子鹿の皮の台
竹でつくった刃物
蜘蛛の糸のようにまで、細く切った金箔の糸
まるで空気の流れまでも感じるように
心を研ぎ澄まし
ほんものの素材と向き合うとき
静寂な至福の時を感じる
截金とは
截金とは、その技術の古くは、飛鳥・白鳳時代の法隆寺・玉虫の厨子や、奈良時代の高松塚古墳にまで遡ってみられることができる、日本古来より伝わる伝統的な技法です。
多くは平安期・仏教絵画でその優美さを、鎌倉期・彫刻で技巧技術を確立したと、いえるのかもしれません。
截金は、金箔数枚を炭火で炙って焼き合わせ、強度をもたすことではじめて加工することができます。
その後鹿皮の台の上で、竹で作った刃物により細くは髪の毛ほどにも細長く切られ、或いは菱や四角などに切られたものを、二本の筆の誘導により膠で貼られていきます。
おもには仏像・仏画・曼荼羅・寺院内部荘厳の文様として施されてきました。
切って貼る。截金の技法はとても単純で、簡単な作業ですが、それには熟練と経験、大変な集中力を必要とするものです。
こころみ
今日。一陽工房では、ガラスと截金という新しい試みをはじめています。
しかし、およそ紀元前200年の昔から、細く切られた金箔をガラスに溶かし込むという技法はすでに成されていたようです(ゴールドサンドウィッチガラスとしてヨーロッパ・中東・ロシアの各地より出土)。
あらためて、先人達の技術、智恵と感性には頭が下がる思いです。
ゆえに、古来の技術に遡り、学び、伝えて、さらなる新たな技術との融合の試みに取り組んでいけることに喜びをおぼえています。
また我が工房では、截金へのこだわりとして、炭火で箔を焼き合わせること。
箔は縁付で純度98.91%の純金箔と、100%のプラチナ箔を使用することとしています。
炭火で焼くことで、温かみと深い風合いとがひきだされ、純度が高いことは、不変と揺るぎないもののあらわれとしています。
古き良き技術を踏まえ、伝えることとして、故 人間国宝 西出大三先生の残して下さった技術記録書を元に、出来うるかぎりの技術を復刻しています。
また社寺や祈りに携わるお仕事に関しましては、その対象は作品では無く、あくまで荘厳であるため、詳しい事の発表や記載は、差し控えさせて頂いております。
そして本物の素材と伝統の技法を、皆さまの身近に、傍らにと願っております。
略歴
1993年 截金に出会い。学び始める。
1994年~ 関西に渡り、本格的に習得するべく仏所・寺院等数ヶ所に弟子入り。
およそ10年、仏像・仏画・曼荼羅・寺院塔内部の截金荘厳に従事し、天平・平安・鎌倉期
の伝統的な技法をもとに、古典の修得に努める。
2003年~ 截金の伝統技術をふまえ、新しい素材との融合を試みはじめる。
その一つとして、紀元前から存在したゴールド・サンドウィッチ・ガラス(細く切られ細工され
た金箔をガラスに溶かし込む技法)への着目となる。
2006年 截金とガラスとの独自のコラボレーションを開始。
2007年 截金と京七宝とのコラボレーション。京七宝業界の商品化に助力する。
2007年 国際的アーティスト金明姫さんの作品展に、截金ガラスワークで参加。
2008年 京都ギャラリー青い風にて、企画展に参加。
2008年 井原市立田中美術館主催『截金の人間国宝展 齋田梅亭と西出大三』での特別講演に
て、実演とお話の講師を務める。
2008年 京都祇園にて三人展をおこなう。
2010年 三味線奏者『杵屋栄敏郎』先生の三味線装飾を手掛ける。
2011年 木像・漆箔の三尺 阿弥陀如来尊像にプラチナ截金荘厳を納める。
他 仏像・仏画への荘厳、杉箱への装飾、ガラス・木地の帯留、髪留の制作など、幅広くボツボツと活動。
齋藤一陽の説明。
の項目が意外にアクセス数が多いようなので、少し詳しく投入してみることにしました^^
着付け教室をはじめたお友達たちがリンクを貼ってくれました。
「ふあふあくらぶ 奈良の生駒で着付け教室・苔盆栽・パン教室」
京女さとこはんは一陽の帯留めを身近に実際に使って下さっています^^
記事で紹介してくださいました。ありがとうございます。
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