映画「ガス燈」:1944・米国版(イングリッド・バーグマン:シャルル・ボワイエ:ジョセフ・コットン)・・・・を観た。
(ストーリー) 舞台は1870年の霧深いロンドンの街。 オールクィスト家で起こった殺人事件は迷宮入り事件となっている。 その被害者(アリス)の姪・ポーラ(イングリッド・バーグマン)は、グレゴリー(シャルル・ボワイエ)と結婚し、夫の言葉に従い、殺人事件のあった叔母(アリス)の家での新婚生活が始まる。 ある日、ハンドバックに入れたはずの首飾りが紛失して以来、夫・グレゴリーは、ポーラが自分のしたことを少しも記憶していない等と、連続して執拗に彼女を責め立てる。 夜ごとに薄暗くなるガス燈の光、天井に聞こえる奇怪な足音・・・これは精神的な「幻覚や幻聴」だろうと不安に苛まれ、ポーラは次第に「自分は精神がおかしくなったのだ」と思い込まされていく・・・・ここに謎の男(ジョセフ・コットン)が絡んでくる・・・・
古典的サスペンス映画で、物語(サスペンス)としては、早い段階でポーラに言い寄るグレゴリ
ーの立ち居振る舞いや巧みな言動から、犯人はグレゴリーであろうと、察しの付く構成となっ
ているのだが、おびえる妻バーグマンと夫・ボワイエの無表情な顔の裏に秘められた悪意、が
2人のやりとりの緊迫感を盛り上げ、観客を恐怖の世界に引き込んでいく。
特にバーグマンの精神的に追い込まれて行く妻の演技の上手さと、監督の霧降る夜の街角、
ほの暗いガス燈、不気味な足音、光と影の巧みな演出等が素晴しい映画に仕上がっていま
す。
全編に渡たりバーグマンの、美しいドレス姿が際立つ映画でもあった。