競争優位性

●経営方針

　「不動産の購入に際して、銀行からの融資を受ける場合に金利の問題があります。
前にもお話しましたとおり、銀行にとってメリットの多いお客様とさほどメリットのないお客様では貸し出し金利が変わってきます。

それと、似たようなもので、入居者の方が長く入居される予定とか、賃料支払いに対しての信頼性が高く見込まれるお客様から、賃料引き下げの要請があった場合など、どのように対処するかということは大きな問題です。」

「分かるような気がしますが、どうしてそうなるのでしょうか。」


「例えば、弊社で管理している賃貸マンションでは、『フリーレント1ヶ月』というキャンペーンを行なっています。

これは、5月31日までにご契約していただいたお客様がこれをご利用する場合は、2年間は途中での解約が無いという条件で1ヶ月分の賃料をおまけします。というものです。

つまり、賃料の24ヶ月分を23ヶ月分に値引いているのです。

こちらの期待は、数年間はお住まいいただきたいということを第一に望みながら、月々の賃料は引き下げないというところがポイントです。」


「なるほど、でも、それは実質的な値引きですよね。」

「○○さん、あなたには、今回の物件を購入して不動産賃貸業を事業として行なっていきたいということを確認させていただきました。」

「はい、そのつもりでいます。」

「では、少し質問をいたします。今回○○様にご紹介している物件は、現在のところ満室で稼動しています。これをどのように感じていますか？」


「う～ん、正直いって駅からの距離も1.1ｋｍという距離ですから遠くには感じませんが、近いとも言えませんね。

ただ、敷地が東南の角地ということで全室の日当りも良く、駐車場も全室分はありませんが17台置けるということ、そして、何よりもこの近隣では珍しいオートロック式の玄関ファサードがあることがよいのでしょうか。

今のようなことが、私自身の購入意志を固めた要因でもありますから。」


「そうですね。それらは物件の持っている特長ですよね。
ここで考えておきたいことは、この物件は、近隣の同様の物件に対して、どのような『競争優位性』を持っているのかということと、どのような『経営方針』に基づいて運営されているのか、ということです。」


「そういえば、あの物件はかなりきれいに掃除されているように思いました。
ワンルームと2ＤＫの混合タイプですから、その辺はずいぶん心配したのですが、目だったゴミも見当たりませんでした。

これまでにも、いくつか物件を見たりしたし、興味があるので散歩がてらいろんなアパートやマンションを見ていますが、あそこはその中でもきれいにされていたように感じます。」


「前にもお話したかと思いますが、この物件は、地元の旧地主さんの一族の方がお持ちになっているものです。

今回、不幸にも立て続けに祖父と祖母が亡くなり、相続税を納付するには一部の物件を処分しなければならないことから、泣く泣くこの物件を手放すことになったのです。」


「はい、そのようにうかがいました。」


「この物件を実質運営されている方は、現在大手エネルギー会社から退職したばかりの息子さんですが、相続人は他にもいて、遺産分割と納税で気苦労が耐えない状態です。

さいわいこの方は現役時代から賃貸業についてよく勉強されていて、その経営方針を明確にされていました。」



「それは、どんな内容なんでしょうか？」



◆今日の祈り

ご慈愛深い父なる御神様、あなたの豊かな恵みと祝福に心から感謝申しあげます。
主の御前にあって、愚かで弱く罪深いわたしですがどうかお許しくださいますように。
主の御恵みは、この愚かなしもべの上にあふれるほどに注がれています。

しもべは、主のご愛のなかにあって打ち続く困難と苦悩と焦燥にのた打ち回りながら、それでもなおこうして立つことが出来るのは、主の御約束によるものです。

主の御約束は真実であり、主ご自身がこれをくつがえされることは決してありません。

しかし、主よ、しもべは弱いのです。
苦悩は激しくしもべを痛めつけ、しもべの内臓は破裂せんばかりにもだえています。
どうか主よ、あなたの約束の実現を早めてください。
助けてください。

ただ、あなたに助けを祈り求めます。
尊き御子、主イエス・キリストの御名前を通して感謝してお祈り申しあげます。
アーメン