冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

新緑と石楠花の甲武信ヶ岳

2017-06-11 18:05:04 | 旅行
新緑シーズンは、一年で山林が最も美しい時期かもしれません。晴れた日には黄緑色の葉がキラキラと輝いているし、空はこのシーズンらしい気持ちのよい青空。濃すぎない緑と青のコラボレーションは、強すぎない光と好相性。小鳥の声も絶え間なく聞こえているし、晩春~初夏の花、特にこの時期はツツジなど木の花が艶やか。日が長いので日没を気にして焦るようなこともなく、気軽なハイキングが楽しめます。
で、今年も例年どおり5月に奥多摩にハイキングに行っていたのですが、少しだけ遠出しようということで6月4日(日)と5日(月)は有給休暇を利用して奥秩父の百名山の一角である甲武信ヶ岳に登りました。本格的な夏山シーズンを控え、体慣らしのためにテント泊装備を背負っての山行をするという目的もあります。

甲武信ヶ岳は地味系百名山という扱いをされることが多いと思いますが、今回初めて行ってみて確かに地味だと思います。が、このシーズンの甲武信ヶ岳は石楠花で彩られるということをヤマレコなどで情報収集する中で知っていたので、新緑に加えてそれも狙っていました。今回もお天気に恵まれ、かなり充実した山行となりました。

最初に写真を幾つかアップしておくと、まずは毛木平からの千曲川源流コースの新緑。


とがったおにぎりのような甲武信型山頂。


山頂からの早朝の景色。奥秩父の山深いエリアが一望され、何だか畏怖の念を感じつつも深い森に癒されます。


そしてお目当ての石楠花。



公共交通機関利用の場合、甲武信ヶ岳のアクセスはあまりよくありません。山梨県の西沢渓谷からアプローチするにしても、長野県の毛木平からにしても、いずれも電車とバスを乗り継いでお昼少し前から登り始めるということになります。しかし、今は日が長い時期。これを最大限に活用し、テントを張る甲武信小屋のテント場まで5時間程度かかっても日没までは余裕という計画。ということで、朝8時に新宿を出るスーパーあずさで小淵沢に出てからメルヘン感あるローカル線の小海線に乗り継いで信濃川上駅へ。この時点で既に10時40分。そこからは路線バスで梓山のバス停へ。このバス停からはコースタイム90分の一般道をてくてく歩いて毛木平までという感じで、予定では12時40分ごろに登山開始というのんびりした計画です。

で、やって来ました梓山バス停。バスの運行が結構早くて、予定より早めの12時15分にはここについていてました。周囲を高原野菜の畑に囲まれた集落です。




翌日が平日な上に、普通は自家用車で毛木平にアプローチするでしょうから、ここで降りたのは私ともう一人だけでした。この方はバス停近くのコンビニ的な商店に入られ、その後会いませんでした。基本的にここからはほとんどずっと完全ソロでした。
それはともかく、毛木平までの一般道、お天気に恵まれ過ぎて過酷でした。暑い、というか、まぶしい。こんな感じの一本道で、周囲はレタスなどの畑。地元の農家の方が作業しているのを横目にひたすら毛木平を目指しました。


最後の10分くらいは舗装されていない道になって、登山口が近いのが分かります。天気の良い週末だったので、毛木平の駐車場に停めきれなかった車がこの道にたくさん路駐していました。


この段階で既に新緑が楽しめるのですが、八ヶ岳の美濃戸口からアプローチするのと同じで、本格的な登山道に入るまでのアプローチ道はなぜか景色を楽しむ気がしてこないものです。そんなこんなで、やっと毛木平。時刻は12時15分くらいで、予定よりは少し早く着きました。周囲を森に囲まれた綺麗な駐車場で、トイレも完備です。と言うか、この時期の空の青さと緑の美しさのために綺麗な駐車場が演出されていたんでしょう。


さて、準備を済ませて12時半前には千曲川源流コースを目指して入山です。すると、直ぐに新緑の木々の回廊を通ることになり、深呼吸しながら森林浴して進むことになります。素晴らしい。


ちなみに、昨年9月以来のテント泊装備の重量感は凄まじく、この日は家を出てからずっと荷物の重さに苦しめられていました。そのため、比較的優しいコースとされる千曲川源流コースでも体力的には全然楽ではなかったです。新緑と小鳥のさえずり、森の香りと沢の水音&涼感が全面的にサポートしてくれなければ、気温の高いお昼時に重荷を背負っての山行は辛いだけだったでしょう。

まあ、景色がいいから何とかなるんです。カラマツの新緑が素晴らしい。


見上げると夏空である。


そして、千曲川と思われる沢から涼しげな風が時折吹いてきてくれるのが助かる。


お花はそれほど種類はなかったですが、定番のニリンソウ。ニリンソウと言っていますが、イチリンソウ、サンリンソウとの見分けは私には不可能。多くのブログなどでニリンソウとされているのを踏襲します。と、最初は書いていたのですが、どうやらシロバナノヘビイチゴという花のようです。ニリンソウにしては時期的に遅いですからね。


スミレさん。タチツボスミレかな。


黄色のスミレさん。キバナノコマノツメでしょう。


コミヤマカタバミもちらほらと。


いつもはコースタイムをある程度巻いて歩くことができますが、テント泊装備の重みにやられてこの日はほぼコースタイム通りで歩いていました。毛木平から1位間35分ほどで、最初のチェックポイントのナメ滝に到着です。ツルっとした岩の滝はナメ滝と呼ばれることが多いようですね。




この辺りまで来ると、カラマツなどの新緑はまだまだ始まったばかり。新緑のピークは毛木平からナメ滝までの間でした。標高の高いところのダケカンバとかはまだまだこれからも新緑が楽しめるのでしょう。


さて、暫しの休憩の後は千曲川源流を目指します。沢沿いのコースのよいところは、沢を詰め切るまではあまり傾斜が厳しくないこと。それでも徐々に疲労感が出てきますが。景色はだいぶ森深くなり、うっそうと苔の茂る森になってきました。


何度か木橋を渡って沢を横切ります。


苔の中にバイカオウレン。数は多くなかったですが、種類の違う花が出てくると楽しい。


最初のうちは轟々と音を立てて流れていた千曲川の源流も、ここまで来るとかなり細い流れに。


八ヶ岳の赤岳から流れる南沢のように、ちょっと赤みがかった感じの水。この辺りで少しだけ水を汲みました。この水は美味しかったですね。後で甲武信小屋で1リットル50円で買う笛吹川の水よりも美味しかったと思います。


そんなこんなで千曲川源流にたどり着きました。ほぼコースタイムどおり。やはりテント泊装備だとペースが上がらず。


千曲川源流は残念ながら水が出ていませんでした。季節や年によって状況は違うんでしょうね。


少し休憩してからいよいよ甲武信ヶ岳山頂を目指します。地図でも明らかなのは、ここからの道が急登だということ。沢沿いの道はどうしても最後に急登が待ち構えています。植生的にはシラビソが多くなっていました。


約25分の登りを経て稜線に出ます。金峰山や国師ヶ岳を西側に、東側には雁坂峠などを経て最後は雲取山まで続く長大な稜線です。まあ、奥秩父の主脈稜線の場合、その大きさに反して実態はとても地味。樹林帯が多く、深い森の稜線です。これはこれでとても香りもよいし好きなのですが、やはり大人気のエリアにはなり得ないのでしょう。


道はこんな感じ。


ちょっと見上げると雰囲気も違う。


ここからさらに25分程度のコースタイムで甲武信ヶ岳山頂なのですが、最後の登りがキツくて30分以上かかってしまいました。途中、樹幹から展望が少し開けるところがあって、明日の下山路で通る木賊山が見えました。


ちょっと視線をずらすと甲武信ヶ岳山頂も。直下は結構ガレているようだ。


それにしても森深いと言うか、山深いというか。この深さが奥秩父の醍醐味です。


そして、テント泊装備に苦しみつつもやっと登頂。標高2,475メートル。4時半少し前でした。この時期は日が長くて助かる。


山梨県、長野県、埼玉県の3県の県境のはずですが、圧倒的に目立つ埼玉県の山頂標識があるものの、他の2県のものは見当たりませんでした。
山頂からの風景はやはり森深い。金峰山方面。


北側の三宝山。実はこっちの方が少しだけ標高が高く、埼玉県の最高峰です。こっちへ縦走する道は結構険しいらしい。


八ヶ岳方面。ちなみに、南アルプスも少し見えましたが、翌朝の方が綺麗に見えているので後ほどアップ。


結構雲が出ているのと、この週末は気温も低くて肌寒かったので、20分ほどの山頂滞在で甲武信小屋を目指すことにしました。山頂直下にあったイワカガミ。


そして、本日のテント場である甲武信小屋に到着。奥秩父の山小屋は、八ヶ岳やアルプスのようなこ慣れた感じがしなくて独特の風情があります。


早速テントを張って少し休み、フリーズドライのお米にカレーとソーセージ、ゆで卵という簡単夕食を準備します。テント場は30張程度は十分張れる感じでした。土曜日は満員だったと思われますが、流石に日曜は余裕があります。


気温は3~4度程度と結構寒かったです。それでもテラス席では宴会している人たちがいました。中高年は本当に元気だ。


ソロテント泊なのでいつも夜更かしせずに早寝早起きなのですが、この日は特に疲労していたのか7時半頃には寝入ってしまったようです。真夜中頃に一回目が覚めました。防寒着とシュラフのおかげで、あまり寒さは感じませんでした。
そして翌朝。気温はやはり低いですが、大陸からの冷たい高気圧が張り出してくれたおかげでひんやり気持ちいいし、何より天気がよろしい。4時20分少し過ぎにご来光ということで、小屋前には多くの人が。


狙った通り綺麗なご来光。今年の山でのご来光第1弾。今年も何度か見られるといいと思います。


気温は氷点下でした。当然霜も降りていた。


さて、多くの人は下山の準備に入っていましたが。私はここでもう一度甲武信ヶ岳山頂を目指します。甲武信ヶ岳自体も百名山ですが、山頂は大展望台で他の多くの百名山を見ることができるとか。このコンディションなら行って損はないでしょう。テント泊装備なしの空身だとサクサク登れますし。で、木賊山の右奥に富士山。ちょっと雲海もできていて格好いい。




やはりこういうシーンが楽しい。新緑も花もとても大切だけれど、山頂や稜線からの絶景もとても大事。
奥秩父の主脈稜線を西側に見ると、国師ヶ岳や金峰山の山深いエリアが趣あります。




その少し北西には八ヶ岳。


拡大。いつもは茅野側から見ることが多いので、こっちから見ると少し印象違います。


そして、奥秩父主脈の奥には巨大な南アルプスの山々も見えます。迫力が違う。


これは白峰三山だと思う。雪も残っているし。見える角度のせいか、間ノ岳の印象がちょっと違いますが。


金峰山拡大。五丈岩はよく分かります。その横の山は鳳凰三山だろうか。


御嶽山と、


中央アルプス。


北アルプスも何だかんだ言って探してしまう。


ぐるっと一周して富士山と山頂標識。


最後に奥秩父の深い森をもう一度。


ひんやりした空気の中、朝の森の香りと小鳥の声、そして山頂からの景色を十分に楽しむことができました。他に2人くらいしか人がいなかったのも静かでよかった。
さて、十分遊んだらテントをたたみに戻ります。山頂付近の石楠花はまだ蕾でしたが、この日は霜が降りていた。


テントに着いてからはコーヒーを入れてクロワッサンなどのパンで簡単にエネルギー補給してからテントを撤収。テント場を出たのは最後から2番目でした。甲武信ヶ岳は地味系なので次にいつ来るか分かりませんが、落ち着いたよいテント場でした。


さて、下山ですが、まずは木賊山に登り返します。道はシラビソの原生林で気持ちがいいです。針葉樹の香りがよい。


奥秩父らしく苔も多いです。そこにバイカオウレンが咲いていたりする。


木賊山への登りの途中で少し開けたところから甲武信ヶ岳を振り返ることができます。ここからの甲武信ヶ岳が一番格好いいですかね。


ちょっと拡大。おむすび山である。


八ヶ岳と一緒に。これが一番絵になるかな。


木賊山の山頂では他の登山者のグループが休憩していたので、眺望もないからスルーして先を急ぎます。この辺りでは、標高の高いところではまだ残雪がありました。まあ、アイゼンは必要ないレベルです。


途中、開けたところから南側を眺められます。下山目的地である西沢渓谷の先にある広瀬湖でしょう。遠くに富士山も見えます。いい天気で楽しい。


しかし、この下山路、戸渡尾根と徳ちゃん新道ですが、かなりの急坂が続きます。テント泊装備だと足を滑らさないように踏ん張るのが大変でした。序盤はそれなりにいいペースで進んでいたのだけれど、途中から疲労のためか踏ん張るのが結構つらく、そうなるとペースも上がらずに苦戦しました。
まあ、この日はそれでもよくて、それは石楠花の時期だから。このルートは石楠花の回廊になっていて、花を愛でるということで遅いペースでもいいのです。




色の濃いものは華があります。




蕾も綺麗。


ちょっと薄めのピンク色くらいのが結構好みかもしれない。




白っぽいものも上品な感じです。


急坂にやられつつも、花に助けられました。花と言えば、標高が下がってきてからはツツジが多かったです。ミツバツツジかな。




針葉樹の新緑も個人的には好み。


しかし、下山路は険しい。スリップしないように気を使いました。


途中でサラサドウダンも見つけました。ドウダンツツジは奥多摩にもあるはずですが、これまでは発見できないでいたのでちょっと嬉しい。意外なほど背の高い木でした。




だいぶ標高が下がってきた感じ。


少し平らなところ。広葉樹の新緑が綺麗なエリア。標高的にもあと少しで下山完了かと期待が持てます。


カラマツの見事なエリアがありました。カラマツの新緑もいいですね。落葉する針葉樹は珍しいし。




最後にヤマツツジも登場。




そしてトチノキも。栃は巨木に育つので頼れる感じで好きな木です。西沢渓谷にはかなり群生している模様です。


10時半頃、やっと下山です。コースタイムを若干オーバーということで、やはり体力の減退が否めません。テント泊装備に耐えうる体を作り直さないと、本格的な縦走は危険ですね。
下山地点には田部重治の碑があります。


西沢渓谷はハイキングコースとしてよさそうですね。新緑や紅葉のシーズンは人気なのでしょう。流石に月曜なのでそれほど人はいませんでしたが。








その後は11時台のバスに乗って、運転手さんお勧めの「ハヤブサの湯」へ。かけ流しの温泉で600円でした。私としてはもう少し温度が高いほうが好みかもしれないけれど、この辺りでは瑞牆山の後の増冨の湯も湯温が低めだったから土地の文化なのかもしれない。まあ、十分疲れをいやすことはできました。


ここで軽く昼食も取って、その後塩山駅にバスで出て帰りました。


甲武信ヶ岳、確かに山としては地味ですが、新緑と石楠花のシーズンであれば十分楽しめます。奥秩父の山深さ、森深さは健在で、ゆっくりとテントを張って楽しむとよいと思います。奥秩父は行くと好きなのに、どうしてもアルプスなどに比べて計画されにくいエリアですが、近いのだしもっと遊ぶべきですね。





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檜原村の薫るはちみつ

2017-05-13 23:10:36 | 息抜き
珍しくお土産のご紹介。
奥多摩、というか正確には檜原村の山域をハイキングした時には大体数馬の湯に寄って温泉を楽しみます。ここでは村の特産品を多くお土産として売っているので、買い物も楽しみです。特にお勧めなのは「薫るはちみつ」。檜原村の自然の中で育った木の花からミツバチさんが集めた蜜を使った、自然100%のハチミツです。
ちなみに、ウェブサイトはこちら


幾つかの木の種類があって、比較的スッキリした香りのものもあればこってり系もあります。どれもとてもピュアで美味しい。フレンチトーストに合わせるのが好みです。冬に風邪気味の時は、経験的にハチミツレモンを作って飲むと治ります。
写真にあるのは大瓶で、1,620円。安くはないですが、完全オーガニックだし美味しいし、東京という意味では檜原村も地元だし、贔屓なので十分の価値を感じます。
なお、一番右にあるのは「たまみつ」という別のブランドで、これは檜原村の木の花という訳ではありません。つるつる温泉などで売っています。薫るはちみつほどの特徴はないですが、こちらも美味しいと思います。
いずれもお勧めですが、やはり「薫るはちみつ」が一押しです。
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春の奥多摩 笹尾根と御前山

2017-05-07 21:15:37 | 息抜き
春はスミレなどの小さい花が楽しい奥多摩。体慣らしで週末に時々ハイキングに行きます。GWも新緑やツツジが綺麗なはずなので行けばよかったのだけれど、後半の5連休はちょっと仕事も入ったりして機会を逃してしまいました。まだ5月中に行くことはあるかもしれませんが、4月に行ったハイキングの記録をアップ。

まずは4月16日の笹尾根。高尾山から三頭山(奥多摩三山の一角で、東京と山梨の県境の山)まで伸びる長大な尾根ですが、今回歩くのは上川乗から槇寄山まで。2年前にはさらに短い笛吹(うずしき)から槇寄山まで歩いています。
上川乗のバス停から南秋川を渡ってしばらく歩くと登山道へ。関東ふれあいの道に指定されているということは、整備されていて道迷いはまず起こらない道ということ。


小鳥さん。種別判断不可。奥多摩は野鳥の声がいつも聞こえていて楽しいです。


安定の杉植林帯を行きます。暗めの道になってしまうのが難点ですが、奥多摩の杉並木は香りがいいのでそれほど嫌いではありません。まあ、広葉樹の自然林の方が趣はありますが。


登山道に入ると直ぐに、杉の落ち葉の上に春の花が。これはヨゴレネコノメ。ネコノメソウの中では、ハナネコノメのような可憐なものに人気が集まりますが、実は奥多摩でよく見られるのはこのヨゴレネコノメだと思う。


スミレも登場。葉の形からコスミレと思われる。それにしても、スミレの種類を見分けるのは困難。まったく断定はできません。ご参考程度にして下さい。


これはタチツボスミレかな。一番メジャーな薄紫のスミレ。


ナガバノスミレサイシンと思われます。白くて葉の長いもの。結構よく見かけます。


ニリンソウも登場。春の里山と言えばスミレとニリンソウが代表という気がする。が、本当はイチリンソウ、あるいはサンリンソウなのかもしれない。


コスミレの白花だと思われる。葉の形や花の大きさから判断。しかし普通は青紫の花のはず。ということでフモトスミレかもしれない


白いスミレの代表選手、マルバスミレと思われます


小さいお花と小鳥の声を楽しみつつ順調に登ります。この時期はまだまだ涼しいので歩きやすいですね。GW後半は東京でも25度以上の夏日になってしまい、早くも温暖化の影響で酷暑を予想させる展開ですが。
さて、てくてく歩いていると最初のチェックポイントである浅間峠に着きました。笹尾根に出たということですね。


ここからは尾根歩き。浅間というのは富士山を信仰している時にできた言葉らしく、浅間尾根とか浅間峠とかいう場所が各地にあります。そして、それらの場所からは富士山が眺められます。今回もお約束の富士山。樹間からですけど。


標高1,000メートルに満たないところですが、それでも新緑にはまだ早くて木々は裸の状態。日差しは結構暖かく感じます。


ミツバツツジもちょっと葉が膨らんできた状況。


スミレさんは笹尾根にも所々咲いていて、飽きさせることがありません。






これはエイザンスミレかな。葉の形的に。


眼下には集落が見えます。笹尾根は神奈川県および山梨県と東京都の県境の道です。昔は集落と集落をつなぐ峠道だったんでしょう。農産物とか炭とかを運んだのかな。


こういう標識が多いのは、関東ふれあいの道ということで整備されているからということもあると思うけど、やっぱり集落と集落をつなぐ道だということなのでしょう。上野原町というのは山梨県の上野原市のことでしょうし、檜原村人里(へんぼり)というのは今もそのままも地名です。まあ、その峠の標識がトレランコースの標識を兼ねているのが現代ではあるのだが。


お地蔵さまもいらっしゃいます。道祖神ということで、旅の安全を守る神様。


尾根道。


ちょっと開けたところに出ました。カラマツが大きいですが、その向こうに奥多摩三山の一角である御前山(左側)と大岳山(右側)がよく見えます。


檜原村のハイキングコースはこの時期は気持ちいいですね。空気が澄んでいて。夏になると標高が低めなので暑くて歩けませんけど。笹尾根はアップダウンはそれほど激しくないですが、それでも久しぶりの山歩きだと結構つかれます。小ピークの土俵岳に到着。


それを越えると、今度は山梨県側の集落に下りる道も出てきます。


笹尾根らしい笹の道。


丸山という小ピーク。何だかんだ言って、アップダウンのせいで累積標高差は優に1,000メートル越えていると思うので、いいかげん疲れてきます。


と、ここで黄色い花をつけた気に目が行く。ちょっと香りもいい感じ。


ダンコウバイという木の花のようです。綺麗ですね。知らない木だったのですが、今回のハイキングでは一番の収穫でしょう。






さて、歩き続けます。槇寄山はあと1時間くらいのはず。とは言っても出てくるのは相変わらずの標識。


ここで、笹尾根の終着点である三頭山が見えました。超頑張ればあそこまで登ることもできるでしょうが、今日は気持ちがそんなモードではない。


三頭山から右奥に見えるのは雲取山ですかね。


更に歩く。数馬峠というところ。とにかく峠とその標識が多いです。この後も二つほどの峠を越えました。


左側には、時々開けて富士山が見えます。




尾根道にダンコウバイ再び。




いい加減に疲れてきたところでいきなり今回の目標地点の槇寄山の山頂に到着です。今回の最高地点なのですが、直前の登りはあまりきつくなかったので山頂にいきなり着いた感じです。


山頂ではおにぎりなどのいつものコンピニランチを取りながら、富士山を眺めて過ごしました。数人の登山者がいるだけで静かでした。




さて、下山は温泉施設、数馬の湯を目指します。奥多摩エリアの温泉施設の中では小さいほうですが、檜原村特産のハチミツを売っているので時々行きたくなるところです。
途中、これまた黄色い木の花を見つけました。ダンコウバイとは違いますね。アブラチャンでしょうか。群馬県の水上地方などでは、アブラチャンの枝でかんじきを作ると聞いたことがあります。里山の資源ですね。




暫く行くと、別の黄色っぽい木の花が。これはキブシですね。春の花はいろいろあります。




どんどん下山して人里が近くなると、スミレなど小さい花が出てきます。名前の特定は難しいのですが。黄色いのはツルキンバイかな。








ということで、体慣らしの笹尾根はスミレと黄色い木の花を愛でるハイキングでした。何だかんだ言っても14キロメートルくらいは歩いたように思うので、それなりに疲れましたが。新緑の頃も楽しい道だと思います。

次は4月30日の日曜日に行った御前山。奥多摩三山の一角ですが、この時期に来るのは3回目。春の女王と言われる上品な花、カタクリが自生しているので。
今回は奥多摩駅からバスには乗らずに直接御前山を目指します。鋸山へと続く鋸尾根を登り、途中から大岳山~御前山の稜線に道に出る予定です。ということで、いつもの氷川橋からの多摩川の眺め。新緑が綺麗。


このコースは、最初に愛宕山の急な階段があったりして結構タフです。まあ、奥多摩の登山道は実は急登が多くてどれも楽ではありません。序盤はペースが上がらないので、花などを見ながら行きます。サトイモ科のミミガタナンテンショウがありました。


標高の低いところでは新緑が美しい。1,000メートルを越えるようなところではまだまだ冬の木の様相でしたけど。


ツツジはミツバツツジもヤマツツジもGW後半くらいからが見頃の模様。




鋸尾根は、鎖やハシゴが登場してそれなりにキツい尾根ですが、どんどん進んでいると日当たりのいいところではミツバツツジが咲いている所もありました。咲き始めですけど。




開けたところからの眺望。六石山方面だったかな。お天気には今回も恵まれています。ただし、この日は結構暑くて、汗は出るしペースも最後まであまり上がりませんでした。


足元にはスミレが。ナガバノスミレサイシンだと思います。相変わらずスミレの種類の同定は困難。




杉の植林帯も多いのですが、広葉樹の自然林では新緑が美しい。


そして、鋸山山頂方面と御前山方面の分岐まで来ました。ここまで来れば山頂は直ぐなんだけど、今日は素直に御前山方面へ。ここから大ダワと呼ばれる、林道との合流地点に至る道は少し切れ落ちていて注意が必要です。


でもスミレさんが多い。タチツボスミレかなあ


ヒナスミレだろうか


エイザンスミレだろうか


などなど観察しているうちに大ダワに着き、ここから厳しい急登が再び始まります。御前山への道です。急登だし、途中にそれなりにアップダウンがあるので、累積標高差は結構あると思います。普通は下山で使われる道だと思いますが、このシーズンはカタクリを見ながらゆっくり行くのも悪くないと思います。カタクリは下向きに咲いていて写真に撮りにくく、そもそも保護するために近くに寄るのは難しいのですが、幾つかましな写真をアップしておきます。






上品な花だと思います。ニリンソウなどもそうですが、スプリングエフェメラルと呼ばれる地下茎を持つ花の一種ですから、この時期にだけ地上に葉と花を見せてくれます。花が散ると葉も散ってしまい、地下に隠れて次の春を待つという、まさに春の妖精。
最後の急な階段道を登り切ると、奥多摩三山の一角である御前山山頂です。多くの人で賑わっていました。GW前半の週末ですからね。


山頂からの眺望。2週間前の笹尾根方面からその奥に丹沢。


ここで軽くおにぎりなどを食べ、小河内峠方面に向かいます。今回は下山路を長めに取り、小河内峠から檜原方面に抜けて月夜見山、風張峠、浅間尾根とつないで2週間前と同じ数馬の湯に下る予定です。ちょっと下った所からは北側の展望が開け、冬に雪山登山した鷹ノ巣山が見えます。


こちらの道はカタクリの生息地が完全に仕切られていますが、その中にはかなりの密度で咲いています。




スミレも所々に。ナガバノスミレサイシンでしょう


途中、惣岳山という小ピークで道が分岐し、御前山のメインルートを外れて小河内峠方面に向かいます。人の混雑度が全然違います。こっちはいつ来てもマイナールートですね。広葉樹が結構あって、とても気持ちのよいハイキングコースだと思うんですけどね。


杉の植林帯と広葉樹の自然林が左右でハッキリ分かれる道。


小さいお花も登場し続けています。ニリンソウでしょう


フデリンドウ。これは正しいはず。


タチツボスミレでしょう


遠くに三頭山が見える。とてもあそこまで歩く気にはなれないな。


それなりに順調に歩いていたのですが、気温が高いせいかどうもペースが上がらない感じで、疲労感も出てきました。ここは小河内峠から直接藤倉の集落の方に1時間程度で下ってしまおうかとも思いましたが、まだ時間的にも1時半頃だったので意を決して数馬を目指します。
月夜見山への道は平たんな部分が多く、標高的に新緑が見頃で気持ちがよかったです。




ツツジも所々で咲いていました。


しかし、月夜見第2駐車場へ至る最後の登りがキツくて一気に体力を削られる。月夜見山の山頂はどうでもよくなり、奥多摩周回道路の車道と山道を交互に通りながら風張峠を目指すことにしました。


そして、やっとのことで風張峠。


まだここから先は1時間以上あって、浅間尾根への取りつき口まで車道を行かなくてはなりません。山道もあったのだと思いますが、入口が分からなかった。車道からはキブシのきれいなところがありました。


ついに浅間尾根へ。


最後までスミレが。アオイスミレでしょうか。葉の形的に。


いつものナガバノスミレサイシンだと思われます


浅間尾根はカラマツが多く、黄葉のシーズンはいいでしょうね。まあ、杉も多いんですけどね。


でも、今の時期は広葉樹の新緑でしょう。やはり。




数馬の湯方面への最後の下りは相当な急坂で、疲れているのに最後まで気の抜けない道でした。最後の最後で色の濃いスミレが咲いていました。なにも付かない普通のスミレだと思います


やっと温泉に到着。ゆっくり体を休めました。いつもの檜原村特産の薫るハチミツと舞茸、漬物を買って帰りました。


奥多摩は急登、激下りにやられがちですが、野鳥も花も新緑もとても魅力的ですね。5月にも2回くらいは行きたいです。
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Maurice Ravel - Deutsche GrammophonのPanoramaシリーズ

2017-04-04 22:32:37 | 息抜き


Maurice Ravel - Panorama (2枚組)
このPanoramaシリーズは安価で名演奏を聞くことができてとてもお得なのですが、Ravelはこれまでほとんど聞いたことがなかったところにこれを買ってからは特にピアノ協奏曲のファンです。最近はこればかり聞いている。

クラシックと言うと、重くて押しつけがましいイメージがあると思われますが、真逆。軽快。しかしとても深い。だから知的で楽しい。Jazzの即興性に通じるものがある。
それにしても、ピアニストもオーケストラの各パートの演奏者も、とても大変だと思うけど。難しいでしょ、この曲。YouTubeで名だたるオーケストラやピアニストの演奏シーンが幾つか見られますが、どれもバカテク爆発。
ベートーベンやブラームス、マーラーなどのドイツの作曲家をイメージしてクラシックに踏み込めない方には是非聞いていただきたい。フランスはJazz大国だけど、クラシックももちろん素晴らしい。
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積雪期の唐松岳 - 強風の中ついに素人ヤマノボラー最高の絶景を堪能

2017-04-01 12:12:29 | 旅行
雪山シーズンに行きたいとずっと思いながらもタイミングが合わずにいた唐松岳。夏山シーズンには2016年9月に五竜岳からの縦走で登りましたが、この山はやはり冬に行きたい。なぜなら、一般登山者でも歩きやすい八方尾根を標高差850メートル程度登ればよいという、北アルプスの山とは思えない簡単なルートだから。ゴンドラとリフトを乗り継いで通年営業の八方池山荘に泊まれば、公共交通機関利用の人でもご来光を見ながら雪に覆われた北アルプスの絶景が楽しめる。同じ後立山連峰にある白馬三山や五竜岳はもちろん、山頂からは剣岳・立山、そして薬師岳や水晶岳、針ノ木岳の奥に槍ヶ岳まで見渡せる。ということで、こうした名山に積雪期に登るスキルがない人にとって、名山を積雪期に直接眺めるために登る山なのです。

いつものように予想天気図や高層天気図を天気予報と併用し、八方池山荘の予約と高速バスのチケットを取るタイミングを計ります。この時期の唐松岳は人気の山で、登山者だけでなく山岳写真を狙う人たちやバックカントリースキーヤーでも混雑します。そのため、土曜日は山荘の予約が取れないことも。今回は3月の連休直前の金曜日に有給休暇を取得し、17日の金曜宿泊、18日の土曜に山頂アタックという予定で臨みました。事前の高層天気図予報では晴れ&強風を確信していたものの、金曜になると他の天気予報サイトでは曇り予報に。ちょっと不安でしたが、結果的には事前の予想通りの展開に。まずは山行のまとめ的な写真をいくつか。







金曜日はバスタ新宿を朝一番の7:35に出発する高速バスで白馬八方に向かいます。新宿と白馬八方の往復は8,520円。ソロで車を運転しないとこういう出費が結構かかりますが、実際には車を買って維持費も考えると、この程度の出費は大したことないと思う。
バスの窓からの風景で意外だったのは、信濃大町あたりまではほとんど雪がなかったこと。今年はだいぶ雪が降った印象がありますが、それは私がよく行く谷川岳などの北関東の話ですね。長野県中部というか、北アルプスの南部にあたる常念山脈あたりは結構雪が少なかったようです。

それはともかく、この日は八方池山荘に泊まるだけの予定なので、八方に着いたらバスを降りて昼食取って白馬の町を横切ってゴンドラ・リフトに向かいます。白馬八方では町にも雪がありましたが、時期的に結構暖かくなってきていてどんどん溶けていました。


山荘まではゴンドラとリフト2つを乗り継いで行きます。往復で2,900円。ゲレンデの横を登山してもいいのですが、無駄な苦労をする気もないしスキーヤーの邪魔になるのも嫌なので素直にゴンドラを利用。標高1,930メートルの山荘まで楽に上がります。
白馬八方尾根スキー場はさすがにちゃんと雪がありました。平日なので空いていましたが。


振り返ると、新潟県の頚城山塊の山々が見えます。山頂にちょっと雲がかかっているプリン型の山が妙高山でしょうか。高山植物の宝庫で湿原もある地帯なので、今年の初夏にテント泊で行ってみたいと思っている所です。


まあ、初夏の高山植物シーズンのターゲットはたくさんあって、お天気と仕事の関係でどこに行けるかは今の段階では分かりません。それこそ白馬岳も行きたい。北岳も形のよいキタダケソウを見ていないから再訪しないといけないし。谷川連峰もちゃんと縦走していないから行っておきたいし、東北地方の飯豊山脈とかにも行きたい。

再びそれはともかく、無事に八方池山荘に到着です。チェックインしてモンベルカードを提示。通常は1泊2食付きで9,800円ですが、カードの割引で500円引きになります。なお、翌朝は夜明け前に出発しようと思っていたので、朝食はお弁当に切り替えてもらいました。夜のうちに受け取ることができるため、出発前に腹ごしらえすることが可能です。


この日は無理せず、基本的に山荘でダラダラする予定でしたが、それでもお天気も悪くはないので八方池まで1時間程度のハイキングをしました。が、ガスがかかっていて白馬三山は見えず。適当に体慣らしをして雪の感触を確かめるだけに終わりました。予想通り、雪はかなり硬くなっていてラッセルはほとんど必要なし。時々埋まっても膝下くらいまでなので、翌日は最初からアイゼンで大丈夫そうです。

八方池山荘に戻ると、同室になった30代の男性がいらしたのでいろいろ情報交換しました。山岳会に入られていて私よりもずっと経験がある方だったので、冬のテント泊とか夏の沢登りの話とかを聞くことができて興味深かったです。教えていただいた山岳教室には一度参加してみようかと思いました。私も沢登りでバリエーションルートを行くのは興味があって、それができるようになると高山の稜線風景だけでなく山奥の大きな滝とか深い森の中の絶景に出会うことができるようになると思います。

そして夕食。八方池山荘の夕食はバイキング形式なので、食欲に合わせて結構食べられます。


その後は宿泊者の方々とお話させていただいたのですが、アマチュア写真家の方が大勢いらしていろいろと教えていただきました。写真はたくさん撮りますが、あくまで旅行のスナップ写真や高山植物の写真、あるいは山行で見た景色の記録と思っていました。しかし、本当に写真の好きな人は絵としてどのようなインパクトがあるか、芸術として考えているので、単にきれいな景色の写真だとまったく興味の対象外だということが分かりました。奥が深い世界です。例えば、私の山行の写真では2015年の鬼怒沼の写真などは自分では好きだし4travelのエントリでも好評だったのですが、ある種のルールに反していて芸術点は極めて低いらしいです。難しいもんだ。まあ、面白いお話を聞けて楽しかったです。私と同部屋の方は写真にも興味があるということで、同人会に誘われていました。

そして夜。おきて破りの大吹雪&猛烈な風。山荘が揺れているかと思うほど。今回の山行前には高層天気図を相当丹念に読んで晴れを確信していたのですが、流石に不安になる。さらに、同部屋の方が教えてくれた上空の雲の様子を予想できるサイトによると、翌朝は6時くらいには結構雲が出ているとの予報。ここまで来たらジタバタしても始まらないですけどね。

さて、翌朝は5時に出発です。4時半に出発された方も数名いました。6時少し前が日の出ということで、5時半頃には明るくなるだろうからヘッデンの灯りをつけて歩くのは30分くらいで済ませたいと思ったのです。おにぎりなどのお弁当を食べていざ出発してみると雲はあまり出ていませんが風がもの凄い。高層天気図の分析で予想していたことですが、優に風速15メートルを越え、時には20メートル台だったと思います。積雪期の北アルプスは初めてなので、これまでの経験がなければビビッていたと思います。しかし、八ヶ岳でも谷川岳でもこの程度の風は経験済み。心を強く持って行きます。
徐々に明るくなってきて、八方池の手前から白馬三山を見ると一部に雲がかかっているもののだんだんと晴れていく感じ。




自分の天気図分析が勝利したと確信し、歩みを進めます。下の樺と言われる樹林帯のあたりで日の出となりました。


すると、ピンクに染まる白馬三山。夏に来た時もガスに隠れていましたが、ついに、しかも最高の舞台で絶景を見せてくれました。




左に目を転じると五竜岳。相変わらずゴツくて男性的な山容。






その奥にある後立山連峰の盟主、鹿島槍ヶ岳はこの時点では雲に隠れていました。


ここで4:30に出発した3名の登山者に追いつきましたが、男性2名のパーティは強風に加え体調もよくないということで撤退をされる模様。女性ソロの方が一緒に行こうというので、ここからは二人で登りました。この方、結構頻繁に山に来られているようで、かなりの健脚だし冬の唐松岳も経験ありということで、ルートのアドバイスをいただきながら登りました。写真はその女性登山者です。


前夜が吹雪だったので、トレースは消えてルートがわかりにくいところがありました。それをこの女性に教えていただきましたが、膝上、深いところは腿までラッセルの急斜面を行くことになったので私が先頭で道を作りました。この20~30分くらいの難所は結構やっかいで、一気に体力を使って筋肉疲労が出ましたが、まあこれも雪山の醍醐味です。昨年の硫黄岳の経験がここでも生きていて、このくらいのことではめげずに自信を持って進むことができました。


上の樺と言われるところを過ぎ、難所も切り抜けると風が通り抜けるコルに出ました。相変わらずの強風に煽られますが、白馬三山方面が美しい。雲は完全に取れました。


不帰。ここを冬に行く人はいるのだろうか。




五竜と、相変わらず雲に隠れた鹿島槍。




さらに少しのぼると、丸山というケルンのある場所に出ます。


ここまで来ると目指す唐松岳山頂も視界に入ります。一番左の山です。


さらにこの道を登る。左に五竜岳。正面に唐松岳の稜線に至る丘。


右の谷にはシュカブラが形成されていました。


そして、ついに八方尾根を登り切って稜線に出ました。すると、唐松岳だけでなく、黒部川の向こうの立山連峰の山々も目に飛び込んできます。まさに勝利の瞬間。
目指す唐松岳。


立山と剣岳。


立山の奥に薬師岳、そして黒部の山々。


稜線から見た五竜岳。でかい。


一緒に登っていた女性は、あまりの風の強さとトレースがない状態が不安だったのか、山頂は諦めようと提案されました。しかし、私は強気。あと20分程度の道ですから、切り開く覚悟はできていました。


結局、女性も決断して2人で登頂を目指します。右側は雪庇ができているので避けるのですが、左側も雪が安定しない。風が強いので石や岩が露出している所も多く、アイゼンをひっかけて転ばないように気をつけながらルートを探します。山頂直下は前夜の吹雪で積もった柔らかい雪がアイスバーンの上に乗っていて不安定で、さらにかなりの急斜面でトラバースしながら高度を上げるのも困難。アイスバーンに届くようにピッケルを刺し、アイゼンを蹴り込みながら直登で進みました。90度の壁という訳ではないですけれど、それでも壁に張り付いて登るイメージでしたね。そんな中、ちょっと気を抜いてアイゼンの蹴り込みが弱かったら何と2メートルほど滑落。滑落のスピードがゆっくりだったので、焦らずに体を雪面にくっつけて体重を分散しながらピッケルとアイゼンで体を止めて登りなおします。少し後で見ていた女性は声も出せないほど驚いていて、後ほどTwitterでコメントされていました。驚かせてすみません。本人は実はかなり冷静でした。

そして、山頂手前で両足だけで体を支えられるくらいの足場が作れるようになったらピッケルを抜いて立ち上がり、ついに登頂です。結果的にちょうど8時の登頂で、3時間というかなり速いペースでした。強風で必死だったので、逆にバリバリ登ることができたのかも。

ここからは山頂からの大絶景。まずは振り返ると、太陽の下に登ってきた道が。


北には白馬三山。


南には五竜岳の奥に針ノ木岳、そして水晶岳など黒部の山々。ぐるっと回って薬師岳、立山、剣岳など立山連峰。




Google photoのサービスでパノラマ化された写真です。このような絶景が360度広がっています。


取りあえず山頂標識と自撮りをしておく。




ここからは、唐松岳から見える北アルプスオールスターのポートレイト。まずは五竜岳。




後立山連峰の稜線越しに見える槍ヶ岳。稜線右端のちょっと突き出ているのが針ノ木岳。




水晶岳と赤牛岳。黒部最奥の巨大な山々。


黒部のビッグマザー。カールの大きい薬師岳。


岩と氷の殿堂、剣岳。




その奥に連なる3,000メートル峰、立山。




不帰の嶮越しに白馬岳。




最後にパノラマでピッケルと山頂標識。


十分に堪能して下山します。まだ他の登山者は現れず、我々2人だけでこの絶景を占有できました。まずは風を避けて行動食とお茶を取るために唐松岳頂上山荘に向かいました。


休憩をしつつ、剣岳や五竜岳、もちろん唐松岳の稜線からこの日最後の写真を撮りましたが、山頂からのものと似たようなショットなのでここでは省略。
さて、下山ですが、下山開始して30分くらいすると急に風が止んで気温が上がりました。そんな中、シュカブラや不思議な雪の造形を見ながら下りていきます。


スノーシューかワカンで踏み固められたところが残って、あとは風で雪が飛ばされたんでしょうかね。とても不思議です。




下山中に見ると、ついに鹿島槍ヶ岳も姿を見せてくれました。






ゴンドラが動き始めるとバックカントリーの人や登山者が大量に登り始め、早朝に私たちがつけたトレースをたどって無風の中唐松岳に登って行きました。混雑前に凛とした空気の中で景色を楽しむことができ、前夜泊した甲斐がありました。10時過ぎには八方池山荘に戻り、アイゼンなどの装備を外してゴンドラで下山です。白馬の里から見た白馬三山。


麓の温泉でさっぱりして、昼食を取ってビールを飲み、お土産を買って帰ります。早朝登山の戦闘モードから解放され、すっかりバケーションモード。昼食とビールは、八方の湯の斜向かいにあるLion Cafeでハンバーガー。ラーメンやトンカツではなく、バーガーが食べたい気分だったので。


この後、この時期恒例のお土産である信州ナチュラルビールと信州のウイスキーを買って、3時の高速バスで帰りました。
積雪期の唐松岳、本格的に登山をやっている訳ではない一般ヤマノボラーにとって経験できる、最高の雪山風景ではないでしょうか。何だかんだ言っても北アルプスなので、風も含めて楽ではないし危険もあります。全ての人にお勧めはできません。しかし、他の雪山で経験を積んで技術を磨き、クラックを回避したり耐風姿勢をマスターしたりアイゼン・ピッケルワークを普通にこなせるようになれば、挑戦する価値はあるでしょう。
次は積雪期の3,000メートル峰で乗鞍岳か仙丈ケ岳、そしてアルパイン的な要素が入る八ヶ岳の赤岳が目標です。
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厳冬期の青空の下に白き谷川岳東面を求めて

2017-03-06 00:02:01 | 旅行
谷川岳は大好きな山で、4年連続で冬に登っています。とは言っても、岩登りの技術がある訳ではないので安全な天神尾根ルートばかりですが。しかし、谷川岳の本当の厳しい姿はその東面、遭難者数世界一の原因となる一の倉沢の岩場であり、それを湯桧曽川を挟んで対岸の山から眺めるのは正に絶景。しかも、雪の多い今年に青空の下のその景色を見ることができれば、これまでの自分の山歩き史上でも屈指の絶景なのは間違いなし。

そのシーンを見るには、白毛門という山に登る必要があります。しかし、ここは谷川岳本体ほどはメジャーでないので入山者も比較的少なく、何かあったら遭難しやすいです。入山者が少ないということは、厳冬期では新雪ラッセルを強いられる可能性も高く、登山口から山頂までの単純標高差も1,000メートルほどなので谷川岳や日光白根山、あるいはベースキャンプから見た八ヶ岳の赤岳などより厳しい。そして、ルートはかなりの急登で体力も要求されるうえ、ヤマレコレポートなどを見ると結構クレバスができている頻度が高く、上手く回避してルート工作できないとクレバスに転落することもある模様。さらに、樹林帯の尾根を行くから基本的には大丈夫だとは言っても、山頂直下などでは雪崩も気になるところ。ということで、これまでは敢えて挑戦を避けてきました。しかし、今年は雪が多くて谷川岳東面の絶景度も高いでしょうし、自分の体力もかなり充実。雪山にもかなり慣れてきて雪質を感じながら歩き方を工夫したり、クレバスやクラックに注意する技術もついてきている。そこで、予想天気図的に晴れが期待できそうな2月25日の土曜日に挑戦することにしました。

天気予報・天気図的には一日中晴れのはずですが、油断でいないのが谷川山系。とにかく晴れる日が少ないし、天気の変化も激しいので。この日も上越線の水上駅に9時半過ぎに着いた時にはこのように晴れていましたが、


谷川岳ロープウェイ行きのバスに乗って土合橋の登山口のところで降りたところ、このように曇り。さらに、小雪も混じるという状況。またしても天気に泣かされるパターンか。


それでも気を取り直し、登っているうちに晴れてくることを期待して行動開始。公共交通機関利用のため、この時点で10時半。白毛門山頂との往復は6時間から6時間半だとすると、もたもたしてはいられません。一方、遅くスタートすると先行者がトレースを作ってくれているのが雪山のメリット。この日は天気予報が晴れだったので、既に10名程度が入山していたようです。写真は下山後のものですが、このロッジの向かって右側の脇に登山道への入口があります。


少し進むと動物の足跡と何やら埋まったものがあります。ヤマレコなどでおなじみの、馬蹄形縦走コースの表示図でしょうか。完全に雪に埋まっています。今年の雪の量を物語る。


川の感じはなかなか風情があります。


雪で埋まった橋を渡り、いよいよ白毛門へ。ここからは一本道の急登。他のブログで「もう笑うしかない」と形容されていた、とにかく急坂が延々と続く道です。




谷底方面。結構な傾斜だ。


この日は体調がよく、夏道で3時間半くらいのルートを2時間半ほどで駆け上がることができたのですが、それでも急登には息が切れます。そして、事前リサーチ通り雪庇が凄い。トレースをたどるのを基本としつつ、雪庇や雪の状況などを勘案して安全と思われるところを歩くように心がけます。落ちたらシャレではすみません。


上を見ても急登が途切れることなく、雲も晴れない。


下を見てもこの通り。今日はお天気に負ける日なのか。


途中、10名弱の方々とすれ違いました。早朝から入山されていた方々と思われます。情報が欲しかったのでできるだけ話しかけたのですが、どうやら山頂に立ったのはそのうち半分にも満たない模様。クラックが多くて山頂直下のものは大きく、トラバースは可能なもののやはり危険も伴うということで、多くの方が途中で撤退されていました。白毛門、やはり初心者では厳しい相手なのか。

急登続きですがしばらく進んで、樹林帯を抜けて視界の開けたところから谷川岳東面を見ることができました。が、やはり山頂稜線には雲がかかっているし、全体的に小雪のちらつく状態で絵的には今一つ。大迫力の岩壁なんですけどね。


そして、登山開始から2時間ほどで松ノ木沢ノ頭という谷川岳東面のビューポイントに到着。ここから白毛門の山頂まではクラックが多く、それをトラバースしても最後に凍結した急斜面が待っている難コースです。取りあえず山頂方面を眺める。


白毛門の名前の言われになっている、ジジ岩とババ岩。これに雪の積もったシーンが白髪で、2つの岩が門だということらしい。


谷川岳方面はいまだにスッキリしないですが、それなりに青空も見えています。この日は気温が高めで風も穏やかだったので、雲が取れるのを祈ってしばらく待ってもいいかもしれない。


谷川岳から続く蓬峠方面も稜線が雲に覆われている。


まずは山頂を目指すことにして、急な道を一歩一歩進みます。クラックが多くて怖い。


ジジ岩・ババ岩の真横まで上がってきた。


この辺りでルート上に比較的大きなクラック。トラバースした跡がありますが、それもクラックの直ぐそばを通っていて、気温の低かった早朝ならともかく12時を回っているこのタイミングではちょっと怖い。足早に通り過ぎようと思いつつも、魔がさして写真を撮る。


と、足元が崩れてズボッっと雪にはまり、両足が宙に浮いた状態に。幸い両脇が雪の上に出ていたので、必死に這い上がる。体重のかけ方によってはさらにクラックが広がって完全に落下する恐れもあるので、できるだけ体重を分散させるように気をつけつつ必死に脱出。他の登山者が少ないので落ちたら発見されない恐れもあり、かなり焦りましたが、何とか事なきを得て雪の上に出ました。
これに懲りて、クラックを大きくトラバース。新雪ラッセルしつつ、さらに今歩いている所が崩れたら終わりかもしれないと思っていました。それにしても、自分の今回の行動は不用意だったとはいえ、雪をかぶって状況の分からないクラックは恐ろしい。これを見極めて歩行する技術はどうすれば身に着くのか。

そして、さらに上方まで来ると、これまた大きなクラックというかクレバスが。


途中ですれ違った他の登山者の方々が言っていたクレバスだと思いますが、確かに左側からトラバースした跡があります。しかし、気温が上がっていることと先ほどクラックにはまった事実、トラバースのトレースもかなりの急斜面についていて足を踏み外したら滑落の恐れが高いことなどから、今回はここで引き返すことにしました。おそらく標高的には山頂まであと100メートルもなかったでしょう。この時点では白毛門山頂方面は雲が取れ始めていたので残念な気もしますが、仕方ない。登山開始から2時間半くらいでちょうど1時頃の決断。体調的には好調で、相当速いペースで登っていたので残念ですが。

まあ、そうと決まれば安全な松ノ木沢ノ頭まで戻り、そこでおにぎりやパンで栄養補給するのが理にかなっています。クラックが怖いので写真をあまり撮らずに下山開始。
ちょっと安定したところから振り返った白毛門山頂方面。晴れ始めています。


雪庇の凄い下山ルート。


谷川岳方面は稜線の雲が取れない。


そして、松ノ木沢ノ頭に下りてきて休憩です。他の登山者の方もやって来て、少しにぎやかな感じでした。白毛門山頂方面は晴れて格好いいので自撮り。




谷川岳方面ははれない。白毛門に登頂できなくても、谷川岳東面の絶景が見られれば今回は勝利なのですが、どうもスッキリいかない。稜線だけ雲が取れない。


蓬峠方面も同様。


この後、2時過ぎまでしぶとく待ちましたが、稜線にはずっと雲が居座っていてどうしようもありませんでした。何枚も写真を取ったものの、青空は出てきてくれても雲は取れず。




仕方ないので諦めて下山です。


下山中の動物の足跡。下山時に気が付いたことですが、ちょっとした斜面では小さい雪崩の跡もありました。怖いものだ。


途中で眺めても、やはり雲が稜線に残っていた谷川岳。この日はこのままだった模様です。


気温上昇で雪が腐ると言われる現象でしょうか、標高が下がってくると雪が柔らかくグズグズの状態に半分溶けてきて、一歩一歩が踏み抜きの状況に。これは体力を消耗します。パウダースノーの下山はモフモフで膝への負担もなくて快適ですが、この日の下山はかなり厳しかった。やっとの思いでロッジ脇の入山口まで戻ってきました。


電車に乗ろうと思い土合駅まで歩きましたが、3時台の列車は10分程度の差で逃していました。仕方ないので4時過ぎに来るバスに乗って水上に出ます。バスを待つ途中、夕日に照らされた白毛門。今回は山頂も踏んでいないし、何より谷川岳東面の絵を撮り切っていないので、来年にでももう一度挑戦ですな。


最後に、Google Plusのサービスでパノラマ化したもの。雲がかかっていても、大絶景ポイントであることに変わりはないですな。谷川岳、贔屓の山です。





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久しぶりに奥多摩 - 雪の鷹ノ巣山を楽しんだ

2017-02-26 19:22:54 | 息抜き
2月12日の日曜日、お天気も良かったので久しぶりに奥多摩に行くことにしました。お天気がよかったのはあくまでも東京の話で、北関東や長野などのメジャーな山々は雪でした。典型的な冬型の天気ですね。奥多摩は東京在住の私にとってはホームグラウンドのはずですが、何故かこれまで冬には山歩きしていません。冬はメジャーな雪山という先入観があったとも思えませんので、理由は今一つ不明です。自分のことですが。それはともかく、冬場は当然寒いので夏場のように暑さにやられて汗だくになって苦しむことが、基本的にはありません。つまり、夏場には暑さでやられがちな急登の山に行くには丁度いいと言えます。ということで、これまでは急登とそれに伴う暑さを嫌気して避けていた奥多摩の名峰、鷹ノ巣山に初めて行ってきました。


冬場とは言え、ホリデー快速奥多摩号は登山者が多く乗り込んでいます。そのため、奥多摩駅から奥多摩湖方面に向かうバスはやはり混雑。まあ、それでも皆さん着席できるレベルではありました。鷹ノ巣山と言えば、奥多摩でも一番の急登ルートである稲村岩尾根が有名ですが、実は今年の2月は通行止め。そのため、奥多摩湖畔の倉戸山を経由する榧ノ木尾根のルートを取りました。まあ、このルートも倉戸山の山頂までの標高差600メートル強はかなりの急登です。

バスを倉戸口のバス停で下りたら、早速登り始めます。快晴で奥多摩湖も綺麗。


直ぐに温泉神社という神社が現れます。奥多摩は温泉が多く湧いていて、この辺りも地名で熱海とかいうところがあるくらい。温泉宿もあります。


さて、その後は落葉したブナの樹林帯を行きます。気持ちのいい青空と冷たい空気ですが、地図にあるように結構急な坂で、直ぐにベースレイヤーとその上のシャツだけでも汗が出るくらい。


そして、比較的直ぐに雪が現れます。気温が適度に低いのが幸いしてアイスバーンにはならずにグズグズに溶けてもいない、比較的歩きやすい雪質でした。そこで、無理にチェインスパイクはつけずにツボ足で登ります。結果的に、この日は一日ツボ足でした。


途中2,3人の方とすれ違ったり追い抜いたりしましたが、全体的に人は少なめでした。落ち着いた山歩きができます。かなりの急登でしたが、何とか1時間15分くらいで山頂まで来ました。


ここからは榧ノ木尾根を行きますが、雪はそれまでの道よりもずっと深いです。トレースがついているので問題ないですが。ちょっとした雪山気分も味わえるというお得感。


実際にはもっと雪深いゾーンもありましたが、この程度は積もっていました。


動物の足跡も幾つかありました。奥多摩の自然は残していきたいですね。




榧ノ木尾根は比較的緩めの道なので辛くはないのですが、それほど歩いている人もいないのか所々でトレースが不鮮明でした。尾根道なので迷いにくいですが、一応気を付けていきました。


目指す鷹ノ巣山も見えてきました。


石尾根に合流。帰りは石尾根から奥多摩駅を目指す予定。


石尾根の下り方面にもかなりの雪が残っています。


さて、鷹ノ巣山山頂を目指します。ここからは20分くらいの道なのですが、山頂直下は雪や凍った土(霜)が溶けてドロドロの状態でした。この泥が滑る滑る。雪よりよっぽど厄介で、転ばないように注意が必要でした。


ここまで来ると、南側は開けていて富士山の眺望が素晴らしい。それにしても、富士山は圧倒的に大きい。




奥多摩や丹沢の山並みも綺麗です。


そして、12時ちょうどくらいに鷹ノ巣山に登頂。約3時間、標高差1,200メートルくらいで適度に厳しい道でした。澄んだ空気が気持ちよかった。非常にいいルートだと思います。ブナ並木が多かったので、新緑の頃にも歩きたいところ。


一応自撮り。


山頂からの富士山も美しい。




これは雲取山方面だったかな。写真を見直しても今一思い出せず。


登ってきた榧ノ木尾根越しに、御前山など奥多摩の山々。


その向こうには東京の街も見えます。


山頂では30分くらい、昼食を取りながら数人の登山者の方々とルートの雪の状態などの情報交換をして過ごしました。そして、12時半ごろに石尾根を下り始めました。順調にいけば3時間強で奥多摩の町に着くはず。山頂直下のドロドロゾーンだけは注意ですが。


雪は膝下近くまで積もっているところも稀にありましたが、全体的にこんな感じ。


シュカブラのようなものも。


激下りゾーン。奥多摩の尾根は急な箇所が多いので、実は下手なアルプスや百名山より厳しいと思います。


御前山と大岳山がよく見える。


小鳥の声が道すがらほとんどずっと聞こえていて、冬の森歩きも悪くない。と言うか、かなり楽しい。


シジュウカラかな。野鳥の姿は見えつつも、写真に撮るのは至難の業。


落ち葉ゾーン。実は滑りやすいし、落ち葉の下に石が隠れていたりして結構危険。


杉の植林帯まで下りてきました。ここまで来れば町はもうすぐ。


結局、3時過ぎには下山完了することができ、3時半前にはいつものもえぎの湯の温泉で温まりました。かなりいいペースで歩けました。この分なら、天気を見て白毛門とか唐松岳にも挑戦できそうな感じ。


ゆっくりと1時間ほど温泉を楽しみ、地ビールや川海苔の佃煮を買って、帰りもホリデー快速で帰りました。
鷹ノ巣山、確かに奥多摩の山の中では楽な部類ではないと思いますが、少なくともこの時期なら暑さにやられない分だけ登りやすいと思います。そして、ルートの広葉樹林は見事。眺望も素晴らしい。自分の中では、一気に奥多摩の中では贔屓の山に躍り出た感があります。春、初夏、秋にも行ってみよう。
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強風・ガスガスの谷川岳

2017-02-09 21:11:05 | 旅行
毎年冬の谷川岳には登っています。大贔屓の山なので。谷川岳自体もですが、雪の主脈稜線が大迫力。ただし、天気予報で晴れ・高気圧が関東を覆う、となっていても実際には綺麗に晴れてくれることは稀で、その美しさを堪能できる可能性は低めです。今回も天気予報では晴れだったのですが、実際にはかなり苦戦を強いられる厳しいコンディションの中の山歩きとなりました。

新幹線は使わず、上越線の水上駅を9時53分に出るバスで谷川岳ロープウェイを目指します。10時13分に着く予定。もっと早く着くことができればいいのは間違いないですが、この時期は朝一番だと強烈なラッセルを強いられるので、谷川岳のようなメジャーな山では敢えてスタートを遅くしてトレースができてから登るのも手です。
この日は晴れて風も穏やかなはずなのに、(確かにロープウェイの乗り場付近は晴れていましたが)山頂方面は雲の中。ロープウェイの中から湯桧曽川対岸の白毛門方面を見ても、やはり山頂は雲に覆われています。


そして、この日は意外と風が強かった。ロープウェイの終着である標高1,300メートル地点で8メートル。その後は10メートル以上の風だったでしょう。ゲレンデ横を15分くらい登って登山道に出てからは、多分15メートル前後の風だったはず。そして、ガスも結構かかっていて視界もあまりよくありません。


まあ、人気の山なので登山者は多いです。しかし、こんな状況だと景色もよくなくて、写真をあまり撮らずに黙々と登る修行登山状態。主脈稜線方面を見上げてもこの通り。


見下ろすと寒さが倍増の景気。


振り返っても、綺麗に赤城山方面が見えてくれるわけではありません。


標高差約700メートル、2時間くらいの登りですが、景色がよく見えない中で強い風に吹かれて飛ばされそうになりながら黙々と進むのは結構つらいです。


終盤、西黒尾根からの道と合流するところにある巨大な道標ですが、今年はほぼ完全に雪に埋まっていました。去年は台座がかなり見えていたのと対照的。去年は少雪、今年はなかり多雪のようです。


で、12時半頃に双耳峰の手前のピークであるトマノ耳に到着。


視界のない悲しい山頂。一応自撮りしますが、風速は体感20メートル状態。山頂にいる人も皆余裕なく、1,2枚山頂写真を撮って即下山。


私は、昨年の快晴のコンディションの時には登山者の渋滞に巻き込まれて時間が厳しくなってしまい、オキノ耳に行けなかったことを悔やんでいました。そのため、今年は少し危険な天候ではありましたが、勝手知ったる10分間の道なのでオキノ耳まで歩きました。

途中の岩に作られる自然の造形美。風が強すぎて写真撮る余裕がほとんどないので、構図とか考えずにシャッター切っただけです。


そして、まあ山頂はトマノ耳同様に残念な視界。登頂することに意義を見出しているんでいいんですけどね。谷川岳に対する敬意みたいなもので。


主脈稜線もほぼ見えない。これでも一瞬ガスが晴れた時ですが。


とにかく風が強くて危険な感じだし、何よりも寒いので早々に下山です。そして、ありがちなパターンですが、下山を始めると徐々にガスが取れてくるという展開。




半分くらいコースを戻るとこのレベルの青空。今回はお天気に恵まれませんでした。残念。1時間くらい登頂が遅ければいい景色だったでしょう。




日光白根山、武尊山方面も綺麗に見えます。


そして、ゲレンデ上の見晴らしのよいところまで戻ってきました。谷川岳はこの雄姿。これが見られただけでもよいとする。そうするしかない。


白毛門方面も晴れました。


ちなみに、風は最後まで強くて、このように雪片が地吹雪のように飛びまくっていました。


バスがタイミング的に来ない時間だったので、帰りは土合まで歩いて鈍行で東京に戻りました。地下駅で有名な土合ですが、高崎方面に行くプラットフォームは地上なんですね。


毎年恒例の谷川岳ですが、今年はちょっと残念な結果に。それでもオキノ耳まで行くことができたので達成感はあります。この冬の目標は白毛門。晴れた日に白毛門から望む谷川岳の姿が見たいのです。
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今シーズン最初の雪山は上州武尊山

2017-01-29 18:29:05 | 旅行
天気図と天気予報を見ながら、いつもの冬と同じく有給消化のタイミングを計る日々。今年は1月に入ってからの寒波によって、主だった山々には結構積雪がある模様。天気さえ良ければ白い山と青い空、そして樹氷や霧氷にシュカブラといった絶景が待っていいるのはお約束。まずは1月26日の木曜日に、スキーバスを利用して上州武尊山に登って来ました。

新宿に7時集合のオリオンツアーのバスを利用します。目指すは川場スキー場。積雪は2メートル70センチということで十分。スキーバスの利点は、他の公共交通機関と違って現地まで直行だし、値段もお得なこと。リフト券付きで5,600円でした。電車やバスを乗り継いで、さらにリフト券を買うより断然お得。


10時半ごろにスキー場に到着し、早速登山届を提出してリフトへ。桜川エクスプレスとクリスタルエクスプレスを乗り継ぎます。リフトの降り口のところにいる係員さんに聞けば、登山口も分かります。リフトを降りたところからは赤城山がクッキリ見えました。この場所の標高は1,860メートルです。


前日まで降雪があり、平日なので入山者が少なければラッセル覚悟だったのですが、既に11時頃になっていたのが幸いし、先行者が10名程度いた模様。スノーシューはデポして最初からアイゼンで登りました。まずはこの岩を登って行きます。


かなりの急登を20分くらい強いられます。この時点では曇り時々晴れくらいの天気で、風が強く、午後にかけて雲が風で流されていくのに期待して登ります。
まあ、早朝に雲がかかっているとこのような霧氷に巡り合えるのがお得。アイゼンで木を傷つけないように注意しながら、霧氷のトンネルを抜けていきます。




振り返った図。既に結構登った感があるけれど、まだまだ序盤。この時点では雲がかかっていますが、この後直ぐに晴れました。


最初のピークとして目指す剣が峰が、ガスと風で飛び散る雪片の先に見えてきました。


雪庇が結構発達し始めていますね。歩くところを間違えると雪崩と共に落下は間違いなし。


12時前には剣ヶ峰(標高2,020メートル)に到着しました。道標は埋まっていて役に立たないですが、ルートは分かるので問題ありません。


武尊山の本体、沖武尊の姿をとらえましたが、まだだいぶ先が長い。


視線を右にずらしていくと、武尊山の他のピークが連なる稜線。稜線の位置によって雪の量はだいぶ違います。




さて、風が強いので早々に剣ヶ峰を下り、沖武尊を目指します。すると、樹氷ゾーンが見えてきます。


拡大。モンスターというほどには育っていないものが大半ですが、これくらいの樹氷はとても綺麗。


エビの尻尾が発達した木もあります。


樹氷ゾーンに向けて100メートルくらい標高を下げていきます。せっかく稼いだ標高がもったいない。今シーズン初めてのアイゼン歩行なので、足が重いです。


道標だったと思われるもの。今はモンスターの仲間になっています。まあ、立派なエビの尻尾だ。


谷川連峰~巻機山などの上越国境線の山々も真っ白です。こちらの方は、山頂付近に結構雲がかかっていました。


一方、時々武尊山の山頂を見ると、沖武尊の山頂には時々薄い雲がかかるものの、風が強いので直ぐに雲が移動する状況。これなら山頂でずっとガスに巻かれるということはなさそうです。


樹氷ゾーン突入。


結構モンスター級に育ったものもあります。可愛いと感じるのは私だけ?


太陽を背に。格好いい。


風が強いので、シュカブラもハッキリと形成されています。


そして、進行方向左手に雪の壁が。ここを登る必要はないのですが、その最上部が崩れつつある感じて怖かった。風も強かったし。風速は10メートルは優に超えていましたね。体感的に。15メートル前後じゃないかな。




そして、この辺りで振り返ってみると、剣ヶ峰が無茶苦茶格好いいことに気づく。樹氷や雪庇も従えていて。これ、自分の雪山史的にもかなりの絶景だと思います。


ちょっと拡大した図。風が強いので雪煙が舞っている。


雪庇を拡大。歩くところを間違えると雪崩と共に谷底へ急降下ですな。


ここからはひたすら急登です。一気に200メートル以上登るので、それなりにハード。でも、この日は体調が結構よくて、途中で立ち止まったりすることもほとんどなく順調に進めました。先行していた方々はラッセルで大変だったと思いますが、すでにトレースができていたので楽だったのも事実。まあ、それでも結構膝上まで沈むところは多かったですけど。風が強かったのも、本来暑がりの私にとっては悪くなかったです。会話を交わした何人かの方々は皆相当に寒がっていましたが、私はこれくらいの方が汗もかきにくくてよかったくらい。

山頂直下には風がつよくて作られた造形美が。草か低木なのかな。ただ単に風で雪の結晶が固まっているだけにも見えるけど。


そして、最後の急登を終え、1時頃に登頂です。最後は一生懸命足を運んでいたら、あっけなく山頂だったという感じ。まあ、風を受けながらまっすぐ進むのがたいへんでした。武尊山、標高2,158メートルの山頂ゲットです。


山頂は大展望台。苗場山や谷川連峰から上越国境の山々、そして尾瀬方面、日光白根山など、北関東の山々がほぼ全て見渡せます。


日光白根山の存在感は素晴らしい。あの山もこの日は快晴状態で楽しかったでしょうね。


これは尾瀬方面だったかな。至仏山と燧ケ岳は最後まで雲に隠れていました。


武尊山の稜線と日光白根山。


そして登ってきた剣ヶ峰方面。130メートルちょっとしか差はないですが、結構下に見えますね。上から眺めるよりも樹氷ゾーンから眺める方がいい感じ。


最後に一応自撮り。快晴で大満足。


20分ほど山頂で過ごし、下山を開始です。積雪の多い雪山の下山はふかふかなので膝への負担も少なく、たったと快適に下りることができて楽しいです。そして、武尊山の場合は進行方向に剣ヶ峰や樹氷ゾーンが見えるので、景色的にも下山時の方が登山時よりも楽しいです。


武尊山の山頂を振り返る。太陽の位置の関係で、この時間に見ると空の青が神秘的。2年前に登った蓼科山での快晴登山を思い出します。あの時のブルーも凄かった。


樹氷ゾーンに向けて、霧氷のトンネルを抜けます。


谷川連峰方面も完全にガスが取れた模様。この日はどの山に登っても満足度最高だったでしょうね。


再び樹氷ゾーンです。風で雪片が舞っていますが。


背後の上越国境の山々も格好いい。


シュカブラもやはり見事です。下山時には登山時と視点が変わるせいか、同じルートのピストンなのに気づくものにも違いが出ます。あとは、風が強くてあまり顔を上げていられなかったせいもあるかも。




剣ヶ峰の絶景ポイントも近づいてきました。


太陽も従えて、格好いいったらありゃしない。南極でもヒマラヤでもなく、群馬県ですが。




いつまでも見ていたいですが、後続者のじゃまになるといけないので剣ヶ峰に登り返します。剣ヶ峰から見た山々はやはり美しかった。


そして、最後にゲレンデ奥にあった大きな岩を下ります。その前に雪庇が凄いところがありました。まあ、これだけの積雪と風があればこうなるのでしょう。


やはり雪山の下山はペースが速く、2時半頃にはクリスタルエクスプレスのリフトトップに戻ってきました。風が遮られるところなので余裕があり、15分くらいダラダラ目のペースでアイゼンやスパッツを外し、戦闘モード解除です。


リフトで楽々下山したら、遅めの昼食です。川場スキー場は施設が新し目なのか、レストランも充実しています。登山の後はカレーの原則に従いましたが、ここは「タンドール」という東京に本店を持つ本格的なインド料理のレストランがあります。登山後に日本カレーではないカレーは初めてだった。


上州武尊山、快晴に恵まれてとても楽しい雪山登山となりました。今年のシーズンは幸先い感じ。できれば唐松岳とか乗鞍岳、八ヶ岳の赤岳か阿弥陀岳にも挑戦したいと思っています。
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紅葉前の北ア 五竜岳~唐松岳

2016-10-03 22:51:29 | 旅行
9月の10日と11日の土日で北アルプスは後立山連峰の五竜岳と唐松岳を、テントで1泊のプチ縦走しました。
2年前の秋には後立山の盟主とされる名峰で百名山の一角、鹿島槍ヶ岳にテント泊初心者として臨み、お天気に恵まれて北アルプスの大絶景を楽しみました。鹿島槍ヶ岳の北側にあるのは同じく百名山の一角である五竜岳。ただし、この2つの名峰の間には八峰キレットと呼ばれる難所があるので、安全第一の私としては避けていました。まあ、今なら小屋泊装備であれば恐らく問題なく歩くことができるように思いますが、今回はテントでまったりしたかったのもあるのでここはパス。代わりに五竜岳のさらに北側にある唐松岳との縦走プランです。唐松岳は北アルプスの中では珍しく厳冬期でも一般登山者が登ることのできる山なので、いずれ冬季にも行ってみたいと思っています。

さて、いつもの毎日アルペン号ですが、山行を決めたのは何とバスの出る当日の金曜日。予想天気図がコロコロ変わる週で、当日まで土日の天気に自信が持てなかったのが最大の理由。いつもより大分早めに退社して慌ててパッキングしてバスに乗り込みました。
そして、問題は白馬五竜のエスカルプラザ前でバスを下されてからの2時間。と言うのは、5時頃にバスを下されてから7時半頃に動き出すゴンドラを待つことになるからです。もちろん、ゴンドラを待たずにゲレンデ脇の道を登って行けば時間を無駄に過ごすことはないのですが、体力を無駄に削ることになります。ここは体力温存重視でベンチでウトウトしたり、小さい植物園で花を見たりして過ごしました。幸い、お天気は悪くなさそうだ。


そして、ゴンドラの運行開始です。この頃までにはかなりの数の登山者がマイカーで到着していました。


早速リフト越しに五竜岳~唐松岳が見えます。真夏に行った南アルプスとは明らかに山容が異なる。緑多き南アルプスに対して、やはり岩稜の迫力が北アルプスの魅力。


ナナカマドの紅葉はまだまだですが、実は赤くなっていました。いい天気です。今のところ。


五竜山荘への道は遠見尾根という尾根を行きます。遠見尾根には小遠見、中遠見、大遠見などの小ピークがあり、そこからの眺望がいいので、天気がよければ敢えて巻かずに全部登るのがいいと思います。それほどアップダウンもなくてよい登山道だと思いました。が、序盤から終盤までずっと階段が多く設置されていて、これが地味に体力をけずる。


まあ、階段で削られる以外は快適です。まだ標高的に森林限界を抜けないので時々見晴らしのいいところから眺める程度ですが、白馬三山方面も見えます。


そして五竜岳。なかなかゴツイですね。


五竜岳と唐松岳。今回のターゲット。


Google+がいつものようにパノラマ化してくれた写真。このような眺望だけでも十分楽しめると思うので、無理やりピークハントする意味は実はほとんどないと思う。


もう一度白馬三山方面を見ると、徐々に夏雲が上がってきています。もう9月なのですが、気温が比較的高かったこともあり、雲の上がりが急でした。


なお、遠見尾根は比較的楽なようなことを先ほど言いましたが、ゴンドラを下りたところから五竜山荘まで標高差は960メートルあります。累積では当然1,000メートル以上の標高差があるので、テント泊装備だと楽ではないはずです。死にそうに苦しくはなくても。そして、その苦しみは後半に一気に訪れます。ちょっと地図を見落としていて、後からかなり苦しみました。

高山植物は、時期的にあまり目立ったものはありませんでした。季節外れのアカモノ?


いつものコゴメグサ。


エゾリンドウでしょうかね。


この辺りは名称不明。




それにしても、だいぶ雲が上がってきてしまった。


登山道も雲の攻撃を受けている。


それでも、まだこの時点では白馬三山から五竜岳までの稜線は綺麗に見えていますね。




展望のよい小遠見に着きました。階段で結構削られましたが、既に470メートルくらい標高を稼いでいるので、この時点では五竜岳の遠見尾根は楽勝なんじゃないかと思っていました。後でとんでもない反撃を受けますが。


双耳峰の鹿島槍ヶ岳方面も見えます。この時点で鹿島槍の山頂にいれば、立山連峰から槍・穂高連峰まで前部見渡せたことでしょう。


五竜岳。相変わらずゴツくて迫力満点ですが、背後が青空から白い雲に変わりつつあるのにお気づきでしょうか。


中遠見に到着。


ここではテント泊装備で楽しそうに3人で登山されているグループの方々と少し語らい、写真も撮っていただきました。ありがとうございます。この日は思いのほか暑かったので、シャツの2枚重ねは必要なかったですね。


再び鹿島槍ヶ岳方面。


そして五竜岳。同じモチーフの写真ばかりですが、高山植物の時期ではないのでどうしても山の写真が多くなる。


中遠見から進む道でも階段に地味に削られていきます。まあ、まだこの頃は余裕あった。それがいけなかったような気もするけど。持っていたパンとか積極的に食べた方がよかった。今思えば。


大遠見到着です。


やはり眺望よろしい。


が、ガスが確実に上がってきている。ガスとの競争には基本的に勝てないことを経験的に知っている人は多いはず。


つかまってしまいました。


ここからは西遠見と名付けられた場所まで、これまでとあまり変わらない比較的楽な道が続きます。途中には少ないけれどお花も咲いていました。








西遠見からは登山道の状況は一変します。森林限界を越えてガレ場でかなりの急登。危険な感じではないですが、苦しい登りです。その序盤はガスの先にそれなりに眺望を求めたりして余裕があったものの、途中からバテバテ。


バテすぎて写真も撮っていません。鎖場も登場するのでそれなりの岩場ですが、道の難度の問題ではなくてシャリバテでしょう。栄養補給のタイミングを失敗しました。ゴンドラを下りて登り始めたのが8時前というタイミングでいつもよりもかなり遅かったこともあったと思いますが、遠見尾根が意外と楽に行けてしまったので舐めていましたね。最後の登りは普通のアルプスの高山の厳しさがありました。シャリバテたタイミングでパンなどを口にしても、エネルギー化するのにある程度時間がかかるから遅いですし。

バテバテで14キロの荷物でふらつきながらも五竜山荘手前の白岳に登頂し、五竜山荘に向かいます。足がふらついていて、何でもないガレ場で軽くスリップも。南ア縦走をこなして自信過剰になったとは思えませんが、この日の山行は褒められたものではないですね。ソロなのでもっと気をつけないと。


五竜山荘は鞍部に建てられていて、至近のテント場は稜線のテント場です。稜線は風にやられると怖いですが、幸いこの日は比較的弱い風で助かりました。
山の東側(長野県側)からは雲が上がってくるのですが、西側(富山県側)は比較的晴れていました。


テント設営後はパンなどを食べて休憩。ウトウトと2時間くらい休む。


五竜岳は雲の中。これでは登頂しても何にも見えませんね。と言うことで、疲れもあるし今回は山頂は諦めようかなと思いました。


後立山連峰は、東京からの公共交通機関アクセスが比較的よい山域です。従って、天気のいい時に八峰キレットに挑戦する時に五竜岳に登頂すればいいや、などという弱気の言い訳が自分の中に響きやすいのです。が、意を決して3時頃にアタック開始。1時間弱で登頂できるはず。時間的にはこれより遅くなると日没も意識することになりかねませんから、ぎりぎりの決断。
山頂への道は、アルプスの岩稜帯の山らしい感じです。普通に岩場、鎖場で、それなりに注意が必要です。


で、山頂までガスの中をよじ登って行くと、山頂直下で少し青空が見え始めたではないですか。


そして4時前に登頂。


周囲はガスに覆われていて展望はないのですが、なぜか五竜岳山頂だけ日が当たっているという状況。空が格好いい。


八峰キレット方面。キレットは雲の先です。手前に見えている尾根ではありません。


他の登山者の方も4~5名いらっしゃって、皆で45分くらい雲が切れるのを願っていたのですが、結局ダメ。一瞬だけ剣岳の影が見えたものの、写真を撮る余裕すらないくらいの一瞬でした。鹿島槍方面が見えなかったのが個人的には残念。まあ、これはホントに八峰キレットに挑戦してリベンジですな。最後に山頂写真をもう一枚。


テント場に戻ると、ガスに覆われていました。


この日の五竜岳は、軽装でサクッと11時半頃までに登頂しない限り山頂はガスに巻かれていたと思います。その中では、比較的恵まれた時間帯に登頂できたのだと思うので、神に感謝です。
晩御飯はカレー。1泊テント泊の定番である。ソーセージを茹でて入れるのも定番。まあ、工夫はない。


夜間は心配した雨も風もなく、比較的よく眠れました。そして翌日。天気予報では天気は下り坂だったのですが、私は午前中は北西の高気圧がそれなりに頑張ってくれると踏んでいました。夜明け前にテントを撤収し、白岳山頂でご来光を狙います。
夜明け前の五竜岳。


そして唐松岳。


白岳の先が既に明るくなり始めています。急がないと。


長野県側は雲海。


そして、雲海と高い位置にある雲のミルフィーユ状態の間から太陽が出てきました。


まん丸の太陽ではないけれど、これはこれで幻想的で美しい日の出でした。天気予報に勝った瞬間。


明るくなった後、五竜岳を見上げる。朝焼けにはなりませんでしたが、相変わらずゴツくて堂々としている。


そして唐松岳。これから歩く縦走路も見えています。一回かなり下ってから登り返しますね。結構大変そうだ。


少しずらして唐松岳から長野県側の八方尾根。今日の下山で使う尾根です。長野県側にある雲が早々に上がってこないことを祈るのみ。


唐松岳山頂ズーム。山頂でご来光を狙ったと思われる多くの人がいますね。


富山県側の景色。見えている山は毛勝山などでしょうか。この角度だと立山、剣岳は五竜岳の尾根に隠れてしまって見えません。


さて、縦走です。アップダウンはそれほど厳しくなかったと記憶していますが、それでも北アルプスの縦走路ですから、200メートルくらいは下って登り返すイメージです。ハイマツ帯越しに五竜岳を振り返ったりしながら進みます。


唐松岳がだいぶ大きくなってきました。唐松岳の手前は大黒岳。その後ろには牛首と呼ばれる岩場の難所があります。キレット状態ではないものの、昨夜テントで隣になった方の情報だと、かなり険しくて五竜岳直下の岩場以上に苦労する模様。しかもテント場からアタックザックで登った昨日の五竜岳とは違って、今日はテント泊装備のザックを担いでいますから気を引き締めてかからないと。


途中、シラタマノキやヤマハハコがちらほらありました。


この辺りまで来ると、五竜岳の向こうに剣岳、立山などの立山連峰が見えるようになります。


ちょっと日も当たっていい感じ。


剣岳にズーム。


その先には立山。さらに奥には巨大な薬師岳。昨年の夏に登頂した北アルプスのビッグマザー。


進行方向。雲海の上を歩くのは好みです。


一方、牛首にたどり着く前には五竜岳は長野側からの雲に飲み込まれつつありました。


そして、滝雲のように富山側に雲が落ち込んでいくという景色。稜線を挟んで上昇気流と下降気流なのか。


牛首の難所に差し掛かりました。鎖場が多いです。


ここで、50代後半の夫婦とみられる登山者から前に行くよう促され、こっちはテント泊装備で向こうは軽装だったのですが先に行くことにしました。ところがこの二人、どうやら女性の方はかなりゆっくりなのに男性は早いペース。私の後ろにピッタリついてきます。岩場で危険なので間隔を空けて欲しいところだし、何より自分から先に行くようお願いしておきながらピッタリ着いてくるのはかなり失礼。しかも、私が掴んでいる鎖を下から掴んだりして危険極まりない。思わずしかりつけました。安全を脅かすのはホントやめてほしいよ。
まあ愚痴っても仕方ない。折角のアルプスを楽しみましょう。牛首の難所からも、振り返ると立山連峰が見えます。


ザ・五竜岳も。


これを越えればそろそろ縦走も終わりかな。


その通りで、やっと唐松岳頂上山荘到着です。かなり大きな山小屋です。ここから唐松岳山頂へは20分ほど。


はい、到着です。標高2,696メートルの唐松岳は300名山指定を受けいます。この山が名山というよりも、この山からの景色が凄い。


まずは南側に五竜岳。その奥には蓮華岳、針ノ木岳や水晶岳、さらには槍・穂高連峰も。






針ノ木岳は既に雪渓がないですね。今年は雪不足だったので。いずれにしても、山頂近く以外は雲の下のようです。


南西方面は立山連峰。薬師岳と立山から。


そして剣岳のギザギザ。


北側には不帰の嶮の先に白馬の峰々。


北西は日本海が見えます。


唐松岳頂上山荘方面。長野県側の雲海が迫力。下界は曇りだな。


山頂では皆さん写真をそれぞれ撮りあっていますので、私も五竜岳を入れて撮っていただきました。


五竜岳にも雲海が徐々に迫っている。




白馬岳方面も。


ということで、またまた45分くらい山頂で遊んでいましたが、雲の襲来を受ける前に下山することにしました。時間的には余裕なのですが、白馬八方の温泉でゆっくりするのも悪くないと思って。下山を開始するとすぐにホシガラスがいて、ハイマツの実を取って食べていました。




下山中、上がってくる雲につかまる瞬間。こういう瞬間は格好いい景色ですね。


ということで、丸山ケルンはガスの中でした。


下山中は少しは紅葉が見られるかと期待もしましたが、まだまだでしたね。


八方尾根は高山植物も豊富なようで、時期がよければ大お花畑なんだろうと思わせる場所も幾つかありました。


まあ、ワレモコウの大群落とかあった。尾瀬よりずっと凄い密度。たいしたもんだ。


白樺の道。大分標高を下げてきましたね。紅葉の時期は綺麗な紅葉トンネルになるのでしょうか。


ウメバチソウやマツムシソウがちらほら。




八方池まで下りてきました。人生初八方池はガスにやられることが決定。


白馬三山をバックにした雑誌でおなじみの景色は当然望めません。まあ、稜線と山頂の景色を十分楽しんだので、今回の山行は既に勝利に終わっていますが。




ここからは木道になり、観光客の方も多いエリアです。花の時期に晴れれば、高山植物&八方池と白馬三山の絵で十分感動できそうです。


ノコンギク。水色の花が上品で、この季節では好みの花。


このあたりも、紅葉シーズンには赤や黄色に染まるのでしょうか。


そんなことを思いながら下山完了。と言うか、八方池山荘まで下りたら後はリフトとゴンドラを乗り継いで下界に戻ります。白馬の町を見ながらゆったり下山。これも悪くないです。体力の限界まで頑張って激下りするばかりが山歩きではありません。そう、農鳥岳から奈良田に下りる大門沢ルートなどは早めに忘れるべきです。


高原の牧場。のどかなものだ。南アも下山する時にはこういうのどかさがあってもいいと思うが、全然ないのが南ア。こういうところが北アに人気で負ける所以か。


白馬の町に下りてきました。15分くらい歩いて八方の湯に入ります。この温泉施設が帰りのバス停も兼ねています。




アルカリ性の泉質のようで、ぬるっとした感じのお湯でした。この日はトレランの大会をやっていて混んでいたのが想定外。
昼食は、八方美人というラーメン屋さん。温泉の湯を使ったラーメンとのこと。味は可もなく不可もなくという感じでしたけど。


バスの時間までは、近くのカフェでビール飲んだりして過ごしました。
五竜岳~唐松岳、それほどきつくないルートですが岩稜帯の楽しさも味わえるし、眺望が利く日であれば北アルプスらしい稜線からの絶景がまっています。稜線のテント場のテント泊も、風雨の問題がなければ楽しいし。まったり系のルートで景色だけはしっかりアルプスというお得な山域ではないでしょうか。是非とも天気図をしっかり読んで行ってみることをお勧めします。
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