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 神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


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天災と人災

2018年09月08日 08時39分46秒 | 自然災害

児島襄さんの「日露戦争」は、対ロシア帝国との戦争の影が濃くなり、満州やシベリアでの酷寒地での戦争を念頭においた

青森と弘前の連隊の雪中行軍の訓練の惨劇から始まる

少数精鋭で完全装備を心がけ、地元案内人を高額で雇い入れ、体力温存を第一に心がけた弘前隊は十和田湖を

周り、最後の難所八甲田山も踏破した

しかし210名で挑んだ青森連隊は、八甲田山から入り、わずか数十㎞の行程なので、その日のうちに目的地に到達して

温泉旅館で旨い酒でも飲もう」くらいの油断があったがために、この行軍は第一日から吹雪の中で道に迷い、右往左往して

五日間ほど八甲田山中を彷徨い、199名が凍死した

この明治時代の惨劇は新田次郎さんも「八甲田山死の彷徨」という小説に書いた、高倉健、北大路欣也主演で映画化もされた

児島さんは、この冒頭で「天災は人災を呼び、人災は天災を招く」と書いている

天災と言えば、冬の豪雪災害、中国地方の豪雨土砂崩れ、この夏の2ヶ月にわたる異常酷暑、そしてこの度の大阪での

台風21号災害、そして北海道初の震度7胆振大地震と数ヶ月の間に相次いだ。

天災と人災は全くの別物である、だが天災が人の準備ミスや判断ミスによって、より大きな犠牲を生んでしまうことがある

これが人災である、だからこそ天災と人災が無縁とは言い切れず、これが児島さんの冒頭文に繋がる。

新潟県で140棟が全焼した火災は、一日吹き続けた南の暴風という自然条件の下で、飲食店主がガスコンロに火をつけたまま

外出したために起きた大災害だった

また、高校生がスキー場で冬山訓練中に雪崩に巻き込まれて大勢亡くなったのも、スキー場という言わば安全安心の場所での

油断とリーダーの判断ミスでおこった、自然災害+判断ミス=人災

この度の重なった自然大災害も、過去という判断基準で多少の安心感はあったと思う、地震はともかく台風は数日前から

進路も20年に一度くらいの暴風台風というのもわかっていたのだ、ところが風で車やトラック、倉庫まで軽々飛ばされて

しまうとは誰も考えていなかった

タンカーが流されて、関空の連絡橋を破壊するなんて・・・・また、それで関空の中に閉じ込められて大阪にさえ行けないなんて

誰も思わなかった。過去の経験や基準は今後ますますあてにならなくなっていくだろう

人間の力などはいかにも小さい、政府が自衛隊が何とかしてくれるだろうだけではダメだ、東京大地震がおこればどうなる?

映画ではもうそうしたパニックが幾つも描かれた。 最後は個人個人の備えと判断が重要になってくる

北海道の山沿いの村々が、山崩れに飲み込まれた。 先祖代々こんなことは無かったから住み続けていたのだろうが

例えば2000年に一度であれ、おこる可能性はあるのだということを我々は肝に命じなければならない

今年の大災害は過去の基準では、はかれないほど、悪質凶暴になっている、自民党総裁選挙での運動はさすがに自粛して

ホッとしたが、国家も台風並みに揺らいでいる、障碍者雇用水増し事件の先頭を走ったのは事もあろうに立法、司法などの

国の機関のほとんどだった。

医大の不正から、細かなものでは遅刻して170kmで高速をぶっ飛ばした若い女性警官、国家の威信をかけたスポーツ界での

次々に出てくる不正と暴力とパワハラ問題

天災ではないが、「天」というものが本当に存在するのなら、この相次ぐ天災は天啓といえるかもしれない。