一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2022年・将棋ペンクラブ関東交流会(中編)

2022-07-08 22:16:39 | 将棋ペンクラブ

第3図以下の指し手。△6六歩▲同歩△6五歩▲4八銀△6六歩▲5五歩△6四銀▲6七歩△同歩成▲同金右△5五銀▲7六金△6四銀▲2二歩△同金(第4図)

第3図から堀彩乃女流1級は△6六歩と突き捨てた。
これを▲6六同銀は△同銀▲同歩に△3九角で下手不利。よって私は▲6六同歩だが、堀女流1級は△6五歩と継ぎ歩してきた。
▲6五同歩なら△同桂で調子がいい。要するに、3月のShin戦で私が指したのと同じ手筋だ。
私は▲4八銀と屈服して、▲5五歩と突く。あまり迫力がないが、とにかく上手玉に迫らないとしょうがない。
上手の△6四銀で重しが取れたので、私は▲6七歩と合わせる。この合わせ歩の手筋も、3月の大野八一雄七段戦での反省を踏まえている。
▲6七同金右から▲7六金と盛り上がり、ようやく私らしい手になったか。
▲2二歩△同金を利かし、さて次の手は。

第4図以下の指し手。▲6五歩△同銀▲同金△同桂▲6四歩△7三金▲7四歩△7二金▲(第5図)

私は▲6五歩と打った。ほっといても△6五銀とぶつけてきそうなだけに思い切った手だが、形勢を逆転するにはこれしかないと思った。
△6五同銀▲同金△同桂に、▲6四歩が待望のタタキ。△同金と取れば▲7三角だから上手は△7三金と寄るが、私はさらに▲7四歩。△同金は▲6三角だから△7二金。何だかここ数手は下手だけが指した感じで、冷静に見て、ずいぶん形勢が縮まった気がした。
第5図では▲6三銀か? ▲7三銀か?

第5図以下の指し手。▲6三銀△4二玉▲6一角△7一金▲7三歩成△6一金▲8二と△4五角▲7二と△7八角成(投了図)
まで、88手で堀女流1級の勝ち。

私は▲6三銀と打った。もし△同金なら▲同歩成△同玉▲7三金、の読み。
しかし堀女流1級に軽く△4二玉と逃げられ、容易でないことに気付いた。すなわち▲7二銀成△同飛▲6三歩成は幸便に△7四飛と飛び出されて悪い。
よって私は▲6一角と打ったが、俗に「取りに取りを重ねる」というヤツで、よくない。
△7一金以下飛車角を取り合ったが、これは私の予定ではない。
堀女流1級の△4五角が好点だ。私は受けもないので▲7二と。そこで堀女流1級にバッサリ△7八角成とされ、驚いた。ここは△5六角打くらいを読んでいたが、堀女流1級の指し手はさらに厳しかったというわけだ。
▲7八同玉には△4五角の王手が厳しい。そう指される前に投了した。

感想戦では、第5図で▲7三銀をやった。このほうが△4二玉と逃がさない分ベターだが、検討してみると、それでも下手が芳しくなかった。
下手に希望を持たせておいて、最後の最後にスッと抜く。これぞプロの技だと思った。

しかし、ここまで2戦2敗はまずい。交流会の賞品は勝星順だから、相当出遅れた形だ。
ホワイトボードでは、In氏が初心者相手に講座をやっていた。下図で、先手の持駒・歩のほかに、飛角金銀桂香歩のどれが1枚あれば後手玉が詰むか、という問題だ。

傍らに目を転じると、Yam氏が対局をしていた。Yam氏とは社団戦の席でしかいっしょになったことがないので、珍しい。
その社団戦は6月26日に開幕する。Yam氏も実戦の勘を養いたいのだろう。
先ほどの問題を考えてみると、これがなかなか難しい。金、銀は詰む。歩、桂は詰まない。
「香は詰みそうですね。それなら飛車も詰むから……」
と私。結局私たちは、「詰む=飛金銀香・詰まない=角桂歩」と答えたが、In氏は違うという。「ウチの子どもスクールの生徒は、全員解きましたよ」。
私は黙りこむしかない。頭がこんがらがったまま、ほかの将棋も見る。幹事のAkuさんは、H氏と二枚落ち戦を戦っていた。Akuさんが勝勢だが、H氏は妖しく粘る。
それでもAkuさんが勝つだろうと見ていたら、Akuさんが疑問手を連発し、ついに形勢がひっくり返ってしまった。
H氏はニコニコが止まらないが、女性相手には男性が負けなければならない。
と、私も偉そうなことを書いているが、私もそれが分かったのが数年前である。女の子と六枚落ちを指し、私が勝ったら、女の子が泣いてしまったことがあったのだ。
この時、女性(女の子)に勝ってはいけないと勉強したのだ。
ちなみにそのときの女の子は、現在女流棋士になっている。
(つづく)
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2 コメント

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▲7三銀 (一公)
2022-07-10 20:41:59
>英さん
持駒問題は、意外なところに落とし穴がありました。
堀先生との将棋は、やはり▲7三銀でした。
しかしおっしゃるとおり、どこかで△4五角が出てきます。
まあ同じ負けるにしても▲7三銀で、堀先生を手こずらせたかったです。
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これを全員が正解とは! ()
2022-07-10 17:43:16
 「どの駒があれば詰むか?」……ネタバレになるので、ぼやかしますが、ある駒の王手には詰将棋の手筋があり、▲1二歩と打てなくなります。

 あと第5図の局面ですが、やはり、▲7三銀が最善手だと思います。
 後手はこれに相手をすると、却って、一手一手の寄りとなるので、攻め合うことになります。
 先手玉も二枚の銀の形が悪く、すぐ寄せられそうですね。△4九角や△5六角や△6八歩▲同金△5五角とか△6六歩(一見、緩そうですが▲8二銀成に△4五角が強烈。先手も▲8五角の切り返しがあり、それに対して7六歩の切り返しがあり、もう何が何だか…)
 まあ、とにかく、▲7三銀で難解だと思います。
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