(77)レクサス
四百字詰原稿用紙換算13枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
宮田卓也(50)ポワ―とした天然。一見サラリーマン風で男前ではない。
三田聖子(28)美人。ぶっ飛んだ性格。
久美子(45)卓也の元妻で妖艶な熟女。
探偵(30)
陽子(35) 165㎝。男好きのする上品な美人で下着メーカーの社員。
栗栖(18)3年生。2mの巨人で恐ろしい人相。
舞(18)165㎝。3年生。ごく普通顔。
N=ナレーション
卓也宅の外観に、
N『それから一週間後――』
卓也宅マンションのエントランスに入ってゆく聖子を車内から探偵(30)が見ている。
探偵の顔のアップ。
卓也宅のドアの前でチャイムを押し、
聖子(な~んか穏やかそうで心の琴線に触れるキャラなんだよね~)
ガチャとドアが開く。
ドアを開けて無表情で聖子を見て、
卓也「・・・またシャワー?」
顔を凍りつかせ、
聖子「・・・心がヒューッと凍ったぞ・・・」
聖子「もっと他に言いようが無いのか?おい!」
聖子、きちんと揃えたハイヒールに気付く。
床に座って奥からこっちを見ている久美子(45)に気づき、
聖子「あの妖艶なマダムはだれ?・・・」
玄関に来て卓也に、
久美子「そんなとこで立ち話もなんだし中に入って頂いたら?」N『久美子、45歳。卓也の元妻』
天井或いは眠ってる猫の絵。
床に座って久美子を凝視し、
聖子(艶やかな髪に豊かさが滲み出てて有閑マダム丸出し・・・)
聖子(ぜったいフランス製の黒いレースのパンツ履いてる・・・)
聖子、ばっと顔を床につけて久美子の股間を覗く(久美子平然)。
黒いレースのパンツを履いた股間の絵に聖子の呟き、
(やっぱり・・・)
卓也に怒ったように、
聖子「この人だれっ!」
久美子「(微笑み)あらあら、鼻を膨らませて可愛いお嬢さんだこと」
むっとして卓也に、
聖子「だれなのか説明してっ!」
卓也「別れた妻だけど何怒ってんの?」
久美子「(微笑み)こんな優柔不断な男に興味をもつなんて貴女も奇特な人ねー」
はっとし、
聖子「微妙に反応が鈍いのは優柔不断だからなんだ・・・」
聖子「それで納得した」
卓也「(むっとし)チョー微妙な君に言われたくないね」
久美子に、
聖子「顔勃起の超美人が何故こんなパッとしない人と結婚したんですか~?」
久美子「(微笑み)そうねえ~・・・」
久美子「もう当時の記憶はないけどきっと魔が差したんでしょうね~」
久美子「貴女はどうやって夫をたぶらかしたの?」
卓也「もう夫じゃない!探偵に家を探させたんだろうがもうほっといてくれよ」
久美子に、
聖子「そうだそうだ、離婚したのに何故ここにいるんですかー?!」
卓也「(聖子に)ちょっと君はぼくの何なの?」
聖子「え?運命の女だけど・・・」
久美子「(微笑み)あなた情緒不安定でさぞや波乱万丈の人生なんでしょうね?」
聖子「(怒り)もおぉぉぉ、2人して私を馬鹿にしてーー」
聖子「もう別れる!永久に顔見たくない。ふんだ」と立ち上がる。
聖子「(玄関で)さよなら」と言うのを卓也と久美子が無表情で見ている。
だーっと走って来て床を叩き、
聖子「ちょっとー、なんで止めてくんないのよおおおお」
久美子「思うがままに感情を噴出させてさぞや楽チンでしょ?」「私もそんな生き方してみたいわ」
聖子「え?・・・」
久美子「あなたはきっと感情を抑制する弁が飛んでるのね。私もマネしていい?」
聖子「あ・・・どうぞ・・・」
卓也に、
久美子「浮気したのは不倫の背徳感に痺れただけで本当に愛してるのは貴男だけだからもう許してよーーっ!」
卓也、聖子、あ然。
久美子「ああ、すっきりした・・・」
聖子「ちょっと聞いてえぇぇぇぇ」
聖子「昔の私はどうしてあんなにアホだったのかとものすごく後悔してる」
聖子「でも今はちょっとは成長したし、おじさんが動けなくなったら私が介護するって決心したんだから」
卓也、久美子、あ然。
久美子に、
聖子「教えて!私が来る前にした?」
久美子「そのつもりだったけど貴女の劇的な登場で諦めたわ」
ため息をついて立ち上がり、
久美子「予期せぬ闖入者のおかげで面白かったー。今日のところは失礼するわね~」
玄関でヒールを履く久美子の後ろ姿。
久美子の後ろに這いつくばって股間を覗き、
聖子「私もレースの黒いパンツが似合う女になりたいな・・・」
背を向けたまま無言、
久美子「・・・」
突如くるっと振り向き、おどけ顔で、
久美子「そんなん知らんがな~」
慄然とする聖子に、
久美子「ジョーダンよ。貴女のリアクションをまねてみただけ」
聖子、ガチャと閉まったドアをムッとして見る。
聖子「な~んかモヤッとするから叫んでみようかな~」
ドアから顔を出して、
聖子「離婚されたのは間男に股を開きまくった天罰で自業自得ですからねーー」
エレベーターの前でむっとして振り向き、
久美子(チっ、小娘が。憶えてなさいよ)
室内で正坐して卓也を見つめ、
聖子「さて二人きりになっちゃったね~」
卓也「今日はいい匂いするね」
聖子「あの時は制汗剤を忘れて焦った。今日は盛大にクンクンしても大丈夫だよ」
卓也「僕は50歳で子種がないの」
ポカンとして、
聖子「・・・だから?」
卓也「だからエキセントリックな君との接点も無いと思うんだけど」
聖子「私は28歳。子供ができない訳有物件だけど互いに繁殖できない所が接点かと・・・」
聖子「今日の日は残りの人生の最初の日・・・」
聖子「ええ言葉やと思わへん~?」
卓也「(無表情)せやな」
聖子「(むっとして)私をおちょくってる?」
卓也「(首をこりこり曲げ)肩凝った」
嬉々として、
聖子「はいっ」と立ち上がる。
嬉々として卓也の肩を揉み、
聖子「旦さん、えらい凝ってはりますね~」
卓也「脱げ!」
恥らって頷き、
聖子「・・・はい・・・」
恥らってミニのファスナーを降ろし、
聖子「こんなにうちを夢中にさせてもうかなん人やわ~」
聖子「一度うちの味を知ったらもう手放せんようになりますえ旦さん」
卓也「もういい。飽きた」
聖子、途中までパンツを降ろしたままあ然とする。
聖子「飽きた・・・?」(このトッチャん坊やがぶっ殺すぞ!)
卓也「うん僕、なにかにつけて飽きっぽいの」
卓也「君、住まいは?」
聖子「毎日替わる」
卓也「そう言うのもう飽きたんだよ~」
聖子「マジだよ。飛び込みでデリヘルやって、ピピッときた客の家に泊まるから」
聖子「この間は引きとめてくれなかったから次の客探すのに苦労したよ」
卓也「実にユニークな生き方だね。荷物はどうしてるの?」
聖子「貸倉庫に全部入れてるよ」
卓也「なんか憧れるな~そおゆうコンパクトな生活」
卓也、ぼーと宙を見る。
その卓也を見つめ、
聖子「もしかしたら・・・」
聖子「裏切った妻が実は生涯最高の女で、その後、女を変える度にレベルが下がってくんじゃないかと不安に思ってない?」
卓也、首をかしげて考える。
聖子「考えなくてもいい!」
聖子「私は絶対に裏切らないし後悔させません!それだけは言っておきます」
卓也「(手を挙げ)質問」
聖子「はい、どうぞ」
卓也「夏なら腋ガは口実になるけど冬は何て言うの?」
聖子「お得意さんだけで1年回るから心配ないよ」
聖子「腋ガネタは新規開拓のときだけね」
卓也「身体を売るほど生活に困ってるの?」
聖子「全然」
聖子「不動産収入が年に八百万ほどあるし」
スクッと立ち上がり、
卓也「黒いレースのパンツ買いにいく?」
聖子「(呆れ)・・・あのさ~」
聖子「私は分かってるけど、おじさんは自分の唐突さを自覚してる?」
卓也「ぼくね~妻に裏切られて心が壊れちゃったんだよね」
卓也「多分一生回復しないと思う・・・」
聖子、あ然。
卓也「ぼく、君のマネージャーやりたいな」
聖子「ダメ!」
聖子「デリヘルからきっぱり足を洗っておじさんの介護をする事に決めたんだから」
卓也「僕をどうやって食べさせるつもり?」
聖子「不動産収入の範囲内でなんとかやりくりします!」
空の絵。
マンションから出てきた二人を少し離れた所で探偵の車に乗った久美子が車内から見ている。
久美子「探偵さん、礼をはずむからもう少しつき合ってもらえるかしら?」
探偵「御主人が簡単に見つかりすぎて気が引けてたからなんなりと・・・」
卓也のレクサスの後をつけながら、
久美子(あんな小娘に夫を奪われてなるもんですか・・・)
久美子の艶めかしい脚のアップ彼女の呟き、
(もう一回入籍して全財産を奪うまでは大事な金づるだから・・・)
レクサスのエンブレムのアップ。
走行中のレクサスの絵に二人の会話、
「レクサスか・・・高級な車に乗ってんだね」
「妻のだったんだけど慰謝料代わりに僕がもらったの」
走行中の車内、
卓也「立ち入った事を聞くけど僕のどこが気にいったの?」
聖子「うーん、クラゲみたいにフワフワしたとこかな~」「腹に一物がないとこも高得点だし」
卓也「あー、それよく言われる」
聖子「奥さん、離婚した割に豊かそうだけど、夜の仕事でもしてるの?」
卓也「それ僕も不思議」
卓也「実家は貧しいし、そもそもどうやってレクサスを買えたのかがナゾ」
聖子「・・・」
聖子「ところで、どうやって奥さんの浮気に気づいたの?」
卓也「レクサスってエンジンを掛けたらパソコンに通知メールが来るんだよね」
聖子「へー初めて知った。高級車ってすごいんだね~」
卓也「そいで現在地の地図も表示されて、見てたらラブホテルに入っちゃったんだよね~」
卓也「相手は妻の上司だった」
卓也「結婚後も仕事を続けるって言うからおかしいなとは思ってたんだよね」
聖子「先に言っとくけど奥さんとヨリを戻したらわたし血を吐いちゃうよ」
前方を見たまま、
卓也「ぼく、もう女性は信じられないと思ってたけど・・・」
聖子を見て、
卓也「なんか君のこと気にいっちゃったのかな~?」
聖子、頬を染める。
つづく
四百字詰原稿用紙換算13枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
宮田卓也(50)ポワ―とした天然。一見サラリーマン風で男前ではない。
三田聖子(28)美人。ぶっ飛んだ性格。
久美子(45)卓也の元妻で妖艶な熟女。
探偵(30)
陽子(35) 165㎝。男好きのする上品な美人で下着メーカーの社員。
栗栖(18)3年生。2mの巨人で恐ろしい人相。
舞(18)165㎝。3年生。ごく普通顔。
N=ナレーション
卓也宅の外観に、
N『それから一週間後――』
卓也宅マンションのエントランスに入ってゆく聖子を車内から探偵(30)が見ている。
探偵の顔のアップ。
卓也宅のドアの前でチャイムを押し、
聖子(な~んか穏やかそうで心の琴線に触れるキャラなんだよね~)
ガチャとドアが開く。
ドアを開けて無表情で聖子を見て、
卓也「・・・またシャワー?」
顔を凍りつかせ、
聖子「・・・心がヒューッと凍ったぞ・・・」
聖子「もっと他に言いようが無いのか?おい!」
聖子、きちんと揃えたハイヒールに気付く。
床に座って奥からこっちを見ている久美子(45)に気づき、
聖子「あの妖艶なマダムはだれ?・・・」
玄関に来て卓也に、
久美子「そんなとこで立ち話もなんだし中に入って頂いたら?」N『久美子、45歳。卓也の元妻』
天井或いは眠ってる猫の絵。
床に座って久美子を凝視し、
聖子(艶やかな髪に豊かさが滲み出てて有閑マダム丸出し・・・)
聖子(ぜったいフランス製の黒いレースのパンツ履いてる・・・)
聖子、ばっと顔を床につけて久美子の股間を覗く(久美子平然)。
黒いレースのパンツを履いた股間の絵に聖子の呟き、
(やっぱり・・・)
卓也に怒ったように、
聖子「この人だれっ!」
久美子「(微笑み)あらあら、鼻を膨らませて可愛いお嬢さんだこと」
むっとして卓也に、
聖子「だれなのか説明してっ!」
卓也「別れた妻だけど何怒ってんの?」
久美子「(微笑み)こんな優柔不断な男に興味をもつなんて貴女も奇特な人ねー」
はっとし、
聖子「微妙に反応が鈍いのは優柔不断だからなんだ・・・」
聖子「それで納得した」
卓也「(むっとし)チョー微妙な君に言われたくないね」
久美子に、
聖子「顔勃起の超美人が何故こんなパッとしない人と結婚したんですか~?」
久美子「(微笑み)そうねえ~・・・」
久美子「もう当時の記憶はないけどきっと魔が差したんでしょうね~」
久美子「貴女はどうやって夫をたぶらかしたの?」
卓也「もう夫じゃない!探偵に家を探させたんだろうがもうほっといてくれよ」
久美子に、
聖子「そうだそうだ、離婚したのに何故ここにいるんですかー?!」
卓也「(聖子に)ちょっと君はぼくの何なの?」
聖子「え?運命の女だけど・・・」
久美子「(微笑み)あなた情緒不安定でさぞや波乱万丈の人生なんでしょうね?」
聖子「(怒り)もおぉぉぉ、2人して私を馬鹿にしてーー」
聖子「もう別れる!永久に顔見たくない。ふんだ」と立ち上がる。
聖子「(玄関で)さよなら」と言うのを卓也と久美子が無表情で見ている。
だーっと走って来て床を叩き、
聖子「ちょっとー、なんで止めてくんないのよおおおお」
久美子「思うがままに感情を噴出させてさぞや楽チンでしょ?」「私もそんな生き方してみたいわ」
聖子「え?・・・」
久美子「あなたはきっと感情を抑制する弁が飛んでるのね。私もマネしていい?」
聖子「あ・・・どうぞ・・・」
卓也に、
久美子「浮気したのは不倫の背徳感に痺れただけで本当に愛してるのは貴男だけだからもう許してよーーっ!」
卓也、聖子、あ然。
久美子「ああ、すっきりした・・・」
聖子「ちょっと聞いてえぇぇぇぇ」
聖子「昔の私はどうしてあんなにアホだったのかとものすごく後悔してる」
聖子「でも今はちょっとは成長したし、おじさんが動けなくなったら私が介護するって決心したんだから」
卓也、久美子、あ然。
久美子に、
聖子「教えて!私が来る前にした?」
久美子「そのつもりだったけど貴女の劇的な登場で諦めたわ」
ため息をついて立ち上がり、
久美子「予期せぬ闖入者のおかげで面白かったー。今日のところは失礼するわね~」
玄関でヒールを履く久美子の後ろ姿。
久美子の後ろに這いつくばって股間を覗き、
聖子「私もレースの黒いパンツが似合う女になりたいな・・・」
背を向けたまま無言、
久美子「・・・」
突如くるっと振り向き、おどけ顔で、
久美子「そんなん知らんがな~」
慄然とする聖子に、
久美子「ジョーダンよ。貴女のリアクションをまねてみただけ」
聖子、ガチャと閉まったドアをムッとして見る。
聖子「な~んかモヤッとするから叫んでみようかな~」
ドアから顔を出して、
聖子「離婚されたのは間男に股を開きまくった天罰で自業自得ですからねーー」
エレベーターの前でむっとして振り向き、
久美子(チっ、小娘が。憶えてなさいよ)
室内で正坐して卓也を見つめ、
聖子「さて二人きりになっちゃったね~」
卓也「今日はいい匂いするね」
聖子「あの時は制汗剤を忘れて焦った。今日は盛大にクンクンしても大丈夫だよ」
卓也「僕は50歳で子種がないの」
ポカンとして、
聖子「・・・だから?」
卓也「だからエキセントリックな君との接点も無いと思うんだけど」
聖子「私は28歳。子供ができない訳有物件だけど互いに繁殖できない所が接点かと・・・」
聖子「今日の日は残りの人生の最初の日・・・」
聖子「ええ言葉やと思わへん~?」
卓也「(無表情)せやな」
聖子「(むっとして)私をおちょくってる?」
卓也「(首をこりこり曲げ)肩凝った」
嬉々として、
聖子「はいっ」と立ち上がる。
嬉々として卓也の肩を揉み、
聖子「旦さん、えらい凝ってはりますね~」
卓也「脱げ!」
恥らって頷き、
聖子「・・・はい・・・」
恥らってミニのファスナーを降ろし、
聖子「こんなにうちを夢中にさせてもうかなん人やわ~」
聖子「一度うちの味を知ったらもう手放せんようになりますえ旦さん」
卓也「もういい。飽きた」
聖子、途中までパンツを降ろしたままあ然とする。
聖子「飽きた・・・?」(このトッチャん坊やがぶっ殺すぞ!)
卓也「うん僕、なにかにつけて飽きっぽいの」
卓也「君、住まいは?」
聖子「毎日替わる」
卓也「そう言うのもう飽きたんだよ~」
聖子「マジだよ。飛び込みでデリヘルやって、ピピッときた客の家に泊まるから」
聖子「この間は引きとめてくれなかったから次の客探すのに苦労したよ」
卓也「実にユニークな生き方だね。荷物はどうしてるの?」
聖子「貸倉庫に全部入れてるよ」
卓也「なんか憧れるな~そおゆうコンパクトな生活」
卓也、ぼーと宙を見る。
その卓也を見つめ、
聖子「もしかしたら・・・」
聖子「裏切った妻が実は生涯最高の女で、その後、女を変える度にレベルが下がってくんじゃないかと不安に思ってない?」
卓也、首をかしげて考える。
聖子「考えなくてもいい!」
聖子「私は絶対に裏切らないし後悔させません!それだけは言っておきます」
卓也「(手を挙げ)質問」
聖子「はい、どうぞ」
卓也「夏なら腋ガは口実になるけど冬は何て言うの?」
聖子「お得意さんだけで1年回るから心配ないよ」
聖子「腋ガネタは新規開拓のときだけね」
卓也「身体を売るほど生活に困ってるの?」
聖子「全然」
聖子「不動産収入が年に八百万ほどあるし」
スクッと立ち上がり、
卓也「黒いレースのパンツ買いにいく?」
聖子「(呆れ)・・・あのさ~」
聖子「私は分かってるけど、おじさんは自分の唐突さを自覚してる?」
卓也「ぼくね~妻に裏切られて心が壊れちゃったんだよね」
卓也「多分一生回復しないと思う・・・」
聖子、あ然。
卓也「ぼく、君のマネージャーやりたいな」
聖子「ダメ!」
聖子「デリヘルからきっぱり足を洗っておじさんの介護をする事に決めたんだから」
卓也「僕をどうやって食べさせるつもり?」
聖子「不動産収入の範囲内でなんとかやりくりします!」
空の絵。
マンションから出てきた二人を少し離れた所で探偵の車に乗った久美子が車内から見ている。
久美子「探偵さん、礼をはずむからもう少しつき合ってもらえるかしら?」
探偵「御主人が簡単に見つかりすぎて気が引けてたからなんなりと・・・」
卓也のレクサスの後をつけながら、
久美子(あんな小娘に夫を奪われてなるもんですか・・・)
久美子の艶めかしい脚のアップ彼女の呟き、
(もう一回入籍して全財産を奪うまでは大事な金づるだから・・・)
レクサスのエンブレムのアップ。
走行中のレクサスの絵に二人の会話、
「レクサスか・・・高級な車に乗ってんだね」
「妻のだったんだけど慰謝料代わりに僕がもらったの」
走行中の車内、
卓也「立ち入った事を聞くけど僕のどこが気にいったの?」
聖子「うーん、クラゲみたいにフワフワしたとこかな~」「腹に一物がないとこも高得点だし」
卓也「あー、それよく言われる」
聖子「奥さん、離婚した割に豊かそうだけど、夜の仕事でもしてるの?」
卓也「それ僕も不思議」
卓也「実家は貧しいし、そもそもどうやってレクサスを買えたのかがナゾ」
聖子「・・・」
聖子「ところで、どうやって奥さんの浮気に気づいたの?」
卓也「レクサスってエンジンを掛けたらパソコンに通知メールが来るんだよね」
聖子「へー初めて知った。高級車ってすごいんだね~」
卓也「そいで現在地の地図も表示されて、見てたらラブホテルに入っちゃったんだよね~」
卓也「相手は妻の上司だった」
卓也「結婚後も仕事を続けるって言うからおかしいなとは思ってたんだよね」
聖子「先に言っとくけど奥さんとヨリを戻したらわたし血を吐いちゃうよ」
前方を見たまま、
卓也「ぼく、もう女性は信じられないと思ってたけど・・・」
聖子を見て、
卓也「なんか君のこと気にいっちゃったのかな~?」
聖子、頬を染める。
つづく
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