冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

南アルプス縦走の旅 その4 北岳山荘~間ノ岳に切り返し

2016-09-24 21:28:30 | 旅行
南アルプス縦走3日目。この日もお天気に恵まれて間ノ岳山頂の絶景を楽しんだ後は、北岳山荘のテント場へ。


8時半頃には北岳山荘に着いて受け付けです。地図では水場は150メートル以上下ったところにしかないとなっていたので、一応念のために熊ノ平から1リットル以上の水を担いできましたが、実際には山荘脇にポンプアップされているので問題なく使えます。
テントを張ったら、寝袋をハイマツの上で干しつつ北岳に向かいます。7月の最初の週末以来、約6週間ぶりの再訪。
北岳に登っている時の写真を見返して思うのは、とにかく花が多いということ。縦走路にある山々の中で、何故か北岳だけが種類も数も圧倒的に豊富。入山者も一番多いでしょうから、人間に荒らされてだいぶ不利な立場だと思うのですが、とにかく他の山を圧倒して本当の花の名山です。今年登った山で言えば、蛇紋岩で有名な尾瀬の至仏山にも勝っているのではないかと思うほど。
雄大で大きな山容と多様な花々の共演は、男性的でもあり女性的でもある感じ。ここでも敢えて北アルプスに例えれば、立山や白馬岳のイメージでしょうか。まあ、この2つの北アの山には私は登頂したことはありません。眺めたことがあるだけですけどね。

それはともかく花々を少々。コゴメグサ。


タカネビランジの白花だと思います。咲き初め。


シコタンハコベ。初めて見ました。


ミヤマコウゾリナでしょうね。稜線だし。ヤツガタケタンポポとか、珍しいタンポポってやっぱり樹林帯に咲くのでしょうか。


花だけじゃなくて景色もねー。圧倒的な絶景というやつなので、絶景絶景って簡単に言うのはあまりよくないと思うんですが、ここではそれしか言いようがない。


仙丈ケ岳もだいぶ大きく見えます。ここまで来ると。


と、ここでライチョウさんご一家が登場。完全には数えられなかったけれど、4~5羽の雛と2羽のメスのように見えました。高山植物保護のためにネットの張られているところにいて、1羽がネットの中に入ってしまってなかなか出られず。そのために親鳥もその近くに止まっていて、かなり長い時間見ることができました。驚かさないようにあまり写真は撮りませんでしたけど。






私はライチョウさんは大好きなんですよね。氷河時代からの生き残りで健気に頑張っている感じだし、高山で会う動物の中で圧倒的に可愛いと感じます。
これまでは北アルプスで3回遭遇していましたが、南アルプスでは初めて。個体数が減少していると言われていますが、絶滅は絶対に避けてほしいし、効果的な保護策があるなら寄付とかしたいと思っています。

さて、ライチョウさんと別れて北岳山頂を目指す。で、花に気を取られる。ミネウスユキソウ。昨年までの山行では、あまりウスユキソウを見ることがなかったので貴重な花だという感覚がありましたが、今年はチングルマやコバイケイソウよりよく見る。ホント、花はタイミングだ。


キンロバイの大きな株。まだまだ咲き始めですな。






こういうお花畑状態のところは随所にあります。まあ、雲上の楽園です。


タカネナデシコもたくさん。


イブキジャコウソウもたくさん。


ハハコヨモギは、7月に来た時よりもだいぶ少なくなっていましたが、まだ少しは咲いていました。北岳固有種ではないものの、珍しい花。


チシマギキョウも多いです。


タカネシオガマはピンクが鮮やかで、お花畑でも目を惹く存在。


シコタンソウ。塩見岳からずっと咲いていますね。


ウサギギク。こうやってまとまって咲いているととても可愛く見えます。


ハクサンイチゲは7月にはお花畑の主役でしたが、今回はほんの少し残っていただけです。形の比較的よいものを一輪。


少しずつ高度を上げています。お花の写真を撮りながら、アタックザックでの身軽な登りなのですが、それでも結構大変なのは高度が高くて空気が薄いからなんですかね。
そして、振り返れば定番の北岳~間ノ岳稜線。雑誌で見たこのシーンが私にとっての日本アルプス稜線美の原点。




階段になっているところなどで息を切らせながらも、ついに登頂。今年2回目の登頂です。と言うか、人生2回目でもありますが。




あー、間ノ岳方面は夏雲につかまってしまった。まあ、これはこれで雲が景色に迫力を与えてくれるけど。


山頂には白花のタカネビランジがありました。南アルプスの高山植物の女王と言えるのではないでしょうか。


さて、山頂からの景色を堪能。北岳山頂には多くの登山者がいますので、まずは自分の目で楽しみつつ、邪魔にならないようにタイミングを見計らっての撮影。
甲斐駒ヶ岳の雄姿。確かに格好いい山容。ただ、甲斐駒を完全に見下ろすという北岳の位置は凄いと思う。


甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳のいつものツーショット。


間ノ岳と、その奥に塩見岳。歩いてきたのですから立派なものだ。我ながら。






仙丈ケ岳と登山靴。アイテムに敬意を払うシリーズの写真。


見上げれば夏空。


またまた1時間くらい山頂で遊びました。岩に腰かけて、間ノ岳方面に雲がかかったり雲が流れたりするのを眺めたり、思い出したように風景やギアの写真を撮ったりしていると直ぐに時間が経ちます。
まあ、いつまでいても仕方ないというか、お昼も食べたいのでそろそろ下山。本格的に夏雲が上がってきた頃を見計らって、北岳山荘でカレーを食べに行く。

下山中もお花の写真は撮ってしまうので、あまり早くは歩かず。イブキトラノオの群生。


一輪だけ残っていたミヤマキンバイ。山行中は、ずっと葉だけ残ったミヤマキンバイを稜線で見てきたのですが、この一輪だけ残っていました。


タカネヤハズハハコ。


シコタンソウとタカネシオガマのお花畑。


シコタンハコベ。


ちょっと振り返ると北岳山頂の後ろに夏雲が迫っていて格好いい。


お花の写真続き。山頂や下山中には花々と背景のコラボにも挑戦する。トウヤクリンドウの写真は自分でも好きなもの。












ついに戻ってきてしまいました。塩見岳から熊ノ平も大パノラマだったし、早朝の間ノ岳は大展望台だったけど、やっぱり私は北岳が一番好みだと思う。


振り返ると北岳が眺められるテント場の贅沢。


間ノ岳は既に雲に隠れてしまっており、夏雲は東側からどんどん上がってきていました。西からの風で稜線上では押し返されるのですが、徐々にテント場からに風景も白さを増してしまいました。やはり午前中でないと駄目ですね。夏は。
さて、お目当てのカレー。あまり特徴はなかったように記憶していますが、食堂で食事すること自体がほっとする。


その後は、テントでちょっと休んだり、山荘のテラスのところでボーとしたりして贅沢な時間を過ごしました。2日目と4日目に比較的長めのコースタイムをこなして歩かなければならないので、3日目はゆっくりする計画でした。
午後の北岳。やはり雲に攻撃されている。かろうじて山頂は凌いでいるけど。


雲は基本的に東側にあり、南からの陽射しがあまり遮られなかったので、稜線でも結構暑かったしまぶしかったです。
テント場も結構混んできた。とは言ってもまだなんとかなるレベル。この日は山の日の前日。翌日は恐らく満員御礼でしょう。一番人気の北岳でテントを張る日が山の日にならないように日程を組んだのは正解でしたね。




この日のご飯もパスタ。だけどスープパスタにしてみた。フリーズドライのビーフシチューをソース代わりにして。悪くなかったと思う。3泊以上の縦走だと、予備の食料や行動食も入れると軽量化がどうしても課題になって、何とか工夫する必要が出てきますな。まあ、歩荷能力を上げろと言われればそれまで。


夕方の北岳。空の色が違いますね。夏雲は徐々に下りていきました。


翌朝、と言うか夜明け前。テントをたたんで出発すると、既に北岳方面にはヘッドライトが見えます。ご来光を山頂で拝む人たちですね。


2016年夏の南アルプス縦走も、1日中歩くのは4日目のこの日が最後。最終日の5日目はコースタイム3時間程度の下山を残すだけで、下山後は奈良田温泉にゆっくり入って時間に余裕を持って東京に戻る予定です。その分4日目は結構タフで、コースタイムは8時間半ですが、間ノ岳、農鳥岳(西農鳥岳を当然含む)、広河内岳と3つのピークを登る予定。そして、実際には一番苦労したのは大門沢小屋への下りルートでした。まあ、詳しくは後ほど。

徐々に明るくなって来ると、進行方向左手には富士山が見えてきます。富士山と朝日のコラボを見られるのがこの稜線のよさですね。雲海もよろしい。


北岳方面。この日は山の日。記念すべき最初の山の日は、雲海の上で晴れているという絶好のコンディションに恵まれた南アルプス。


鳳凰三山の奥から朝日が昇ってくるようです。


稜線を振り返るとこんな感じ。


日が出てきたかな。ちょっとだけ雲に邪魔されて、まあるい太陽は拝めない模様。


でも神々しい。




山の日万歳の富士山と朝日。


間ノ岳。もうちょっとピンクやオレンジに染まればいいのに。


もう一度北岳、鳳凰三山方面。


それほど気温は低くなかったと思います。12,3度くらいじゃないかな。しかし、西側からの風が結構強くてレインウェアを羽織って歩いていました。
そして、出発から1時間半程度で間ノ岳山頂。昨日の朝からちょうど1日ぶりに再訪。


この後、間ノ岳山頂でやはり30分以上遊んでから農鳥岳を目指しました。
ただ、このまま農鳥岳、そして下山の写真まで入れようとすると、Gooの制限に引っかかるのが目に見えているので、いったんここで切ってアップロードします。
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南アルプス縦走の旅 その3熊ノ平への道 & 熊ノ平から間ノ岳へ

2016-09-22 20:02:27 | 旅行
お天気に恵まれ、本当に大感動の大絶景の山旅だったのですが、私の写真ではその醍醐味をほとんど伝えられませんね。こうして見直すと。写真技術が稚拙、残念なものです。
しかし、実はそれはプロの写真家でもほとんど伝えられないのではないでしょうか。お天気がいいと特に日本の山岳地帯の景色は圧倒的に美しく、大きさも感じられます。それなりに海外旅行もしてきましたが(海外で山岳旅行はしていないけど)、日本アルプスの絶景は世界的に見てもレベル高いと思いますよ。ホントに。そして、北アルプスの方がどうしても注目度が高いですが、今回の南アルプスの山旅を経て思ったのは、自分は南の方が好きかもしれないということ。北アルプスも大好きですよ。でも南の大きさは、山に溶け込む感じでしたね。まあ、北アルプスで3泊4日の縦走をした時は雨に降られてしまったので、快晴だったら北アルプスにも同じように溶け込めたのかもしれないですけど。

で、熊ノ平。山に溶け込むにはもってこいの山小屋、そしてテント場です。遠いけど。
まずは塩見岳直下の岩場を降りてきました。塩見小屋方面から登ってきたルートに比べると岩場は険しくないし、距離も短いのでそれほど問題ありません。振り返るとこんな感じ。


進行方向右手には、長大な蝙蝠尾根とその向こうの白峰南嶺の向こうに富士山が見えます。


進行方向は間ノ岳中心に大山脈。この写真とか、雑誌の夏山特集に使えないかしら。まあ、これでも実際に見えている風景の感動に比べると矮小化されてます。


少し行くと、ハイマツの森に沈み込むように入っていきます。ここでのすれ違いは困難。


それを抜けるとこんな感じで足を滑らせたくない道が続きます。


北俣岳分岐を過ぎるとガレた急な坂です。写真は結構格好いい稜線の道ですが、実際に下るのはなかなかたいへん。片側が切れ落ちているので結構神経使います。登るのもつらいと思うけど、下りは落石起こさないように注意です。もちろん滑落も。


難所を越えて振り返ると、左側には今下ってきた難所。右側には塩見岳バットレスと呼ばれる塩見岳の北面。


標識。まだまだ熊ノ平は遠いが。


この辺りから見る塩見バットレスは大きく見えて迫力がありました。稜線の緑とのコラボもよろしい。




これはクロマメノキという植物。ネットで調べたけど、花はドウダンツツジやコケモモにちょっと似ている。かなりたくさんありました。


稜線の道。進行方向はこんな感じで北部の山々がとても大きい。


進行方向右手に見てているのは白峰南嶺と言われる稜線です。緑深くて南アルプスらしい感じ。一般登山道ではないので藪漕ぎ、ハイマツ漕ぎが普通な上、水場がないので縦走するならスピードハイク、もしくは6リットルとかの水を担いで行くらしい。ちょっとハードル高すぎエリア。笹山だけなら山頂の展望もありそうだし興味あるなあ。


右手後方には、白峰南嶺越しに富士山が見えます。まあ、楽園ルートね。このくらいお天気がいいと。神に感謝です。


後方は下ってきたルートと塩見岳。こうして見直すと、左に伸びる蝙蝠尾根は確かに魅力的に見える。


少し開けだ場所に出ました。大きく崩落している箇所を挟んで北荒川岳を進行方向に見るところです。崩落越しの農鳥、間ノ岳、甲斐駒、仙丈。


南アルプスは、薙(なぎ)と言われる地名が多いですが、崩落している場所を指すようです。今でも年間数センチ成長している山脈だし、降雨も多いので崩落する箇所もおおいのでしょう。南アルプス林道が土砂崩れで通行止めになってバスが止まるのはよくあるパターン。

この日あたりからザックの写真を積極的に撮るようになる。


15分くらい休憩して出発。ここからは崩落地の右に稜線を巻きながら少し下ります。高山植物に加え、まばらに生えた木々と草地のコラボが牧場のような雰囲気。ちょっと標高が高すぎですが。






ただし、こんな高地でも鹿の食害がひどいらしく、元々はもっとずっと多くの花々が咲いていたようです。今では、鹿が嫌うマルバダケブキが増えてしまい、こんな様相です。


5万分の1の地図にもあるキャンプ禁止標識の場所に出ました。元々はキャンプ指定地でトイレだったのかな。熊ノ平まであと3時間って、ちょっと大変すぎよね。


荷物の重さもさることながら、この辺りの時間帯できつかったのは気温。夏場のアルプスを縦走していていつも思うのは、素晴らしいお天気に恵まれた時の暑さによる苦痛。絶景と裏腹。暑さに弱い私はこれが本当に苦しい。歩き始めてすぐに3時間ならどうということはないのですが、既に5時間ほど歩いてきているし、難所もあったし、稜線では太陽が照り付けるし、樹林帯に下りれば風がないし、なによりテント装備重い。縦走の実態は、苦しみが主軸にあって、ちょっと休んで顔を上げると絶景に感動するというものですな。逆ではない。残念ながら。それでも楽しいんだけど。なぜか。

あとはお花。南アルプス固有種でとても可愛いタカネビランジ。山歩きを始めたばかりの夏に鳳凰三山に登ってたくさん見た花です。




崩落地の南側に回ってきた。樹林帯から再び稜線に出て振り返ると、やや小さく見えるようになった塩見岳。ただ、ここから見た方が両翼を広げる形で偉そうで格好いい。赤石岳とか北岳とかの盟主級に比べると地味な山なのかもしれませんが、塩見岳は3,000メートル峰ですからね。やはりでかいです。山頂の岩場感とか、山頂がバットレス的に盛り上がって見えるところとか、北アルプスで言うと黒部最奥の水晶岳に重なるイメージでしょうか。水晶岳は昨年登れず。雨にやられた。


この日は雲もかからず、白峰南嶺越しの富士山はずっと見えています。


そして、北荒川岳に到着。11時頃です。ここで30分ほど休憩。残っていたパンなどを食す。他の登山者は少ないですが、皆さんここでフリーズドライや小屋で購入したお弁当などで昼食を取られていました。なぜここで休憩するのか。それはここが南アルプス最高の大展望台だからです。
仙塩尾根の稜線の開けたとことで、間ノ岳・塩見岳の中間とも言える位置。周囲が広く見渡せるうえ、どの山からも適度に距離があるので3,000メートル峰の巨体が大きく眺められる。つまり、1つか2つの巨体に遮られないでゆったりと全部が見渡せる。
まさにド真ん中にいるという感覚。あまりの感動に、「厳冬期にこの場所にヘリで連れてってくれたら3万円払います。10人くらいのツアーならチャーターできるんじゃないですかね。」とかアホなことを一緒にお昼ご飯食べていた登山者に話しかけたりしてました。
写真ではこの大パノラマというか、ド真ん中感を伝えるのは不可能ですが、一応幾つかアップします。

北部方面。仙塩尾根、緑深くて長い。


間ノ岳、農鳥岳は見えますが、ここからは北岳は見えません。


ボーっと感動していたせいか、この場所での写真はそれほど多くないんですよね。背景の山を変えて自撮りとか、ザック撮りしていて、あまりブログエントリ向きではありません。
むしろ1つ1つの山をズームして撮っている。ビッグマザー仙丈ケ岳。


農鳥岳。ゴツくて渋い。そして大きい。


間ノ岳。ずっと右手前方に見えていて、主峰の貫録。


塩見岳。両翼の広げ方は鷲羽岳に似ているとも言えそう。


塩見バットレスにズーム。


堪能して先に進みます。ここからは再び樹林帯に潜ります。風が欲しい。。。


相変わらずマルバダケブキ優勢の植相。


いい加減疲れてきましたが、遅くとも2時には熊ノ平に着くだろうということで歩みを早めることなく無理を避けます。それにしても風が欲しい。
1時間弱で新蛇抜山というピークへの分岐が出現。ちょっと登りますが、風にあたるために重い荷物を下して空身で登りました。


小さい山頂ですが、風が当たって気持ちいい。周囲も見渡せます。だいぶ夏雲が上がってきてしまいましたね。これはこれで迫力だけど。


仙塩尾根の道。まだ熊ノ平は見えませんが、奥の緑濃い森の中にあるはず。なお、この写真の中央の岩場は地図上で竜尾見晴と書かれているところでしょう。確かに眺望はよかったけど岩場の難所でした。


またまた樹林帯に戻る。南アルプスも小鳥が多くて、鳴き声はずっと聞こえています。でも、姿を見られる機会は少ない。貴重な一枚。


シラビソ樹林帯。この日の最終版。己との闘いに入っている。


ついに1時半過ぎに熊ノ平小屋到着。いやー、長かった。小屋の前にはテラスがあって、皆さんビール飲んで休まれていました。


テント場はやや複雑。3~4張くらいが限界の小さいテント場が幾つか点在しています。遅く到着すると水場やトイレから遠いところに張ることになるでしょう。まあ、張りたい場所は翌日の出発する方向にもよりますけど。私は比較的広くて樹の香りも濃い場所を選びました。


熊ノ平、樹林帯の中の落ち着いた山小屋で、とても雰囲気のあるロケーションですね。針葉樹の香りがとてもいい。水場も小屋脇にあって、水量豊富です。テント張ったら水場で体を拭きました。暑さにやられて汗だくだったし。


夕食。レトルトソースのパスタボロネーゼと卵スープ。パスタには赤やオレンジのミニトマトを入れています。卵の黄身に見えますが。


夕暮れ時。農鳥岳が夕日に真っ赤に染まるのを見たかったですが、残念ながら雲がかかってしまいました。それでも雄大。熊ノ平は農鳥岳の正面に位置するので、凄い迫力です。


この日は疲労もあって7時過ぎから爆睡。ただし、翌朝は早めに目覚めました。私とは逆に熊ノ平から塩見岳方面、三伏峠を目指す人が多くて、その方々は10時間コースに備えて4時前には出発されるので。ということで、私も夜明け前にはテントをたたんで間ノ岳方面に出発しました。
熊ノ平からは、まず400メートル以上と思われる登りで三峰岳(みぶだけ)を目指します。これは山頂というよりも岩の出っ張りのイメージですが、それでも標高は2,999メートル。北アルプスの剣岳に匹敵します。当然森林限界を越えた岩稜になるはずで、晴れていれば景色はいいはず。

ところが、この日の明け方は濃い霧が立ち込めていました。夜明け前は当然真っ暗ですが、やや明るくなってきてもガスが濃くて視界が限られます。こういう状況で森林限界を抜けて稜線にでると、道を見失う恐れが高まります。北アルプスや八ヶ岳と違って歩いている人は私だけ。慎重に前方を確認し、ペンキのマークなどを探します。風もそれなりにあって、緊張しながらすすみました。
まあ、それも1時間くらいだったでしょうか。日が昇ってくると地面が暖められて上昇気流が出たのか、徐々にガスが上空に抜けてくれました。進行方向に三峰岳らしきものも見えてきます。


右手を見ると、間ノ岳と農鳥岳のあいだの鞍部に富士山が。






農鳥岳自身はまだガスの中。


ガスで神秘的な感じの三峰岳に向けて歩く。


そして三峰岳登頂。後に控えるはボスキャラの間ノ岳。間ノ岳は3,190メートルなので、まだ200メートルほど高いのです。スケール大きい山域だ。


山頂ケルン。雲海見事。ザック写真シリーズです。どうも格好良くないですが。


農鳥岳、富士山方面。やはり絶景展望台ですね。


塩見岳、荒川三山方面。三伏峠も見えていると思います。だいぶ長い距離歩いてきたな。


それにしても、毎日お天気に恵まれてありがたい限り。やはり熊野三山と赤城山のお守りのご利益か。
何より、北岳から間ノ岳までは歩く人が結構いると思うけど、絶対仙塩尾根方面がお勧めですね。この景色は見られないですよ。こっちを歩かないと。農鳥岳のガスも完全に晴れましたね。


なお、この写真の手前からガレ場のバリエーションルートを下ると、大井川の最初の1滴が生まれる源流にたどり着きます。これまたスケールでかい話だ。
こちらの写真だとイワツメクサの先の谷底に沢が見えますが、これが大井川源流ですね。


イワギキョウは絵になる。


タカネツメクサも。後の谷は右俣沢だったと思う。


標識。私は間ノ岳を見ながら仙塩尾根を歩きましたが、こっちから塩見岳を見ながら行くのもいいかもしれない。


アルプスの定番、チングルマ君が風に吹かれる図。早朝のアルプスの空気感が伝わるのではないでしょうか。この手のシーンを見たことある人は多いでしょう。登山趣味なら。場所は間ノ岳ではないかもしれませんが。


そしてついに間ノ岳登頂。初日から様々な場所から眺め、その大きさと格好良さに感動してきた山です。流石は百名山の一角で標高日本3位タイ。そして、その背後には標高2位の盟主、北岳が見えているという。その奥の甲斐駒ヶ岳が小さく見えるという。


ここで自撮りしない人はいない。


ついに間近に北岳を捉えました。7月初旬に登り、自分の贔屓の山トップに躍り出た感がある雄大かつ繊細な山です。


東側にはケルン越しに雲海に浮かぶ富士山が美しい。


間ノ岳、感動の展望台です。間ノ岳自体がかなり格好いいと思いますが、富士山含めて周囲にスターが多く、大きな谷が切れ込んでいることもあって眺めがとてもいい。山頂が広いからあっちに行ったりこっちに行ったりして眺めたり写真撮ったりしていると、1時間くらい直ぐに経ってしまう。

仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳方面。こっちはまだ雲が垂れ込めてますね。


農鳥岳、仙塩尾根、塩見岳、荒川岳、そして南部の山々。うーん、南アルプスグリーン&ブルー。


ズームすると、荒川岳の奥に赤石岳も確認されます。ここからの方が角度的に見えやすいんですね。こっちの山域は公共交通機関だと行きにくいからなあ。高山植物の綺麗な時期に行ってみたいけど。


ゴツくてどっしり農鳥岳。北アルプスに例えると五竜岳とか赤牛岳ですかね。


仙塩尾根を確認したくてこっちの方面を眺める。仙塩尾根は長大で、今回は仙丈ケ岳と三峰岳を結ぶラインは歩いていません。そこだけで丸1日以上かかります。この写真の左手前から伸びている尾根で、雲に隠れた仙丈ケ岳まで。


奥には北アルプスも見えています。向こうからもこちらを見ていることでしょう。


北岳、ボーコン沢ノ頭から池山吊尾根方面と、その後ろに鳳凰三山。3年前に山歩きを始めた年に登った時にはとてつもなく大きな山だと感じた鳳凰三山ですが、こうして見るとやはり南アの主峰ではない。前衛峰ですね。それにしても雲海凄い。


うーん、日本か、ここは。


富士山があるから日本だな。なお、写真でも分かりますが、ここまで来ると急に登山者が増えます。大学の山岳部やサークルらしい集団もいます。


朝日と富士山。自分的富嶽三十六景に入ること間違いなし。


ザック写真シリーズ。まったく、シューズもザックもお疲れ様です。ホントに。


さて、十分堪能したら北岳方面に向かいましょう。途中の北岳山荘にテントを張り、北岳山頂を再訪する予定です。


途中にあったトウヤクリンドウの大株。


北岳は南アルプスの中では山頂が尖っていて、ちょっと雰囲気違いますね。


甲斐駒と北岳。鞍部に北岳山荘が見えてきました。


この北岳~間ノ岳稜線の美しさは自分史上最高の稜線と言ってもいいかもしれませんね。1日目のエントリに書きましたが、山歩き始めた年の雑誌の特集記事で使われていた写真は、この稜線の写真でした。そういう意味で、憧れの稜線を歩いています。荷物は重いですが。
次のエントリでは、3日目の行動の中で北岳登頂から先をカバーする予定です。4日目についてはどこまで書くか決めてませんが、アップする写真の枚数によります。
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南アルプス縦走の旅 その2塩見岳

2016-09-19 18:52:06 | 旅行
2日目(8月9日)はコースタイム約10時間の長丁場。塩見岳に登頂してから長い稜線を縦走し、熊ノ平のテント場を目指します。まだ暗い朝の4時ごろにはテントを撤収して出発しました。
この時期の日の出時刻は午前5時頃ですが、実際には樹林帯でも4時半過ぎには結構明るくなってくるので、ヘッドランプの灯りに頼るのはそれほど長い時間ではありません。三伏山に着いた時はまだ真っ暗ですが。


ちなみに、よく知られていることかもしれませんが、南アルプスのピークには東海フォレストさんが立てた立派な山頂標識があります。人があまり入らない山域のピークにもあるようで、流石は社有林を多く持つ地場企業。と言うか、この標識立てることを仕事にしてる人って結構タフかも。

シラビソと立ち枯れの木々の合間から朝日が昇りつつあるのを感じる。


塩見岳も悠然とそびえています。まあ、あと2時間半くらいで征服する予定。


樹林帯の道はこんな感じ。アップダウンは比較的少なかったと記憶しています。塩見小屋直前に体感的に250メートルくらいガッツリ登らせてくれますが、それ以外はコースタイムよりだいぶ早いペースで歩くことも可能でしょう。


もう夜が明けて見晴らしもよくなりました。


塩見小屋に到着。樹林帯を抜けて稜線に出ると結構風が冷たくて、それまでは早朝にも関わらず汗だくで登ってきていたんだけど、ここでレインウェアを着こみます。


ここからは北アルプス的な岩稜帯で、ある意味今回の山行では一番の難所です(後から別の難所の方が数倍厳しいことを知るが)。まずは天狗岩という岩に登り、その後で塩見岳の山頂(西峰)に至ります。ちなみに、一応は西峰と東峰に分かれていますが、その間5分もかからない距離にあるので実際にはほとんど1つのピークです。
で、岩場。それなりに緊張感。テント泊装備15キロ以上を背負っての岩場は初めてなので、3点支持を確実にするように意識しました。風がそこまで強くなくて助かりました。


急な登りは疲れるので、綺麗な花があると現実逃避とちょっと休む目的もあって写真を撮ります。イワツメクサはこういうところに撮ってくれと言わんばかりに咲いていることが多い。


この日はトウヤクリンドウも参戦。


アキノキリンソウも咲き始めていました。


イワツメクサ再び。


ヤマレコなどを見ると、チシマギキョウとして紹介されている方が多いと思うけど、花に毛がなかったのでイワギキョウだと思う。


ちょっと下を振り向くと結構な高度感ですね。中央の黄色い丸印、丸だからあの辺りも正しいルートのはずだけど、今見直すとあんなところがホントに正式ルートなのかと疑いたくなるレベル。


天狗岩を攻略し、荒川岳方面を眺める。いや、気持ちいい朝ですな。


塩見岳を見上げる。あとちょっと。


最後の登りですが、その前に花も楽しむ。塩見岳、実は高山植物がとても豊富です。7月の最盛期に登ればそれこそ綺麗な花だらけなのではないでしょうか。8月9日でこのレベルですから。


シラネヒゴタイ?


キンポウゲの仲間にも菊の仲間にも見えるけど特定できない白い花。見え方の問題でハクサンイチゲなのではないかとも思うが。


タカネツメクサ。


シコタンソウ。7月の北岳では風雨の中でシコタンソウを見つけられなかったのですが、ここでついに邂逅。写真並べると違いがハッキリ分かるけど、必死で岩登りしている時にはパッと見てタカネツメクサと区別できるようになるにはある程度経験が必要でしたね。




花が主役の山旅のつもりはなかったのだけど、塩見岳の実力の前に花を楽しむことに時間を割いてしまい、なかなか頂上にたどり着かない。
ピンクのお花もここで登場する始末。タカネシオガマだと思う。ミヤマシオガマと迷うけど。いつも。


タカネツメクサも背景に山が映ると高山植物感が出てよろしい。


コゴメグサも相変わらず多いです。今年は尾瀬でも南アルプスでもよく見るな。よく見ると複雑な形なのよね。


何だかんだ言って登頂です。塩見岳西峰3,047メートル。7時頃だったかな。かなりいいペースで登ってきたという記憶があります。山頂はあまり広くないのですが、昨日三伏峠でテントを張ってていた高校生と引率の先生のパーティと、塩見小屋に泊まられていた4名の比較的高齢の方々のパーティしかいなかったのでゆっくりできました。30分以上遊ぶ。今回の旅は山頂に長居するパターン。


一応自撮りしておく。


三角点越しに中央アルプス方面。


後に控えるのは御嶽山かな。


これまで来た道を振り返る。中央やや右のちょっと盛り上がった所、小さく2つ崖になっている崩落地が見えるところですが、あれが三伏峠です。小さく小屋が映っているのが分かるでしょうか。そこから左に行って黄緑色の美しいハイマツの上に小さくピラミッド型に盛り上がったところが、前日登った烏帽子岳。昨日は烏帽子岳から塩見岳を眺めていましたが、今日は逆です。


そこから少し東側を眺めると、荒川岳が大きい。荒川三山と言われるのですが、二山にしか見えないのは荒川前岳が荒川中岳の後ろに隠れているからでしょうか。登ったことのない山域は同定しにくいですね。
恐らく、右奥の黒くて大きいのが聖岳、左奥の双耳峰が笊ヶ岳だと思われます。ところで、正面に見える塩見岳の北俣尾根は、バリエーションルートを攻略する上級者には好まれるようですが、確かにここを登るのも下るのも絶景でしょうね。


荒川岳、標高は左側の荒川東岳(悪沢岳)が一番高くて3,141メートル。南アルプス南部の盟主と言われる赤石岳(3,120メートル)より高いです。左のピークが悪沢岳、中央が荒川中岳、その後ろにちょっとだけ稜線が見えるのが赤石岳ではないかと思われます。
荒川岳アップ。


更にアップ。


塩見岳東峰と荒川岳、そして南アルプス南部の山々。


そして北部の絶景。これから熊ノ平に向かって歩く稜線の道が見えます。その奥に鎮座する3,000メートル峰達は、右から農鳥岳、間ノ岳、ちょっと北岳も見えていますので白峰三山そろい踏み。一番奥に1つだけ2,900メートル級の甲斐駒の綺麗なピラミッド型の白い山頂が見えて、左は仙丈ケ岳。奥穂高岳や薬師岳から見た北アルプスの山々も大迫力でしたが、これだけ多くの3,000メートル峰が見られるのはここが初めて。


なお、今日のテント場として目指す熊ノ平は農鳥岳の真横にあたるので、稜線のピークを3つか4つ越えていくことになる訳で。最初から分かっていたことですが、その遠さを意識せざるを得ない。やはりアルプスは巨大だ。同じような図ですが、少し東側に寄ったもの。農鳥岳の稜線から続く白峰南嶺のうち、一番北のピークの広河内岳が見えます。ここが今回の山旅で登る予定の最後のピーク。


それにしても、岩峰の北アルプスとは明らかに違う景色です。南アルプスの3,000メートル峰は緑が目立つし、それが空の青さや雲の白さと相まってとても美しい。雄大という感じ。大きい。厳しいのは厳しいのだと思うけれど、おおらかな感じがする。
白峰三山アップ。


間ノ岳とその後ろの北岳。北岳は大好きな山ですが、この旅では間ノ岳がずっと圧倒的な威容を見せつけていました。とにかくでかい。


甲斐駒と北岳、間ノ岳。


仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳。登ったことのある山は、分かりやすさもあって撮りまくる。


塩見岳東峰方面には富士山も見えています。南アルプスは富士山が比較的近いので、大きく見えますね。


東峰をアップ。山頂に単独行者がいます。熊ノ平にテントを張って、ピストンされている方でした。自動車を運転する人は機動力がありますが、縦走はしにくいですね。公共交通機関利用だと縦走しやすいというメリットがあります。


富士山をアップ。自分の登った山頂から撮った富士山の写真を36枚集めて富嶽三十六景にしてもよいかもしれないと思う。


これは、Googleのサービスで自動的にパノラマ化した写真。まあ、360度絶景な訳です。塩見岳山頂。


さて、他の登山者が出発して山頂一人占め状態になったので東峰に移動です。塩見岳の最高峰は東峰で、標高3,052メートルです。


東峰から見た西峰。


東峰からの富士山。手前のピークは北俣岳でしょう。ここから長大な蝙蝠尾根が続いていますが、深いハイマツ帯などもあるらしく、私の技術では突破できないでしょう。


東峰から見た荒川岳と南アルプス南部。


ザックに敬意を払い、荒川岳とのコラボ写真に収める。


さて、そろそろ私も先を行きましょうかね。東峰から下り、熊ノ平へ続く道。結構険しそうだ。何より、500メートルくらい下ってしまうから、翌日間ノ岳に登るときはまた600メートルくらい登り返すのか。南アルプスでかすぎ。


一足先に行く高校生のパーティ。この後右に行くように見えますが、そうすると蝙蝠尾根に入ってしまいます。実際は、左側の切れ落ちたような険しい道を下っていきます。


東峰からの下りでも高山植物が多かったです。イブキジャコウソウとか。


イワベンケイとシコタンソウ。


オンタデ。天気がいいと、青空を背景にした花は本当に綺麗だと思う。




アキノキリンソウも。


この後も縦走は続くのですが、Gooの制限で1つのエントリにアップできる写真の枚数が限られるので、とりあえず山行2日目の途中でいったnアップです。
この後はこの山行最大の絶景ポイントと言ってもよかった北荒川岳を経て熊ノ平、そして翌日は間ノ岳、北岳と続きます。あー、長い。
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南アルプス縦走の旅 その1 まずは三伏峠小屋テント泊

2016-09-17 23:53:36 | 旅行
昨年の夏、北アルプスの黒部方面を3泊4日でテント泊縦走しました。途中で雨と霧にやられたものの、3泊以上を山の中で過ごして黙々と歩き続けるという経験は初めてのもので、それまでの山行とは異なる充実感がありました。自身の体力を計るにも悪くない感じなので、これを機に1年に1回は3泊くらいの縦走をするのを目標にしました。やはり、長めに山に入っていると日帰りや1泊の山旅と比べると気づくことも多いし、ちょっとしたスキルも向上するし、絶景や珍しい高山植物、ライチョウさんなどの動物に出会う機会も多くなりますから。

で、今年のターゲットですが、白馬岳を中心とした後立山連峰、裏銀座の縦走コース、昨年は雨と霧で残念な結果だったものの山容と小屋の方々の気配りに惹かれた黒部五郎岳エリア、立山から薬師岳への縦走など、やはり北アルプスを中心に幾つかのプランを考えていました。が、その中で唯一、そしてかなり有力なプランとして当初から頭にあったのが、南アルプスの塩見岳と北岳をつなぐ縦走。これは、私が山歩きを始めた年に「ワンダーフォーゲル」という雑誌が夏山特集として「歩こう南アルプス」という特集記事を発行しており、その中で出てきたモデルルートです。この記事の写真、正確にはこのルートの写真で雑誌の表紙になっていた、北岳~間ノ岳稜線の格好良さは、自分にとってはアルプスの山歩きを始めてみようと思うきっかけの1つになったものです。今回は、そのルートに加えて塩見岳近辺の烏帽子岳、そして北岳、間ノ岳と一緒に白峰三山として知られる農鳥岳を登り、奈良田温泉に下るルートを取りました。最終日は2時間少しの下山だけですが、それも1日に数えると4泊5日の自分史上最長の縦走となります。山が大きくて縦走が辛いと言われる南アルプス。果たして、40代になってから山歩きを始めて4年目の中年一人旅は無事に成功するのか。

まったくもって、タイミング悪い話ですが、この縦走に出かける直前には急な用事でシンガポールに出張していました。行きも帰りもレッドアイのフライトで水曜夜中に羽田を発って木曜の朝5時前にシンガポール入りし、金曜夜中にシンガポールを発つという強行軍。土曜の朝に帰宅した時には疲れ切っており、土曜日はほどんど寝飛ばしました。そして日曜の夜行バスで縦走に向かいます。翌週は1週間の夏休みをもらっていました。まあ、土曜によく寝たのと日曜の昼間は十分時間があったわけで、体力回復も準備もそれほど問題はなかったですが、サラリーマン生活しながら縦走計画を実行するのは綱渡りです。

まずは塩見岳攻略ということで、鳥倉の登山口を目指します。自家用車のない私はいつもの毎日アルペン号で行きます。これ、北アルプスの便はともかく南アルプスの便はちょっと微妙ですね。大型バスでそれなりにゆったりできるのは諏訪湖サービスエリアまで。そこで小型のマイクロバスに乗り換えて南アを目指します。もともとの大型バスは白馬行き。つまり、鳥倉という比較的マイナーな目的地を選択した人たちは夜行バスで寝るのはとても困難です。特に小型のマイクロバスは足も全然伸ばせないしリクライニングもほぼ利かない。拷問的。取りあえず運んでくれるだけですね。

あと、気付いたのは同乗していた登山者もかなりの縦走を計画しているということ。ご高齢の方のグループが主体なのでテント泊ではないですが、それでも北岳を目指す人が多かったです。7月に北岳を登った時に思いましたが南アの登山者は平均的にレベルが高いと思います。経験も体力も。

ま、前置きが長くなりましたが、夜が明ける少し前の4時半過ぎに鳥倉のゲート前駐車場に到着です。本当の登山口はここから林道を50分程度歩いた先にありますが、バスはここまでしか入りません(路線バスは登山口まで行くのかも)。この駐車場には比較的きれいなトイレもあるので、便利と思います。
周囲を見回すと既に南アらしい山奥の様相。標高は1,630メートル。特に涼しくは感じなかったですが、東京の猛暑とは全く違う空気です。


さて、まずは登山口までの林道歩き。周囲には白や黄色の花が多く咲いており、針葉樹の森が深いです。途中に尾瀬の名物ネジバナらしき花も登場。


少し開けたところからは南アの深い山が見渡せます。


ウメバチソウはいたるところに咲いていました。


徐々に朝日が差し込みます。


そして、いよいよ登山口。何やらお勉強になるボードを読みながらおにぎりなどを食す。


登山口の標高は1,770メートル。2,560メートルの三伏峠まで約800メートルの登りを行きます。まあ、距離的にも斜度もアルプスの登りの中では特にキツイ道ではないと思いますが、15キロ程度のテント泊縦走装備だとそれなりにたいへんです。汗だくにはなりますね。
バイケイソウやセンジュガンピ、ウツボグサやエゾシオガマなどの花の多い道ですが、深い樹林帯であまり明るくはありません。






特徴的なのは、1合目からかなり正確に等距離でx合目の看板が出ていること。私の脚では丁度15分くらいで1合登る感じでした。いいペースメーカーでした。写真は撮らなかったんですけど。後半まで。
同じバスで来た登山者は、1名だけ凄いスピードで私の前を行かれた方を除くと皆さん高齢でゆっくりだったので、実質的に完全ソロで登りました。
時々樹間から景色が見える。


花は特に派手さはないですが、ヤマオダマキも結構数がありました。流石に南アの原生林。


中央アルプス方面かな。


ヤマレコレポートにも多く出てきますが、このような木の階段というかハシゴと言うか、道が多く出てきます。雨でなければ特に滑らないので、見た目ほど危険ではありません。


6合目辺りで水場があります。冷たくて美味。


この水場のあたりで、木の枝を杖代わりに使いながら凄く早いペースで登って行った人がいました。ザックの大きさ的に明らかにテント泊。この後一回も見かけなかったので、荒川岳、赤石岳など南部方面またはバリエーションルートに行かれた可能性が高いです。今回の南ア旅で見かけた人達は本当にレベルの違う人が多いイメージ。Twitterでも南アクラスタは一般登山道は余裕過ぎてバリルート、バリもバリで道迷いしないのが不思議なレベルだし、しかも凄いペースという超人が多い。まあ、八ヶ岳とは違います。

引き続き見た目危険な木のハシゴ。


ヤマハハコは咲き切ったものよりこのくらいのが可愛いと思う。


いっぱいあるこの花は名前が特定できない。エゾシオガマにしては小さいと思う。


南アルプス特有の長い樹林帯。特に盛夏は暑くて風も遮られて苦しいですが、この鳥倉から三伏峠は結構いいと思います。標高差がゲートからでも900メートル程度とあまり大きくないので、疲労度は小さいです。昨年の北アルプス、新穂高から双六小屋の1,500メートル以上の登りはかなり死亡しましたが、この程度なら何とかなりますな。まあ、それでもラヴェルのボレロが頭で鳴るようなワンパターンの繰り返しなんですけど。

大分登ってきて、樹の合間から見える景色もよくなってきました。まあ、お天気に恵まれています。




私はある分野で多少なりとも科学者的なアカデミックバックグラウンドを持っているくせに神の存在を信じていて、長い縦走には5つのお守りを持っていきます。その1つが昨年行った熊野三山の1つ、熊野速玉大社のお守り。お天気を制するものと勝手に信仰していますが、このお守りを持って風雨にさらされたことはありません。

8合目で初めてこの手の標識の写真。丁度2時間くらいで登ってきています。


アザミ。


シラビソと思われる針葉樹の森を行きます。登山道の整備度合いがよくなったので山荘が近いかと。


おー、甲斐駒や仙丈ケ岳もよく見えるのね。ここからだと相当遠いと思うけど。確かに甲斐駒格好いいな。仙丈ケ岳ビックマザーの大きさだ。


ちょっと右の方にずれると明日狙う塩見岳がようやくその姿を少しだけ現しました。


足元にはオトギリソウ。で、このあたりでヘリの爆音がしばらく響く。ヘリが目に入ると、こっちに飛んでくる時には墜落するんじゃないかと心配するくらいでした。遭難者が出たのかと思いましたが、後ほど三伏峠小屋の荷揚げだったことが分かりました。


ヤマレコなどでも有名な、あと200歩の標識。これでテント泊装備のザックを下せる。


ということで、登山口から丁度2時間半で三伏峠小屋です。8時半頃ですよ。まだ。


しかし、スタッフの皆さんは荷揚げで忙しくて誰も対応できない様子。テント場の一部に荷物が着くようで、テント場には入れないとのこと。仕方ないので別館の玄関のあたりにザックをデポして、烏帽子岳に向かうことにしました。時間があるので本当は塩見小屋に行きたいところですが、塩見小屋にはテント場がない上にあいにくの満室。この日は睡眠不足&登山口から稜線近くまで登ってきたので後はゆっくりすることにして、活動としては烏帽子岳に登るだけにします。比較的長い縦走ではこういう余裕を持った時間の使い方が大事ですね。縦走後半の体力温存のためにも。毎日10時間とか歩いていると事故のもとだと思います。

とりあえず山荘から15分弱下ったところにある水場で水を確保してから烏帽子岳に向かいました。途中には鹿除けの柵に囲われたお花畑があります。マツムシソウがこれでもかというくらいに大量に咲いていました。蝶も多くて、特に昔は南アの南の方は本当に楽園だったという話を思い出す。






ハクサンフウロもとても多いです。薄紫の花はやっぱり綺麗ですね。


他にはコゴメグサ。


ミヤマリンドウ。ただしつぼみ。


タイツリオウギかな。


私の影とウメバチソウ。


トリカブト。キタダケトリカブトのような固有種ではなさそう。


花は本当に多かったです。いわゆる固有種とかではないのだけれど、蛇紋岩の至仏山のように厳しい環境下で頑張って咲いているイメージではなく、暖かくて雨も多い南アルプスで楽園を形成しているイメージ。

お花畑を過ぎると開けた場所に出ます。南部の展望が開けます。緑が深くて山深いイメージ。北アルプスの岩稜とは明らかに違う。大らかな感じだけど、山深くて人間が入っていいのかどうか。自然に対する畏怖の念が湧いてくるような。


この写真の左端に見られるように、崩落地が多いのも南アの特徴だと思います。雨のせいというより、今でも毎年数センチ成長を続ける若い山脈だからなんでしょう。


緑が美しい。


これはトモエシオガマかな。


再びタイツリオウギでしょうか。


こんな崖のようなところに花が多く咲いていて、近くに寄って背景の山と一緒に撮影したいんだけど滑りやすくてとても危険です。




そんなところで頑張った写真。まあ、素人感が強く出ている。




ミネウスユキソウもありました。今年は尾瀬でも北岳でもよく会います。


タカネナデシコも。


烏帽子岳の山頂が近づいてきました。いやー、いい天気、


ほとんど他の登山者がいないので、余裕を持ってお花の写真に夢中になりながらも1時間程度で烏帽子岳へ。ここ、かなりお勧めスポットです。展望台として。標識の向こうに見えるのは塩見岳。その奥には間ノ岳。北岳がちょっとだけ見えて、左に甲斐駒。


快晴の南アルプスブルーと呼びたくなるような濃い空の色。そして緑濃い3,000メートル峰達。この時すでに南ア稜線の実力は北アを凌駕するのではないかと思い始める。本格的な縦走は翌日からなんですけど。
まずは振り返って南部方面を烏帽子岳からは前小河内岳、小河内岳につながる稜線、そしてその先には荒川三山のはずですが、行ったことのない山域なので山座同定はちょっと困難。




でも稜線は綺麗で歩いてみたくなります。


小河内岳には避難小屋があります。こうして見ると北アルプスの種池山荘のようにメルヘンな感じだけど、実際にはどうなのかな。




その奥に見えるこれが悪沢岳などの荒川岳なのだろうか。


富士山はちょっと雲隠れ。


西には中央アルプス方面。


北側には塩見岳。右側に見えるのは北俣岳かな。


塩見岳の左側には間ノ岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳など南ア北部の重量級メジャーが勢ぞろい。手前のハイマツ帯の緑がとても美しくて、空の青さと合わせてかなり楽園感が強いと思います。


やはり甲斐駒と仙丈ケ岳はペアでアップせざるを得ない。2014年の7月に登った時は、仙丈ケ岳は晴れましたが甲斐駒は雨だったので、甲斐駒にはもう一度挑戦したいです。黒戸尾根には興味ないですが。


塩見岳と白峰三山。でかいし男くさい山々だ。バリルートとしては、塩見岳に塩見沢や北俣尾根から登るのはありなのだろうか。写真を見るととても美しいルートのように思われます。


山頂で一人で写真撮ったり蝶を眺めたりして30分くらい遊んでいると、小河内岳方面から高齢の女性が単独で登って来ました。どうやら昔から南ア中心に歩かれている筋金入りの山ガールのようで、毎年この時期には10日以上この山域に入り、山小屋や避難小屋に泊まりながら赤石岳を中心に稜線を歩いて楽しんでいるとのこと。冒頭から何度か触れている南アの超人が出現し始めました。

そうそう、花も写真に撮らないと。ヒメシャジンですかね。いっぱいある。


定番のイワツメクサ。




注意してみると三伏峠小屋も発見できました。結構周囲は崩落していますね。


キアゲハ。仙丈ケ岳でも会いました。南アには多いのかな。


それにしても、ハイマツ帯越しの塩見の絵は美しいと思う。




小河内岳稜線とその奥の荒川三山方面も重厚で格好いい。明日はもっと高い塩見岳から眺められるので、その全景が見られるはず。


大満足で1時間近く遊んでから三伏峠小屋に戻ります。途中でトウヤクリンドウ発見。秋のイメージですが、天気がよいとその白くて可憐な花を開くので、背景が決まると美しい花です。


マツムシソウの群生地帯に入りました。背景に甲斐駒とか見えているし。何気ない道に絶景が。。。




鳥の声もいつも聞こえていますよ。尾瀬にも負けません。


で、三伏峠小屋に戻ってテントを張って、お腹が空いたのでカレーライスを頂きました。肉が多めでリッチなカレーでした。


この後、午後は小屋泊の人やテント場の人と語らって過ごしましたが、冒頭から何度も書いているように超人が多かったです。例えば:
聖岳から仙丈ケ岳まで縦走する人。
妙高の辺りにあるアウトドア専門学校の1年生(18歳)の女子で、黒戸尾根から始まってその後は仙塩尾根をここまで歩いてきて超余裕で来年は30キロ担いでコースタイムの80%で行くと豪語する人。
80歳だけど若いときから南ア登山しまくっているベテランで、今でも20キロの荷物担いで聖まで行くという人。

私、密かに今回の鳥倉登山口から北岳、そして切り返して農鳥岳、奈良田下山というのはレベル高いルートと自負してましたが、初日から圧倒的に敗北しました。使える時間の問題もありますが、皆さんとにかくスケールでかいですね。スケールでかい山域に臨むならこういう山行の方が本質に迫れるのでしょう。

夕飯は茄子と豚肉のピリ辛炒めを作りました。4泊もすると、どうしても軽量化のためにフリーズドライが多くなります。それでも1日目くらいはある程度ちゃんと作って今後のために備えたかったので。


いつの間にかテント場もいっぱいに。さて、明日からはいよいよ大縦走です。





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遥かな尾瀬第2弾 盛夏の湿原と花の名山至仏山 続き

2016-08-30 22:54:35 | 旅行
まったく、Gooのリミットのせいで、せっかく最後まで書いた記事がおじゃんになってしまいました。
自動保存されていたところまでは先ほどアップしましたが、その続きはこちらに書きます。

オゼソウを見た後も下山は続きます。眺望の開けるところからは尾瀬ヶ原や日光方面が望めるので、とても気持ちがいいです。そして、足元には花が絶えません。アヤメの咲いている一帯がありました。ヒオウギアヤメかな。尾瀬ヶ原ではとっくに終わっている花ですが、標高の高い至仏山だから残っているのか。










そして、オヤマ沢田代の湿原にたどり着きました。


この辺りからは、至仏山の隣の山である笠ヶ岳が望めます。北アルプスの同名の百名山とはもちろん違う山ですが、形はよく似ていると思う。こちらの笠ヶ岳は、蛇紋岩の山かどうかは分かりませんが、ヤマレコを見ると至仏山同様に高山植物の宝庫のようです。


湿原はやはり小さなお花がたくさん。ここでもタテヤマリンドウが咲いています。




これはイワイチョウかな。ちょっと時期が違うと思うけど。


そして、ここにもキンコウカがたくさん。うっすらと黄色く染まる湿原。




この辺りが、標高的に尾瀬ヶ原や燧ケ岳を眺められる最後のポイントです。


ここからは樹林帯。


北関東の原生林を要する山々も、夏山本番の趣。






そして、ついに鳩待峠に到着しました。


至仏山(実際には見えているのは小至仏山だと思います)を見上げる。いやー、流石の花の名山だった。


ここで旅が終わればよいのですが、山ノ鼻まで下りてテントを回収しなくてはいけません。観光客の方々の邪魔にならない程度に小走りで駆け下り、テントを撤収しました。途中、ソバナが見事だった。


それにしても尾瀬、2か月弱の間にすっかり表情を変え、違ったお花が咲き乱れていました。貴重な湿原と蛇紋岩の至仏山、まさに世界の宝と言うべき自然遺産です。燧ケ岳に登って尾瀬ヶ原や尾瀬沼を眺めたり、草紅葉の時期に湿原を歩いたり、水芭蕉やリュウキンカ、あるいはニッコウキスゲの群生が花の盛りの時を狙ったり、まだまだ何度か来てみたいところですね。


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遥かな尾瀬第2弾 盛夏の湿原と花の名山至仏山

2016-08-30 22:41:16 | 旅行
7月の23日、24日の土日で1か月半ぶりに尾瀬に行ってきました。残念ながらニッコウキスゲの最盛期は逃してしまいましたが、キンコウカが咲き始めてアヤメ平が美しく変化しているのを堪能すると、7月頭から入山可能になる至仏山で希少な花々を見るのが目的です。尾瀬はシーズン中色んな花々が交代で見頃になるので、飽きることがなさそうです。



今回も、関越交通のバス、尾瀬号を利用して鳩待峠から入山しました。前回は夜行だったのですが、今回は既に満席だったので朝の6時台に出る便を利用。途中幾つかの停留所に停車するので、尾瀬に入るのは11時半頃になります。まずは至仏山方面を眺める。明日のターゲットです。
既に11時半ということで早朝の空気は感じられませんが、天気はいいし早速アヤメ平を目指して歩き始めます。序盤は木道の付いた樹林帯。緑の色が6月に比べて明らかに濃くなっており、草や木の葉も成長して茂っています。盛夏の趣。




樹林帯ではハナニガナがたくさん咲いていました。


ルート取りの問題で、今回テントを張る山ノ鼻にはこの日の最後に到着する予定。つまり、1泊とはいってもテント泊装備を背負っての歩行が続くのが唯一の問題。まあ、この時点ではまだ元気で、1時間ほどサクサク歩いて横田代の湿原が見えてきました。


この横田代の湿原、あまりメジャーではないのが不思議です。鳩待峠からコースタイムでたったの1時間20分、開放感があり、花々が綺麗だし、お天気がよければ至仏山方面が綺麗に見渡せる絶景ポイントです。私は大好きですね。






前回は綿毛が大きくなり始めていた、湿原のメルヘンの主役であるワタスゲは、すでに終盤の状態。


しかし、替わってキンコウカが咲き始めていました。とても上品な感じ。贔屓の高山植物リスト入り決定。




池塘の水辺に咲くキンコウカ。


サワギキョウもありましたが、標高が尾瀬ヶ原よりも400~500メートル高い横田代やアヤメ平では、まだ蕾でした。


今年大当たりのタテヤマリンドウ。6月に来た時には、湿原がうっすらと水色に見えるほど咲き乱れていました。まだ咲いています。


キンコウカとタテヤマリンドウの共演。


コバギボウシも横田代ではつぼみ状態でした。これはこれで貫録を感じるのは私だけ?


ニッコウキスゲが少しだけ残っていました。


それにしても、横田代は天国感が強い湿原だ。去年の7月に行った鬼怒沼を思い出す。鬼怒沼からは日光白根山が見えたけど、横田代からは至仏山。訪れる人が少なめなのも幸いして、静かな楽園。






さて、横田代を後にしてアヤメ平に向かいます。この道も、道端に多くの花が咲いているし、樹間から燧ケ岳が見えたりして飽きることがありません。
ドクセリですかね。セリ科は見分けるのが難しいですが。可愛い花ですが、毒があるのか。


キンコウカも多いです。




燧ケ岳が見える。


そして、お約束のモウセンゴケ。ここで時間をかけて、あるものを必死に探しまくる。


あったー。モウセンゴケの花。昨年、鬼怒沼に登った時に、写真家の荒武さんに教えていただきました。盛夏の頃に白や薄紫の小さい花をつけるということを。密かに、この花を見ることが今回の尾瀬旅の目的の1つでした。


時期がちょっとずれていたのか、見つけられたのはこの1輪だけ。木道を外れて奥まで行けばもっと見つけられるでしょうが、それはマナー違反。木道の近くに咲いているもので満足して進みます。
アザミが咲いていた。秋のイメージがある花なので、ちょっと意外。なお、尾瀬には固有種のオゼヌマアザミがありますが、事前のリサーチ不足で見分けることができず。このアザミは何だろう。オゼヌマアザミでないことは確かです。アザミは種類が多いので特定できず。


そうこうしているうちに、アヤメ平に到着。本日2つ目の楽園。




湿原がキンコウカでうっすらと黄色く染まっています。


なお、アヤメ平の名前の由来はキンコウカです。キンコウカの葉がアヤメに似ていたので間違えてしまい、アヤメがたくさん生えている湿原ということでアヤメ平と名付けられたとのこと。一度は人間に踏み荒されて荒廃してしまったアヤメ平ですが、東京電力などの努力で徐々に植生が回復してきています。原発問題では組織の機能不全をさらけ出した東電ですが、尾瀬での貢献は認識すべきだと思います。


アヤメ平からは燧ケ岳の眺めがよいですね。池塘とのコラボも。






そして花々も。やはりここでもタテヤマリンドウ。


サワランを幾つか見つけました。トキソウはなかった。いずれも、時期的にちょっと遅かったですね。標高の高いアヤメ平だから少し残っていましたが、尾瀬ヶ原ではみませんでした。


そしてキンコウカ。あまりに美しくて写真を撮りまくる。












アヤメ平で至福の時間を過ごした後は、富士見峠方面に向かい、途中で長沢新道に入って尾瀬ヶ原に下ります。途中には南側が開けた場所があり、晴れていれば日光白根山など日光の山々を見渡せるのですが、この日は雲が上がってきてしまって見られませんでした。
長沢新道に入る直前には池塘があり、ここから眺める燧ケ岳も綺麗です。




さて、長沢新道。最初の半分は木道が整備されていて歩きやすいのですが、後半は結構急な坂で木道もなく、本格的な山道です。まあ、この道では樹林帯の香りや鳥の声を楽しむのが正解。湿原のイメージが強い尾瀬ですが、樹林帯は見事なブナ林やクロベなどの針葉樹の森で、巨樹も多いし豊かな植生が感じられます。








カニコウモリの花がたくさんありました。


クワガタが道の脇に。子供の頃は夏と言えばクワガタやカブトムシを探したものだった。今は花の方が興味がある。


沢を横切ると尾瀬ヶ原も近くなってきた証拠。


尾瀬ヶ原です。ここからは尾瀬ヶ原の中心にある龍宮の十字路を目指すのですが、この比較的マイナーな区間には小さい可愛い花がたくさんありました。あまりメジャーではないのか、どれも名前を特定するのが難しいですが。でも、とても可愛い。
ミゾホオズキかな。黄色の花は特定するのが一番難しいと思います。


これはミゾソバかな。下のはピンクが淡くて白いけど、同じ花のように見える。




ケナツノタムラソウかな。難しい名前だ。特定も難しい。


これはネジバナ。尾瀬ヶ原で結構たくさん見ました。


湿原の草も背が高くなり、6月とはまったく違うイメージですね。雲が結構出てきてしまい、絵的にはちょっと残念。


コバギボウシがたくさんありました。紫系の花は絵になる。






龍宮小屋。尾瀬ヶ原の真ん中に立つ小屋。比較的古い建物なんですかね。尾瀬の山小屋の中でも風格を感じる。


さて、十字路からは直接山ノ鼻方面に向かわずに、北上して東電小屋方面を目指します。4時過ぎに山ノ鼻に着けばテント登録は問題ないはずだし、できるだけ湿原歩きを楽しみたいので。まあ、結果的には結構疲れましたけど。平たんな道とは言ってもテント泊装備背負っていると。
道中目立ったのはオゼミズギク。たくさん咲いていました。






ワレモコウ。つぼみのものも含め、横田代からいくつか見ていました。が、形のよい株で絵になるものには尾瀬ヶ原に下りてきてから遭遇。


タカネアオヤギソウだと思いますが、自信なし。個体数は多くなかったと思いますが、背が高くて目立つ。


サワギキョウ。もっとたくさん咲いているかと思いましたが、私はそれほど多く見つけられず。紫の花がこれだけ大きいと迫力ありますね。栄養が少ないはずの湿原で、アケボノソウもサワギキョウも迫力十分だ。


そして、尾瀬ヶ原の中田代で圧倒的に群生してたこの植物。怖いくらいの群生。シダっぽいけど。正解は、どうやらヤマドリゼンマイという植物。確かに、6月に来た時に山菜のような植物がたくさん生えていました。ゼンマイの一種だとは思いましたが、結構大きくて、食べるにはどうかと思った記憶があります。それが真夏にはこんなに葉っぱを茂らすんですね。




こういう季節ごとの植物の変化を目の当たりにするのは楽しい。アルプスだと、年に何回も同じ山域には行かないですからね。
さて、花に戻ると、ノアザミが綺麗でした。アザミは下向きに咲くものが多いと思っていましたが、上向きに咲いて色もピンクと紫の中間くらいでとても輝かしい。




ニッコウキスゲも、群生の時期は外しましたが、少し残っていました。やはり絵になる花。


そして、池塘に咲くヒツジグサ。夕方になると花を閉じてしまい、翌日日が高くなるまで開きません。お寝坊さんで可愛い。


ヨッピ吊り橋まで来ました。


吊り橋の近くに咲いていたトモエソウ。明らかに終盤。


これはアブラガヤという植物です。かなり多く見られました。花ではないのかな。何となく秋っぽいかんじ。


時々燧ケ岳方面を眺める。


おっ、イワショウブ。昨年は北アルプスの北ノ俣岳から太郎平小屋に至る間の湿原でたくさん見ました。これも秋のイメージが強い花です。




特定しにくい白い花。ミズチドリかなあ。


キツリフネ。奥多摩でも見るので自分にとって珍しくはない。


そしてネジバナ再び。ねじのようにくるっと巻いているからネジバナ。白とピンクでとても可愛いのですが、色が薄いせいかカメラのオートフォーカスがなかなか決まらずにとても撮りにくかった記憶があります。


只見川にかかる橋のところまで来ました。時間の問題もあってこれ以上は進まず、山ノ鼻方面に引き返します。




サワギキョウがこの辺りには多く見られました。一方で6月に多く見られたオゼヌマタイゲキは完全に終わっていて、まったく識別できませんでした。


山ノ鼻方面に歩きながら至仏山を見る。至仏山登山と花々がメインのエントリになると思ったのに、1日目の湿原歩きでの写真を相当載せているという事実。それだけ花が多くて景色がよいのが尾瀬だということ。


オニシモツケかな。結構たくさん咲いているけれど、あまり特徴がないので無視しがちな花。


タカネアオヤギソウと思われる花。時々出てくる。大きいので迫力あるけど、色が地味。よく見ると1つ1つの花は綺麗です。


アブラガヤにとまる野鳥。稲穂にとまるスズメではない。この写真、今から見返すとよく撮ったな。野鳥はすぐ逃げちゃうから撮りにくいので。


そして、ノアザミ。


これは、池塘の近くにたくさん咲いている花。特定しにくい。ミカヅキグサか、ミヤマホタルイだと思う。拡大してみると結構繊細で綺麗です。




この時間になると歩いている人が減り、尾瀬ヶ原を独占できるというメリットがあります。テント泊装備で11時半から4時ごろまで歩くので疲れてきますけど。




尾瀬ヶ原でもキンコウカは咲いています。まあ、アヤメ平で感動した後なので、ここでの感動は抑制気味。


そして、牛首分岐の辺りで池塘が増え始めると、ヒツジグサ。




こんな感じで、すでに閉じている花が多いです。




大きなクガイソウが時々現れる。あまり珍しくないものでも種類が違うものはすべての花を1枚は写真に収めようとしているので、どうしても枚数が増えます。


コバギボウシ。


ここで、セグロセキレイが1羽、木道に下りてきて鳴きながら私の右前方を逃げるようにしながら並走します。話しかけても当然反応しませんが、逃げもしません。で、せっかくなのでポートレイトを撮影。これまではあまり野鳥の写真は撮れなかったですが、さすがは尾瀬。人気のなくなった夕方ならこういう邂逅もきたいできるのです。


牛首分岐を越えると池塘が増え、ヒツジグサ君もたくさん。






やや曇りがちな天気も雰囲気があってよろしい。


そして、モウセンゴケの中でもちょっと種類の違うナガバノモウセンゴケを発見。確かに葉が長い。


クルマユリなど、高山でおなじみの花も出てきます。ホント、花だらけの尾瀬。


時刻は4時半頃となり、かなり疲労感を覚えていたところ、ついに山ノ鼻の山小屋が見えてきました。


受け付けを済ませてテントを設営。おそらく、この日最後にテント場に到着したのは私です。いつもは比較的早めにテント場に入って無難な位置を確保するのに努めるのですが、この日はどうせスペースに余裕があるだろうと踏んでいました。まあ、想定通り問題なかった。


日が落ちるころから(午後7時)、ビジターセンターで職員の方がスライドショーを上映してくださいました。尾瀬の自然の成り立ちや今見られる花や動物の解説などで、なかなか面白かったです。こういうのも尾瀬ならでは。流石に自然保護に真剣な国立公園です。環境が厳しいアルプスでこの手の催しをずっとやるのは難しいでしょう。
そして、8時過ぎからは蛍の鑑賞会。尾瀬の清らかな水には蛍も当然住んでいるわけで。久しぶりにたくさんの蛍が飛ぶ光景を見ました。

さて、よく寝て翌日は夜明けとともに行動開始です。花の名山である至仏山に登るのがこの日の目的ですが、その前に朝方の霧立ち上る尾瀬ヶ原を少し散策します。気温が下がる夜間は水蒸気が霧になり、尾瀬ヶ原に滞留するのですね。










花も少々。ドクセリとキンミズヒキかな。




さて、いよいよ至仏山に向かいます。序盤は針葉樹の樹林帯。クロベの巨木がたくさん。そして、かなりの急登です。花の名山ということで優しいイメージもありますが、意外と侮れないタフな山でした。


オオバギボウシ。それにしても大きな株だ。


私はテントをたたまずにアタックザックだったので身軽ですが、多くの人はテントをたたんで荷物をすべて担ぎ上げていました。それらの人たちは大変そうでしたね。


至仏山に山ノ鼻から登り、鳩待峠に下山すると、テントを回収するために往復1時間半から2時間ほどの道を登り下りする必要があります。これを避けてテント泊装備を担ぎ上げるか、アタックザックで至仏山に登頂してその後に体力と時間をかけてテントを回収するか、判断の分かれるところですね。私は、6月に来た時の感覚から、鳩待峠と山ノ鼻の間を後から往復する方が楽だと考えていました。結果的にそれでよかったと思っています。

ある程度登ると、尾瀬ヶ原にかかった朝霧の上に出ます。そうすると、尾瀬ヶ原の雲海を臨む形に。至仏山、花だけでなく景色でも一流です。




そして、このくらいまで登ってくると高山植物もちらほら。まずはミネウスユキソウ。




そしてここでもキンコウカ。


徐々に高度を上げるにつれ、尾瀬ヶ原ではだんだん霧が晴れていきます。




シブツアサツキ。至仏山一帯にしか咲かない固有種です。至仏山は、2014年に固有種の花を求めて遠征した岩手県の早池峰と同じで、蛇紋岩という特殊な岩で形成された山です。この岩は養分の関係で珍しい植物が生き残っているらしく、蛇紋岩の山は固有種の宝庫なのです。




この手の白い花は特定困難。




見上げる先の雰囲気も早池峰に似ている。ちなみに、両方とも百名山ブランドを冠しています。


このくらいまで登る頃にはすっかり霧は晴れ、尾瀬ヶ原の池塘や木道もくっきり見えます。


ツリガネニンジン。たくさん咲いています。




これもたくさん。ホソバコゴメグサ。


至仏山のものが世界標準ということになっているらしい、ムラサキタカネアオヤギソウ。




これも時期がピッタリだったのか多く咲いていました。タカネナデシコ。とても複雑な花びらです。


ちなみに、一帯はお花畑状態。




こうなると登山には時間がかかります。アタックザックで身軽だったせいもあり、序盤では他の登山者をどんどん追い抜いていました。しかし、この辺りでは花を見たり撮影するのに忙しくて全然進まない。至仏山、花好きにとってはコースタイムはまったく当てになりません。特に、高天原と呼ばれるお花畑一帯では全然進みません。

イブキジャコウソウ。


タカネナデシコ群生。




登山道を外れて高山植物を傷つけることがないように木道が出てきますが、その木道の下にも花が多いです。


ここで、至仏山一帯と谷川岳にしか見られない固有種のホソバヒナウスユキソウが登場です。今年は雪が少なくて花の時期が例年より早かったため、時期的にもう見られないと思っていました。ラッキーです。早池峰でも、固有種のハヤチネウスユキソウをたくさん見ました。ウスユキソウとの相性はいいようです。




これが普通のミネウスユキソウ。花の感じも葉も違います。


タカネトウチソウ。




ミヤマシオガマとヒメシャジン。


ホソバツメクサ。早池峰でもよく見た花です。やはり蛇紋岩に咲く花は似てくるのでしょうか。




イブキジャコウソウとホソバヒナウスユキソウ。


イワシモツケ。


どんどん出てくるタカネナデシコやイブキジャコウソウ。そしてツリガネニンジン。






そして、至仏山でもタテヤマリンドウの大家族。


チングルマの花穂も。


エゾウサギギクはあまり多く見かけませんでした。形の良いものは少なかった印象。


そして、花を見ながらゆっくりしたペースでの登山もついに終わり、至仏山2,228メートルの山頂に到着です。


一応自撮り。


山頂からは360度見渡すことができます。冬は雪深い新潟、群馬の県境の辺りの山々です。








南方には小至仏山も。


東方は尾瀬ヶ原。


山頂にウメバチソウが。秋の花のイメージですが。


さて、山頂からの景色を堪能しておにぎりなど簡単なエネルギー補給をしたら、小至仏山方面に向かいます。至仏山は、下山ルートは鳩待峠に向かう一本道しか許されていません。登りは山ノ鼻からでもいいんですけど。高山植物を守るためにある程度人の流れをコントロールするのと、蛇紋岩は滑りやすいので急な坂を下る危険を避けるためだと思われます。
下山ルートも、やはりお花が多いです。ムラサキタカネアオヤギソウ。


ホソバヒナウスユキソウ。


ミネウスユキソウ。


ヒメシャジン。




イブキジャコウソウ。


ホソバツメクサ。


そしてタカネナデシコ。


ミヤマダイモンジソウは終盤で、あまり形のいいものは残っていませんでした。ジョウシュウアズマギクやタカネバラも。アズマギクはピンクが綺麗なはずだから盛りの頃に見たかったなあ。










ウメバチソウがちらほら。まとまり感のある花だと思う。


そして名前を特定できない花々。以前どこかで見かけた覚えがあるけれど、年のせいかなかなか思い出せず。






晴れて気持ちのいい稜線歩きです。やはり、蛇紋岩の山の風景は何となくどれも似ているように思う。


で、小至仏山に到着。ここからの眺望もいいです。






自撮り。


この先にもお花はずっと咲いていて、ジョウエツキバナノコマノツメなど普通のキバナノコマノツメとどこが違うのか分からないけれどどうやら初めて見るスミレの仲間にも無事に巡り合いながら、徐々に下山していきます。










しかし、実は私は小至仏山を過ぎた辺りから神経を張り詰めてある花を探していました。それは至仏山の固有種。世界でこの山の一帯にしか咲かない花を探していたのです。
事前のリサーチで分かっていたこと。それは、どうやらお花畑のスケールは山ノ鼻からの登りのルートにある高天原周辺が最高。しかし、この固有種は鳩待峠方面のルートの中で、小至仏山と湿原の間に咲いているのを見つけるのが一番見つけやすいらしい。ということで注意していました。
そして、出会いは突然に。逆方向から登ってくる団体を先導しているガイドさんが、「はい、これがオゼソウですね。オゾソウです。オゼソウです。」と連呼していたので、全然注意していなくてもすぐ分かりました。と言うか、注意していてもこのガイドさんの連呼がなかったら見逃したかも。事前リサーチでも分かっていましたが、地味な花です。






オゼソウ。希少価値からありがたがって眺めて写真に収めたものの、正直言ってタカネナデシコやヒメシャジンの方が可愛い。。。
まあ、いいでしょう。今年はキタダケソウを狙ってうまくいかったりしていましたから、日本の希少な高山植物を追いかける私の山歩きとしては、元気なオゼソウに巡り合えたのはとても意義深いことです。

と、ここでGooのリミットに引っかかってしまいました。調子に乗って写真をアップしすぎていました。取りあえずここで一回記事をアップします。

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強風の北岳 キタダケソウさんに会えるのか

2016-07-26 23:13:27 | 旅行
山歩きを始める前から興味のあった山が幾つかあります。その中でまだ未踏なのは北アルプスの白馬岳と南アルプスの北岳。
そして、白馬岳にはウルップソウ、北岳にはキタダケソウという、花を重視している自分としては外せないターゲットも咲きます。
今年は冬に雪が少なかった影響か、各地で高山植物の開花も早まりました。そのため、6月初めにはお目当ての花も開花しているという情報が入っていました。
しかし、だからと言って直ぐに行けないのが現実。車を運転しないのでアルプスの山々に行くには公共交通機関を利用するしかないのですが、登山口までのバスは7月近くにならないと走り始めません。また、南アルプスはそもそもアクセスが厳しい。北岳登山の起点となる広河原は6月25日の開山まではアクセス不能です。一般車両の交通規制があるため。

早めに咲き始めたお花は見頃を過ぎてしまいます。まったく、気候を考えて柔軟に運行スケジュールを組めばいいのに、お役所的なインフラ産業にそんなことを期待しても無理。お花という意味ではこのままでは今年は残念な年になってしまう可能性大だったので、公共交通機関で早くからアクセス可能な八ヶ岳だけは5月のうちに訪れ、お目当てのツクモグサを堪能しました。
そして、早くも7月に入り、北岳もやっとアクセス可能になったものの、季節は梅雨。お天気的に厳しい。

そんな中、予想天気図を頼りに自分なりに分析し、7月2日、3日の週末で南アルプス最高峰にして日本2位の高峰、北岳に行ってきました。白馬岳ではなくて北岳にしたのは、予想天気図的に長野県北部は相当の確率で雨の週末と思われたので。まあ、結果的には北アルプスも結構晴れたようで。

山梨交通の登山用の夜行バスで、夜10時に新宿発のものを利用しました。途中、午前1時くらいに甲府近辺の施設に寄って、そこの広間でザゴ寝(布団はないけど畳の上で座布団とか敷いてタオルケット使える)。4時半くらいまで。5時頃に広河原の登山口に向けて出発し、途中で他の登山客も拾って6時半くらいに広河原到着というもの。
3時間ちょっと床の上で睡眠できること、これを使わない場合は公共交通機関だと前日(前夜)に甲府入りして早朝の路線バスを使わないと午前6時台には広河原に入れないことを勘案し、8,000円という距離的には遠い北アルプスへのバスよりもお値段は高いけれど利用してみました。
南アルプスは交通規制があるのでアクセスが悪く、余裕を持って登山口にたどり着けないのが苦しいですな。
使ってみた感じは、施設でのザゴ寝まではOK。翌朝広河原へ向かうバスは夜行のバスではなくて路線バスの車両なので、途中で乗客を拾って満員になるとザックを膝の上で抱えて苦しい状況で1時間以上耐えるという事実がいただけなかった。まあ、アクセスの悪い南アルプスなので、サービス提供者の方が交渉力強い。この値段でも利用するしかないです。

で、広河原は曇り。予想天気図通りの展開で、北岳は雲の中。まあ、それでもキタダケソウさんを見に行くのが目的なので、稜線からの景色は諦めるつもりで歩き始めます。


お約束の吊り橋を渡る。


ルートは、樹林帯の中を白根御池小屋に向かい、そこから草スベリという樹林帯の急登を進むコースを取りました。これは、広河原から約600メートル登ったところにある白根御池小屋のテント場にテントを設営して、山頂との間をピストンするためです。
当初は翌週の前半に有給休暇を取って白根三山の縦走も考えていたのですが、木曜日の時点で72時間後の予想天気図(高層天気図)を調べたところ、標高3,000メートルの辺りでは土曜の夜から日曜の昼過ぎにかけて風速17メートルの強風が見込まれていました。
その状況で稜線のテント場、具体的には北岳肩の小屋のテント場にテントを張っていては、私の能力だと撤収作業中に飛ばされかねない。そんな危険を考えると、土曜のうちに北岳に登頂してキタダケソウを探し、白根御池小屋のテント場に戻って日曜に余裕を持って下山すべきという判断です。白根御池から山頂は1,000メートルの標高差があるので楽じゃないスケジュールですけど、全体的なリスク管理です。

それにしても北岳、山がでかい。6時半頃広河原を出てから約2時間半で白根御池小屋に着きましたが、この樹林帯の急登は侮れません。
夏山で蒸し暑いから汗も噴き出すし。テント泊装備はやはり負担が大きく、序盤はほとんど写真なし。針葉樹の若芽が美しいのと、南アルプスの森らしい土と木の香りに支えられながら、修行のような道を行きました。


お花は、トリアシショウマとかゴゼンタチバナ、カラマツソウなどのレギュラーキャラに加え、タカネグンナイフウロの濃い紫の花が目立ちました。が、ここでの写真よりも別の場所で撮ったものの方が形がいいので後ほど。
途中、開けたところから鳳凰三山を見ることができます。山歩きを始めたばかりの2013年に登り、タカネビランジの可愛さと花崗岩の独特の白さが際立つ稜線の美しさに感動しました。


まあ、雲がかかっていてちょっと不吉な感じのシーンなのは否めない。
心が折れそうな登りを経て、白根御池小屋に到着。テント泊装備の人の多くはそのまま稜線を目指したようですが、翌朝大丈夫だったのか。動けずに停滞した人もいたのではないかと思います。私と言えば、あと2時間以上かけて1,000メートル近くテント泊装備を担ぎ上げる気はまったくなく、ここで早々に今夜の宿を設営しました。


眺望などは特に特徴ない地味なテント場ですが、水が豊富だしトイレも水洗で清潔。縦走ではなくて北岳だけを狙うならお勧めのテント場です。
さて、9時過ぎにテント場を出発し、急登で知られる草スベリを行きます。ニリンソウやミツバオーレン、そしてミヤマハナシノブとか、キバナノコマノツメ、シナノキンバイなどの花がいっぱい咲いていて綺麗ですが、急登であまり余裕がありません。テント装備からは既に解放され、アタックザックでの登りなので楽なはずなんですけどね。





ちなみに、後から調べたところではミヤマハナシノブは北岳ではいっぱい咲いていますが、北岳と北アルプスの清水岳という山にしか咲かないということで、ほとんど固有種です。
柔らかい感じの薄紫の花びらと、濃い黄色の雄蕊の組み合わせがとても上品。

途中、北岳山頂方面を見上げるも、やはり雲の中。。。


そして、ガスの中を進むとミヤマキンバイ・シナノキンバイを中心とした巨大なお花畑が出現。鹿の食害から守るための防護柵があるのが仕方ないですが、それがなかったら本当に壮観でしょう。




イワカガミやハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、アオノツガザクラなどのレギュラー高山植物群もこれに交じって、それはそれは豪華です。北岳は花の大名山。




徐々に高度を上げて森林限界を突破するのはいいんだけど、この日は既に風が相当強かったです。翌朝には風速17メートルの予想でしたが、既に優に10メートルは越えていたでしょう。
写真を撮る手も震えるし、何よりガスの中で風に吹かれて寒い寒い。やはり3,000メートル級の山は過酷です。
そんな中、小太郎山分岐に到着。ここからは稜線歩きになるはずですが、ガスの中で眺望はゼロ。レインウェアを着こんで飛ばされないようにしっかり足取りを進めます。


でも高山植物の写真は頑張って撮る。ツガザクラやイワウメ、イワツメクサ、ミヤマタネツケバナ、タカネシオガマ、オヤマノエンドウ、イワベンケイ、ハハコヨモギ、チシマアマナ、そしてミヤマキンバイ。とにかく白、黄色、ピンク、赤、青、色とりどり、形もいろいろ、皆強風に揺れながら可憐な姿を見せてくれます。ホント、北岳は花の宝庫だ!こんなに凄いとは!






















青空を背景に撮りたかったですが、それは今回は仕方なし。いやー、それにしても本当に凄い。ハハコヨモギもいっぱいあるけれど、北岳と木曽駒ヶ岳にしか存在しないということで、ほとんど固有種。世界中で北岳にしか咲かない固有種のキタダケソウさんだけではないです。貴重なお花。自分の歩いたことのある山では、岩手の早池峰山に並ぶ凄さかもしれません。。

そして、肩の小屋が近づくとハクサンイチゲが目立つようになります。キタダケソウに似ていて気品を感じる白い花。群落を作りがちなので、迫力あるお花畑を見せてくれるのがいいですね。


まあ、背景が完全にガスですけど。。。
強風にさらされながらも執念でお花の写真を撮っている私の横を多くの登山者が抜かしていきましたが、それでも私も11時過ぎには北岳肩の小屋に到着。コースタイムよりはだいぶ早いペースでした。私を抜かしていた人はテント泊装備の人たちもいたので、彼らは相当足腰強いですね。八ヶ岳などとは違って、北岳に登る人は玄人っぽい感じがしました。


肩の小屋では温かいものが欲しくて、珍しくお汁粉を頼みました。500円。甘いものは普段あまり食べないですが。でも美味しかったです。寒い中強風にさらされながら急な登りをこなしてきた後なので、糖分も体が欲していたのでしょう。
30分くらい休んで、いよいよ山頂アタックです。山頂へは50分程度とありますが、実際には20分程度でしょう。途中にイワヒゲやキバナシャクナゲが咲いていて、相変わらず花が多いです。




しかし、ここで大きなミス。後日の調査によると実は小屋の周囲にキタダケソウさんが咲いていたらしいのですが、事前のヤマレコレポートでは出てこなかったのでチェックせず。無念。見逃しました。小屋の方、キタダケソウがこの日でもまだ咲いているとしたらどの辺りか質問したのに、このことを教えてくれないとはどういうことか。。。
まあ、嘆いてもしょうがない。この日に向けての事前調査では、いわゆるトラバース道のキタダケソウは今年は既にほぼ終わっていて、肩の小屋から登頂後に山頂から下る途中に比較的形のいい株があるという情報を得ていました。そのため、それに集中していたのです。

で、山頂を目指してガンガン登っていると、だんだんガスが晴れてきたような気がする。少なくとも明るくなっている。


右側を見ると、おや、仙丈ケ岳ではないですか。2年前の7月に登った南アルプスのビッグマザー。北アルプスの薬師岳と並んでおおらかな山容にカールが目立ちます。


こうなると俄然やる気がでます。もしかすると稜線の絶景が拝めるかもしれません。アタックザックで身軽だったせいもあり、ほとんど走るように山頂へ。おっ、見えてきた。山頂。


と、その前にチョウノスケソウが2輪だけ残っていました。八ヶ岳で群落を形成しているのを見てみたいのですが、今年はツクモグサ君を5月に見に行ってしまったのでその後はタイミングが合わず、見逃していました。ここで会えたのは嬉しい。




そして、ついに日本で2番目に高い山、北岳に登頂。標高3,193メートル。3位の奥穂高岳・間ノ岳より3メートル高いです。


この頃には仙丈ケ岳は完全に見えるようになっていました。相変わらず風は強いですが、晴れてきたので山頂にいた人達も大喜び。


これは中央アルプス方面。


まだこの頃は甲斐駒ヶ岳はガスに隠れていましたが、それでもちょっと顔を出すタイミングで撮影。


南アルプス南部は徐々に雲が取れてきていました。間ノ岳、農鳥岳につながる稜線は日本アルプスを代表する格好いい稜線と言えるでしょう。それがガスから時々姿を現します。








うーん、迫力十分。やはり当初計画のように、北岳から農鳥岳、もしくは塩見岳への縦走をしてみたくなります。南アルプスはアクセスがよくないのでどうしても計画では後回しになってしまう傾向がありますが、来てみるといつもとても感動します。山容が大きくて。休みの取れる時にちゃんと計画して実行しよう。

そして、そうこうしているうちに本当にガスが晴れてきて、なんと富士山も見えるようになりました。






東側には鳳凰三山と、その奥には奥秩父山塊の深い山山。


南アルプス南部の稜線もハッキリしてきて、さらにその奥の山並みも。


北側に目を転じると、甲斐駒ヶ岳もついにその雄姿を現しました。


仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳の図。


これは、Google+のサービスで自動的に写真が合成されてパノラマになったもの。左から北岳山頂から南側に連なる間ノ岳方面の稜線。西側をぐるっと見て仙丈ケ岳まで。


絶景を堪能して写真撮影し、他の登山者の方々と少しお話したら、頂上から下ってキタダケソウを探します。でもなかなか見つからない。ヤマレコにあった位置を何度も行き来しても見つからない。その間、いろんな別の花の写真だけが増えていく。










北岳山頂付近にはハクサンイチゲが多いです。






緑のハクサンイチゲも見つけました。これもヤマレコのレポートで掲載されていて、見たかったのです。でも、そのそばに咲いているはずのキタダケソウさんは見つからない。
代わりに、ミヤマオダマキが見つかりました。贔屓の花です。




そして、ついにその近くに一輪だけ、もう終わりかけのキタダケソウさんを発見。透き通るような白い花を広げた姿ではなく、やや縮んでしまっているけれど、気品のある花。


結局この一輪しか見つけれれませんでした。キタダケソウさんとの本当の出会いは来年以降に持ち越しです。温暖化の進む中ではどんどん難しくなるかもしれませんが、ある程度雪が残って開花時期が6月中旬以降になり、バスが開通して北岳の開山後にも暫くその姿が見られる年には絶対に再訪です。

さて、八本歯方面への分岐まで来ました。ここからの眺めもいいですね。




八本歯ルートは急な階段やハシゴが多く、下山で使うには注意を要しますが、天気が回復していたので特に問題なく進みました。
左手に有名な北岳バットレス。数百メートルの高さのある、国内有数の岩壁です。うーん、このシーンも格好いい。北岳、花の大名山というエレガントな一面と、巨大で荒々しい山容という男性的な一面を持つ、奥の深い山ですな。


その辺りから北の方角を見ると、八ヶ岳が見えました。


そのまま左俣ルートと呼ばれる、大樺沢の雪渓脇を通るルートで下山です。何だかんだで結構疲れました。山頂から白根御池のテント場までは1,000メートルの標高差がありますからね。
途中は、稜線とは違った花々を見ることができます。やはりミヤマハナシノブとタカネグンナイフウロが主役でしょう。








やっとテント場に戻ってきました。山頂方面はまた雲が出てきている模様。タイミング的にとても恵まれた山行でした。


この日に白根御池に泊まっていた方々には、山岳ガイドをやりながらクライミングをされている猛者が結構いたようです。やはり、バットレスに挑む玄人が多いところなんですね。
一方、この稜線にテントを張った人は大丈夫だったんでしょうか。後日調べたところ、翌朝の風速は25メートルに達した模様。私ならテントをたたむことはできず、停滞を余儀なくされるところ。遭難のニュースはなかったので何よりですが。

さて、私は翌日は下山するのみ。雨こそ降っていませんでしたが、樹林帯の中でも相当の風を感じる状況で、8時のバスに乗るべく5時過ぎにはテントをたたんで早々に下山しました。


下山中に見た鳳凰三山方面も、何だか不穏な雰囲気。


いやー、お天気大事ですね。日本アルプスの3,000メートル級に挑むときは特に。安全もそうですが、やはりお天気が良くないとせっかくの稜線、高山植物ともに魅力が減退してしまいます。どうせ苦労して登るなら、多少混んでも晴れた日にすべきですね。

さて、下山後は甲府の銭湯で汗を流し、いつもの小作というほうとう屋さんで猪ほうとうを食べました。甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳から下山した時と一緒の展開。


そして、時間があったので中央本線の鈍行でのんびり東京に帰りました。甲府駅で買った信玄餅のアイスクリーム、プレミアム価格ですが試す価値ありです。超美味。きな粉と黒蜜が絶妙でした。




北岳、これまで登った山の中でも、山そのものの存在感という意味では最高だったかもしれません。そして花の大名山。そして間ノ岳方面へ続く魅力的な稜線。そして世界でそこにしか咲かないキタダケソウ。再訪しない方がおかしい。南アルプスは行くまでが億劫ですが、行けばかならず心奪われますね。さて、次の訪問はいつになるやら。
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遥かな尾瀬はタテヤマリンドウの大当たり年

2016-07-09 10:04:26 | 旅行
6月4日と5日の土日、急に思い立って尾瀬に行ってきました。燧ケ岳は登らず、まったりテント泊して湿原を楽しむプランです。
豪絶地帯の尾瀬も今年は雪が少なめで、花の開花が例年に比べてとても早いようです。水芭蕉もいつもなら6月初めくらいに一番の見ごろらしいのですが、事前のリサーチによると今年は尾瀬ヶ原ではほぼ終わり、標高の高いアヤメ平などに残る程度ということでした。まあ、名物の大群落は見られなくても、湿原の癒し効果は昨年の鬼怒沼で経験済み。日本の代表的な自然美を楽しむなら、必ずしも水芭蕉がなくても大丈夫でしょう。

金曜日の夜にバスタ新宿を出発する関越バスの「尾瀬号」に乗り、まずは戸倉を目指します。戸倉からは朝4時半頃に出るシャトルバスで、尾瀬の入口である鳩待峠を目指します。
耳栓がポイントですね、夜行バスでは。結構眠ったと思います。注意としては、尾瀬号のパンフレットによると先に戸倉に着いてその後にもう一つの尾瀬の入口である大清水に行くように書いてあるのですが、実際には逆です。戸倉が後。これは、シャトルバスがどうせ4時半にならないと来ないので、早く着いても意味ないから。大清水からは林道を延々と歩いていくことになるので、夜明け前に着いても誰も文句を言わないんですね。むしろ時間を有効に使えるわけで。


そんな訳で鳩待峠に5時15分頃には到着です。尾瀬号も満員だったし、シャトルバスも満員。乗り切れない人はマイクロバスに乗せられていました。このマイクロバス、実は人数が集まったらバスと同じ料金で走ってくれる乗り合いタクシー。便利ですね。帰りにはこの乗り合いタクシーを使いました。


おにぎりなどの簡単な朝食を取って早速出発。尾瀬ヶ原に直接向かう人が多いと思いますが、私はアヤメ平を目指しました。今年は前述のように尾瀬ヶ原では水芭蕉もリュウキンカも見頃を過ぎているという情報を得ていたので、標高が高めのアヤメ平方面に残っているものを見ようという算段。加えて、尾瀬ヶ原を囲む小高い山に登ることになるので(標高差400メートルくらい)、景色も期待できるという腹です。
早速ブナの美しい森。尾瀬は実は湿原だけではなくて森も美しいですね。


尾瀬らしい木道の整備された道。朝の空気と木の香りがうれしい。


久しぶりのテント泊装備で重く感じますが、コースタイムより速いペースで横田代の湿原に到着。


そして、ここからは多くの登山者に抜かされるのも気にせず湿原の景色を楽しみます。早朝なので開いてない花もありますが、やはり湿原の楽園感はハンパない。
まずは水芭蕉。尾瀬ヶ原ほどの群生ではありませんが、ある程度楽しむことができます。


今年の尾瀬はタテヤマリンドウの当たり年。早朝はまだ花を開いていないものが多いですが、水色の小さい花が群しているのはとても可愛い。


ピンクの代表はヒメシャクナゲ。


アルプスの稜線では夏の代表的な花、チングルマが咲き始めていました。


そして湿原と言えばモウセンゴケ。鬼怒沼でも見ました。


そしてワタスゲ。この辺りは標高のせいか、まだ穂が真っ白にはなっていなかったですが、それでも木道と一緒に写真に収めるとなかなかいい。ワタスゲのメルヘン感は反則的に強力な癒しパワーがあると思う。




一歩引いて湿原を眺めると、とても気持ちがいい。青い空と緑の湿原、そして小さい花々と白い木道。


振り返ると至仏山。


これは平ヶ岳方面。ワタスゲの群生がよくわかると思います。


この通り。


そして、暫く歩くとアヤメ平に着きます。一時は人間が踏み荒して荒廃してしまった湿原ですが、東京電力などの地道な努力で回復してきています。東電のイメージはどうしてもよくないですが、尾瀬に限ってはその功績を認めるべきでしょう。


タテヤマリンドウが開いてきた。


ショウジョウバカマ。流石に花勢は終盤であまり見ませんでしたが、これは形のいい株。


イワカガミもちらほら。


ヒメシャクナゲもやはりピンクで可愛い。


尾瀬の主峰、燧ケ岳が正面に見えます。




平ヶ岳方面を振り返っても、池塘と一緒だと雰囲気が違う。


日光白根山も南方向に見えます。


ここから富士見峠方面に向かう途中に南方向の見晴らしがよいところがあるのですが、この山の風景が素晴らしい。原生林の緑が本当に綺麗。北関東の山々、尾瀬や谷川連峰、奥日光は本当に素晴らしいと思う。


見晴らしのいい木道を進みます。


富士見峠前の池塘。癒しの空間。


そしてタテヤマリンドウがたくさん。


ここからは樹林帯を尾瀬ヶ原方面に下ります。長沢新道という道です。途中、木道はあったりなかったり。意外と急な坂もあります。距離は短いけれど普通に登山道っぽい道でした。
ミツバオーレンが多かった。


広葉樹の森が美しい。巨樹もあります。






そして、やっと尾瀬ヶ原に下りてきました。すると、至仏山が左手に見えます。


水芭蕉と共に尾瀬に咲き乱れるリュウキンカ。残念ながら花勢は明らかに終盤で、形のいいものはあまり残っていませんでした。


そして、ここでもタテヤマリンドウが目立ちます。


これはなんだろう。白い花は多くてGoogle先生にお聞きしてもなかなか分からず。


湿原は泥炭の土地なので痩せていて栄養が少ないため、大きな植物は育ちにくいのです。だから、過酷な環境で生きる高山植物のような可愛い花が多いとのこと。タテヤマリンドウも、湿原のものは尾瀬沼周辺の樹林帯で見られるものより色が薄かったりして、やはり一生懸命なのですな。

そんな花を愛でながら尾瀬ヶ原の木道を行く。よく晴れた週末なので観光客が大勢。


尾瀬ヶ原の中央部に位置する龍宮と呼ばれるところに来ました。龍宮小屋という山小屋があり、その向こうには燧ケ岳が見えています。


龍宮小屋を過ぎて沼尻川を越え、尾瀬ヶ原の東端にある見晴を目指します。見晴には山小屋が6件も密集している上にテント場もあります。私もそこにテントを張る予定。途中はやはりタテヤマリンドウが多く、湿原はうっすらと水色に染まっているように見えました。
その他の花もちらほら。これはオゼヌマタイゲキ。


オオバタチツボスミレですかね。スミレは見分けるのがたいへんですが。


見晴の山小屋群に近づいてきました。燧ケ岳も徐々に大きく見えてきます。


見晴のテント場は、燧小屋が管理しているので、まずは小屋にて受け付け。


10時頃にはテントを張り、余裕の一日です。キツい山登りをせずに湿原の景色と空気、香りを楽しむ週末。なかなか優雅です。


とは言っても折角の尾瀬なので、寝て過ごしてもしょうがない。ここは尾瀬沼に散歩に出かけることにします。
尾瀬沼までは樹林帯の道を2時間ほど。尾瀬ヶ原とは標高差が250メートルくらいあるので、ところどころ急な坂もありますが、全体としては誰でも歩くことのできるルートだと思います。
はじめは木道を行きます。


沢を何度か通過。涼しい。


小粒の白い花が多いです。ニリンソウとか。


ツボスミレはたくさん。


これは何だろう。


スダヤクシュは結構ありました。


リュウキンカも形のいいものを探す。


これは不明。Google先生も限界。


オオカメノキ。どこにでもあるような気がするけど、尾瀬関連のホームページでは樹林帯の代表的な花として紹介されていることが多いです。


下から見上げる構図が好き。


時には形のよい水芭蕉も残っています。


そして、道中にも幾つかの小さい湿原があり、木道とベンチが整備されています。相変わらずタテヤマリンドウが多くて全体的にうっすら水色。


そんな中、ミツガシワ。よく見ると複雑な形の花ですが、可憐なイメージ。


湿原は木道とワタスゲのコラボ写真を撮っておけば間違いない。




程よく汗もかいたところで、尾瀬沼に到着です。沼尻と呼ばれる、北西の端に当たるところ。


さて、尾瀬沼を一周しながら景色とお花を楽しみます。ヤマカタバミが咲いていました。今年は奥多摩から八ヶ岳からどこでも見かけます。この花。


尾瀬沼越しの燧ケ岳は絵になる。


途中に水芭蕉がかなり残っている一角もありました。


そして、ビジターセンターに到着。ここ、結構情報豊富で楽しいです。鳥の写真と鳴き声のコーナーとか、かなりはまります。ぜひ行ってみてください。


何だかんだでゆっくり散歩して、尾瀬沼を一周して沼尻に帰還。その後は樹林帯の道を戻ります。帰りは250メートル下るので楽チンでした。
夕食までは燧小屋のお風呂で汗を流したりして過ごしました。久しぶりのテント泊でフォークや箸の類を忘れてくるという失態を犯したものの、流石に尾瀬なのでお土産に地元の木で作ったフォークがあったので事なきをえました。
夕食中に飛んできた小鳥。尾瀬では鳥の声はいつでも聞こえているのですが、勉強不足でまったく種類はわからず。


翌日は三条の滝方面に行くことも考えられたけど、今回は徹底的に楽をするコンセプトを採用して尾瀬ヶ原の木道を早朝散歩することにしました。
ワタスゲのメルヘン感に包まれながら木道を東電小屋方面に向かいます。


この小さい花は湿原の水辺に結構咲いていたんだけど名前が特定できない。


咲きかけの小さい青いお花。エゾムラサキかなあ。


早朝は特に野鳥の声がよく聞こえてきました。なかなか写真に収められないけど。これは必死にズームで撮ったもの。後姿だけど。


橋を渡ると一瞬だけ新潟県に入る。ちなみに、尾瀬は群馬県、新潟県、福島県にまたがっています。日本有数の豪雪地帯ですから、冬の積雪が豊かな水をたたえて湿原を支えているんでしょう


橋を渡った先にはオゼヌマタイゲキのお花畑がありました。




早朝のお散歩は快適。ブナの林を抜けて東電小屋方面へ。


東電小屋の周囲には水芭蕉やリュウキンカの群生地があるのですが、残念ながら今年の花の時期は終わっていました。


でも、一部のリュウキンカと例の白い花はまだまだ綺麗。


オオバタチツボスミレは所々に咲いていて、大きいから目立ちます。濃い紫が独特の気品を備えています。


ヨッピ吊橋と名付けられた橋を渡ります。


池塘が幾つか目につくエリアに入りました。池塘とワタスゲのコラボは天国感が強い。






朝の湿原。




一回りしたら見晴のテント場に戻って撤収。軽く朝食を食べて山ノ鼻方面へ。尾瀬ヶ原を横断して帰ります。




夜は花を閉じてしまうタテヤマリンドウが、再び花を開いてきたので湿原がうっすらと水色に。




そしてやはりワタスゲが可愛い。






池塘もたくさんあります。しかし、若干干上がっているように見えるものもあり、やはり冬場に雪の少なかった今年は水不足なのでしょう。貴重な直物のためにも梅雨の時期に恵みの雨があることを祈ります。






ヒメシャクナゲも牛首分岐を過ぎた辺りからかなり見かけました。


高山の稜線で見る花々と似ているようで違う雰囲気の湿原の花々。いずれもとても可憐で儚げで、ちょっと個性的なものが多いです。やはり花が好きだから山歩きしているのだと実感。

時間的にはまだ午前9時頃だったのですが、この時期は花の宝庫である至仏山は閉山されているので登らず、早めに東京に戻ることにします。週末のうちに片づけておきたいこともあったので。
山ノ鼻から鳩待峠までは基本的に木道の続く1時間程度の道ですが、観光客が大挙してやってくるのですれ違うのが結構大変でした。私はテント泊装備背負っているので邪魔だったでしょうね。
途中、ミヤマエイレンソウやカラマツソウを見かけました。


森の景色も素敵です。


鳩待峠に到着。人数が集まると乗り合いバスが戸倉まで順次出てくれるので、効率的です。


戸倉からはバスで上越線の沼田駅に出て帰りました。
尾瀬や奥日光、谷川連峰などの北関東の山々は贔屓の山域です。雪深い地域なので自然環境の厳しさがハンパなく、ただでさえ森の木々や花々、そして鳥たちも特徴的で美しい。それに地理的に特殊な高層湿原や氷河が削った景観、火山の影響、蛇紋岩という特殊な岩でできた山々など、箱庭のように凝縮されていて素晴らしい。3,000メートル級の稜線とは違った楽しみ方ができますし、心理的にはより落ち着く環境だと思います。
尾瀬には夏にもう一度くらいは行きたいです。他の花が咲く季節、そして至仏山の開いている季節に。
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ツクモグサに会いに八ヶ岳へ

2016-06-12 21:23:09 | 旅行
5月22日と23日に久しぶりの雪山でない八ヶ岳へ。目的はツクモグサ。本州では白馬岳と八ヶ岳にしか咲かない貴重な高山植物で、花を追いかける私の山歩きではとても優先度の高いターゲット。ふさふさの毛が生えた薄い黄緑色の花はネット上で見ていてもとても可愛くて、今年は絶対に会いに行くと決めていました。
記録的な小雪と気温上昇速度の速さのせいか、今年のツクモグサは例年より2,3週間早く見頃を迎えているとのことで、5月の最後の週末には別の予定が入っているためにこのタイミングを逃すとまずいということで月曜に休みを取って強行して来ました。

月曜休む羽目になったのは、土曜に会社の仲間にせがまれて奥多摩山行を案内したからです。いつもの養沢から大岳山に登るルートで、単純標高差900メートルくらいですが、下山ルートがどうしてもアップダウンがある程度あるので楽ではありません。これをこなした後日に八ヶ岳ということで、ややハードな日程でした。

さて、いつものように茅野駅に9時過ぎに着くスーパーあずさに乗り、茅野駅からはバスで美濃登口へ。久しぶりに八ヶ岳山荘のところにやってきました。雪山でない八ヶ岳は、何と2013年9月以来の来訪です。


ここから林道を4,50分歩かないと美濃登の登山口までたどり着かないというのがバス利用者の悲しいところ。前日の疲労が残る中、砂利の埃っぽい道を行きます。乾燥していて暑いですが、木々は新緑の装いでいい香りがしました。あと、春蝉がワーワー鳴いていました。春の蝉って本当にいるんですね。


やっとこさここまで来ました。今回は硫黄岳山荘に宿泊の予定なので、北沢ルートを取ります。そうすると、更にしばらく林道なので土の香りが恋しくなりますが、まあしょうがない。


途中はオオカメノキなどの花を愛でる。足元にはスミレやコミヤマカタバミなど。






沢を何度か渡ります。もちろん橋があるので大丈夫。沢の音だけでなく、空気も清涼感があるのが八ヶ岳の沢のありがたいところ。まあ、北関東の森でも同じことだけど。


原生林の八ヶ岳の森は、土や木の香りが濃くて、深呼吸すると気持ちがいい。


黄色い花がちらほら。これはコキンバイでしょうか。


キバナノコマノツメだと思います。


この白いのはなんだろう。葉の形がチョウノスケソウに似ているような気がするけど、樹林帯に咲く花ではないはずだから違う。


そんなこんなで、疲れていても男性単独行だとコースタイムよりはかなり早く赤岳鉱泉に到着。冬季の名物、アイスキャンデーが溶けかかっていました。ここまでくると結構涼しいです。登山口から500メートルくらい登っていますから。


ここから見上げる主峰の赤岳。2,899メートルと2,900メートルに1メートルだけ足りませんが、日本アルプス以外で一番高い山です。八ヶ岳はコンパクトにまとまった山塊だからアプローチしやすいし、樹林帯には原生林が残っていて森深くて気持ちいいし、動物も植物も豊富です。そして標高も高いのでアルペンな岩場を楽しめるということで、個人的には相当贔屓の山旅ターゲットです。


ここでおにぎりなどを消費し、20分以上休憩。前日の疲れが脚に来ていて、これから硫黄岳山荘までの登りは乳酸との闘いになるのが明らかです。やれやれ。
そして、森林限界を抜けるまではほとんど写真なし。脚の疲労が辛かったし、特に目立った花もなかったので。しかし、森林限界を越えるとすぐに硫黄岳から横岳方面の稜線が視界に入るのがこのコースのいいところ。青空に映える、お気に入りの風景で疲れも吹き飛びます。


で、途中ののポイントである赤岩の頭へ。冬季もオーレン小屋方面からこちらに登ることは可能ですが、私が3月に登ったルートより難しいようです。


南八ヶ岳らしい風景が見えるようになります。


ここから硫黄岳山頂までが地味にキツい。中くらいの石がゴロゴロしていてちょっと歩きにくいですからね。


何だかんだ言って登頂。結局はコースタイムより早く登ることができました。疲れてますけどね。


硫黄岳の山頂は3回目ですが、いずれもお天気に恵まれています。八ヶ岳の神様には愛されていると信じています。
ここからは山頂からの風景を何枚か。3月の雪の時期に登った時の山行についてのエントリでも出てきます。が、全然様相は違います。当たり前ですけど。

蓼科山、天狗岳方面。夏山の様相ですね。


横岳への稜線から、主峰の赤岳、そして阿弥陀岳方面。阿弥陀岳は今回は登りませんが、2013年9月に初めて八ヶ岳に来た時に登っています。赤岳同様に頂上直下の急な坂がエグイところで、これを経験したことで南北アルプスの厳しい道に行く自信がつきました。今度は雪の時期に攻略したいです。


硫黄岳山頂のいつものシーン。


そして名物の爆裂火口。相変わらずのジオパークぶり。


山頂の絶景を十分楽しんだら横岳方面に進みます。今日の宿である硫黄岳山荘は、硫黄岳と横岳の間に建っています。
ちょっと振り返った図。硫黄岳はガスが出ると迷いやすいので、ケルンがたくさん建っています。それが格好いい。


で、山荘到着。硫黄岳山荘の経営は、3月に泊まった夏沢鉱泉と同じです。とてもサービスのよい、気持ちよい山小屋です。


この日は日曜。翌日は平日だしまだまだシーズン序盤なので、かなり空いていました。この小屋は、アルプスの小屋のように1つの布団に2人とかいう無茶はしないので良心的です。


稜線なのに水洗トイレで、今年からシャワー(別料金500円)もあります。


まだ3時半くらいだったので、5時半の夕食まではだいぶ時間があります。そこで、横岳方面に足を延ばしてみました。ツクモグサは早朝だと花を閉じてしまうので、花びらを広げたものを見るなら今行く方がいいからです。
小屋を出てしばらく行くと、コメバツガザクラとオヤマノエンドウが。どちらも見たかった花です。これまでは5月や6月の早い時期に日本アルプスや八ヶ岳などの高山に登ることがなかったので、見たことがありませんでした。高山植物は時期を合わせないと花が見られないので、一期一会的な感動があります。




なんの花かなあ。こんな厳しい環境の稜線で健気だなあ。


この葉っぱはチョウノスケソウだと思う。これが咲き乱れるころにも来られるかな。お天気と仕事の状況しだいだけど。


キバナシャクナゲも八ヶ岳の稜線名物ですが、まだ蕾。


そして、ついにツクモグサ登場!可愛い。可愛すぎる。ツクモグサ君と、君付けで呼んでしまう。ライチョウさんがさん付けなのと同じ感覚。ちなみにオヤマノエンドウもオヤマノエンドウさん。それにしても、こんな稜線の岩場にへばりつくように咲いていて、本当に可愛い。






横から見るとふさふさ。




あまり遅くなると迷惑なので、ある程度で引き返します。翌朝は赤岳まで縦走するので、その間にゆっくりツクモグサを探す予定。

そして夕食タイム。私の自炊能力でテント泊だと大したものが食べられないですが、山小屋はありがたい。特に硫黄岳山荘グループの夕食は豪華です。肉と魚が基本的に1品ずつ付くし、自家製の味噌や漬物が美味しいし。




夕食後は夕日が赤岩の頭方面に落ちていくのを眺めました。寒いですけどね。フリースかダウン必須。


そして翌朝。4時半頃出発。ちょうどご来光の時間でした。直前の写真と紛らわしいですが、これは日の出です。今日もいい天気。


でも寒い。霜が降りていました。高山の早朝はこのキリッとした空気が素晴らしい。


硫黄岳山荘とはしばしのお別れ。夏に来るとしたらテントを担いで来ると思うので、ここには泊まらずに軽食などで立ち寄る可能性がたかいです。


稜線上のちょっとしたピークから見る阿弥陀岳。朝日に染まってピンク色。


その奥には南アルプスの高峰が。これは北岳。今年の夏山ターゲットですが、他の山同様に今年は雪が少なくて高山植物の開花が早く、固有種のキタダケソウに間に合うかどうか。間に合わなければ8月後半か9月に塩見岳までの大縦走のターゲットにしたいと思っていますが、実現するかどうかは?


そして甲斐駒ヶ岳。


南東方向には富士山も見えました。


早朝の稜線のアイドル、イワヒバリはいつ見ても可愛い。


雪はまだ少し斜面に残っていますが、稜線の登山道はほぼ無雪でした。


そして、ツクモグサ君登場。やはり早朝は花を閉じていますが、これはこれで可愛い。








ツクモグサなどの高山植物を見つけようとしてゆっくりと、しかも本来行く必要のない岩場の方向にも行っているので、なかなか進みません。が、それが楽しいのです。注意としては、それでも登山道を外れないように。それと、登山道でも小さい葉っぱなどを踏まないように。どれも貴重な高山植物である可能性が高いですから。
そして、横岳の最高地点、奥の院に来ました。一応記念撮影。


硫黄岳方面の稜線も振り返る。


これから向かう赤岳。その背後には権現岳などの八ヶ岳南部の峰々と、南アルプスの高峰。


まあ、今回はツクモグサを主役に高山植物の旅なので、稜線の絶景は完全に二の次です。
そして、奥の院を越えるとツクモグサの数も増します。こんな感じで咲いています。




開きかけの花が可愛い。




崖にへばりついている小さな命。


大稜線を望む位置に1輪。2輪。




オヤマノエンドウもいっぱい咲いていました。今回は主役をツクモグサに奪われていますが、青紫の美しい花です。








そしてコメバツガザクラも。




三叉峰のあたりではミネズオウも見かけました。


ウラシマツツジの花も。秋には真っ赤な草紅葉が見事ですが、花も可愛いですね。


ミヤマキンバイはまだまだ蕾。


クモマナズナ。初めて見ました。と言うか、これまで知らなかった。ノーマークでしたがとても可愛いですね。




高山植物を楽しみながらも、横岳の稜線はそれなりに注意を要する険しい道。それも終わりを告げ、あとは主峰の赤岳に登頂してお弁当をいただいて絶景を楽しむ予定。
地蔵尾根のお地蔵さん、お久しぶりです。


まあ、ここからの登りが結構エグイ。


そして、エグイ登りの間は写真ありません。と言うことで、山頂です。




2年8か月ぶりの赤岳山頂。今日も絶景です。特に権現岳方面、南アルプスを背景にして格好いい。


ちょっと引いた図。こっちの方が実際に見えている図に近い。


山頂では硫黄岳山荘のお弁当をいただきました。起きてすぐは食べられない体質なので、お弁当がありがたい。


山頂には1時間弱いました。時間に余裕があったので景色を楽しんでいたのと、実は硫黄岳山荘の女性スタッフがこの日から1週間休暇ということで、観音平までの縦走をされているとことでした。この方とお連れの夏沢鉱泉のスタッフの方とおしゃべりしていたので、時間がたつのが早かったです。

まあ、いつも下山は名残惜しく感じながらのものですが、赤岳から文三郎尾根方面へのルートは険しい岩場なので注意していきます。


そして分岐へ。


阿弥陀岳方面を望む。今回はパスしてしまいましたが、お天気も良かったので行けばよかったかなと後からちょっと後悔。


文三郎尾根名物のマムート階段。前回登った時は辛かった。下りも結構たいへんよね。


横岳を見上げる。やはりギザギザ稜線ですな。険しい。ホント、八ヶ岳はコンパクトにいろいろまとまっているから楽しいよ。岩稜のスリルも高山植物も両方楽しめる。


そして、行者小屋まで下りてきました。前回はここにテントを張りました。


あとは登山口まで2時間半程度の道を下るだけですが、これも比較的ゆっくり行きました。実は、この南沢ルートでしか見られない、ある花を探していたのです。後で知ることになるのですが、この花は実は美濃戸の登山口から15分程度のところに群生しているだけだったので、ルート全般的にゆっくり歩いた私は無駄だったわけですが。

まあ、もののけ姫が大きなオオカミに乗って出てきそうな森を進むのは気持ちがいい。いつも同じことを言っているが、香りがいい。






変な苔がたくさんありました。花を探していたので観察眼が無駄に鋭く。。。




木々が新芽を吹き、新緑の季節。




コミヤマカタバミは南沢でも多かったです。


これはなんの花かなあ。


そして、ついに発見。絶滅危惧種のホテイラン。これが見たかった。


って、ここで知ったのですが、何と地元の方々が調査・保護されていて、各個体に番号を振って管理されています。したがって、登山道からホテイランを見たければこの辺りに来れば誰でも見つけられます。まったく、2時間以上もホテイラン探しながら下山した苦労は何だったのか。まあ、綺麗なお花を見られてうれしいですけどね。




他に、ツバメオモトと思われる花も見つけました。ちょっと遠い位置だったので確認しにくかったけど、写真から判断。


後は美濃戸山荘でお茶を頂いたりしながら暑い中を汗だくで下山。カラマツの緑が美しいですが、暑さにやられてややぐったり。まだ5月なのに。ホント、温暖化やめてほしい。


そしてついに下山。いやー、ツクモグサ君をはじめとして多くのお花と八ヶ岳のアルペンな風景、そして樹林帯の香りに癒されました。が、汗だくです。ここで、入山時から気になっていたオーベルジュのJ&Nに向かいます。皆さんのブログレポでおなじみになりつつある新しい八ヶ岳スポット。登山好きの若いご夫婦が昨年11月から経営されていて、とても清潔。六本木の職場の近くになっても違和感ないレベル。




いやー、これまでは下山したら八ヶ岳山荘のお風呂だったけど、これからは山ガール中心にこっちの人気が凄いでしょう。
お風呂は700円ですが、食事をすると半額の350円に割り引かれます。私はカレーを食べました。1.200円。ご主人はパティシエが本職らしいですが、料理もかなりレベル高い。




充実した山行で2016年の夏山は幕を開けました。やっぱり八ヶ岳贔屓だな。相性いいな。また来るぞ。
いつもの信州ナチュラルビールを飲みながら帰りました。

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Indigo Jam Unit

2016-05-30 21:48:30 | 息抜き
This is the jazz artist I recently found great. The band is from Japan, and has been performing for a decade, and guess what, it just announced to dissolve the band for each members to take next steps in their musical career.

Love the tension. Love the rhythm.


Lights
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