一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

伊勢の深淵なる夜に参って。

2010-12-31 13:42:21 | うんちく
締めくくりはお伊勢さんで。

今年は歳の瀬に、やっとお伊勢さんに参ることができました。
ご縁を頂いてふた夜、伊勢神宮の外宮・内宮夜の月次祭に奉参させて頂くこと叶いました。

満天の星の夜、そして薄氷を張られたかのような月の夜。
凍てつく寒さの中、ジッとご神事の中佇んでいると、いつの間にか頭も真っ白になり
厳かに闇にゆれる松明をただみつめるばかりです。。

朝も晩も思う存分に参拝をさせて頂き、良い締めくくりの歳とさせて頂きました。
ご縁を頂いてほんとうにありがとう御座位ます。

もちろんご神事は撮影できないので、朝の五十鈴川をちらほら。







今回はずっと参らせて頂きたかった、瀧原の宮にお参りに連れて行っていただき、伊雑宮にも参拝。そして念願のうなぎをいただきました^^
そこでなんと!お伊勢では山椒を使わないことが判明~驚愕の事実でした~~
今度はmy山椒を持っていかなくてはね。。


いつもたくさん良くして頂いてばかり、一陽は果報ものです。
言葉ではあらわしきれないけど。心より感謝を込めて。。


ありがとうございます。

【webラジオ昔話】むかしむかしのものがたり 第10話「とんびとカラス」

2010-12-30 01:32:06 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
あっはっはっ^^
今回のこれすごーく面白かったです~

石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

むかしむかしのものがたり 第10話「とんびとカラス」http://radiotomo.typepad.jp/old/2010/12/10-ca59.html
配信は過去2回までとなっていますので、お気を付けください。

むかしむかしのものがたり
http://radiotomo.typepad.jp/old/

とくに恭子さんのお狐さまが、とても良くって一人で声を出して笑ってしまいました。

なんだか恭子さんがめきめきと腕を上げておられるように思うのは、私だけでしょうか~!!
もともと、始まった時から意外性があって注目してしまってはいたのです。
恭子さんて可愛らしい声の方というイメージでいたので、ハッとしたというか。。大人の女性、しかも特に『耳なし芳一』に出てきたような女官など優雅で趣きのある、少し奥行きのあるような女性の役がとても素敵でした。なので姥捨て山の母君もよかったな~
そういえば狐も、スったのハゲたの言ってはいてもどこか気品があります。ちゃんと御使いのお狐さまだ~

まあ。石田彰さんはさることながら、恭子さんのいろんな面が聴けるのがとても楽しいです♪
さるかに合戦の蟹の子供たちも、ぎゅ~ってしてしまいたくなるほど可愛かったですし、おばあさんも可愛いです^^

今は時節がらぴったりの9話「笠地蔵」http://radiotomo.typepad.jp/old/2010/12/9-6d1b.htmlのお話も聴けますね。
できることなら、お地蔵さんたちにも声あてて欲しかったです。最後のちっちゃいお地蔵さんは恭子さんで、「よっこいしょ~」とか言ってコソコソお話してくれたら、可愛かったのにな~

そして、彰さんのお爺さんが大好きです^^
翁好きなのでたまりません。どんどん磨きがかかっているような気がするのですが~
そういえば、くるみ割り人形の老紳士も素敵だった。。同じお爺さんでも、いろんな人になれてしまうのですねー

クラシックドラマCDくるみ割り人形の視聴ができるみたいです→ここ ちなみに老紳士はディスク:2 16 ドラマ13で聴けます


翁といえば、ブログを読んで下さっている方々に、一陽を老齢の男性と思って下さる方がとても多くてびっくりします。
ええ^^ぼやっと翁信仰が好きで翁好きの一陽にとっては、老齢の男性と思われるなんてとっても嬉しい事なのですが、
実際お目にかかる機会のある方と出会ったとき、みなさん微妙にガッカリされているような~(笑)

仕事がらの所為なのか、文章の所為なのか分かりませんが、それも騙しみたいでどうかと思い、最近は文章から違う印象をだすようにとがんばってみていますーどうでしょう?逆に子供っぽかったでしょうか~
でもその内、またもとの爺むさい文章に戻ってしまうかもしれませんが~

もし出会った時、あまりイメージとのギャップにがっかりしないでくださいね^^
一陽が若干へこむことになります(笑)


もうすぐ

とうとうたらりたらりら。たらりあがりららりとう

の時節がやってきます
年の神さまのお迎えですね~



では皆さま。よいお年を~





ルーシー・リー展とお守り刀展

2010-12-29 22:25:19 | 美術展感想
大阪中之島にある東洋陶磁美術館は、お気に入りの美術館の一つです。

今回のルーシー・リー展は、イブということもあってか空いていて、とてもゆっくりみることができました^^

彼女の作品は
あたたかく繊細で、それでいて凛としています。
その空間の中、言葉少なのキャプションに、樋口可南子さんの語りが深く届き、何か胸に膨らむものがありました。

彼女の釉薬はまるで魔法のよう。
あのあたたかみのある美しい色と、質感はどのように出されるのだろう。
暗号のように記された、釉薬ノートが印象的でした。

当時陶芸家は、バーナード・リーチに認められなければ、世で生きていけなかった(売れない)そうです。
バーナード・リーチといえば、言わずと知れた民芸運動に関わりの深い芸術家です。
彼女も彼から民芸を説かれ、作品作りに取り組むも、迷いや戸惑いに揺れ、私には自身を見失うような不安な作品にみえました。
ですがその後、昇華され彼女らしい美しい作品が生まれていくわけです。

彼女の作品はただその存在が佇んでいる。
暮らしの中にパートナーのように、そっととなりに寄り添ってくれている存在。
使う者によって完結される美。
美というものが、見る者によって初めて補完される。
そういう意味では民芸のこころにとても叶っているように感じました。





あなたはアーティストでしょ?私はただ焼き物をつくる人よ。

と語った彼女の言葉が深く響いています。


彼女が彼女らしく。その作品はやさしく美しくキュートで、まるで本人そのままでした。
自分らしさってどういうことだろう。
おれがおれがっていう表現でなく、自らが作為なく滲み出るようで、見る人にも使う人にも一体になる余韻のようなものを残す?
芯を他にはゆずらず、芯を自らで満たすこと?
すると何かがいっぱいになって、まるでほとばしるようにポタポタと指先からこぼれ落ち、ものが造作されてゆくのだろうか?

。。。ま、自然にできていくことなんでしょうね~


私の帯留めたちも、そのつどいろいろと工夫は凝らしてきてみたつもりではありますが、ここのところ代わり映えがしません。
少しでもいいので、違う形にステップアップしなくては。。
何とか質感をかえたいな~
もともと目標があって、まだ訓練や過程といった段階の帯留めたちです。ここで留まる訳にはいかないです。先は永いのです^^



そしてまた彼女はこうも言っていました。

これで良い。と思う日はないと。。。



ルーシー・リー
ウィーンに生まれ、ロンドンで活動した20世紀を代表する陶芸家(1902-1995)。

大阪市立東洋陶磁美術館http://www.moco.or.jp/
ホームページより割引券あります。

樋口可南子さん美しいナレーションの音声ガイドはA&Dオーディオガイドhttp://adaudioguide.com/


そしてひきつづき大阪歴史博物館『お守り刀展』にゆきます^^
もう、やっぱり閉館ギリギリまでみてしまいました。

歴史博物館からの大阪城

刃物自体とても好きです。
真っ赤な火の中よりその姿を現し、幾度も幾度も鍛えあげられる。。
その工程は何だかとても神秘的です。
そしてその刃を研ぐわけですが、そのピンっと研ぎ澄まされた空気がとりわけすきです。
その空気は截金にも、少し通じる気がします。

内容は、現代の刀匠たちの新作から鎌倉期の名刀まで。

他に現代の装剣金工師坂井俊政氏の作品群。主に鍔でした。
またこの『拵え』と、いうのは何て魅惑的なんだろう~と思います~
そしてこの鍔というものは、古くより人を魅了して止まないものと言われています。



私にも腕があったなら、拵えしてみたいな~
単に憧れですけどね。

いろんな意味で価値のある、とても充実したクリスマスイブだったのでした。
友人たちにも、ほんとうにありがとう~


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クラシックドラマCD くるみ割り人形

2010-12-24 23:59:10 | よきもの
24日クリスマスイブは、石田彰さんと釘宮理恵さんのくるみ割り人形の朗読イベントがあったのですよね。

http://www.emimusic.jp/classic/rattle/news/このイベント素敵で、彰さんの生の朗読が本当に聴いてみたかったです。
何が素敵って、これお子様も一緒にっていう企画なんですよね。
こういうはーとふるで、オーケストラと朗読なんて情操にうったえる内容のものを切望していました。
皆考えてることは一緒なのかな?
ひそかにとある番組にリクエストしていたことが、少し叶ったことでもあり嬉しかったです。

なので私も今回のイベントには応募してみました!が、もちろん外れました~
ですが、この忙しいのに本当に当たっても、ちょっと困ったでしょうねー
でも、やはり正直な気持ちは残念です。

石田彰さんの語りが好きといっても、
私はゲームは一切やりませんし、女性向けのドラマCDも聴きません。乙女向けのサンプルも聴いてみたのですが、口から砂。。いや、口から得体の知れないじゃもじゃみが出そうになりました(笑)乙女物は、乙女心を有している方にお任せしましょう^^
アニメも漫画も嫌いでは無くむしろ好きな方ですが、アニメのイベントとなるとやはり無縁です。テレビもあまり見ませんしね。
そして声フェチというものでもないので、声優さんまるでわかりません。なので声優さんのイベントとやらにもやはりご縁は無いでしょうね~

またこういう朗読会を企画して下さらないのでしょうか~
薄暗い中での語りとかでいいのですが。。
文学ものとか。
泉鏡花や小泉八雲など語ったら面白そう。
お好きならミヒャエル・エンデでも素敵ですよね。モモやネバーエンディングストーリーは長いようでしたら、鏡の中の鏡なら短編ありますし。
いま氷上恭子さんとwebラジオでやってる、『むかしむかしのものがたり』もいいですし。
むかしむかしのものがたり→http://radiotomo.typepad.jp/old/


あとプラネタリウムとか。
hand shadow・影絵劇などとコラボも素敵だと思うんですけどね~

ふ~夢ばかり広がります。


イベントにふられた私のイブは、朝一仕事終わらせお出かけ♪友人たちとたっぷり野菜の美味しいランチの後、

大阪市立東洋陶磁美術館で『ルーシー・リー展』

大阪歴史博物館で『お守り刀展』を思う存分堪能~

あ~どちらもとても素晴らしかったです~^^また後ほど記事にアップしたいと思います。

今回ルーシー・リー展の音声ガイドは樋口可南子さん!
ルーシー・リーの繊細であたたかみのある、それでいて凛とした存在がとても感じられるナレーションで、思わず聴き惚れ、そしてまたこっそり泣きそうになっていました。なんでだ。。
いい作品に出会って、何かその人の思いにふれると、胸がぎゅーっとなります。。
いえっ。人前でなんて絶対泣きませんけどね^^

音声ガイド。やっぱり石田彰さんでナレーション聴いてみたいです。




クラシックドラマCD くるみ割り人形 の感想 やはりクリスマスに感想をね^^

歌舞音響からきしな私が感想もなんなのですが。

指揮 サイモン・ラトル
演奏 ベルリンフィル
合唱 リベラ

石田彰  9役
釘宮理恵 4役

絵本付クラシックドラマCD『チャイコフスキー:くるみ割り人形』紹介


http://www.emimusic.jp/classic/rattle/special/toce56367_interview.htm
とても楽しみにしていたこのCD。
やはりとても良かったです。ベルリンフィルの演奏と、ドラマが入って、2枚組みで、絵本も付いてこの価格。
これは商品として、とても買いだと思いました。

ただ難をいうと、ドラマと演奏がほとんど交互になっているので、私のようについカーっと集中してしまうタイプの人には、途中集中を分断されてしまうと感じるので、盛り上がりきれなくて、ちょっとだけモヤモヤとしてしまうかもしれませんね。
あと、ものをつくる人間からみると、1+1=大っきな1になっていて、いいもの同士が少し相殺しあっているように見えました。大っきな1というだけで、もう価値があるとも思いますが。。
さらにお互いが本当に生かしきれれば1+1が2でも3にでもなる内容では無いかと思ったもので、ここに留まらずにいて欲しい、次回への期待が高まります。

もうこのCDどれだけ聴いたかわかりません。
私は、眠る前にほわほわと聴くことが多いのですが、ご家族で、お子さんと、暖炉でぽかぽかしたようなゆっくりした時間にとても似合う素敵な作品になっていると思います。
サイモン・ラトル氏の指揮?の印象がとても軽やかなので尚更です。私はリベラの合唱の入っているところが、ぐっとクリスマス色を濃くしてくれてさらに好きなんですよね。

クララの釘宮さんは唯一知っていた声優さんです。昔2回ほどちらりと見たことのあるアニメで、黒い麒麟の男の子の役をされていて、深く印象に残っていました。
今回もとても可愛いクララとお母さん役で、素敵でした。
クララはなかなか現実と向き合うことの出来ない一面をもった少女でしたが、夢を持ちつつもそれを現実に実現していくという強い少女に成長していく姿が表現されています。

そして石田さんのナレーション。素晴らしかったです。私一歩まちがえるとこのCD、演奏とお話の間にイライラしてしまって聴けなかったかもしれません。
ですが彰さんのお話の導入部がとても自然なんですよね~
そして優しい語りに安心して聴くことができます。
役柄としてはお父さんの役に注目してしまいました。
クララが映すお父さんの姿は、ただ頑ななだけの城主に重なって。
でも実際のお父さんは、娘を心配しあたたかくも厳しく接している様子があり。。うまく言葉にならないけれど。。
よかったです^^

ほわほわと心あたたまる。
クリスマスにぴったりな作品になっていると思います。