22日(日)は「大野・植山教室」に行った。午後1時半少し前に入ると、R氏の姿があった。R氏、かなり久しぶりである。
R氏は私たちの間で有名な将棋ファンで、将棋ブロガーの伝説的存在である。古くは「LPSA駒込サロン」、新しくは「大野教室」で教室の模様を活写し、多くの読者を楽しませた。
私がブログを始めたのは将棋ペンクラブのM氏に勧められたからだが、開設に踏み切ったのは、先にR氏のブログがあったから。その意味でR氏の存在は大きかった。
きょうはR氏が来ることを事前に知らされていたので、会うのが楽しみだったが、元気そうで何よりだった。
大野八一雄七段は二面指しの最中。奥の部屋では植山悦行七段が多面指しを行っていた。ほかには奨励会O君の横顔も見える。O君は先日の奨励会で初段に昇段し、うれしい春となった。
私は大野七段に教えていただく。右にはR氏が入ったが、何と二枚落ちの所望である。R氏、以前は男性棋士にも女流棋士にも「飛車落ち」だったが、ずいぶん弱気になったものだ。実戦不足による自信欠落だろうか。
私はもちろん角落ちを所望し、対局開始。本局はガッチリ矢倉に組もうと思った。大野七段は中央から動く。上手:4四銀、5二飛、5四金 下手:5六銀、5八飛の局面で、大野七段は△5五銀のぶっつけ。私はビビッて▲4七銀と引いたが、これは逸機だった。
ここは強く▲5五同銀と取るところ。△同金には▲6三銀が狙いすました一手で、△5三飛▲5四歩△6三飛▲5五飛の結果は、下手十分だった。
このチャンスを逃してから、以降は後悔を引きずりながらの指し手となった。
ただ局面は、上手の中央制圧を押し返し、下手まずまずの形勢。ただ矢倉には組めず、7八金を▲6七金と上がり、▲7八玉と整えた。
Og氏とFuj氏がこの将棋を見て、「やっぱり大沢さんの将棋はおもしろいな」と異口同音に言う。これはけっこうなホメ言葉だと思う。
右の対局は、R氏の桂損が確定し、早くも劣勢だ。冷静に見れば下手も指せるが、実戦心理は下手、しくじった感じだろう。
和田あき女流初段が来た。マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦は半月後。いまは実戦実戦また実戦であろう。
と、あきちゃんが私の横に来て、「女流棋士との親睦会2015」のチラシを取り出した。いろいろ説明してくれるが、なんかこの感じ、宗教か保険の勧誘に似ている。
どっちにしても、いまは持ち合わせがない。…と思いきや、財布には3万円があった。いま話題のスピリチュアルカウンセラー「Toshi&Lithi」が、財布の中に3万円(壱万円札3枚)を入れておくと金運がアップすると言っていたので、それを実践していたのだ。
これはイベントに申し込めという神の示唆なのだろう。少なからず興味もあったので、申し込んだ。とはいえ1万円は高いと思う。
指導対局に戻る。R氏は大野七段に負けた。あれからかなり追い上げ、終盤は勝ち筋もあったのだが、決められなかったようだ。
「そういう大沢さんみたいな手は困るなあ」
と植山七段がボヤいている。Shin氏に対してのものらしい。「(上手に対して)どっからでも攻めてらっしゃいという態度はいけませんよ」
これを額面通りの意味に取るとおかしなことになる。これは下手に対しての、植山流の最大限のホメ言葉なのだ。
私の将棋は、二段目に竜を作り指せると思ったのだが、大野七段の△8一歩~△6一歩が上手らしい手。私の▲9二竜は仕方ないが、▲5三桂成にも△6二桂と受けられ、ついに竜の横利きを封じられてしまった(ただし△6二桂では、△7七銀と打ち込めば、下手玉が寄っていたと思う)。
以下も急所をビシビシ攻められ、最後は大野七段の勝ち。口の中も苦いが、将棋も苦いスタートとなった。
「女流棋士との親睦会」は、R氏もアッサリ陥落。「あきちゃんに頼まれちゃイヤとは言えない」は私も同意だが、Fuj氏は買わなかった。費用対効果がないと見たからで、彼、こういうところはシビアなのである。
ちょっと早いが、ここで3時休みである。きょうはW氏、Hon氏、Ok氏、Watanabe氏とレギュラー陣が全欠席。いつもと雰囲気が違う教室となっている。
大野七段がO君との手合いを付けてくれるが、角落ちが適当なところを、O君は「平手なら(指します)」と意味不明の返答。結局、指さなかった。
対局に戻る。今度は植山七段に教えていただく。右にはやはり、R氏が座った。
R氏「二枚落ちでお願いします」
植山七段「はい」
そして、飛車角を落とした。
私「角落ちでお願いします」
植山七段「分かりました」
私「…。角落ちで、お願いします」
植山七段「分かりました」
私「……。では平手でお願いします」
植山七段「はい」
上手が駒落ちを拒絶するという意味不明なやり取りのあと、対局開始。▲7六歩△3四歩▲2六歩に、植山七段は△4二飛。「角交換四間飛車は(指すのが)初めてなんだよなァ」とつぶやいた。
いつもならここで▲6六歩だが、ここは勉強である。堂々と角交換を受けて立った。
植山七段は△3五歩。ちょっと早いと見て、私は▲3六歩と突き返す。自分らしくないキビキビした将棋になり、以下の局面を迎えた。
ここからの7手をお考えいただこう。
(つづく)
R氏は私たちの間で有名な将棋ファンで、将棋ブロガーの伝説的存在である。古くは「LPSA駒込サロン」、新しくは「大野教室」で教室の模様を活写し、多くの読者を楽しませた。
私がブログを始めたのは将棋ペンクラブのM氏に勧められたからだが、開設に踏み切ったのは、先にR氏のブログがあったから。その意味でR氏の存在は大きかった。
きょうはR氏が来ることを事前に知らされていたので、会うのが楽しみだったが、元気そうで何よりだった。
大野八一雄七段は二面指しの最中。奥の部屋では植山悦行七段が多面指しを行っていた。ほかには奨励会O君の横顔も見える。O君は先日の奨励会で初段に昇段し、うれしい春となった。
私は大野七段に教えていただく。右にはR氏が入ったが、何と二枚落ちの所望である。R氏、以前は男性棋士にも女流棋士にも「飛車落ち」だったが、ずいぶん弱気になったものだ。実戦不足による自信欠落だろうか。
私はもちろん角落ちを所望し、対局開始。本局はガッチリ矢倉に組もうと思った。大野七段は中央から動く。上手:4四銀、5二飛、5四金 下手:5六銀、5八飛の局面で、大野七段は△5五銀のぶっつけ。私はビビッて▲4七銀と引いたが、これは逸機だった。
ここは強く▲5五同銀と取るところ。△同金には▲6三銀が狙いすました一手で、△5三飛▲5四歩△6三飛▲5五飛の結果は、下手十分だった。
このチャンスを逃してから、以降は後悔を引きずりながらの指し手となった。
ただ局面は、上手の中央制圧を押し返し、下手まずまずの形勢。ただ矢倉には組めず、7八金を▲6七金と上がり、▲7八玉と整えた。
Og氏とFuj氏がこの将棋を見て、「やっぱり大沢さんの将棋はおもしろいな」と異口同音に言う。これはけっこうなホメ言葉だと思う。
右の対局は、R氏の桂損が確定し、早くも劣勢だ。冷静に見れば下手も指せるが、実戦心理は下手、しくじった感じだろう。
和田あき女流初段が来た。マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦は半月後。いまは実戦実戦また実戦であろう。
と、あきちゃんが私の横に来て、「女流棋士との親睦会2015」のチラシを取り出した。いろいろ説明してくれるが、なんかこの感じ、宗教か保険の勧誘に似ている。
どっちにしても、いまは持ち合わせがない。…と思いきや、財布には3万円があった。いま話題のスピリチュアルカウンセラー「Toshi&Lithi」が、財布の中に3万円(壱万円札3枚)を入れておくと金運がアップすると言っていたので、それを実践していたのだ。
これはイベントに申し込めという神の示唆なのだろう。少なからず興味もあったので、申し込んだ。とはいえ1万円は高いと思う。
指導対局に戻る。R氏は大野七段に負けた。あれからかなり追い上げ、終盤は勝ち筋もあったのだが、決められなかったようだ。
「そういう大沢さんみたいな手は困るなあ」
と植山七段がボヤいている。Shin氏に対してのものらしい。「(上手に対して)どっからでも攻めてらっしゃいという態度はいけませんよ」
これを額面通りの意味に取るとおかしなことになる。これは下手に対しての、植山流の最大限のホメ言葉なのだ。
私の将棋は、二段目に竜を作り指せると思ったのだが、大野七段の△8一歩~△6一歩が上手らしい手。私の▲9二竜は仕方ないが、▲5三桂成にも△6二桂と受けられ、ついに竜の横利きを封じられてしまった(ただし△6二桂では、△7七銀と打ち込めば、下手玉が寄っていたと思う)。
以下も急所をビシビシ攻められ、最後は大野七段の勝ち。口の中も苦いが、将棋も苦いスタートとなった。
「女流棋士との親睦会」は、R氏もアッサリ陥落。「あきちゃんに頼まれちゃイヤとは言えない」は私も同意だが、Fuj氏は買わなかった。費用対効果がないと見たからで、彼、こういうところはシビアなのである。
ちょっと早いが、ここで3時休みである。きょうはW氏、Hon氏、Ok氏、Watanabe氏とレギュラー陣が全欠席。いつもと雰囲気が違う教室となっている。
大野七段がO君との手合いを付けてくれるが、角落ちが適当なところを、O君は「平手なら(指します)」と意味不明の返答。結局、指さなかった。
対局に戻る。今度は植山七段に教えていただく。右にはやはり、R氏が座った。
R氏「二枚落ちでお願いします」
植山七段「はい」
そして、飛車角を落とした。
私「角落ちでお願いします」
植山七段「分かりました」
私「…。角落ちで、お願いします」
植山七段「分かりました」
私「……。では平手でお願いします」
植山七段「はい」
上手が駒落ちを拒絶するという意味不明なやり取りのあと、対局開始。▲7六歩△3四歩▲2六歩に、植山七段は△4二飛。「角交換四間飛車は(指すのが)初めてなんだよなァ」とつぶやいた。
いつもならここで▲6六歩だが、ここは勉強である。堂々と角交換を受けて立った。
植山七段は△3五歩。ちょっと早いと見て、私は▲3六歩と突き返す。自分らしくないキビキビした将棋になり、以下の局面を迎えた。
ここからの7手をお考えいただこう。
(つづく)
対局以外では、高校生という身分に応じた配慮があってほしい。
暇そうな女流棋士はいくらでもいるのに。
ならば多少は人材不足とはいえLPSAのイベントへ参加したいですね("⌒∇⌒")
文脈から和田女流はチラシだけでなくチケットも所持していたと言うことでしょうか?。
和田先生は教室の常連なので、イベントのお知らせはしたくなるところでしょう。
申し込む人もよろこんでいるので、それでいいと思います。
>ちょっこし正義の味方さん
1万円はっけこうな金額ですね。なるほど、東京以外から来る方は、交通費も考慮に入れないといけないわけですね。なかなか大変です。
>瀬戸のひしお。さん
チケットは、ナンバリングされたハガキがチケットの代わりになるようです。私もその場でもらいました。
ハガキにはナンバリングがされているので、そうはならないと思います。