今テレビで見ている歴史ドラマは韓国歴史ドラマの「チョンドジョン」とNHK大河の「せごどん」
「チョン・・」は、先日長編が完結した、「せごどん」はいよいよ明治革命に向けて西郷が日本国の表舞台に立つ
「チョン・・」は今から750年ほど前に朝鮮半島で「高麗」を滅ぼして「朝鮮」建国したイソンゲとチョンドジョンの
革命タッグの物語
この中で、高麗の問題多き下級官僚だった「チョン」のセリフは一貫して、「虐げられている民の為の、民本位の
国を作る」である、そのために民の苦難の上で贅沢をむさぼっている高麗の王族、大臣、地主らを滅ぼして
民が最上位の国を作る、王は飾り物で良い、政治は官僚が行う。という物である
結局、朝鮮王朝になっても初志はチョンとイソンゲの死によって葬られ、チョンを暗殺した三代王「太宗」からは
高麗と変わらぬ民受難の国に戻ってしまう。
一方「せごどん」でも西郷のセリフ、「(琉球)の島々の民の暮らしは動物以下だ、政治を変えて民が人間らしい
暮らしができる、民の国にしなければならん」とチョンの物語と同じプロセスで革命を臭わせている。
実際のところ、どちらも本人の理想であったかどうかは眉唾だが、脚本家の考えは日韓同じだったと言える。
時代は違えど、西郷とチョンドジョンにはいくつか共通点がある、下級武士の子と下級役人
どちらも地方の権力者に可愛がられて表舞台に登場する。
その権力者の陰に回って、様々な工作陰謀によって権力者を助ける、そして最後に自分自身が最高権力者に
躍り出る。
そして最後は、共にに革命を果たした仲間の手によって、夢見た世界完結直前に殺されてしまう、そこまで同じ二人
そういう点では、ロシア革命のトロッキィも同じだろう、詳しくは知らないが
西郷は大久保(幼なじみ)に、チョンドジョンはイ.バンウォン(イ.ソンゲの五男)に、トロッキィはスターリンに殺された。
いずれも革命を成功させた仲間同士だった。
*チョンドジョン 朝鮮半島の王朝「高麗」(918-1392)末期、王は存在するだけで絶対権力者のイ.イニムが
政治を操っていた。 その頃の高麗は大陸の「元」に従属していたが、元の力が衰え、漢民族の「明」が巻き返してきた
高麗は、どちらに従属するか大問題になった、失敗すれば国は蹂躙されて奴隷国家となる
元との繋がりが強い王は「明」征伐を決断して、将軍イ.ソンゲ等を出兵させる
イ.ソンゲは今の北朝鮮あたりに勢力を張る軍閥だったが、中央のイ.イニムと仲が悪かった
イ.ソンゲは明と戦う事には反対だったので、敵地直前で反転して高麗の都に大軍を戻し、反逆を恐れた政府軍と交戦
これに勝利して政府軍の大将軍を殺して一躍権力者にのし上がったが、イ・イニムの策謀で都から自分の故郷に戻された
失意のイ.ソンゲの元に、野望たくましい下級役人チョン.ドジョンが現れて、高麗王朝打倒の易姓革命(王朝が別の姓の
王に代わる革命)をそそのかす。
革命は成功してイ.ソンゲは明の保護の元で朝鮮国を建国して初代王「太祖」となる、チョンドジョンはイ.イニムを刑死させて
太祖の元でイ.イニムにも勝る絶対権力者となった、しかも革命を共に戦った有力なイ.ソンゲの王子たちを排除して、
世子(次の王様)にイ.ソンゲの側妻が生んだ、幼い王子を擁立して太祖が認めた。
幼い王子を手中にすることで、イ.イニム同様、官僚による政権運営を企んだのである、そのために王子や有力者の私兵を
召し上げて、全て国軍に編入して自ら大将軍となって大昔、高句麗の領土だった遼東半島の奪還を企てる。
先妻の王子たちは反発して敵対する、特に5男のイ.バンウォンは野心満々で自分こそが王に相応しいと露骨に敵対する
バンウォンは仲間を集めて、ついにチョンドジョンと世子を暗殺する、失意の太祖は故郷に引きこもって、バンウォンの使いを
ことごとく切り捨てて、バンウォンを王と認めようとしなかった。
しかし太祖が死に2代目の王に2男が2年間だけ就いた後、バンウォンは3代王「太宗」となって朝鮮520年の礎を築いた。