一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

染終わり

2006-08-29 16:25:41 | 制作途上
実験用の箱、笛箱、能面箱で、色も下地も少しづつ変化つけてあります。

下地は砥の粉と雲母1号三回塗り。
砥の粉と雲母1号2号の三回塗り。
砥の粉下塗り一回に砥の粉と雲母2号の二回塗り。

どうしても雲母と混ぜて使ってみたかったのです。理由はわかりません(^^;)

染液

2006-08-29 01:44:10 | 制作途上
どうしても、植物たちを煮出した植物染料で、箱は引き染めしたいです。
阿仙30g
水 300cc
よく混ぜながら火にかけて濾す。
今回は、明礬も少し加えてみました。

前回は黄蘗(きはだ)とか矢車(やしゃ)などで染めてみてましたが、何やら後からムラが出てきたり、退色してしまいました。
今回は、染料も下地も違うので成功しますよーに。

白州さん

2006-08-25 22:22:05 | うんちく
財があり。良いものを好きに集めてこられた。とのお言葉もよく聞くのですが、それだけかなーとも思います。

知られたところでは、古い時代の良い瓔珞など、仏様には使えなくなっても、違う姿に甦らせて、また使ってくれる。
過去の職人が知ったら、どれほど嬉しかろう、と。自分だったら、どれほど嬉しいだろうと思います。

そのうえ良いものを作ると思えば、無名であろうとも、その機会を与えてくれた方のようで。
そんな方ですから財も含め、良いもの達がたくさん集まることも自然のことのようだと、思えてなりません。

日本の美には、ものの哀れも

2006-08-23 08:32:19 | うんちく
近頃では、文化財でも本彩色が無くなっているのだと、修復を仕事にしている友人が哀しそうです。

古き良きものは、崩れゆく姿も美しいです。
儚いものを美しく思うのも、日本の美ではなかったのでしょうか。
散りゆく桜を愛でる心を、もっといろんなところに傾けてほしいです。

新材はこびり付くような耐久性はありますが、キレイな時間はほんの少し。汚れてゆく姿が気になります。崩れ落ち、次の修理まで、美しい姿は望めません。

どちらがお得かというと。やはり、崩れゆくその時まで、様々な美しい姿をみせてもらえる方が、ずっと良いと思うのですが。。。


春の季節だけでも。堅い蕾の姿でよし、ほころんでよし咲き乱れてよし、散りゆく姿でよし…
そんな自然の摂理の中に、美しさはあるように思い。それに添って、ものつくりもしていきたいです。

截金(キリカネ)とは

2006-08-22 14:05:34 | 截金の説明
金箔を炭火で数枚焼き合わせたものを鹿の皮の台にのせて、竹で作った刃物で、時には髪の毛ほども細く切っていきます。

それを取筆に取り、さらに糊筆を利き手で誘導して、文様にしていきます。
菱型などに切って模様にすることもできます。

古くは天平の時代から文様として、施されているようです。
切箔(切金)としては奈良時代に、古墳壁画に星の姿で登場しています。
一度は割に合わない作業の為か、歴史から姿を消してしまったようですが、今日。諸先生方の尽力により、生き永らえております。
しかし今でも割に合いません(^^;)

主に仏像や仏画に施されてきました。
キリ金は文様としての要素が強く、独自で成り立たせるのが難しいです。
しかし過去。平安のころなどには、文様とは思えないほどの優美な表現がありました。
どうかキリ金が、また歴史から去るようなことにならず、独自で優美な姿・形になれるようにと願い、ものつくりしていきたいと思っています。

戦利品

2006-08-21 21:55:08 | ものつくり
今回の出品作には、問題点てんこ盛りありで、思うところが沢山です。
特にコーティングが今後の課題で、ずっと苦しんでいるものなのです。


ところが今日、いつも通る散歩道の塗料屋さん。あれ?三千本膠がゴッソリ(?_?)普通の塗料屋さんと思ってたので、入ったこと無かったのでした。

なんと古くからのコーティング材があるとかw(゜o゜)w変な光沢など無いのだそうです!

まだ使ってみないことには何ともなので、後ほど実験してみます。
取り合えず今日は、下地材をいただきました。
下地も思うところが沢山有りまして。。。

浮世絵

2006-08-18 00:00:30 | 美術展感想
本日は浮世絵鑑賞ー。やっぱり素晴らしい構成力ですね。
北斎の肉筆画、力強い線でした。


以前『うまいもん』シリーズの浮世絵絵葉書セットを見かけたのですが、今更ながら、欲しかった。
いろんな、美味しそうなものを食べてる姿を集めた、浮世絵なのです。

中には炭団入りの寝床から這い出して、柳川鍋を作ってる姿。何があったんでしょ!
印象的でした。忘れられない一品です。

8月12日

2006-08-15 23:25:01 | よきもの
前々から楽しみにしていました旧白州邸『武相荘』に行って参りました。屋根には露草が沢山はえていました。

古い歴史ある物も使える物に姿をかえて生かして下さったり、素敵な方です。

もっと身近にキリ金を。もっと目に触れて、使ってもらえるように、何か考えたいものです。

美しきもの

2006-08-08 23:33:27 | よきもの
東京国立博物館の特別展行って参りました!

美しーい!すばらしーい( ̄□ ̄;)
兎に角!自然の光に見立てた調光により、昼の光、朝日や夕日、月の光の灯りの中で屏風絵が浮かび上がるのですが、もうすごいのです。霧が濃くなったり、淡くなったりします。雪が舞っています。御殿女御が回廊を渡り、衣擦れの音が聴こえるようです。
金箔は光の加減で、表情があることは知ってはいたのですが、解ってなかったのですね。金屏風に驚かされました(;_;)言葉では表せない!是非みていただきたい!

先人の叡智、感性に改めて驚かされ、目の当たりにした1日でした。

搬入

2006-08-08 18:15:38 | 木地物-作品群-
こんなの出品してみました。


もちろん審査が、まだあります。来年は、もっともっと気合いを入れます。

今まで仏像や仏画に、文様としてばかりキリ金させていただいてきて、初めて箱に表現させてもらいました。難しいー(>_<)

また今日から初めてと思い、がんばります♪

しっぱいの巻き

2006-08-06 18:09:10 | ものつくり
今日もガラスにキリ金。今日は6分燃焼してみたところ、模様が崩れました。
焼きすぎだー!でもこれはこれで、よし。自分用にします♪

まだまだ試行錯誤だけれど、これはキリ金できない方にも楽しそう。いろんなパターンを考えよう。もっともっと親しまれて欲しいものです。


中の見える電気炉がほしいな。