以下の指し手。▲2四歩△同歩▲同飛△2五桂▲1五角△1四歩▲3三歩△4二飛
部屋の一隅では、和田あき女流初段とO君が戦っていた。どちらも今後の対局に備えて、真剣そのものだ。
私は▲2四歩と合わせた。これに△2五桂なら、▲2三歩成△3七桂成▲3二と△2八成桂▲4一とで下手指せると思った。
本譜は△2四同歩▲同飛に△2五桂。ここでいったん▲1五角と出る。植山悦行七段は△1四歩の催促だが、ここで△2三歩なら▲3三歩△同飛▲2五飛で下手優勢。
本譜も▲3三歩が狙いの一手。植山七段は△4二飛と我慢したが、△3三同飛なら▲1四飛が私の読み筋。以下△3一飛▲3二歩でどうかと考えていたが、これは△2一飛で下手難しい。
それで自宅で考え直したのだが、△3三同飛なら平凡に▲2二飛成とし、△3二飛▲1一竜△1五歩▲4一竜で、次に▲6六香を見て下手指せる。植山七段はこれを読んでの△4二飛だったと思う。
ともあれ私の構想通りに進み、以下は難しいところもあったのだが、何とか幸いすることができた。
…で終わらせるのも不親切なので、熱心な読者のために、以下の指し手を記しておこう。
▲5九角△4五歩▲3四飛△4六歩▲5六銀△4七歩成▲同銀△1九角成▲4三歩△2二飛▲2三歩△6二飛▲3五飛△4六歩▲5六銀△2九馬▲2五飛△3八馬▲5五銀左△6四桂
▲4六銀△5六桂▲同歩△同馬▲5七銀△3四馬▲2九飛△4六歩▲3九飛△2三馬▲4六銀△2二飛▲3四桂△1三馬▲2二桂成△4六馬▲6八角△5五馬▲6六銀△3八歩
▲5五銀△3九歩成▲3二歩成△8四香▲4一と△8五飛▲8六歩△5五飛▲4六角
まで、95手で一公の勝ち。
R氏も植山七段に勝ったようだ。R氏、エンジンがかかってくれば、やはり二枚落ちは手合いが違うようだ。
3局目はTaga氏と。私の飛車香落ちで開始。私は△2三銀型に組み、相手の飛車成りを許さない。しかしこの銀の働きが悪く、あまり得策ではない感じだ。
本譜はお互いに香を取り馬を作ったが、ここでは自信があった。しかし△5五歩と銀取りに突いたのが疑問手。▲6五銀と桂の利きに出られて弱った。
これを△同桂は▲6四香で上手敗勢なので△6四歩と辛抱したが、これでは上手歩切れになっておもしろくなかった。
数手進んで、上手:1九馬、4四銀、5五歩、6二玉、6三金、7三桂 下手:4五桂、4八飛、5四香、9一馬 の局面で、▲5三桂成△同金▲同香成△同玉▲7三馬と進んだが、△4五香から下手の飛車をいじめては、上手が指しやすくなった。
局後植山七段が横にいらしたのでやりにくくなったが、ちょっと変化らしいものを述べる。
すなわち下手の▲5三同香成では、▲4四飛と銀を取るところ。以下△同金▲5三銀で、下手必勝だった。闇雲に大駒を切るのは禁物だが、ここは絶好の切り時。このタイミングを見極めることが大切だ。
4局目はU君と。U君には1日の支部対抗戦で当たって、痛い目に遭った。一応手合いを聞いたが、もちろん「平手」だった。小学生はそうでなくてはいけない。振り駒で私の先手となった。
△8五歩を決めてきたので、私は向かい飛車に振る。U君は棒銀の急戦含みだが仕掛けを諦め、△4一金~△4二金上の上下運動を繰り返す。
U君は支部対抗戦のときもいったん上がった金を引いていたが、どうもこういう手は、将棋に「ない」気がする。駒は前に前に進めるのがいいと思う。
本譜、私は▲4七角と自陣に据えまずまずと思っていたのだが、U君の大捌きに遭い、気が付いたら劣勢になっていた。
私は▲1一角~▲2二銀と迫ったが、U君の△3六歩▲同銀△5五角(王手銀取り)が厳しく、ここで私の投了となった。
しかしどうもおかしい。中盤まで優勢と思っていたのだが、どこでひっくり返ったのだろう。
先手:4七角、5九飛、6五歩、6七銀、7七桂、7八金 後手:5三銀、6三金、7三桂、8二飛、8七成銀、9二角 の局面から▲8三歩△同角▲8七金△6五角▲同角△同桂▲8六歩△7七桂成と進んで、銀得した私がいつの間にか不利になった。
検討に加わっていただいた大野八一雄七段によると、上記手順中の▲6五同角が大悪手。当然▲同桂と取り、△8七飛成▲5三桂成で先手優勢だった。
相手が桂の利きに角を飛び出してきたのに、それを▲同角とお付き合いするバカはいない。▲8七金を取られるのを恐れたからだが、全然読みが足らなかった。
U君に平手の連敗は痛い。これは本当に、平手が妥当の手合いになってしまった。
5局目はHonma君と。Honma君とも先日平手で指し、見事に負かされた。きょうももちろん平手で、振り駒で私の先手になった。
Honma君は三間飛車。私は急戦を採り、以下華々しい攻め合いになった。
左では和田女流初段とWatanabe君が、右ではE氏とS君が対局していた。Watanabe君は元奨励会員で、私も角を落としてもらい対局したことがあるが、負けた。奨励会の実力は、そのくらいスゴイのだ。本局もWatanabe君十分の形勢になっていた。
こちらの局面。中盤まではこちらが指せる気もしたが、それ以降はHonma君がつねに半手いい感じで、終盤では明らかにこちらが負けになった。
しかし時間に追われたHonma君が悪手を指したようで、形勢が逆転する。私は▲6一飛と打つが、それでも自信はない。ところがHonma君が、ここで投了してしまった。
いやいやそれは投了が早すぎでしょう、と強引に対局を進めたが、形勢の針は揺るがず。大野七段を交えた検討でも、どうも私の勝ちは動かないようだった。
ここまで5局指して3勝2敗は、駒を触ったのが3週間ぶりにしては、まずまずか。
(つづく)
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