雪深く
けぶる白花 春山に
言祝ぎ告げり 散りつる卯の花
山の峰にはいっせいに、白く風花が舞う。
春の山に、雪が深く降ったのだろうか。。
はたして一面は白花(しらばな)でいっぱいになっていた。
雪がたくさん降ることは吉祥のしるし。でも花が散ってしまうのは、とても哀しいこと。
どうか白花(卯の花)よ。そんなに散りいそがないでおくれ。
雪が降ることは花咲くことを思わせ、昔の人々にとって稲の実りを予祝することだったのかもしれない。
だから白い花がたくさん咲くことは、ひとの心に寿ぎをもたらしたのだろうと、おもう。
空木のはなを
卯の花という。
卯の花は、卯月に咲くから卯の花だと言われている。
そして卯月と卯の花とは関係しているようだ。
卯杖(ウヅエ)・卯槌(ウヅチ)を空木で作り、そして、空木は「鬼やらい」にも用いる木。
初春に杖をもって、まず地面を打って置き、いよいよ田の行事にかかる4月になると、ふたたび行事を繰り返す。
かたちは中国から来ているが、その元の信仰は日本のものであるそう。
それには「うつ」という意味を持つという。
うつの意味には古い処では、放擲(ホウテキ)すると言うことに使われていて、土をたたくのは、散ずること、そして土の精霊を呼び醒すことになる。
卯月に入ると、女達の物忌みが始まり、女達は山籠りをする。
女の物忌みとして、田を植える五月処女(サウトメ)を選定する行事は、卯月の中頃のある1日に「山籠り」として行われる。
4月8日を中心としたこの日を、「山籠り」の日といっている。
そして、皐月の田植え前に、五月処女(サウトメ)を定める為の山籠りをしたのである。
この山籠りの帰りに、処女たちは、山の躑躅を、頭に挿頭(カザ)して来る。これが田の神に奉仕する女だと言う神聖な資格を得た徴(シルシ)であったそう。
処女(ヲトメ)とは神事に仕える女。と言う意味。
のちには、これが忘れられて山遊び・野遊びになり。こうして山籠りは、一種の春の行楽になってしまったようです。
春から初夏の花たちは、稲の実りを予祝するものであり。
ことに桜は、山から里に降りる田の神さまの寄りどころとなるもの。
そして卯の花にはもう少し現実的な、田植えの時期を知らせる花の意もあったようです。
古代より日本では、旧4月8日は山の神と田の神とが交代する大切な日。
そして4月8日は、仏教でも大切な日。
お釈迦様が生まれた潅仏会という日でもあるけれど、「花まつり」ともいいます。
そしてそれを告げる大切なお花が、卯の花であったということです。
不思議な偶然という必然なのですね^^
これが自然というものなのか~と、想いました。
着付け教室をはじめたお友達たちがリンクを貼ってくれました。
「ふあふあくらぶ 奈良の生駒で着付け教室・苔盆栽・パン教室」
京女さとこはんは一陽の帯留めを身近に実際に使って下さっています^^
記事で紹介してくださいました。ありがとうございます。
さとこの着物まわり
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