格差はなく同
一。総合職の中身に関しては、文字通り総合的に「な~んでも
する
仕事」。具体的には「営業アシスタントとしてクライアン
トの採用活動をサポート」「ナビや入社案内、ホームページな
ど採用ツールの制作」「電話や来客応対他社内の様々な業務」
をベースに、できるなら、営業や研修に至るまでなんでもでき
るようになってほしい。と思っている。


大企業と違って多くの中小企業は、それぞれの社員が複数の役
割を担う。営業兼採用担当。事務職兼現場担当。など、それぞ
れの社員ができることを分担して総力戦で業務をこなす。それ
はウチも同じ。単独の役割しか果たさない社員はいない。


上記以外にもう一つ、女性総合職になんでもできるようになっ
てほしい理由…。


それは、



出産や育児を理由に一時期仕事から離れることになった時、な
んでもできたほうがスムーズな職場復帰が可能になる


出産や育児のための休暇は与えられた権利。誰に気兼ねするこ
となくとればいい。とは言え、企業側からすると、その女性が
優秀であればあるほど一定期間いなくなるのは痛手
そうでなくても一人がいろんな役割を兼務する中小企業であれ
ば尚更。担当していた仕事は別の社員に一から教えることにな
る。そして、ようやく仕事に慣れてきた頃、休暇期間が終わっ
て職場復帰。

その際、本人的には「以前の仕事・ポジション」に戻るのが理
想的だろうが、(単なる作業ならそれもありだが)責任ある仕
事では難しい。以前は自分の担当だったその仕事はすでに別の
社員の仕事。復帰してきたからと言って、「お疲れさん!もう
いいわ
とはいきにくい。
※自分が相手の立場だったら、そうでしょ!


中小企業は人の配置における融通がききにくく、その人がいる
限り、その仕事そのポジションの代替要員を確保しにくい。
これが中小企業で世代交代がスムーズにいきにくい理由。


そんな時「私、事務しかできないんですっではなく、い
ろんな業務ができれば、

「まずは時短で事務の補助から」

あるいは

「自宅でパンフレットの制作から」

もしくは(その日実家に子供見てもらえるんやったら)、

「新入社員研修担当する?」

と、できることから状況に合わせた仕事復帰が可能になる。
実際、新卒入社のウチの総合職はそうだった。


こういう話をすると、

「確かになんでもできるって魅力的ですね

と共感してくれる女子学生も多い。


でも、この(なんでもできる)状態に持っていくには、条件が
ある。自分の範囲を決めすぎずに、会社から投げられる様々な
「やってみるか」のボール(仕事)を「はい、やってみます」
と受け取り、引き受けた仕事を自らの責任においてやり遂げる
ための努力、責任感は必須。


これなくして「なんでもできる状態」は手に入らない


だからこそ、自分のためだけに時間を使える入社後しばらくの
間(結婚してパートナーができ、子供ができれば自分以外の人
のために嫌でも時間をとられる)、仕事の幅を広げてなんでも
できる自分になることに没頭してもええんちゃう


やっかいなのが、仕事に没頭すべきこの時期は、趣味、習い事、
飲み会、彼とデート等々…プライベートもやりたいことが一杯。
限られた時間の中で何を優先させるか?判断のモノサシがしっ
かりしていないと、その場の状況や気分に流されて中途半端な
時間を過ごすことになりかねない。

誤解がないように言っておくが、仕事一色の生活を勧めるつも
りは全くない。自分自身がそうだったように、遊びも恋愛もや
るならとことんやるべきだし、思いっきり没頭して得た経験値
が人間力の向上につながると思っている。

ただ、ここぞ!と言う時期場面で、趣味よりも仕事、
彼氏(とのデート)より部下(の指導)を躊躇することなく選
択。会社の一大事には急な休日出勤や残業も当たり前。という
価値観でなければ、

・「入社前に聞いていた話と違う」
 ⇒残業や休日出勤はないって聞いてたのに… 

 
・「休日出勤させられた」
 ⇒友達とフェスに行く予定だったのに…

と自分にとって不都合な状況を他責で捉え、不満が募るだけ。


選考で接する女子学生が、
「補助的な仕事じゃ物足りない。責任のある仕事をしたい」
「なんでもできる総合職に魅力を感じます」

と語る同じ熱量で、


ワークライフバランスが…
・残業や休日出勤が…
・時短や在宅勤務などの制度が…


と言われると、複雑な気持ちになる。

やりがいのある仕事にはもれなく責任がついてくる。その責
任という重圧の下で考え、工夫し、何度もチャレンジしてやり
遂げたからこそ得られる達成感や充実感=やりがい。


少なくとも私はそう思っている。


仕事を与える側からすると、責任の伴う仕事は、

そ・れ・な・りの人

にしか任せない。それなりの人とは、単に、仕事をそれなり
にこなす知識やスキルがある人ではなく、


・与えられた課題を自らの責任においてやり遂げる
・課題にぶち当たっても逃げない
・自分の都合を優先したり勝手な解釈をしない


上記をクリアしていることが条件。これらをクリアせずして、


・やりがいのある仕事を与えてもらえない
・自分なりに頑張っているのに評価してもらえない
⇒「自分軸」「他責」のスタンス



やりがいにつながる機会を設けようとすると、


・ワークライフバランスが…
・残業は…休日出勤は…



を理由に、腰が引けてしまうような人にチャンスを与える気に
はならない。厳しいようだけど、社会はそんなに甘くない。
厳しいことを乗り越える、少なくとも乗り越えようと努力する
人にしか、やりがいのある仕事は与えられない。そして、やり
がいを感じられる仕事でしか、(仕事を通じて得られる)自信、
評価、報酬は得られない。現在それぞれの会社でイキイキと働
いている、輝いている女性もこれらを乗り越えて現在があるこ
とを忘れないでほしい。