一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

改:今更ながらプロフィール。

2012-03-26 01:29:26 | 齋藤一陽の説明

子鹿の皮の台

竹でつくった刃物

蜘蛛の糸のようにまで、細く切った金箔の糸

まるで空気の流れまでも感じるように

心を研ぎ澄まし

ほんものの素材と向き合うとき

静寂な至福の時を感じる





截金とは

截金とは、その技術の古くは、飛鳥・白鳳時代の法隆寺・玉虫の厨子や、奈良時代の高松塚古墳にまで遡ってみられることができる、日本古来より伝わる伝統的な技法です。
多くは平安期・仏教絵画でその優美さを、鎌倉期・彫刻で技巧技術を確立したと、いえるのかもしれません。

截金は、金箔数枚を炭火で炙って焼き合わせ、強度をもたすことではじめて加工することができます。
その後鹿皮の台の上で、竹で作った刃物により細くは髪の毛ほどにも細長く切られ、或いは菱や四角などに切られたものを、二本の筆の誘導により膠で貼られていきます。
おもには仏像・仏画・曼荼羅・寺院内部荘厳の文様として施されてきました。
切って貼る。截金の技法はとても単純で、簡単な作業ですが、それには熟練と経験、大変な集中力を必要とするものです。




こころみ


今日。一陽工房では、ガラスと截金という新しい試みをはじめています。
しかし、およそ紀元前200年の昔から、細く切られた金箔をガラスに溶かし込むという技法はすでに成されていたようです(ゴールドサンドウィッチガラスとしてヨーロッパ・中東・ロシアの各地より出土)。
あらためて、先人達の技術、智恵と感性には頭が下がる思いです。
ゆえに、古来の技術に遡り、学び、伝えて、さらなる新たな技術との融合の試みに取り組んでいけることに喜びをおぼえています。

また我が工房では、截金へのこだわりとして、炭火で箔を焼き合わせること。
箔は縁付で純度98.91%の純金箔と、100%のプラチナ箔を使用することとしています。
炭火で焼くことで、温かみと深い風合いとがひきだされ、純度が高いことは、不変と揺るぎないもののあらわれとしています。
古き良き技術を踏まえ、伝えることとして、故 人間国宝 西出大三先生の残して下さった技術記録書を元に、出来うるかぎりの技術を復刻しています。

また社寺や祈りに携わるお仕事に関しましては、その対象は作品では無く、あくまで荘厳であるため、詳しい事の発表や記載は、差し控えさせて頂いております。


そして本物の素材と伝統の技法を、皆さまの身近に、傍らにと願っております。



略歴

1993年   截金に出会い。学び始める。

1994年~  関西に渡り、本格的に習得するべく仏所・寺院等数ヶ所に弟子入り。
        およそ10年、仏像・仏画・曼荼羅・寺院塔内部の截金荘厳に従事し、天平・平安・鎌倉期
        の伝統的な技法をもとに、古典の修得に努める。

2003年~  截金の伝統技術をふまえ、新しい素材との融合を試みはじめる。
        その一つとして、紀元前から存在したゴールド・サンドウィッチ・ガラス(細く切られ細工され
        た金箔をガラスに溶かし込む技法)への着目となる。

2006年   截金とガラスとの独自のコラボレーションを開始。

2007年   截金と京七宝とのコラボレーション。京七宝業界の商品化に助力する。

2007年   国際的アーティスト金明姫さんの作品展に、截金ガラスワークで参加。

2008年   京都ギャラリー青い風にて、企画展に参加。

2008年   井原市立田中美術館主催『截金の人間国宝展 齋田梅亭と西出大三』での特別講演に
        て、実演とお話の講師を務める。

2008年   京都祇園にて三人展をおこなう。

2010年   三味線奏者『杵屋栄敏郎』先生の三味線装飾を手掛ける。

2011年   木像・漆箔の三尺 阿弥陀如来尊像にプラチナ截金荘厳を納める。

他       仏像・仏画への荘厳、杉箱への装飾、ガラス・木地の帯留、髪留の制作など、幅広くボツボツと活動。




齋藤一陽の説明。
の項目が意外にアクセス数が多いようなので、少し詳しく投入してみることにしました^^







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こっそり
裏一陽プロフィール→◆


【webラジオ昔話】 むかしむかしのものがたり 第39話「北風と太陽」

2012-03-18 00:31:21 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

むかしむかしのものがたり 第39話「北風と太陽」

http://radiotomo.typepad.jp/old/2012/03/39-d037.html
↑ここからクリックして入って、緑の矢印のとこをポちっと押すと昔話を聴くことができます。
配信は過去2回までとなっていますので、お気を付けください。


今回もナレーションは恭子さん。やんちゃ小僧な感じの北風さんも可愛いかったです~
あと私は石田さんのほわほわ太陽さんがとても好きですねー^^


そしてエンディングのお話に、石田さんから雨と蓑笠の話がでてきて(笑)、
ぼんやりこんな歌を思い出したりしていました。


七重八重

花は咲けども 山吹の

みのひとつだに なきぞあやしき(かなしき)


(歌)表意:山吹の花は七重八重に咲くのに、実が一つも結ばないのは不思議なこと。

後拾遺集、醍醐天皇の皇子・中務卿兼明親王が詠まれたもの

小倉(京都嵯峨の小倉山付近)の家に住んでおりました頃、雨の降った日でしたが、来客があって、帰りがけ蓑を借りたいと言われたので、山吹の枝を折って持たせました。その人は事情が呑み込めずに帰って行きましたが、何日か経って、山吹の真意が解らなかったと言って寄越したので、その返事に歌を届けました。


道灌の山吹伝説

太田道灌は扇谷上杉家の家宰でした。ある日の事、道灌は鷹狩りにでかけて俄雨にあってしまい、みすぼらしい家にかけこみました。
道灌が「急な雨にあってしまった。蓑を貸してもらえぬか。」と声をかけると、
思いもよらず年端もいかぬ少女が出てきました。
そして黙ってさしだしたのは、蓑ではなく山吹の花一輪なのでした。
花の意味がわからぬ道灌は「花が欲しいのではない。」と怒り、雨の中を帰って行ったのです。

その夜、道灌がこのことを語ると、近臣の一人が進み出て、

「その娘は蓑ひとつなき貧しさを山吹に例えたのではないでしょうか。」といいました。



しとどなく 

流がるる雨に 打たれ咲く

八重山吹の 美しきことかな


おばかな一陽が詠むいんちきな歌には、いつも何もひねりがなく。みたまんまなのですが。
シンプルで美しい自然をただ胸に留めておきたいだけなんですよね~^^


容赦なく降り付ける

冷たい雨に強くうたれても、花はじっと、美しく咲いています^^


山吹は愛しい、美しいお花です。





次回配信は、3月23日(金)「赤ずきん」だそうです^^

そしてなんと!!待ちに待った、むかしむかしのものがたりのCDが6月に発売されるそうです~~

RADIO TOMO!
感想・リクエストページ→ http://www.radiotomo.com/mailform/mukashi2.html
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火のある暮らし。

2012-03-17 00:48:23 | Weblog
だいぶん暖かくなってきましたね~

今日は若いうぐいすが、たどたどしくもお歌の練習をしていましたよ~^^
京都はまだ少し寒いのですが、それでもずいぶん春らしくなってきました。


一陽のお家では、今冬は火鉢が大活躍。今年は鉄瓶もやってきました~
でもやっぱり土瓶も欲しいかな♪っておもいます。



炭火のある暮らしというのは、なにか温もりのあるものです^^


震災から早一年も経ち。
この暖をとるエネルギーについて、職人なりにいろいろと、思うこともあります。
しかし、ブログという媒体をつかって言葉を発し、反応があることは当然としても、そのやり取りをみることは、実際に被害にあった方たちの胸を痛めることでもあると知ったので、
無知な私などがいたずらに、言葉を発することは憚られるべきことであると思ったし、何と言葉を綴ったらよいかもわかりませんでした。


私は夢想家や懐古主義者と、いわれてしまっても仕方ないのですが、
現代は何故、科学をここまで妄信してしまうのか不思議に思います。
永い年培ってきたものや、脈々と伝承されてきたこと。
直に手をふれて感じることで、判断できることを無視してしまうことは。。
科学を悪い事とは思いませんが、過剰な信仰をしているようにみえるし、
実際に土や川、山や海。自然を希薄にとらえてしまっていて、それは勿論自らも含めてのことですが。。

私はもう少し近づきたい。もう少しあたたかく迎えたい。
と、思っています。


炭火を熾す。

温かい火の色と、
いきもののようなパチパチという音を静かに聴きいる。

風がとおるような鉄瓶のうなり声。

火のある暮らし。
それは自然の温もりを、少し近しく感じさせてくれるものでありました。


ラジウムという鉱物は、たくさんの可能性をもった大変魅力的なエネルギーではありますが、
日進月歩とはいえ、まだ人には余る物質では?と、思います。
この期に及んでも、まだ自然を支配した気になっている。
人と自然 
その距離感が私には、少し淋しいです。




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花の眠る場所。~桃の章~

2012-03-03 20:55:12 | 花の眠る場所。
桃笑う

春の言祝ぎ たちぬれば

卯杖のさきの 花もほころぶ




桃が笑う



もものはな。


このはなは、咲くのではなく、笑くのだという。



日本では、
桃はオホカムツミノ命という神さまなのですが、
黄泉国と現世の境にある桃の木として日本の神話に出てきます。
有名なお話。
黄泉で追いかけられて逃げるイザナギが桃三つを投げると、鬼がことごとく退散したというので、 イザナギが桃の木に「オホカムツミ」と名付けたのだそう。

桃の実りの速やかなことも、この民俗を生み出す原因になったのであろうし、
桃という語の、二番目の「も」字は、実の意味であり、
桃には、実りの多い謂れから「百」とする説もある。

偉力あるもの。
それが人間に働きかける力が善であつても、悪であつても、人力を超越してゐる場合には、我々の祖先は、それに神と名を与へ、猛獣・毒蛇の類も、神と言い馴らしている。山川・草木・岩石の類もまた、神名を負うたものが多い。桃がおほかむつみといふ神であるのも不思議はない。
折口信夫より


道教でも桃は尊ばれる果実であって、西王母の桃の由来から長寿をあらわし、仙桃とよばれ、

そして古代中国より渡ってきたであろう。
魔を祓う強力な呪力をもつ存在として、生活の防衛と純浄化を担うもっとも有力なものとして、古くは先秦時代や唐朝に至るまで、桃茢(とうれつ:桃の木と、あしの穂のほうき)といったものが、明らかに使用されていたと思われる記録もあるそう。

それが、日本では卯杖の形のもととなるようなものであるけれど、

その信仰については、日本古来のものであるという見解もあるようです^^
卯杖の話は卯の花のお話のとき。また詳しく調べてみたいと思います。




そして 桃が笑くのは

花が言祝ぎ 微笑みをたたえたときであろうか?





という語源には、巫女が神さまのこころを和らげるため、舞を舞うようすがあらわされているのだということです。




こころは

ほころんだでしょうか?^^





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【webラジオ昔話】 むかしむかしのものがたり 第38話「鷲の卵」

2012-03-03 20:53:37 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

むかしむかしのものがたり 第38話「鷲の卵」

http://radiotomo.typepad.jp/old/2012/02/38-32f4.html
↑ここからクリックして入って、緑の矢印のとこをポちっと押すと昔話を聴くことができます。
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さて今回は桃の節句の由来になったお話も出てきています。別ページで桃の花のお話の古い由来も書いてみました。よかったら見てみてくださいね~
花の眠る場所。
花の眠る場所。~桃の章~

最近ずっとナレーションは恭子さんなんですね^^

安定の石田お爺さんと。へび石田さん。色悪侍の石田さんを聴くことができます。


えっと。。一陽は日頃、へびを可愛いと思っているタイプなので、やっぱりちょっと可哀想に感じてしまったかな。
それに私の知っているお話と違って、二人が仲むつまじい様子もでてましたし、婿として丁寧に演じていた石田さんは少し哀しかったのでしょうかね?
ですが私の知っているかぎりでは、このお話こんなにアダルトではないんですよ^^?
それには石田さんの演技も大ですしね(笑)


三月三日は上巳(じょうし)の節句

中国魏(220~265)以来、旧暦三月上旬の、巳の日を上巳とした。

古くには、この桃の節句というのは、水辺で禊を行い。穢れを祓うというものだったようです。





この曲水の宴も、もとの由来の一つなのですね。

神話のようなものの中には、女性の穢れ(病)を雛を流し祓うもとになったお話。
古代中国には、桃の木で人形を作り。魔除けにしたなどもあるそう。さらにいろいろなお話が混ざり、さまざまな風習に分岐していくようです。

水の祓いの儀式ということで、へびということ。桃は古来より魔を祓うものであるということ。
一年の女性の穢れを祓う儀式のお話ですから。
へびがひたすら悪のように伝わってしまっていますが、エネルギーの形象のようなものであるだけだと思うので、そんなに哀しまないで下さいね。
ましてや本来のお話では、女性が裏切ったわけでもありませんよ?^^

へび・カエル・卵、何だかシンボリックで、韓国の神話も思い出してしまいます。
深読みをすれば、民族的な何かもさらに隠されているのかもしれないですよね。


そういえば、一陽も昔お寺で寝起きしていたときに(仕事でね)。へびにぐるぐる巻きにされた雀を、図らずも助けたことがあるのですが。
え~。。私も恨まれちゃったのかな?でもお寺内での事ですし、へびも助けたことあったと思うし。チャラにしてや~^^へびちゃん。

へびはつぶらな瞳と、さらっさらっな羽二重餅みたいなお腹が可愛いですよね♪  ←友人達のギャーって声が聞こえてきそうです(笑)

次回配信は、3月9日(金)「北風と太陽」。イソップものがたりなようです^^

RADIO TOMO!
感想・リクエストページ→ http://www.radiotomo.com/mailform/mukashi2.html
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むかしむかしのものがたり


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截金の髪留(バレッタ)。

2012-03-02 21:48:03 | 木地物-作品群-
漆をかけて、髪留に截金を。

と思い馳せて早幾年。。

なかなかうまくいきません。

それでも少し形になったもの。モニター用。

まだ外には出したくないレベル。

ガラスといい、中途半端なものばかり作ってる気がする。
いや。でもこれも目を背けられない課程なので、きちんと受け止めましょうかね~~










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