一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

用の美へ。。

2010-05-01 00:42:49 | ガラス帯留・他-作品群-
古くより截金は主に仏像・仏画・社寺荘厳に施されてきたもので、実は実用のお道具などの装飾には適していません。
厳密には仏像・仏画類も修法などに使われる為のもので、用の美とも言えない事はないのですが、少し特殊なので、別に考えて頂きたいと思います。

截金は通常、膠とふのりで接着されています。
ですので、当然手で触ると簡単に剥げ落ちてしまうので、実用品には適さないという訳なんです。
箱などに装飾され、いわゆる工芸品とよばれるようになったのは、ごく近年のことになります。一般の工芸の世界では、まだよちよちの赤ちゃんとも言えるのかもしれません。



神仏という尊いものに奉じる。

ずっとそんな気持ちで截金に取り組んできました。

でも民芸の世界に出会い。
その用の美に魅せられてからは、人。というものに使って頂きたい。と、切に願うようになりました。人に使われる事で、はじめて完成される美。。

人に奉じてもよいでしょう?人だって尊い生命ですよね?
人の傍近く、日用というごく身近に、截金という工芸が息づいていけること。私は素敵なことだと思うのです。。

荘厳の美と用の美。
私にとって、尊いという意味では、同じベクトルで違いはありません。
しかし用途が違います。
ここはキッチリと分け、きちんと2本を立てて行きたいと思っています。


楽しみで作ってみたもの。
人のイメージがあると、とても作りやすいんですよね^^







わざと気泡が入ったりするのが面白いです。
赤はむずかしい~


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