タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

映画「一命」   ~市川海老蔵・瑛太~

2013-02-26 | その他

映画「一命」:(キャスト:三池崇史監督・市川海老蔵・役所広司・瑛太・光島ひかり・

木崇高)を観ました。

滝口 康彦・原作「異聞浪人記」を基に、鬼才・三池崇史監督のメガホンによって製作さ

れた、渾身の時代劇映画。

原作者・滝口 康彦は、武家社会の掟に縛られた下級武士の、非劇等武士道の「峻烈・

過酷・無残さ」を描くことに懸けては、秀逸の作家であり、三池監督はこの原作を見事に

き切っている。

(少しネタばれ)                                                           舞台は太平の世となった江戸時代。 大名家取り潰しが相次ぎ、喰い扶持も家もなく                    生活に困った浪人たちの間に、裕福な大名屋敷に押し掛け、庭先を借り受けて自ら切           腹を願い出て、金銭を強請る「狂言切腹」が流行っていた。                                                  そんな時期、名門井伊家に浪人・津雲半四郎(海老蔵)が切腹を願い出る。                               いよいよ切腹を前に、半四郎は家老に対して「一つお願いの儀がござる・・」と、数日前         同家の庭先で切腹して果てた、千々岩求女(娘婿:瑛太)の、切腹の顛末を尋ねる。         そして、半四郎は、居並ぶ家老や井伊家家臣達を前に、驚くべき真実を語り始めるのだ       った・・・・

武家の体面を通そうとする井伊家と、武士である前に、人として愛する者を無残に葬り

去られ、守り切れなかった男の切なさ義憤がひしひしと伝わって来る。

梨園で生まれ育った海老蔵ならではの、武士としての立ち居振る舞いや、美しくも激しく 

切れのある殺陣、老練な武士の命を懸けた凄味さえ感じられ、観る者を物語の中へ引き

込んで行く演技はさすがである。

名優・役所広司をはじめ、若手演技派俳優、瑛太・光島ひかり・青木崇高がそれぞれに要

所を固める演技で映画全体をぐっと盛り上げている。

ただ冒頭の、千々岩(瑛太)が竹光により切腹させられるシーン、壮絶、残酷かつ克明な描

は、余りにもインパクトが強過ぎ(演出的には「義憤」へのアプローチで有ろうが)・・・参っ

た、参ったと云うところ、お陰で最後まで強烈な残像が残り、暗い暗い映画となってしまった

のが、私的にはちょっと残念である。

         ~今日も良い一日であります様に~