一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

先祖供養と先祖への旅

2007-11-28 03:32:29 | Weblog
旅に出ていたので、いっぱいいろいろたまってしまいました^^;

旅は、お祖父さんの生まれ育った島。
小笠原母島へ行ってまいりました。
曾祖父の代に内地から開拓者として島に渡り、戦争の為引き上げたそうです。
思い立ったらカッとなる性分なので、小笠原交流会ツアーに参加して、村の方々にお話をお伺いできる機会を得ることができました。
村の方にはとても親切にしていただき、曾祖父さんたちが暮らしていたところまで、丁寧に案内していただりと、お優しいことこの上ありませんでした。

祖父は小笠原返還前に亡くなり、島へ心をずっと残していたようです。
思いついて今回、祖父の遺品を灰にして持って行きました。
住まいのあったところ2ヶ所は、何かの施設になっていて当時の面影もなく、祖父がおそらく仕事をサボって休んでいただろう小高い丘で海と農地が見えるところを探しました。
そして木の根元で経をあげ灰をまき、この時はじめて曲がりなりにも僧籍があることに、深く感謝しました(あれほど嫌がってたのにね)。
実際先祖供養は各自の心と思っていて、僧籍のある無しなんて関係ないのですが、変に毛嫌いしていた私に、感謝が湧き起こって溶けた感じでしょうか?
残りの灰は、美しい蓬莱の海辺に流しました。
島を離れる朝、木の根元にお祖父ちゃんがいるような気がして、挨拶に。
喜んでくれてるといいのだけど。
命をつなげてくれただけでも、それだけでももう感謝なんだよおじいちゃん^^
私にとって、とても不思議な旅となりました。

東京から小笠原父島まで25時間。そこから母島まではさらに2時間かかります。
三日間母島で過ごしました。村を訪ね、海へでて魚をみたり、つり人を冷やかしたり、ジャングルのような山を歩いて海岸へ貝殻を拾いにも行きました。
夜には大の字になって満天の星空と、光るきのこも観にいきました。
母島はとてもかわいらしく、静かな島でした。
山のいちばん大きな動物は、野猫です^^
商店は一つしかなくて、お昼も食べるとこは2ヶ所くらいしかありません。
島のばななと、島のれもん。そしてシカク豆が大変美味しかった。他にもいろんな美味しいフルーツがでてきました。
今度は父島にも行ってみたいものです。

写真はおじいちゃんのいる木の下から、海を眺めて撮ったものです。
裏には小さな森が、目の前には海と農地が広がって、近くには牛もいたよ。
こんな景色の中に育っていたのではないかと、私なりの供養です。