八十路徒然なるままに

早稲田かりほすなど、とりあつめたる事は、秋のみぞ多かる。また、野分の朝こそをかしけれ。徒然草より

ばあちゃんの感謝のことば

2009年11月06日 19時54分31秒 | Weblog
前回に続いて。なかなか寝つかれない時に「マッサージしてやっけぇ」と云うと、「ありがと、ありがと、ありがと」と云う。手足を揉んでやってる間、なにか話しかけてくる。入れ歯を外しているので、「なんとかかんとかだなぁ」とか、「なんとかかんとかだと思うよう」と、よくわからない。適当に「そうなんだっぺなぁ」と返事をしている。背中が痒いというので、ごしごしごしとやってやると「頭がぐらぐするから、やさしくなあ」と。マヒが残る手足を、ぎゅうっと握ってみたり、ぎゅうっと指圧をしてやったりすると、「ひっちぎんねぇでなぁ」という。「せいせいするなぁ」と言って、目をつむる。寝息がするころに、手足と背中をすうっすうっとなでて、とんとんとんと軽く叩いて立ち上ると「ありがと」と。「あぁ、またあしたねぇ」と声をかける。目をとじたまま、うなずいている。軽い認知症でも、礼を言うのは忘れないようだ。上品なばあちゃんの「ありがと」。
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