冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

ラウンド針ノ木 ー 7月の雪原を登り、高山植物と黒部の山々の絶景を楽しむ旅 (その2)

2015-08-23 12:55:04 | 旅行
更新がまたまた滞っておりますが、ラウンド針ノ木は私の山旅の中でも完成度の高さでは最高だったと思われるものなので、ちゃんと書いていきます。
前回は針ノ木雪渓を登って針ノ木小屋に到着し、そこからの北アルプス最深部方面の景色を楽しんだところまででした。今回は蓮華岳の花々を中心に行きます。

蓮華岳は針ノ木岳に隣接する標高2,799メートルの山で、300名山の一角です。最終日に上る爺ヶ岳と同じですね。
高瀬ダム方面から始まる裏銀座縦走コースにまでつながる、船窪岳や烏帽子岳への稜線に続いています。山容は針ノ木岳方面に大きな尾根を伸ばしてたおやかで雄大な印象です。種池山荘から針ノ木岳方面を眺めると左側に連なって見える山ですが、標高以上に印象の強い山だと思います。
翌日、種池山荘までの縦走後に撮った写真。この写真の中央が針ノ木岳で、その左が蓮華岳です。


針ノ木小屋から蓮華岳の山頂まではコースタイム70分となっていますが、これはコマクサなどの花々を無視してガンガン歩いた時の時間でしょう。コースに急登箇所はないものの、それなりに距離があるので意外と時間がかかります。
少し登ると、針ノ木岳とその先のスバリ岳の姿がよく見えます。


針ノ木小屋もあっという間に小さくなってしまいました。


序盤は少しだけ背の高めの木があり、シャクナゲも咲いていました。


蓮華岳は砂礫の山と言ってよいでしょう。登山道とその周囲は土の感じはほとんどなく、かと言って岩々しい訳でもありません。ある意味荒涼としたところです。そんな山肌に、高山植物が張り付くように咲いています。こんな感じ。


ちなみに、この群落を構成しているのはチングルマです。こんな厳しい環境で健気なものです。


チングルマとミネズオウ。


ハクサンボウフウ。以前からいろいろな山で見かける小ぶりの集合花ですが、やっと名前を覚えました。ラウンド針ノ木の後に行った北アルプスで、長く厳しい行程にずっとたくさん咲いていて癒してくれたのでちゃんと調べた。


ミヤマリンドウやツマトリソウも結構咲いていました。背の低い小さい花が多いです。稜線で風も強いですしね。




こういう稜線で定番のツガザクラ。贔屓の花です。


そして、コマクサも結構序盤からちらほらと登場。コマクサ、実は初めて見ました。厳しい環境でしか咲かない高山植物の女王。


これを見たくて蓮華岳に来たので、喜んでいいアングルを工夫しまくる。




なお、後で写真も載せますが、コマクサが本当に群生しているのは山頂を越えて「蓮華の大下り」と呼ばれる船窪岳方面に向かう尾根に入ったところです。そこは、ピンクの絨毯のようになっていました。

蓮華岳、早池峰山とは違って登山道にずっと多様な花がびっしりと咲いているわけではないのですが、こんな環境に不思議なくらい多くの花が見られます。高山植物ファンであれば、絶対に外せない名所ではないでしょうか。
これまた定番のイワツメクサ。


そしてイワカガミ。


タカネヤハズハハコ。


ミヤマダイモンジソウかと思うけど、花弁の数が合わない。


イブキトラノオは少しだけ見かけました。存在感のある花です。


山頂近くまで来ると、タカネツメクサやタカネシオガマ、チシマギキョウにイワベンケイが多かったです。








このように、まさに百花繚乱。花の名山であることは間違いない蓮華岳。本当に、こんな荒涼とした砂礫の大地に、よくこれだけの花が咲くものだと感心するよ。
そして、最後に少しだけ急な坂を上ると頂上です。頂上付近には祠がありました。




この付近から眺める薬師岳が格好いい。薬師岳、大きい山容で立山連峰や黒部の奥地の主要な山の1つですが、自分的には女性的なイメージ。南アルプスの仙丈ケ岳に近いイメージでしょうか。両方ともカールで有名ですね。ビッグマザーの薬師岳に、もう一つの大きな山の赤牛岳がゴッドファーザー的イメージ。


薬師岳を背景にタカネツメクサ。


そしれ、コマクサという意味ではここからが本番。山頂を越えて北葛岳方面へ下る大下りの斜面に、びっしりと咲いているのです。








なお、コマクサ以外の花もかなりびっしり咲いています。目立ったのは黄色のクモマスミレ。


タカネシオガマも。


お天気的には、このくらいの時間から少しガスが出始めたのですが、花を随分と楽しんで満足でした。
その後は針ノ木小屋に戻って休憩しながら他の登山者の方々と情報交換したりして過ごしました。私はこの日は素泊まりなので夕食はレトルトカレーなどでしたが、針ノ木小屋では煮魚がおかずとして出るようで、皆さん満足されていました。

小屋前からの風景。水晶岳がよく見える時間もありました。


そして夕暮れ時。雲が出てきてしまいましたが、槍・穂高こそ見えないものの北アルプスの主要な山々が見渡せます。


小屋の逆サイドは後立山連峰が見えるはずなのですが、こちらは雲で残念。


翌日はご来光にそれほど関心がなかったので、4時半ごろを目途に出発です。幸いにして快晴で、小屋を出るとすぐに富士山も見えました。
縦走での景色に期待が持てます。



↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。