一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3月12日のLPSA金曜サロン・「マッカラン」

2010-03-17 00:42:01 | LPSA金曜サロン
きのう16日(火)に放送されたテレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」に、「リモコンで動く、ブリキの『ウルトラセブン』」が鑑定に出された。その額なんと400万円!! メーカーが倒産し、販売期間が短かったことが高額の理由だが、ウルトラセブンというキャラクターにも、付加価値があったと思われる。ウルトラセブンの面目躍如であった。

12日のLPSA金曜サロンは、昼が大庭美樹女流初段、夜が松尾香織女流初段の担当だった。今回は「お酒大好きコンビ」というところか。
午後3時すこし前に入室するが、会員が4人しかいない。何があったのだろう。
今年の初めあたりは昼(1部)から大入り満員が続いたが、ここ数週間は昼の入りがわるい。担当の女流棋士目当てに来場する会員もいるが、大半は、時間の都合がつけばサロンに訪れる会員ばかり。不可解な現象ではある。
手合い係の植山悦行氏に挨拶したあと、石橋幸緒天河のご母堂と世間話。いつもながら、石橋親娘の精力的な活動には圧倒される。
話を聞くと、天河戦などに協賛しているNTTル・パルクが、駒込サロンにも協賛してくださることになったらしい。指導対局場のパーテーションを見ると、NTTル・パルクのポスターが、どーんと貼られていた。100年に1度の大不況の中、スポンサーが出資額を増やしてくれるのはありがたいこと。
LPSA女流棋士は、スポンサーに感謝しながら、対局や普及を行うべきである。
大庭女流初段との指導対局が終わり(詳細は後日)、「今年は一公さんに負けない!」と豪語している松尾女流初段に指導対局を受けていると、定刻を少し過ぎて大盤解説が行われることになった。
今回は特別に、植山悦行七段の自戦解説となった。将棋は先日の竜王戦6組・瀬川晶司四段戦である。もちろん勝ったから、解説するのだ。
ちょっとハニカミながらも大盤の前に出た植山七段。その解説はよどみがなく、とても分かりやすい。米長邦雄永世棋聖にどことなく話し方が似ている。おふた方とも、佐瀬勇次名誉九段門下である。
もっとも米長永世棋聖はこの類の自戦解説は何度も行っているに違いないが、植山七段はかなり珍しいと思う。
私は松尾女流初段との将棋が大苦戦で、大盤と眼前の将棋を交互に見る形。解説は、アマが一目こう指したい手が疑問で、正着はこちら。アマならつい指してしまう重たい手がやっぱり正着など、内容が濃い。
「ここで一公さんならどう指しますか?」
と訊かれたが、私は松尾女流初段との将棋が気になって、解説を聴くのは上の空になっていた。
「すいません、聞いてませんでした…」
「ダメだよそっち考えてちゃ」
と笑いながらも釘を刺される。最初は軽く、と考えていた植山七段の弁も熱くなり、けっこうな時間が経って、解説は終了となった。私の態度がちょっとアレだったが、プロの将棋の組み立て方、考え方はとても参考になり、有意義な時間を過ごすことができた。
その後、パンダのかぶりものをした石橋天河も現われたので、天河奪取のお祝いを述べる。石橋天河も笑顔を見せてくれたが、先日のファンランキング改訂版には触れず、そこが逆に恐かった。石橋天河と中井広恵女流六段は、ほかの女流棋士にはない、妙な迫力がある。
またも閉席時間の8時30分を大幅にすぎ、この日のサロンも終了。このあとは定跡どおり、有志10人前後でファミレスへ向かう。
テーブルの一角を占領してしばらく経つと、石橋天河、ご母堂、松尾女流初段、大庭女流初段とスタッフ氏も顔を見せ、石橋女流四段はこちら、その他のメンバーは離れたテーブルに座った。ファンクラブ会報制作の打ちあわせらしい。
ここで断っておくが、女流棋士がこの食事会に顔を見せることは、残念ながらほとんどない。中井女流六段、石橋天河は何度かあるが、それ以外は、食事会が始まった初期のころに、松尾女流初段、船戸陽子女流二段が1度ずつ。大庭美夏女流1級が2回…だったか。あとはLPSA退会直前だった北尾まどか女流初段と、みんなで飲みに行ったことがあるだけだ。
松尾女流初段、船戸女流二段は、この食事会に参加しなければいけないと錯覚したフシがあり、私たちが説教を浴びせたこともあって、以降、同席はなかった。世間が思うほど、女流棋士と私たちとの距離は近くないのである。あくまでもビジネスライクのお付き合い、ということだ。
カロリーの高い食事が終わり、政治の話で盛り上がっていると、一仕事を終えた松尾女流初段が私の前にすわった。私は、
「先生、夏にマイナビの一斉対局がありますよね。そこで私が先生に懸賞金を懸けるのと、勝ち負けに関係なく3,000円相当のお酒を差し上げるのと、どちらを選びますか?」
と問うと、松尾女流初段は絶句する。
情けない、というしかなかった。ノータイムで、
「そんなの懸賞金に決まってますわ。オーッホッホッ…」
とでも即答してくれれば、こちらも頼もしく思うのに。
「じゃあ分かりました。次の倉敷藤花戦、ベスト4まで勝ち進んだら、松尾先生のお好きな酒をプレゼントしましょう」
「ホントですか。じゃあ『マッカラン』」
「まっからん? ウイスキーですよね。それ、どこのメーカーですか。だいたいいくらぐらいするんですか?」
「5万円」
「ご…ごまんえん!? それ、何年物ですか」
「……」
「ああ…ウイスキーも泡盛と同じで、年月が経つとドーンと値が上がりますからね。しかしちょっとそれ、何とかなんないかなあ…。あ、あと、今年の指導対局で、先生が私に全勝したら、私が来年北海道へ行ったとき、先生にウイスキーを買ってきますよ」
「やだ。マッカランがいい」
「チッ…そんなに『まっからん』がいいんですか? あ、あの、ミニボトルにしてください」
「ブフフッ…。『カクヤス』なら2万円ぐらいで買えますよ」
「……。せ、先生、なんかお酒をガバガバ飲むイメージがあるけど、お酒の味、分かるんですか?」
「日本酒はどうかなぁ…。あまりよく分かんない。だけどほかのお酒は分かりますよ」
「分かりましたよ。だけど今期だけですよ、チャンスは」
どうしてこうなんだろう。どうして目の前に女流棋士が来ると、私は大きく出てしまうのだろう。まあよい。倉敷藤花戦のベスト4は難儀である。もしや…という危惧はあるが、こちらからいい出したことだし、その約束は守ろう。もっとも「まっからん」を何年物にするかは、こちらで選択させていただく。
さて。この約束を松尾女流初段とだけしては、ほかの女流棋士が怒りそうである。ファンクラブイベントのアンケート「お酒が強そうな女流棋士は?」で、松尾女流初段は2位だった。どうせだから、1位の船戸女流二段、3位の大庭女流初段にも、「倉敷藤花戦ベスト4進出」なら、「まっからん」を勝手にプレゼントさせていただこう。
みんな、がんばれー。
コメント (9)
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