数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク (11)   久美子の悲しい過去

2016-02-13 16:53:48 | 漫画のシナリオ
(11) 久美子の悲しい過去

四百字詰原稿用紙換算14枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物
岩城修一(17)170㎝。2年生。
超匂いフェチ。情に厚く恐ろしく喧嘩が強いが二枚目ではない。

北条愛(17)170㎝。2年生。主人公。清楚な美少女

北倉エミ(17)165㎝。2年生。
ショートヘアーのキリッとした美人でクラスのリーダー的存在。

久美子(16)165㎝。1年生。新体操部。キリッとした美人。

栗栖(18)3年生。2mの巨人で見るからに恐ろしい人相。

栗栖の子分A、B(共に悪相)

宮田(18)3年生。空手部主将

脇谷(18)3年生。副将

植岡(40)空手部の顧問教師

N=ナレーション


   教室の天井の絵に宮田の声、
  「な、頼むっ、お前が出てくれたら、ひょっとしたら大番狂わせが起きないとも限らないし」

修一「いーやっ!」と全拒否する。

宮田「そう言わずに、なっ、頼む」

修一「おれ、野蛮な事キライだから」(童話作家が指を骨折したら筆を持てなくなるもんねー)

  空手部の顧問、植岡が飛び込んできて、
植岡「おっ、君が岩城くんか?」

植岡「事情は聞いたと思うがこの通り、私からも頼む」と頭を下げる。

  生徒達、
A 「なんか、えらい騒ぎになってきたな・・・」

B 「テレビが来るって言うし、あのK1にデビューする栗栖が出場するらしいぞ」

A 「すっげー興味湧いてきた。帰りに試合を見ていくか」

宮田「岩城、この通りだ」と植岡と共に頭を下げる。脇谷も不満そうに頭を下げる。

修一「いっ・やっ!なんと言われようと絶対に出ないっすから」

植岡「いわきっ」

宮田「こんなに頼んでもダメか?」

脇谷「先生、もういいですよ。こいつに頼んだのが間違ってたんです」

脇谷「宮田、もういい。二人でやれるだけ踏ん張ってみようぜ」

宮田「あ、ああ、そうしかないみたいだな・・・」

植岡「二人だけで大丈夫なのか?」

脇谷「そんな事言ったって部員がいないんだからしょうがないっしよっ?」

 見ていた男子ががっかりして、
A 「ちえっ、岩城が出りゃ面白かったのにな」

B 「いくら岩城でも栗栖が相手じゃ歯が立たないだろ」

  愛とエミ、ほっとため息をつき、  
愛 (よかった。修ちゃんが試合なんかに出たら、愛、心配で胸が張り裂けちゃうよ・・・)


  体育館の前に放送車が停まり、クルーが慌ただしく働いている絵にN『放課後――』

  生徒達が体育館の中に見物に入ってゆく。

  体育館の手前を通って帰りかけていた修一を久美子が「せんぱーい」と手を振って笑顔で追いかけてくる。

  追いついた久美子、修一の腕に抱きつく。

修一「おまえ、俺の帰りを見張ってたんじゃないのか?」

久美子「だって入れられたんやもん、もう久美子は先輩の女やんか~」

   体育館に横付けしたリムジンバスを見て男子生徒達が驚き、
A 「スッゲー、たかが高校生の試合にリムジンバスで来るかあ?」

B 「このバス、K1が修道の空手部に寄付したって聞いたぞ」

C 「さすが、スターがいる学校はスケールが違うよな」と話している生徒の前に、恐ろしい面構えをした空手部員たちがジャージ姿でバスから降りてくる。

 (ひっ、おっかねえ)と三人がビビる。

   一際大きな栗栖がバスから降りかける。

  が、背が高すぎて首から上がドアの上に隠れて見えない。

A (ゲッ、怪物)とビビる。

   出口をくぐるようにして降り立った栗栖、生徒達をジロッと睨む。

  睨まれた生徒達(ゾゾッ)(ひえー、これでも高校生か・・・)と呟く。

  そこに修一と久美子が通りかかる。

  何気なく栗栖を見た久美子が凍りつく。

久美子(くりす・・・何でこんなとこにおるんや?・・・)

   久美子が凍りついて動かないので修一が、ん? という顔をする。

   栗栖、久美子に気づく。

栗栖「おう、急に見んようになった思うたら、こんなとこへ転校しとったんかい?」

   栗栖を憎々しげに睨んで、
久美子「死ねっ。チンカスっ!」

  修一、驚く。

栗栖「あーん、今なんちゅうた?」と手を耳に当ててオチョくる。

   プルプル震えて憎々しげに、
久美子「お前なんか百回殺しても飽き足らんわ。今日の試合で殺されてまえっ!」

栗栖「にっ」とほくそえむ。

栗栖「(修一に)われ、久美子とつきおうとるんかい」

修一「(目を細め)われ? 」

栗栖「(不敵に見据え)そや、われじゃ」

栗栖「どや?久美子のオ○○コは」

栗栖「わしが散々コマしたったさかい、お前の租チンじゃスポスポで間に合わんのとちゃうか?」

栗栖 「おう、久美子、わしのデカチンが恋しなったら、また戻って来てもええんやで」

  久美子、悔しそうに歯がみする。

   無表情の修一に、
栗栖「なんじゃワレ、久美子がわしの女やったんがそないにショックやったんかい?」

   泣きそうな顔で修一の腕を掴み、
久美子「もう行こっ。こんなヤツの言う事なんか聞かんでええ」

  栗栖、ニヤッとほくそえむ。


   無人の校舎の裏の絵。

   くるっと振り向いて請うように、
久美子「うちのこと嫌いにならんといてな」

   唇を噛んで悔しさに震えている久美子に無表情で、
修一「おまえ、スポスポなのか?」

  久美子、凍りつく。

久美子「わーっ」と両手で顔を覆って走り去る。

   修一、無表情で走り去る久美子を見ている。

   修一、クルッと踵を返して帰る。

   突如校舎の角から飛び出して来て両の拳で修一の胸を叩きながら、
久美子「なんで追いかけてくれへんのん、また出て来るのんカッコ悪いやんかー」

修一「お、おお、ごめん」と、とまどう。

   校舎の渡り廊下の端の階段に久美子が俯いて座り、前に修一が立っている。

   悲しげな顔を上げ、
久美子「さっきの話しやけどな・・・」

久美子「うち、大阪の中学におったんやけど、そこの2年上にさっきのヤツがおってな・・・」と回想する。

《回想》
   空手部の道場の外観。

   同、道場内

   他の生徒達と練習を見物している久美子の絵にN『あいつ、あんなブサイクやけど結構人気あってな。うち格闘技が好きやし、ときどき練習を見に行っててん』

  栗栖、腕組みをし胡坐をかいて二人の子分とふんぞり返っている。
       
   栗栖、ふと久美子に目を留める。

栗栖「おい、あの女を見てみい」

  二人の子分が久美子を見る。

栗栖「メッチャ可愛いやんけ。コマしたるさかい後で連れて来いや」

子分A「(呆れ)またか、わしらお前のポン引きとちゃうねんど」

子分B「ほんまや。お前は学校にセックスしに来てるようなもんやで」

子分A「この道場、栗栖の精液が染み付いて、なんや酸っぱい匂いがしよるもんな」

栗栖「何をごちゃごちゃゆうとるんじゃ、嫌なんかい」と睨む。

子分B「(怯み)い、嫌とはゆうてへんがな」

子分A「分かったさかい、そない睨まんといてくれや」


   帰りかけていた久美子、追いかけて来た子分に「ちょっとあんた」と呼び止められる。

子分A「栗栖があんたと話したいゆうてるんやけど、ちょっと道場まで来てくれへんか」

久美子「え?・・・」

  人気のない道場でふんぞり返ってる栗栖の前に立ち不安そうに、
久美子「あの、何か・・・?」

   栗栖「ニッ」と不気味にほくそ笑む。

   栗栖、子分に外に出るように顎をしゃくる。

  外に出て戸をピシャッと閉めた子分が野卑な笑みを浮かべる。

   栗栖が眼前に迫って来たので、
久美子「ハッ」と怯える。

  栗栖にねじ伏せられてスカートの中に手を入れられ、
久美子「い、いやや、堪忍してー」と泣き叫ぶ。

   スカートをまくり上げて上に重なった栗栖に挿入された激痛で久美子が涙を流して「ギヤーッ」と叫ぶ(足もとにパンツが丸まっている)。

   道場の天井の絵。

   股を血に染めた久美子が仰向けで放心してる絵に、
N『それからは、ヤリとうなったら授業中でも呼び出されるようになってな・・・』


  授業中、子分のA、Bが教室の外から久美子に来いと合図する。
            
   久美子、泣きそうな顔で子分の方を見る。

   教師や他の生徒が怖気づいて見て見ぬふりをしてる絵に、
N『恐ろしいて、よう断れんかったんや・・・』

   観念した久美子が悲しげな顔で椅子から立ちあがる絵に、
N『あいつ、バックにヤクザがついてるゆう噂やったし、だれ一人助けてくれるもんがおらんかったんや・・・』
《回想終わり、校舎の渡り廊下に戻る》

   涙を流して悔しそうに、
久美子「お父ちゃんが転勤して、やっとあいつから逃げられたと思うたのにまたこんなとこで会うなんて悪夢や・・・」

   階段に座ったスカートの奥に見える下着のアップに久美子の声、
  「うちが男やったらギタギタにしたるのに、てゆうてもアイツには勝てんけど・・・」

   膝に顔を埋めて、
久美子「うち、どないしたらええんやろ?またあいつのオモチヤにされてしまうんやろか・・・」

   修一、膝に顔を埋めて嗚咽する久美子を無表情で見下ろしている。

   久美子に掌を差し出し、
修一「タッチ」

   訝しそうに修一を見上げ、
久美子「え?・・・」

修一「タッチじゃ」

   困惑しながら力無く修一にタッチし、
久美子「いったい、なんやのん?」

修一「選手交代じゃ。お前を傷つけた奴は俺が許さん」

   つーーと涙を流し、
久美子「うち、男にそんな優しいこと言われたん初めてや・・・」

   修一、腰を屈めて久美子の頬を両手で挟んで涙を舐める。

   久美子、あ然。

修一「(無表情で)何発やられた?」

久美子「(あ然とし)えっ・・・」

修一「(無表情で)何発?」

   悔しそうに、
久美子「分からん位やられたわっ!」

修一「ズボズボか?」

久美子「(悔しそうに)せやっ、ズボズボやっ」

   修一、無表情で久美子を見つめる。

修一「ヤツをぶちのめしたら、その悔しさを忘れて笑顔を見せてくれるか?」

   久美子、凍りついて修一を見つめる。

久美子「そんな優しい言葉、いったい先輩のどっから出て来るんや・・・」

久美子「もうええ、その言葉だけで充分や。笑顔を見せるからもうあんなヤツと関わらんといて」

修一「(不敵な表情で)そうはいかんのう」

久美子「(あ然とし)え・・・?」

修一「言葉だけでお前の悔しさが消せるとは思えんわいや」

修一「俺が負けると思って心配しちょるんじゃろうが、俺、結構強いんぞ」

   ぼう然と修一を見つめ、
久美子(なんて優しいんや、優しすぎるやんか・・・)

   不敵に笑み、
修一「試合じゃったら、あのクソをぶち殺しても犯罪にならんよのう?」

   久美子、凝然と凍りつく。

   つづく
              
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