(主演:キーラ・ナイトレイ)
映画「ANNA・KARENINA」
寒波の再襲来で、窓の外は朝からぼたん雪が降り積っています。
こんな日は、以前から観たいと思っていた映画を、炬燵にあたって観るに限る。
あの「戦争と平和」の著者にして、ロシアの文豪、ルイ・トルストイの原作に基づいて、2012年に公開された映
画である。
ヒロインの ♪キーラ・ナイトレイ♪ がいい、、、19世紀末のロシアを舞台に、社交界の華である若い人妻のア
ンナと青年将校・ヴロンスキーの、許されぬ恋がもたらす悲劇を絢爛豪華に描ています。
原作を読まれた向きも多いと思いますが、、、映画のあらすじにさらっと、触れて置きたいと思います。
~物語の舞台は1870年代のロシア、政府高官(帝政ロシア末期の大臣)カレーニンの妻・美貌のアンナは、兄
夫婦の諍いを仲裁するためにやってきた貴族の将校ヴロンスキーと、モスクワ行きの汽車の中で出逢い、た
ちまち恋に落ちてゆきます。
アンナは夫・カレーニンと幼い一人息子の待つペテルブルクへ帰京するのですが、ヴロンスキーはアンナを追
い掛けて来ます。
二人の関係は急速に深まって行きますが、事情を知った夫・カレーニンは、それでも世間体を気にして、離婚
には応じません。
・・・・・ついにアンナはヴロンスキーの子を宿したことを夫に告白し、その出産のあと重態に陥るのです。
駆けつけて来て事態を知ったカレーニンだが、寛大な態度でアンナを許すのです。
それを目の当たりにしたヴロンスキーは、アンナを失う(アンナは離婚できない。)ことに絶望し、ピストル自殺
を図るのですが、未遂に終わるのです。
時は経ちヴロンスキーは軍を退役して、回復したアンナを連れて外国に出奔するのです。
そして帰国したアンナとヴロンスキーの二人は、一連の不品行が知れ渡り、社交界から締め出されてしまいま
す。
やむなくヴロンスキーの領地に移り住むことになるのですが、しかし離婚の話は、様々な困難な事情が絡まり
なかなか進まない中で、ヴロンスキーが仕事に没頭し悩みも聞いてくれず、精神が不安定になったアンナは、
次第に酒とモルヒネに依存するようになり、ヴロンスキーと言い争いを繰り返すようになり、やがて二人は気持
ちにすれ違いが生じ始め、アンナはヴロンスキーの愛が、他の女性に移ったのではないかと疑うようになり、
ついに絶望したアンナは列車に身を投じるのです。
生きる目的を見失ったヴロンスキーは、義勇軍を編成し、トルコとの戦線に赴くのですが・・・・・・・・・・・・・・・
いわゆる「不倫」と言う天の掟破りの行為を扱った物語ですが、「不倫」に走ったアンナは、不幸な結末を迎え
ざるを得ない苦境に追いやられて行くのですが、しかし・・・自身の気持ちに誠実に生きた・・・アンナを、同じ罪
人である人間が、これを裁くことはできなかったのです。
虚飾に満ちた貴族社会で、死に追いやられて行ったアンナと、農村で実直に生き信仰に目覚めたアンナの義
妹達の、生き様が物語の中でクロスされつつ、「人の生きるべき道」が示された、とても重厚な内容の映画でし
た。
~貴方にとって、今日も、良い一日であります様に~
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