いつもの散歩道を少し外れて、細い山道を分け入って見た。
方向音痴の当方、回って元の道に出るはず(頭の中では)が、もうかれこれ
20分近くも歩くのに、一向に予定の場所に出られそうにない。
よく、お年寄りが「キノコ狩りに行って帰って来ない」と云うニュースを聞くが、
きっとこんな状況なんだろうな!・・・等と、思いながら歩いていると、畑で農
作業中のご老人に出会った。
道を尋ねなが草むらに腰掛けらしばし雑談、山の中で初めて出会ったばか
りの人なのに、「今年は野菜が良く出来た・・・これ鍋物に入れたら美味しい
ですよ!」と、野菜をドッサリ頂いてしまった。
これが田舎の人付き合いの良いところでもある。
結局、元来た道を引き返していると、チッチッチッチッ・・・と鳥の鳴き声がする
ので、藪を透かして見ると梅の林に紅、白の梅の花が咲き、メジロが啼いてい
る。
今年の冬は今のところ比較的暖かい日が続いている為か、白梅の開花が少
し早い様な気がする。
『早 梅』 (張謂:中唐の詩人)
一樹寒梅白玉條 迥臨林村傍谿橋
不知近水花先發 疑是經冬雪未銷
:一本の寒中に咲く 梅の花の白い玉を着けた様な枝振りが遥か遠く
谷川の橋の傍に見えている。 流れに近いところの花から 先んじて
咲くという事を知らなかった。 疑うことには、冬が過ぎても、雪が
未だ消えないで残っているのかと。(思ってしまう):
好きな詩をもう一つ・・・・・
『春曉』 (孟浩然:唐代の自然詩人)
春眠曉覺 春眠曉を覚えず
處處聞啼鳥 処処啼鳥を聞く
夜來風雨聲 夜來風雨の聲
花落知多少 花落つることを知らず多少ぞ
~今日も良い一日であります様に~