数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク(48)  運命の出会い 

2016-07-22 13:25:02 | 漫画のシナリオ
(48)運命の出会い

四百字詰原稿用紙換算13枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

広田民江(28) 170㎝。外見は砕けて見えるが内面は純真で見た目とのギャップがある。

神屋修三(50)170㎝。白髪交じりの紳士で、どこか崩れた雰囲気もある。

小田聖子(28)大阪弁の美人。

小田卓也(30)聖子の夫、誠実そう。

田丸洋子(45) 170㎝。生活の豊かさが全身に滲み出た色っぽい熟女。

田丸信二(50)洋子の夫。紳士で大人しい

N=ナレーション


○夜。聖子宅

   聖子宅の外観。

   同、消灯した寝室。三人、布団に川の字に並んで寝ている。

   卓也に背を向けた聖子(タンクトップ、パンツ)の横に赤ん坊が眠っている。

   聖子の尻から股間にかけてのアップ。

   卓也、聖子の尻を凝視。

   聖子の尻に触ると、目を閉じたままそっけなく、
聖子「・・・眠たいんや」

卓也「いつまでやらせないつもりなんだ?」

   無視する聖子の背を見て、
卓也「処女だと信じたから結婚したのに・・・」

聖子「まだゆうてるん?」

聖子「そないに処女がええんやったら処女膜と再婚したらええやんかっ!」

聖子「いつでも別れたげるよ」

卓也「僕にはタメ口で、メールの男には敬語かよ。僕はそいつより軽いって事か?」

   ばっと身体を起こして血相を変え、
聖子「あんたっ、うちのスマホ見たんか?」

卓也「別れて2年も経つのにいまだに涙を流すほど恋しがるなんて異常だぞ」

   聖子の股間を見て、
卓也「身体が忘れられないのか?」

   髪をかき上げて、
聖子「ふっ・・・」と呆れる。

聖子「せや、毎日ハレあがるほどヤリまくってたさかいな」

聖子「明日仕事やからもう寝さしてな」と背を向けて横になる。

   背を向けた聖子の絵。

   背を向けたまま、
聖子「・・・恐ろしいほど誇り高い人でな・・・」

聖子「お日さんが西から昇っても、人の携帯なんか見る人やないんやから」

   目尻を濡らして聖子の背を見つめ、
卓也「・・・」

   切なげに宙を見つめ、
聖子(夫婦って努力だけで維持できるもんやないんやな・・・)



   昼。閑静な住宅街の絵。

   卓也、赤ん坊をおぶって散歩している。

   喫茶店の外観にN『散歩の途中にあるこの店で、週に2回、コーヒーを飲んでまったり過ごすのがぼくの唯一の楽しみだ』

   同、店内(客はまばら)

卓也「よっこらしょ」とテーブルに掛ける。

   女が脚を組んで爪先にサンダルを引っかけてブラブラ揺らしている絵のアップ。

   その女の脚を組んだ太腿のアップ。

   卓也、斜め前で携帯をいじっている民江(事務服、下はミニ)をふと見る。

   民江、ふっと顔を上げたとき卓也と目が合う。

   民江、ぼんやり卓也を見る。

   尚も見つめ合う。

卓也「(頬を染め)え?」

民江「(頬を染め)え?」

   二人頬を染めぼう然と見つめ合う。

   頬を染めて照れ、
民江「あ、あの、赤ちゃんをおんぶしたお父さんって、かっこいいなと思って・・・」

   嬉しそうに、
卓也「へーっ、そんな風に思える人なんだ」

   コーラを持って腰を浮かせ、
民江「そちらに移ってもいいですか?」

   嬉しそうに頷き、
卓也「ぜひ」

卓也「しばらく気持ちのいい会話を交わしてないから話し相手になって下さい」

   民江、立ったまま首を少し傾けて興味深げに卓也を見る。

   子供を抱いた民江と卓也が楽しそうに語らっている(無音)。

   卓也、子供を抱く民江の太腿をチラっと見る。

   民江、卓也の視線に気付く。

民江「あの・・・奥さんとはしっくりいってないんですか?・・・」

卓也「もう長いこと夫婦らしい事はやってない・・・」

   無表情で卓也を見つめ、
民江「・・・」

民江「毎日こうやって子供を連れて散歩されてるんですか?」

   卓也、頷いてポーッと民江に見惚れる。

   卓也の視線に気づき、
民江「え?」

卓也「いや、久しぶりに敬語で話す女性と会ったから新鮮で心が浮き立っちゃって・・・」

   民江、卓也を見つめ沈思。

民江「(頬を染め)今後も言葉をくずさないように気をつけますね」

卓也「え?・・・」

卓也「(驚き)えーっ、それって・・・?」

   民江、頬を染め首を少し傾けてコクと頷く。

   顔を輝かせ、
卓也「有難う。やっと日本の中から僕を見つけてくれたんだね?」

   顔を輝かせ、
民江「はい。見つけました」

卓也「人生が百八十度転換した気になってきたんだけど、そう思っていいんだね?・・・」

民江「(微笑み)私は会った瞬間からそう思ってましたよ」

   卓也、あ然。

   卓也、子供を抱く民江の太腿をチラっと見る。

   子を卓也に渡す時に彼の視線に気づき、
民江「・・・もう少し時間をください」

卓也「え?・・・」

民江「それまではこれで・・・」と卓也の手を取って胸を触らせる。

空の絵にN『広田民江、28歳。この近くの会社で事務員をやっているらしい。メルアドを交換し、次の再会を約束して彼女と別れた』

   歩む卓也の後ろ姿に、
N『こんなドラマチックな出会いが現実にあるとは・・・』



○洋子宅

   片付いたキッチンの絵。

   リビングの照明器具或いは天井の絵に「う・・・ぅぅ」と喘ぎ声。

   ソファーに掛け、左手を口に当て、右手で性器をいじり、
洋子(うぅぅぅ、修三さん・・・会いたくて気が狂いそうよ・・・)と呟く。



   コンビニの外観。

   神屋が人生に疲れ果てたような寂しげな顔で買い物袋を持ってコンビニから出てくる絵にN『神屋修三。50歳』


○神屋宅

   神屋宅の外観(三階建てのボロマンション1K)。

   同、玄関内

注、キッチンに小型冷蔵庫、室内には二つに畳んだ万年布団、扇風機、ラジカセ、20枚ほどのCDがあるのみ。

   「ガチャ」と玄関ドアを閉めて入る。

   室内に買い物袋をガサッと置く。

   ラジカセのスイッチをカチャと押し、
  「グッドマンズ・ブラザー・・・」と呟く。

   床に置いたグランドファンクレイルロードのジャケットのアップ。

   コーヒーカップを持って壁にもたれて尻をつく。

   開け放したベランダの外に目をやって「フー・・・」とため息をつく。



   夜。聖子宅の外観。

   同、リビング

   スーツ姿でリビングに入ってきて、
聖子「ただいま」

   テーブルに並んだ沢山のおかずを見て嬉しそうに、
聖子「きゃっ、今日はえらい豪勢やんかあ」

   膝をついて子に頬刷りし、
聖子「マーちゃん、会いたくて気が狂いそうでちたよー」

   卓也、立ったまま腕を組んで冷蔵庫にもたれ無表情で妻を見ている。

聖子「ちょっと待っててな、チャッチャと着替えてくるわ」と寝室に行く。

   聖子、タンスの前でスカートを脱ぐ。

   腋を嗅ぎ、
聖子(臭いのに嗅ぐのやめられへん。うちって変態やろか・・・)

   タンクトップに短パンでテーブルに座って手を合わせ、
聖子「いっつも美味しいもんを食べさせてくれて有難う。感謝してます」

   食事しながら、
聖子「マーちゃん、最近あんまり熱出さんようになったし夜もグズらんようになったね」

卓也「うん。日に日にたくましくなってるよ」

   卓也、テーブルに肘をついて聖子を見る。

聖子「どないしたん?食欲あれへんの?」

卓也「・・・」

   箸を置き、
聖子「なんか言いたい事があるみたいやね・・・」

卓也「メールの男とぼくがダブってた時があったろ?」

   聖子、驚く。

卓也「子供は本当に僕の子なのか?」

聖子「決まってるやろ。あの人とはピル飲んでやってたわ」

聖子「きっぱり別れて、あんたと一緒になる決心したからピルをやめたんや」

卓也「なぜ別れたんだ?」

   聖子、無表情で卓也を見つめる。

   短パンの縁からチラっとパンツが見える絵にセリフ、
  「あんたにしては珍しく質問攻めやね」

聖子「奥さんがいはって未来がないから別れたんや」

卓也「いはって、か。奥さんにまで敬語とは、僕とは別格扱いだな・・・」

聖子「(卓也を見つめ)・・・」

   指の爪を見て、
聖子「うちかて自分の家庭を持ちたかったし、産める内に子供も産みたかったしな・・・」

卓也「その選択、いま後悔してないか?」

   上目遣いで卓也を見て、
聖子「・・・むごい質問するんやね・・・」

聖子「・・・もし後悔してるゆうたら子供の存在を否定するみたいやしな・・・」

聖子「こんなギクシャクした家庭になるとは夢にも思わんかったゆうのが本音やね・・・」

卓也「互いにもっと歩み寄って努力したらうまくいくと思うか?」

   指の爪を見て考え込み、
聖子「・・・」

   卓也、聖子を凝視。

聖子「(顔を上げ)うち、思うんやけどな・・・」

聖子「結婚ゆうのんは努力やのうて相性が全てちゃうかなと最近つくづく思うんよ・・・」

卓也「・・・きついな」

卓也「そりゃ、僕等の相性が合ってないって暗にほのめかしてるんだろ?」

聖子「あんたはどない思うてるの?」

卓也「ふっ」と自嘲する。

卓也「相性が合って尊敬する気持ちが少しでもあったら、そもそも夫にあんたなんて呼ばないものな」

   聖子、驚いたように卓也を見る。

   消灯した寝室の天井の絵。

   卓也に背を向けた聖子、目を開けて黙考。

聖子「・・・マーちゃんが起きんように後ろからそっとするんやったらええよ・・・」

卓也「無理しなくていいよ」

卓也「最後までカサカサの妻に乗っかるってのも、結構惨めなものなんだよ」

卓也「そんなこと考えた事もないだろ?」

   聖子、背を向けたまま愕然とする。

         つづく


コメント
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